自宅用の太陽光発電システム導入時には、国や自治体が補助金制度を設けていることがあります。
「注文住宅に太陽光発電システムを導入したいけれど、設置費用が高く予算に組み込めなさそう」と悩んでいる方は、ぜひこの記事で補助金制度につて情報を整理しておきましょう。
2024年1月時点では、太陽光発電システムの導入だけで国からの補助金を申請することはできませんが、住宅の性能や住むエリアによっては、補助金制度を利用することが可能です。補助金は原則として返済不要のため、費用面の負担を軽減することができますよ。
- 太陽光発電システムの導入にはZEHがおすすめ
- 自治体ごとに太陽光補助金制度を設けている場合がある
- 設置工事に依頼先が指定されているケースがある
- メンテナンス費用も考慮して導入する
この記事では、太陽光発電の導入に活用できる補助金制度について、次の情報をまとめました。
- 国の補助金制度(ZEH)
- 自治体の補助金制度
- 補助金制度の申込条件
- 補助金制度の申請の流れと各手順の概要
また、昨今は電気代やエネルギーを取り巻く状況が変化しているため、太陽光発電の必要性も高まっている状況です。そこで、2024年こそ太陽光発電を導入すべき理由も解説します。
太陽光発電システムに関する補助金制度の情報を事前に整理し、お得に省エネ性の高い注文住宅を手に入れましょう。
ぜひ最後までご覧いただき、満足できる注文住宅を完成させてください。
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注文住宅で活用できる補助金全般について知りたい方は「新築の補助金」の記事もご覧ください。
※この記事の内容は2024年1月時点の情報です。
Contents
1.太陽光発電関連の補助金制度について知っておきたいこと
2024年1月時点、太陽光発電システム導入だけで利用できる国の補助金制度はありません。
しかし、蓄電池システムなどの周辺設備も同時に導入するのであれば、申請可能な補助金制度は存在します。
また、補助金制度は自治体でも実施していることがあります。
なお、どのような補助金制度にもいえることですが、補助金制度の申請を検討する際には、各公式ホームページをこまめにチェックし、常に最新情報を整理しておくことが大切です。
住宅用太陽光発電の仕組みと設置・維持費用は?設置は新築時・建築後のどちらがよい?
2.太陽光発電+住宅条件で申請できる【国の補助金】
国の補助金制度を活用したいときには、太陽光発電システム導入とともに、いくつかの住宅の条件を満たす必要があります。
おもな国の補助金制度は以下のとおりです。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、「エネルギー収支をゼロ以下にする家」のことで、家庭で使用するエネルギーと太陽光発電などで作るエネルギーを合わせ、年間消費エネルギーの量を実質的にゼロ以下にします。
上記補助金制度はいずれも太陽光発電システムの導入と同時に、蓄電池などの関連設備を導入することを条件に申請できます。受給金額や対象住宅は以下の表をご覧ください。
各補助金制度の受給金額・条件(2023年) | ||
---|---|---|
補助金制度 | 受給金額 | 対象住宅 |
ZEH支援事業 | 55万~100万円 | ZEH/Nearly ZEH/ZEH Oriented/ZEH+/Nearly ZEH+ |
次世代ZEH(注文・建売・TPO)実証事業 | 100万円 | ZEH+/Nearly ZEH+ |
次世代HEMS実証事業 | 112万円 |
次より、ZEH補助金の対象となる方や、申請条件、補助額への加算条件などを詳しく解説します。
参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「2023年の経済産業省と環境省のZEH補助金について」
2-1.ZEH支援事業
※以下は2023年の情報です。2024年の情報は公表され次第更新いたします。
ZEH支援事業の詳細 | |
---|---|
対象者 | 新築住宅を建築・購入する個人 |
申請条件 |
なおかつ、次の条件を満たすと「ZEH+支援事業」の対象
|
対象住宅 |
|
補助額 |
【ZEH/Nearly ZEH/ZEH Oriented】 【ZEH+/Nearly ZEH+】 |
加算対象 |
|
*1 寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る
*2 都市部狭小地の二階建以上及び多雪地域に限る
ZEH支援事業とは、「ZEH」を建築あるいは購入するときに、一定の条件を満たすと申請できる補助金事業です。
ZEHだけでなく、寒冷地、低日射地域、多雪地域にある「Nearly ZEH」や、都市部狭小地かつ多雪地域にある2階建て以上の「ZEH Oriented」も補助金支給の対象となります。
また、上記よりも高い省エネ性能を持つ「ZEH+」「Nearly ZEH+」の場合には、補助金額がさらに高額になります。
2-2.次世代ZEH+(注文住宅)実証事業
※以下は2023年の情報です。2024年の情報は公表され次第更新いたします。
次世代ZEH+(注文住宅)実証事業の詳細 | |
---|---|
対象者 | 新築住宅を建築する個人 |
申請条件 |
|
対象住宅 |
|
補助額 |
|
*1 寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る
次世代ZEH+(注文住宅)実証事業とは、ZEH+の基準を満たし、なおかつ燃料電池やV2H充電設備などを導入しているときに適用される補助金制度です。
基本の補助額が100万円と高額なだけでなく、対象システムを導入することで補助金がさらに加算される点が特徴です。
次世代ZEH+(注文住宅)実証事業では太陽光発電システムを導入することも条件となるため、比較的利用しやすいでしょう。
2-3.次世代HEMS実証事業
※以下は2023年の情報です。2024年の情報は公表され次第更新いたします。
次世代HEMS実証事業の詳細 | |
---|---|
対象者 | 新築住宅を建築する個人 |
申請条件 |
|
対象住宅 |
|
補助額 |
|
*1 寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る
次世代HEMS実証事業とは、ZEH+の基準を満たし、エネルギー効率を最適化するHEMSシステムを導入するときに適用される補助金制度です。
Home Energy Management Service 略。
家庭内で使用している電気機器の使用量や稼働状況を可視化し、電力使用の最適化を図る仕組み。
基本の補助額が112万円と高く、なおかつ対象設備を導入することで補助額がさらに増えます。
次世代HEMS実証事業では、太陽光発電システムを導入することが制度適用の前提となります。太陽光発電システムを導入し、AIを活用したさらなる省エネを目指すときに検討したい制度です。
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3.太陽光発電導入で申請できる【自治体の補助金制度】
自治体の中には、独自に太陽光発電システムや蓄電システムの導入に対し、補助金制度を実施していることがあります。
また、自治体の補助金制度は、補助金の原資が国庫でなければ2章でご紹介した国の補助金制度との併用が可能です。
ただし、自治体の補助金制度であっても原資が国庫だったり、早々に予算が終了し、短期間で打ち切られたりすることもあります。こまめにお住まいの自治体のホームページなどを確認し、最新の情報を入手するようにしましょう。
以下より、自治体の補助金制度の一例をご紹介します。
3-1.埼玉県
事業名 | 【令和5年度】住宅における省エネ・再エネ設備導入支援事業補助制度 |
---|---|
補助金額 |
|
期間 | 2024(令和6)年2月20日まで ※太陽光発電設備への補助は2023(令和5)年10月26日に募集締切 |
参考:埼玉県「【令和6年度】家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」
埼玉県では、自身が住む新築・既存住宅において、新たに省エネ・再エネ設備を導入する際に補助金を交付しています。
太陽光発電設備はすでに募集を締め切っていますが、蓄電池、V2H充放電設備、エネファーム(家庭用燃料電池システム)に関しては、条件を満たせば1件につき10万円の補助金を支給してもらえます。
3-2.東京都
事業名 |
|
---|---|
補助金額 |
|
期間 | 2023(令和5)年4月3日~2024(令和6)年3月29日 |
参考:東京都「太陽光発電設備の設置に対する東京都の助成事業」
東京都では新築住宅に太陽光パネルを設置する場合、1kWあたり12万円(上限36万円。3.6kW超の太陽光パネルは1kWあたり10万~11万円)の補助金を支給しています。
また、既存住宅に太陽光パネルを設置する場合は1kWあたり15万円(上限45万円。3.75kW超の太陽光パネルは1kWあたり12万円)の補助金額となります。
他にも蓄電システムや太陽熱利用システムの導入費用の補助金事業を実施しているので、都のホームページや窓口で確認しておきましょう。
3-3.神奈川県相模原市
事業名 | 住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金 |
---|---|
補助金額 |
|
期間 | 第1期:2023(令和5)年9月1日~9月29日※受付終了 第2期:2024(令和6)年2月1日~2月29日(必着) |
参考:神奈川県相模原市「住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金」
神奈川県相模原市の「住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金」では、2つのコースを設けています。
ZEHコースは、国・県の補助事業を受けているZEH、LCCMを対象にしたコースです。
自家消費コースは、太陽光発電システムや定置用リチウムイオン蓄電池、V2Hの設備を設置した際に申請できるコースです。
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3-4.愛知県
事業名 | 愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金(市町村との協調補助) |
---|---|
補助金額 | 市町村によって異なる |
期間 | 市町村によって異なる |
参考:愛知県「愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金」
愛知県では、太陽光発電システムや蓄電システム、太陽熱利用システム、断熱窓などの地球温暖化対策に関連する設備を導入するときに費用の一部を補助する「愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金」を実施しています。
例えば、名古屋市では「令和5年度 住宅等の低炭素化促進補助」を実施しており、ZEHの新築においては1件あたり10万円の補助金を受け取ることができます。
補助対象の設備・募集期間・補助額・申請条件は市町村によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
3-5.青森県六ヶ所村
事業名 | 六ヶ所村住宅用新エネルギー設備導入支援事業 |
---|---|
補助金額 | 1kWあたり4.8万円(上限24万円) |
期間 | 2023(令和5)年4月1日~2024(令和6)年3月15日(対象機器等の設置及び施工前の申請) |
参考:六ヶ所村「六ヶ所村住宅用新エネルギー設備導入支援事業のお知らせ」
青森県六ヶ所村では、太陽光発電システムを導入した場合、1kWあたり4.8万円(上限24万円)の補助金支給の対象となります。
その他、ガスエンジン給湯暖房機(エコウィル)や潜熱回収型給湯器(エコジョーズ)、ハイブリッド給湯暖房機(ECO ONE)、CO2冷却ヒートポンプ給湯器(エコキュート)などの設置も補助金の対象となるので、気になる方はチェックしてみてください。
3-6.兵庫県芦屋市
事業名 | 【令和5年度】太陽光発電及び蓄電池設備の共同購入支援事業 |
---|---|
補助金額 | 4万円 |
期間 | 2023(令和5)年6月1日~2024(令和6)年3月29日 |
参考:芦屋市「芦屋市住宅用太陽光発電システム・蓄電システム・V2H充放電設備設置費補助について」
兵庫県芦屋市では、2023(令和5)年1月1日から2024(令和6)年3月29日までの間に設置工事を終えたものに関して、太陽光発電システムや蓄電システム、V2H充放電設備の新たな設置に対し、費用の一部を補助しています。
ただし、申請時点で公益財団法人ひょうご環境創造協会の補助金を受けていない場合には交付の対象とならないなど注意点があるため、検討する際にはあらかじめ問い合わせ窓口で確認しておきましょう。
3-7.広島県広島市
事業名 | 広島市家庭用スマートエネルギー設備設置補助金 |
---|---|
補助金額 | 3万円/台 |
期間 |
【家庭用燃料電池及び家庭用蓄電池】 【V2H充放電設備】 |
参考:広島市「広島市家庭用スマートエネルギー設備設置補助金について(家庭用燃料電池、家庭用蓄電池、V2H充放電設備設置補助金)」
広島市では、次のいずれかに該当する場合、補助金交付の対象となります。
- 住宅に家庭用燃料電池または家庭用蓄電池を設置する工事
- 家庭用燃料電池または家庭用蓄電池、V2H充放電設備が設置された住宅を購入
募集台数は520台と限りがあるので、検討中の方はお早めに行動してください。
3-8.福島県
事業名 |
|
---|---|
補助金額 |
|
期間 |
|
参考:福島県「福島県住宅用太陽光発電設備等導入支援補助金」
福島県では、太陽光発電システム、蓄電池システム、V2Hシステムの導入時に利用できる補助金事業を実施しています。
この事業は福島県内の市町村で実施している太陽光関連の補助金事業と併用できるため、お住まいの自治体によっては補助金額が加算されることがあります。
以上が、自治体ごとの補助金制度です。
上記はあくまで一例で、多くの自治体ではこのような補助金事業を展開しています。
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4.太陽光発電の補助金制度申請の流れ
新築住宅に太陽光発電システムを導入し、補助金制度に申請する際には、たいていハウスメーカーが申請を代行してくれます。
しかし、家づくりのスケジュールを把握するためにも、大まかな流れは知っておきたいところです。
太陽光発電の補助金制度を利用する場合、一般的に以下のような流れで申請します。
- ハウスメーカーを選ぶ
- 申請書類を提出する
- 交付決定通知書を受け取る
- 工事着工
- 実績報告書を提出する
- 補助金の入金を確認する
各手順の概要も掘り下げたので、一緒にご確認ください。
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4-1.ハウスメーカーを選ぶ
まずは設備費用や施工実績などをチェックしたうえで、依頼先のハウスメーカーを選定します。ホームページやパンフレットはもちろん、SNSや口コミサイトも有用な情報源です。
なお、ZEH補助金の申請のためには、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)の登録企業を選ぶ必要があるので、あらかじめ注意しましょう。
4-2.申請書類を提出する
ハウスメーカーとの打ち合わせを通じて設計や費用のプランが決まったら、次は申請書類を作成します。交付申請書・誓約書・見積書・事業実施計画書などが該当しますが、補助金によって提出すべき書類は異なるため、ハウスメーカーにも確認してもらいたいところです。
申請書類を一通り作成・準備したら、漏れやミスがないかチェックしてから自治体へ提出しましょう。
4-3.交付決定通知書を受け取る
申請書類に不備がなければ、自治体から「交付決定通知書」が送付されるので受け取りましょう。この通知書が発行されると、補助金の交付が確定したことになります。
4-4.工事着工
着工のタイミングは、補助金の交付が確定したあとです。交付決定通知書を受理したことを確認できたら、太陽光発電システムの設置工事が始まります。
なお、工事の内容やスケジュールについては、ハウスメーカーや施工担当者に確認しましょう。
4-5.実績報告書を提出する
竣工後の確認作業や引き渡しの手続きが済んだら、住宅の引き渡しと同時に建築費や設備費を支払いましょう。決済が完了すると、ハウスメーカー側で実績報告書を作成し、SIIに提出します。
4-6.補助金の入金を確認する
実績報告書に不備がなければ、引き渡し完了から2ヵ月~半年程度で補助金が振り込まれます。ハウスメーカーに建築費や設備費をいったん支払い、のちほど補助金を受け取るという流れなので、最初から補助金の交付分が差し引かれるわけではありません。
また、同じ補助金への申請者が多かったり、書類内容に不備があったりすると、入金に時間がかかりやすい点にも注意しましょう。
5.2024年こそ太陽光発電を導入すべき理由
太陽光発電を導入する場合、2024年は以下のような理由からベストタイミングといっても過言ではありません。
- 電気代が高騰しているため
- 「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が上がるため
- 太陽光発電システムの設置費用が安いため
- 太陽光パネルの性能が上がっているため
- 災害リスクに備えられるため
理由をそれぞれ詳しく解説します。
5-1.電気代が高騰しているため
ロシアのウクライナ侵攻や急激な円安による世界情勢の不安定化、新型コロナウイルス感染症の規制緩和にともなう電力需要の急増などが原因で、世界的に燃料価格が高騰しています。
多くの原発が稼働していない現状、日本は火力発電がメインとなっていますが、それに欠かせない天然ガス・石炭・石油といった化石燃料は不足しつつあります。需給バランスの悪化によって燃料価格が上がっているため、消費者が支払う電気代もオイルショック発生時に匹敵するほど高騰している状況です。
ここで太陽光発電システムを導入すれば、太陽から得られるエネルギーで発電した電気を家庭用もしくは事業用に使うことができます。自家消費で賄った分の電気は電力会社から購入せずに済むため、結果的に電気代を節約できるのです。
また、電気の自家消費は電線を通さないので、エネルギーロスを抑制できるというメリットもあります。
5-2.「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が上がるため
「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」とは、電気代の一部として消費者が負担する費用のことです。再生可能エネルギーの普及を目的に、国は消費者から集めた費用を使って太陽光発電などで作り出した電気を買い取っています。
実際に消費者が支払う金額は「再エネ賦課金単価」に基づいて決まりますが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で2023年度の単価は1.40円に引き下げられました。2022年度の単価は3.45円なので、半額以下まで減少したことになります。
しかし、経済産業省が2024年3月に公表したニュースリリースによると、2024年度の単価は3.49円と過去最高金額に上昇しています。電気の使用量にもよりますが、電気代の負担が重くなることは避けられません。
太陽光発電システムを使って自前で電気を作れば、その分だけ電気代を抑えられるので、再エネ賦課金の負担増もある程度カバーできるようになります。
5-3.太陽光発電システムの設置費用が安いため
売電価格の低下にともない、太陽光発電システムの設置費用は年々下がっています。ハウスメーカーや施工内容によっても変動しますが、2019年以降は毎年5,000円~1万円前後のペースで安くなっている状況です。
2019~2024年度の設置費用相場を表形式でまとめたので、こちらも併せてご確認ください。
年後 | 設置費用相場(円/1kw) |
---|---|
2019年 | 30.5万円 |
2020年 | 29.2万円 |
2021年 | 27.5万円 |
2022年 | 26.7万円 |
2023年 | 25.9万円 |
2024年 | 25.5万円 |
参照元:経済産業省「令和5年度以降の調達価格等に関する意見 P22~P23」
5-4.太陽光パネルの性能が上がっているため
最近の太陽光パネルは発電効率が上がっているので、少ない面積でも多くの電気を生産できます。つまり、狭い屋根に設置しても十分な発電量を確保できるため、コストパフォーマンスが向上しているということです。
また、海外製の太陽光パネルは価格が安い分、性能はそこそこという製品が多かったので、不安視する方も多く見受けられました。しかし、最近は海外製でも日本製と性能がそう変わらないレベルに到達しているため、低予算で高品質の太陽光パネルを導入することが可能です。
5-5.災害リスクに備えられるため
日本は地理的位置の関係上、地震や台風といった自然災害が頻繁に発生しやすいため、災害リスクへの対策は必須です。2024年初頭も地震による大規模な停電が発生し、復旧にかなりの時間がかかりました。
太陽光発電システムを導入することで、電力供給がストップしても日中なら自ら発電できるので、災害時の非常用電源として役立ちます。冷暖房機器や冷蔵庫はもちろん、安否確認や情報収集に欠かせないスマートフォンの充電器も利用できるので安心です。
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6.太陽光発電の補助金制度利用時の注意点
太陽光発電を取り巻く情勢は常に変化しています。
補助金事業が突然打ち切りになることもあるので、利用できる制度があるときは早期検討と申請が不可欠です。
その他にも、太陽光発電関連の補助金制度を利用するときには注意したい点がいくつかあります。
以下より1つずつ見ていきましょう。
6-1.蓄電システムの導入が条件となることが多い
太陽光関連の補助金制度は、蓄電システムの導入が条件となることが多いです。
これは、補助金制度の目的として、ピークシフトや災害対策が掲げられていることが多いためです。
蓄電システムがあると、停電時などに電気を使用できるだけでなく、夜間の安価な電気を貯めておくことができるので電気代削減にもつながります。太陽光発電システム導入時には、ぜひ蓄電システムの導入も検討してみましょう。
6-2.事業者が指定されていることが一般的
自治体の補助金制度を利用するときは、工事を依頼する事業者が指定されていることが一般的です。
通常は自治体内に事業所のある事業者などが指定されているので、確認しておきましょう。
6-3.着工前に補助金申請が必要
原則として、着工前に補助金申請が必要です。
太陽光発電システムなどを導入するときは、同時に自治体にも問い合わせておきましょう。
6-4.売電による利益は今後あまり期待できない
売電価格は年々下がっているため、太陽光発電システムを導入しても売電による利益は想像より高くないかもしれません。
ただし、太陽光発電システムがあれば、電気が使えないときの災害対策や、毎月の電気料金の削減が叶います。
蓄電池があれば、より高い電気料金の削減効果が期待できるでしょう。
6-5.システムメンテナンスに費用がかかる
太陽光発電システムは、導入後、1年後、5年後、9年後にメンテナンスが必要です。
設備や規模によってメンテナンス費用の相場は異なりますが、いずれにしてもメンテナンスはプロに委託するため費用がかかります。
維持費を考慮したうえで、太陽光発電システムを導入しましょう。
まとめ
太陽光発電システムや関連設備を導入する際には、国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。
原則として着工前の申請が必要なため、ハウスメーカーに相談しながら慎重に検討を進めていきましょう。
この記事のポイント
2024年1月時点では、国による補助金制度はありません。
しかし、住宅性能によっては補助金申請することが可能です。
また、自治体によっては、太陽光発電システムの導入に関する補助金制度を用意していることがあります。
詳しくは「2.太陽光発電+住宅条件で申請できる【国の補助金】」や「3.太陽光発電導入で申請できる【自治体の補助金制度】」で解説しています。
「3-1.埼玉県」では、以下の補助金が受け取れる制度を解説しています。
- 太陽光発電設備7万円/kW(上限35万円)
- 蓄電池・V2H充放電設備・エネファーム10万円/件
「3-2.東京都」には「東京ゼロエミ住宅」「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という補助金制度があります。それぞれ1kWあたり12万~15万円の補助金を受け取ることができます。
「4.太陽光発電の補助金制度申請の流れ」で以下の手順を解説しています。
- ハウスメーカーを選ぶ
- 申請書類を提出する
- 交付決定通知書を受け取る
- 工事着工
- 実績報告書を提出する
- 補助金の入金を確認する
- 電気代が高騰しているため
- 「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が上がるため
- 太陽光発電システムの設置費用が安いため
- 太陽光パネルの性能が上がっているため
- 災害リスクに備えられるため
詳細は「5.2024年こそ太陽光発電を導入すべき理由」をご覧ください。