本記事では、家の擁壁(ようへき)について解説します。
- 擁壁工事の費用相場
- 擁壁の種類と選び方
- 擁壁で押さえておくべきポイント
土地購入から家づくりを始める方は「土地の探し方」もご覧ください。
Contents
1.擁壁とは何か?相場・補助金から耐用年数まで
1-1.擁壁とは
擁壁とは、斜面に作る壁状の構造物です。
敷地内に高低差があるとき、斜面の部分に擁壁を作り、地面が崩れないように補強をします。
擁壁を作っておけば、大切な住宅を長持ちさせるだけでなく、敷地が高くなる分、日当たりを良くすることも可能です。
1-2.【種類・高さ別】擁壁工事の費用目安
擁壁をゼロから作るには数十万円〜数百万円かかります。
「構造」によって費用が異なる
ハウスメーカーにもよりますが、一般的に無筋コンクリート造や練積み造の擁壁は、鉄筋コンクリート造よりも費用が安価です。
種類 | 費用目安(/平米) |
---|---|
鉄筋コンクリート造 | 2.5万~10万円程度 |
無筋コンクリート | 2万~5万円程度 |
練積み造(間知) | 2.8万~4.5万円程度 |
擁壁を作る場所の「勾配がきつい場合」や、隣接した道路が狭く「工事車両が入りにくい場合」は、作業の手間と時間が増えるため、費用もその分かさみます。
「高さ」によって費用が異なる
また、擁壁の費用は「高さ」によっても変動します。
擁壁の高さ | 費用目安(/平米) |
---|---|
2メートル以下 | 5万円程度~ |
3メートル | 7万円程度~ |
擁壁は高さが高いほど割高になる傾向にあるので、念頭に置いておきましょう。
すでに擁壁がある場所に作り直す場合には、撤去費用がかかるため、通常の擁壁工事費用に数百万円加算されることが一般的です。
耐久性には問題はないものの、一部補修が必要な擁壁に関しては1平米あたり1万〜2万円程度の費用がかかります。
家を建てる際や、建て替えの際にかかる工事費用に関しては下記記事も参考にしてください。
1-3.擁壁工事には自治体の補助金や助成金制度がある
自治体によっては、擁壁造成時に利用できる補助金や助成金制度を設けていることがあります。
例えば、横浜市では以下のような助成金を支給しています。
条件 | 内容 |
---|---|
申請受付期間 | 令和6年12月27日まで |
助成額 |
|
参照:横浜市役所建築局企画部「横浜市崖地【防災】対策工事助成金制度について」
お得に家が建てられるよう、利用できる制度は活用してみてください。
また、家を建てる際にはさまざまな補助金制度があります。詳しくは下記記事をご確認ください。
費用や補助金に関して「難しい」と感じたら、HOME4U(ホームフォーユー)無料プラン作成サービスにお問い合わせください。
1-4.擁壁の耐用年数は20~50年
擁壁の耐用年数は一般的に「20~50年」とされていますが、厚さや排水状況によって変わります。
2.擁壁の種類と選び方
宅地造成等規制法で、擁壁は以下3つの構造のものと定められています。
大きな違いは「擁壁の強度」と、「設置する際のコスト」です。
- 鉄筋コンクリート造
- 無筋コンクリート造
- 練積み造
それぞれに解説します。
2-1.鉄筋コンクリート造
選ぶ基準・・・強度の高い擁壁を作りたい方、敷地を有効活用したい方
鉄筋コンクリート造はコンクリートに鉄筋を埋め込んで作られたものです。
強度が高く耐震性に優れていることに加え、垂直に近い擁壁を造る事ができるため敷地を有効的に使えます。
鉄筋コンクリートの擁壁工事の主な工法は、「L型」「逆L型」「逆T型」の3つがあります。
2-2.無筋コンクリート造
選ぶ基準・・・コストを抑えたい方、地盤が安定している土地に高さの低い擁壁を作りたい方
無筋コンクリート造はコンクリートに鉄筋を埋め込まずに作られたものです。
耐震性・耐久性は鉄筋コンクリートより劣りますが施工が容易であり、コストも抑えられます。
ただし、地盤が不安定な土地には作る事ができず、高い擁壁を作る場合には逆に費用がかかってしまうため注意が必要です。
2-3.練積み造
選ぶ基準・・・コストを抑えたい方
コンクリートブロックを積み上げて、モルタルやセメントで接合し造られたものです。
一般的な擁壁の構造となり、主に間知石(けんちいし)や間知ブロックが使われています。
鉄筋コンクリートよりコストを抑えることができますが強度は鉄筋コンクリートよりも劣り、建築範囲の制限がかかることもあります。
3.擁壁に関して知っておきたいポイントや注意点
擁壁のある土地を買う際に知っておきたいポイントは、以下のとおりです。
- 土地代に擁壁工事費が含まれているか確認する
- 地盤調査をしてリスクのない擁壁工事をする
- 擁壁が現行の基準を満たしているか確認する
- 擁壁の傷み具合を確認する
- 耐用年数・メンテナンス費用を把握しておく
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
3-1.土地代に擁壁工事費が含まれているか確認する
分譲地の場合、擁壁工事費用は土地代に含まれていることが一般的ですが、その他の宅地の場合は土地代とは別に擁壁工事費を請求されることがあります。
擁壁工事には数百万円かかることも少なくなく、予算オーバーの要因にもなってしまうので、土地を購入する際には、必ず土地代に擁壁工事費が含まれているかを事前に確認しましょう。
3-2.地盤調査をしてリスクのない擁壁工事をする
土地の状態によっては、擁壁工事による地盤沈下が起こるおそれもあります。
擁壁工事を行う前に地盤調査をして、トラブルのリスクを減らしましょう。
地盤調査や地盤改良工事にかかる費用については、下記記事をご覧ください。
3-3.擁壁が現行の基準を満たしているか確認する
擁壁工事済みの物件の場合でも、擁壁が現行の建築基準法を満たしているかを、ハウスメーカー等に確認した方がよいでしょう。
現行の基準を満たしていないときは、擁壁を撤去して再度施工する必要があります。
通常の擁壁工事よりも工事費が高くなってしまうので、注意が必要です。
3-4. 擁壁の傷み具合を確認する
購入した土地や不動産の擁壁に損傷があるときは修繕費用が発生します。
次のいずれかの状態が見られるときは、修繕工事が必要かもしれません。
- 大きなひび割れ、亀裂などがある
- 水抜き穴から茶色の水が出ている
- 擁壁の隙間が白く変色している
- 排水がうまくいっていないため、擁壁面全体が濡れている
- コケが生えている
参考:国土交通省「宅地擁壁老朽化判定マニュアル(案)」
まだ土地購入が済んでおらず、どのような土地を選ぶか迷ったときは、下記の「土地の探し方」の記事も参考にしてください。
3-5.耐用年数・メンテナンス費用を把握しておく
擁壁も住宅と同じく耐用年数があります。
一般的に20〜50年といわれていますが、擁壁の厚さや排水状況によっては耐用年数が短くなることもあるので注意が必要です。
また、ひび割れや亀裂などが生じたときは、早めに補修工事をすることで再工事の時期を遅らせることができます。
メンテナンス費用については、事前にハウスメーカーに問い合わせておくと安心です。
せっかくいい土地に出会っても、建てたい家のイメージが決まっていないと「本当にこの土地でいいのか」と迷いが生じ、なかなか契約に踏み切れず、注文住宅の完成が遅れてしまいます。
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この記事のポイント まとめ
擁壁を作るには数十万円〜数百万円がかかります。
構造別の費用です。
種類 | 費用目安(/平米) |
---|---|
鉄筋コンクリート造 | 2.5万~10万円程度 |
無筋コンクリート | 2万~5万円程度 |
練積み造 | 2.8万~4.5万円程度 |
詳しくは「1-2.【種類・高さ別】擁壁工事の費用目安」をご覧ください。
- 鉄筋コンクリート造・・・強度の高い擁壁を作りたい方、敷地を有効活用したい方
- 無筋コンクリート造・・・コストを抑えたい方、地盤が安定している土地に高さの低い擁壁を作りたい方
- 練積み造・・・コストを抑えたい方
詳しくは「2.擁壁の種類と選び方」をご覧ください。
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