年収300万円で住宅ローンはいくら借りられる?審査のポイントを解説

年収300万の物件購入 住宅ローンの借り入れ上限は?

年収300万円でも、住宅ローンを組んで家を建てたいと考えている方もいるでしょう。この記事では、年収300万の方が住宅ローンを組んで家を買う際に借りられる住宅ローンの目安や、住宅ローンを通りやすくするポイントなど、以下の内容について解説します。

この記事でわかること
  • 年収300万円で住宅ローンは可能なのか
  • 住宅ローンに通りやすくなるポイント
  • 住宅ローン返済に役立つ対策

記事を参考にして、理想の家を建てられるようにしっかり準備しましょう。

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1.年収300万円で住宅ローンは可能?

年収300万円で住宅ローンは可能? イメージ

まずは、年収300万で住宅ローンを組むことが可能なのか、について解説します。

1−1.年収300万円でも住宅購入は可能

結論からいうと、年収300万でも住宅ローンを組んで住宅を買うことは可能です。住宅金融支援機構が公表している「フラット35利用者調査(2022年度)」によると、フラット35を利用して住宅を購入した人の世帯別年収データでは、年収400~599万円の世帯が約4割と最も多くを占めてはいますが、年収400万円未満の世帯も全体の2割存在しているため、たとえ年収300万円であっても、家を建てることは可能です。

参考:住宅金融支援機構「PDF 2022年度 フラット35利用者調査

1−2.借入金額の目安

では、実際に年収300万円の方が住宅ローンでいくらまで借りられるのかについても見ていきましょう。借入金額を検討する際に目安となるのが、年収倍率と返済負担率の2つです。

年収倍率とは、物件価格が年収の何倍にあたるのかを示した数値で、一般的に5〜6倍が無理なく返済できる目安とされています。そのため、年収300万円であれば、1,500万〜1,800万円が妥当な借入金額といえます。

一方の返済負担率とは、収入に対するローン返済額の割合のことです。(年間の返済額合計 ÷ 年収)÷ 100で算出でき、たとえば年収300万円の方が年間60万円のローン返済を行う場合、返済負担率は20%となります。なお、フラット35では年収300万円の場合、審査基準の返済負担率は30%が限度です。

たとえば、年収300万で希望融資額1,800万円、金利が3%、返済期間35年と仮定した場合、返済負担率は27.7%にとなるため、審査に通過できる可能性があります。

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1−3.頭金の目安

頭金とは、物件の売買契約成立後に引き渡しまでの間に支払う費用です。頭金の相場は物件価格の10〜20%程度になります。頭金を多く入れることで住宅ローンの借入金額を減らせ、金利支払いを抑えられる点がメリットです。2,000万円の家を買うのであれば、200万〜400万円程度があると安心です。

もちろん、頭金を用意せずに、物件価格の全額を住宅ローンで借りるフルローンを組んで住宅を購入することも可能です。しかし、その場合は返済額も上がるため、しっかりと資金計画を立てておくようにしましょう。

1−4.全費用の具体的な内訳

家を買う際には、そのほかにもさまざまな費用が発生します。たとえば、売買契約時に現金で支払う手付金のほか、仲介手数料や印紙税などの諸費用が必要です。手付金の額は物件によって異なりますが、物件価格の5〜10%が相場で、2,000万円の家を買うのであれば、100万〜200万円になります。

諸費用としては、以下のような費用があります。

  • 仲介手数料
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 住宅ローンの保証料
  • 住宅ローンの融資手数料
  • 火災保険・地震保険料
  • 不動産取得税

諸費用の相場は、物件価格に対して新築物件は3%〜7%に相当する金額です。2,000万円の家を買うのであれば、60万〜140万円になります。

住宅購入費用以外に発生する費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 頭金:200万〜400万円
  • 手付金:100万〜200万円(※契約成立後は購入代金の一部に充てられます)
  • 諸費用:60万〜140万円
注文住宅の「諸費用」とは?いつ払う?費用内訳や相場を解説

2.住宅ローン審査の主な流れ

住宅ローン審査には、大きく分けて事前審査と本審査の2つがあります。それぞれの審査をクリアする必要があるため、審査スケジュールをあらかじめ把握しておき、スムーズに手続きを行えるように準備しましょう。

住宅ローン審査の主な流れは以下のとおりです。

  1. 金融機関の住宅ローン事前審査
  2. 売買契約
  3. 住宅ローン本申し込み
  4. 本審査
  5. 住宅ローンの承認/契約
  6. 融資実行・決済

住宅ローンの事前審査とは、本審査前に行われる審査のことです。事前審査では、自己資金の割合や年収のほか、職場の勤続年数などがチェックされる傾向にあります。この事前審査を通過しないと、売買契約手続きに進めません。

金融機関によって異なりますが、住宅ローンの事前審査にかかる日数は、約1週間が目安です。事前審査の承認後に本審査へ進みます。

住宅ローンの本審査では、希望物件の詳細情報や申込者の人柄、団体信用生命保険(団信)に加入するための健康状態などが審査対象です。本審査に要する日数は、10日~2週間程度と考えておきましょう。

なお、事前審査に通った場合でも、本審査に落ちる可能性があるため注意が必要です。仮審査通過後にクレジットカードの支払いを滞納したり、新しく借り入れをしたりした場合などは、本審査に通らなくなる可能性が生じてしまいます。そのため、本審査が終わるまでは確実に支払いを行い、新規借り入れをしないようにしましょう。

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3.住宅ローンを若いうちに組むメリット

.住宅ローンを若いうちに組むメリット イメージ

住宅ローンを組むのであれば、若いにこしたことはありません。若いうちに住宅ローンを組むメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

  • 払った住宅ローン分が財産になる
  • 長期のローンが組める
  • 返済額が少ない
  • 老後の資金に余裕ができる

上記のようなメリットが考えられるため、なるべく若いうちに建てるほうが得することもあります。以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

1つめのメリットは、建物が財産になる点です。賃貸物件に家賃を払い続けていても、最終的に自分の元には何も残りません。その点、戸建住宅を購入して住宅ローンを返済し続ければ、返済が終わったときに自分の財産として手元に残ります

そして、若いうちに住宅ローンを組むと35年と長期ローンが組めることと、毎月の返済額を抑えられる点もメリットです。住宅ローンは、年齢を重ねるほど組めるローンの返済期間も短くなり月々の返済額も多くなります。

たとえば、20代と40代の人が同じ1,800万円を借りるとしましょう。20代は35年ローンで定年までに完済できるため、月々43,000円と利息を支払うことになります。一方、40代は定年を考慮すると25年ローンとなり、月々60,000円と利息を支払うことになります。

また、老後の資金に余裕ができる点も見逃せないメリットです。住宅ローンを定年より早く完済できれば、老後の資金に回せます。現在は65歳定年の会社も多くなってきました。60歳で完済できれば、現役で働ける5年間は住宅ローンを払う必要がないため、そのお金を老後の貯蓄に回すことが可能です。

以上のように、住宅を購入するのであれば、早く住宅ローンを組んで早く完済するほうが、老後の生活にもゆとりが出るため安心できるでしょう。

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4.住宅ローン審査に通りやすくなるポイント

住宅ローン審査に通りやすくなるポイント イメージ

ここでは、住宅ローン審査に通りやすくなるためのポイントを紹介します。主なポイントは、以下の3つです。

  • 頭金をできるだけ準備する
  • 借入期間を長く設定する
  • パートナーとの収入を合算する

自分の理想のマイホームを実現するうえでも、まずは住宅ローン審査に通ることが重要です。以下で解説するポイントをしっかり把握して、万全の体制で審査に臨めるようにしましょう。

4−1.頭金をできるだけ準備する

1つめのポイントが、頭金をできるだけ準備することです。頭金は、住宅ローンにおいて借入額を抑える役割を持っています。そのため、頭金を多く支払えば住宅ローンの審査を有利に進めることが可能です

たとえば、年収300万円の方が3,000万円の物件を購入しようと思った場合、年収倍率が10倍になるため住宅ローンは組みにくくなります。そこで、1,500万円を頭金として用意できれば、借入金額は1,500万円となり年収倍率も5倍に抑えることが可能です。そうすれば、結果的に住宅ローン審査に通りやすくなります。

ただし、マイホームで起こる想定外の事態に備える意味でも、住宅ローン審査に通るために貯金全額を頭金に使うことは避けましょう。生活を維持できる程度の預貯金は確保したうえで、可能な範囲で頭金の額を増やすようにしてください。

4−2.借入期間を長く設定する

住宅ローンの借入期間を長く設定することも住宅ローン審査に通りやすくするうえで重要なポイントです。借入期間を長くすれば、月々のローンの返済負担を抑えられるほか、住宅ローンが借りやすくなるケースがあります。

借入期間20年や30年の住宅ローンと比較して、借入期間35年の住宅ローンを選んだ場合、月々の返済額が少なくなるため、年収が低くても返済負担率を下げることが可能です。ただし、完済時年齢は80歳未満である必要があるため、45歳以上の方の場合は35年ローンを組むのが難しい点には注意しましょう。

4−3.パートナーとの収入を合算する

配偶者と共働きの場合、収入合算を利用することで、審査に通りやすくする方法もあります。収入合算とは、夫の住宅ローンに対して妻が連帯保証人になるなど、夫婦の世帯収入で審査を受ける方法です。

ただし、妻が育休や産休、失業などによって収入が減少したり、離婚して別居することになったりした場合でも、ローンの支払い義務は残ることは、事前に理解しておきましょう。

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5.住宅ローン返済に役立つ対策

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年収300万円で限られた予算の中で住宅ローンを借りる場合に、押さえておきたいポイントを紹介します。住宅ローン返済に役立つ対策は、以下の3つです。

  • 親族からの援助をお願いする
  • 住宅ローン控除を利用する
  • 住宅購入の減税措置を利用する

どれも家計を支えるうえでは有効なものばかりです。有効活用できるように、しっかり理解しておきましょう。

5−1.親族からの援助をお願いする

1つめが、親族に住宅を建てるための資金援助をお願いする方法です。「住宅取得等資金の贈与税の特例」と呼ばれる制度があり、住宅購入のために親や祖父母から資金援助を受ける場合、一般的な住宅は500万円、省エネ等住宅の場合には1,000万円までの贈与税が非課税となります

この制度を使えば、相続税の負担なしで贈与を受けられるため、頭金や手付金の支払いに援助してもらったお金を充てることが可能です。

また、贈与税にも毎年110万円の非課税枠があります。数年に分けて毎年110万円の贈与を受けられれば、マイホーム資金はもちろん、住宅ローンの返済金に充てることも可能です。

参考:国税庁「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

5−2.住宅ローン控除を利用する

2つめが、住宅ローン控除を利用する方法です。住宅ローン控除とは、新築住宅または買取再販住宅を購入した場合の年末時点における住宅ローン残高の0.7%の金額が、13年間にわたり所得税から控除される仕組みを指します。

住宅ローン控除を利用すれば、払い過ぎた所得税が還付されるため、手元の現金を増やせます。そのお金をローン返済に充てれば、無理なく生活を送れるでしょう。

5−3.住宅購入の減税措置を利用する

マイホーム購入にあたり、さまざまな税金がかかります。主な税金としては、印紙税、不動産取得税、固定資産税、登録免許税などが挙げられます。

これらは、一定の要件を満たせば2024(令和6)年3月31日以降の期間においても、軽減措置を受けることが可能です。それぞれ適用条件が異なるため、事前に調べておきましょう。

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6.住宅コストを下げるための工夫

住宅コストを下げるための工夫 イメージ

限られた予算の中で家を建てるのであれば、住宅コストを下げる工夫も必要です。主な工夫としては、以下の3つが挙げられます。

  • コストのかからないハウスメーカーを選ぶ
  • 建物をシンプルな形にする
  • 土地費用を抑える

それぞれ詳しく見ていきましょう。

6−1.コストのかからないハウスメーカーを選ぶ

コストを抑えて家を建てるのであれば、ハウスメーカー選びも重要です。ハウスメーカーの中には、ローコストに特化した規格型の商品もあります。

また、地元密着型の工務店を選ぶのも有効です。工務店であればコストに沿ってより具体的な計画を提示してくれます。とはいえ、予算内で自分のイメージに近い家づくり実現してくれるハウスメーカーの会社を選ぶことが重要なため、じっくりと時間をかけて決めていきましょう。

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6−2.建物をシンプルな形にする

建物をシンプルな形にすることでも住宅コストを下げられます。たとえば、1階と2階の面積が同じ総二階建てにすれば、凹凸のある家に比べてコストを抑えることが可能です。

また、同じ床面積でも、複雑な形状の建物と、正方形・長方形のシンプルな形状の建物では、複雑な構造のほうが表面積は大きくなるため、仕上げ材や下地材などが多く必要になって工事費も割高になります。

そのほかにも、部屋数を少なくしたり、外構をシンプルにしたりすることでコストを抑えることが可能です。部屋数が増えれば、そのぶん壁を作る必要が出て費用がかかってしまいます。外構もシンプルであれば、材料費も最低限で済むでしょう。

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6−3.土地費用を抑える

住宅を建てる際には、建物の建築費用に加えて土地の購入費用がかかります。そのため、できるだけ建物にこだわりたいのであれば、土地購入のコストを抑えることが重要です。

その場合は、最寄り駅から少し距離がある、三角地や旗ざおなどの変形地といった、土地を選ぶといいでしょう。仮に同じエリア内で同じぐらいの広さであっても、土地の立地条件次第では安くなっている場合もあります。許容できる条件を決めたうえで、ハウスメーカーの担当者に相談してみるのもよいでしょう。

また、実家に敷地が余っているのであれば、敷地の一角を譲り受けて住宅を建てれば土地購入の費用を抑えられます。ただし、その場合は再建築不可などの建築規制がある可能性もあるため、事前に行政などに確認しておきましょう。

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まとめ

年収300万円の方が家を建てる際の住宅ローンの目安や必要な諸費について解説しました。年収300万でも住宅ローンを組んで、家を買うことは可能です。年収300万では、1,500万〜1,800万円が妥当な借入金額といえます。

そのほか、住宅ローン審査に通りやすくなるポイントや住宅ローン返済に役立つ対策などを参考にしながら、理想のマイホームを実現してください。

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