シックハウス症候群とは、住宅が原因で引き起こされる健康被害のことです。新築住宅で生じることが多いため、家に長時間いる人やアレルギー既往歴のある人は対策をしておくほうが良いでしょう。
この記事では、シックハウス症候群について以下の内容を解説します。
- シックハウス症候群の症状やなりやすい人
- シックハウス症候群を予防する方法
- 新築住宅でシックハウス症候群になったときの対応
ぜひ最後までご覧いただき、健康で暮らしやすい家づくりの参考にしてくださいね。
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Contents
1.シックハウス症候群が新築住宅で生じる理由
シックハウス症候群とは、建材や内装材、家具などから発生する化学物質や、カビやダニなどによって健康被害が引き起こされることです。次のような症状が見られることがあります。
疲れやすくなる、めまい、吐き気、嘔吐、頭痛、鼻水が出る、皮膚や喉などが乾燥する、目がチカチカする、涙目になる、皮膚に紅斑が生じる、じんましんなど
なお、シックハウス症候群とは、医学的に確立した疾患名ではありません。一般的には、居住に関連するさまざまな健康被害を総称する言葉として使われています。
シックハウス症候群は、新築住宅で生じることが多いです。その理由としては、次のものが挙げられます。
- ホルムアルデヒドやトルエンが浮遊しているから
- 建物が十分に乾燥していないから
- 新しい家具が多いから
それぞれの理由について見ていきましょう。
1-1.ホルムアルデヒドやトルエンが浮遊しているから
建材や内装材に使われている接着剤や塗料、仕上げ材には、ホルムアルデヒドやトルエン、アセトアルデヒドなどの化学物質が含まれています。接着剤や塗料が乾燥すると、これらの化学物質が揮発して、空気中に浮遊するようになります。
人体に付着したり吸い込んだりすることで、じんましんや吐き気、頭痛などのシックハウス症候群の症状が出ることもあるでしょう。ただし、ホルムアルデヒドやトルエンなどの化学物質は、すべての人に健康被害を引き起こすのではありません。また、症状が出る場合も個人差があるため注意しましょう。
1-2.建物が十分に乾燥していないから
新築住宅は、まだ建物が十分に乾燥していません。表面部分は問題なくても、壁材や天井材、床材などの内側が乾燥していないため、常に湿気を放出している環境です。そのため、十分に乾ききった建物と比べると、室内に湿気がこもりやすく、カビやダニが繁殖しやすくなります。
カビやダニに触れることや吸い込むことで、シックハウス症候群の症状が出ることも珍しくありません。建物が完全に乾ききるまでは、通常以上に換気を意識するようにしてください。
1-3.新しい家具が多いから
家具に使われている接着剤や塗料、仕上げ材にも、ホルムアルデヒドやトルエンなどの化学物質が含まれていることがあります。新築住宅は家具も新しいものが多いため、室内にシックハウス症候群を引き起こす多くの化学物質が浮遊する可能性がるでしょう。
なお、家具によっては、新しいものであっても、ホルムアルデヒドやトルエンなどの化学物質の放出量が少ないものがあります。見分け方を後述するので、ぜひ参考にしてください。
2.シックハウス症候群になりやすい人とは?
シックハウス症候群の症状は、すべての人に出るわけではありません。個人差があるため、ご自身や一緒に暮らす方の傾向について知っておくほうが良いでしょう。一般的に、次のいずれかに該当する人は、シックハウス症候群になりやすいと考えられます。
- 新築住宅内に長時間いる人
- アレルギーの既往歴がある人
- 赤ちゃんや子ども
それぞれの特徴について解説します。
2-1.新築住宅内に長時間いる人
新築住宅に長時間滞在している場合は、有害物質を吸い込んだり接触したりする可能性が高くなるため、シックハウス症候群になりやすいと考えられます。少々の有害物質では症状が出ない場合でも、長時間滞在することで体内に蓄積し、皮膚症状や頭痛、鼻水などの症状となって表れやすくなるでしょう。
在宅勤務の人や専業主婦・主夫、お年寄りは、住宅内にいる時間が比較的長い傾向にあります。家の中にこもりきりにならないようにすることで、シックハウス症候群を回避しましょう。
2-2.アレルギーの既往歴がある人
カビやダニはアレルギーを引き起こす原因(アレルゲン)となることもあります。シックハウス症候群は、化学物質だけでなく、カビやダニなどのアレルゲンによっても引き起こされるため、アレルギーの既往歴がある人は注意が必要です。
2-3.赤ちゃんや子ども
シックハウス症候群は、赤ちゃんや子ども、お年寄りなどの免疫力が低い人もかかりやすいとされています。赤ちゃんや子どもは成人よりも体重あたりの吸気量が多く、空気中に含まれる有害物質を高濃度で取り込むリスクがあるためです。
とりわけ赤ちゃんは床を這ったり、手や物を口に入れたりすることが多いため、化学物質を取り込む可能性も多いと考えられるでしょう。適切に換気するのはもちろんのこと、赤ちゃんの周辺を清潔に保つことも大切です。
ここまで、シックハウス症候群が生じる理由や発症しやすい人について解説しました。
マイホームの検討を進めるにあたり、シックハウス症候群の懸念・心配がある方はとくに、依頼するハウスメーカー・工務店のシックハウス対策を比較検討、住宅のプロに相談してみることが後悔しない大切なポイントです。その上で、まずは無料で相談ができるHOME4U(ホームフォーユー)プラン作成依頼サービスを活用してみることをおすすめします。
3.新築住宅向けのシックハウス症候群の予防対策
新築住宅はシックハウス症候群の症状が出やすいですが、次の対策を実施することで、ある程度予防できます。
- こまめに換気を実施する
- サーキュレーターや換気扇を使う
- 畳やカーペットを敷かない
- 断熱工法の住宅を選ぶ
- ホルムアルデヒド拡散量が少ない家具を選ぶ
- シックハウス対策を実施しているハウスメーカーを選ぶ
- 丁寧に掃除をする
それぞれの対策について解説します。
3-1.こまめに換気を実施する
新築住宅には、ホルムアルデヒドやトルエンなどの化学物質が浮遊しやすくなります。こまめに換気を実施することで、空気中の化学物質の濃度を下げるようにしましょう。
また、換気をこまめに行うと、室内に湿気がこもりにくくなります。湿度が高くなるとカビやダニが発生しやすくなるため、シックハウス症候群の症状も出やすくなります。適度に室内を乾燥させるためにも、こまめな換気が必要です。
3-2.サーキュレーターや換気扇を使う
空気がよどんでいると、湿気や浮遊物質も溜まりやすくなります。サーキュレーターを使って、適度に空気を動かすようにしましょう。
ただし、サーキュレーターだけでは有害物質を排出できません。換気扇を使ったり、窓を開け放ったりすることで、有害物質を室外に出す必要もあります。
3-3.畳やカーペットを敷かない
カビやダニは、湿り気と温かさがある環境で増殖します。浴室やトイレなどの水を使う場所は、熱がこもらないように適度に換気をしましょう。
畳やカーペットも、湿気と温かさがこもりやすい場所です。しっかりと乾燥させておかないと、カビやダニが増殖するので注意してください。
また、畳やカーペットはフローリングと比べると、ホコリや食べ物のくずなどが溜まりやすい点にも注意が必要です。十分に掃除をしないと、ダニが繁殖するだけでなく、ホコリによってアレルギー症状が生じる可能性もあります。
3-4.断熱工法の住宅を選ぶ
カビやダニは、温度が高くなると増殖します。断熱工法の住宅を選べば気温の影響を受けにくくなるため、夏も室温が上がりにくく、カビやダニの繁殖を抑えやすいでしょう。
しかし、断熱工法であっても柱と柱の間を埋めるように断熱加工を施す内断熱は、柱自体が外気の影響を受けてしまい、室温が異常に上がったり結露が生じやすくなったりすることがあります。
高温・多湿は、カビやダニを繁殖させる原因です。断熱工法で住宅を建てるなら、内断熱ではなく外断熱を選びましょう。
外断熱とは、屋根から基礎まで外側から断熱材で住宅を覆う工法です。外気が侵入しないだけでなく、室内の空気が漏れにくくなるため、室温が異常に上がったり結露が生じたりすることがほとんどありません。
また、外断熱では繊維系ではなく、プラスチックや発泡スチロールなどの硬い断熱材を使うことが一般的です。断熱材自体が湿気を含むこともほとんどなく、断熱効果が長続きするのも特徴です。
3-5.ホルムアルデヒド拡散量が少ない家具を選ぶ
家具にも塗料や接着剤、仕上げ材などが使われていることが多いようです。塗料や接着剤などが揮発し、ホルムアルデヒドやトルエンなどの有害物質が室内に拡散されるかもしれません。
家具を選ぶときは、有害物質の拡散量が少ないものを選びましょう。家具選びの指標となるのがJIS(日本産業規格)とJAS(日本農林規格)で定められたF☆☆☆☆です。F☆☆☆☆の表示がある建材や家具はホルムアルデヒド拡散量が少なく、シックハウス症候群の発症を抑えられます。
なお、ホルムアルデヒド拡散量は、F☆からF☆☆☆☆の4段階で表示されます。☆が多いほどホルムアルデヒド拡散量は少ないため、シックハウス症候群の症状も出にくいと考えられるでしょう。
3-6.シックハウス対策を実施しているハウスメーカーを選ぶ
ハウスメーカーによっては、独自にシックハウス対策を実施していることがあります。F☆☆☆☆の建材を住宅内部にも使ったり、有害物質を効果的に排出する換気システムを開発したりしているハウスメーカーもあります。
テレワークで室内にいる時間が長い場合や、一緒に暮らす人にアレルギー既往歴がある場合は、シックハウス対策に注目してハウスメーカーを選んでみてはいかがでしょうか。
3-7.丁寧に掃除をする
ダニは高温多湿の環境で増えるだけでなく、フケや垢、食べ物のくずなどをエサとしてさらに増えます。また、カビの胞子もダニのエサとなるため、カビを放置することでダニも増えてしまいます。
カビやダニを繁殖させないためにも、丁寧に掃除することが大切です。室内はこまめに掃除機をかけるだけでなく、水回りも丁寧に掃除して、最後に水を拭き取って仕上げましょう。
ここまで、新築住宅向けのシックハウス症候群の予防対策をご紹介しました。事前に情報を集めたうえで、計画的にマイホームづくりにとりかかることで、後悔のない理想の間取り設計に繋げられるでしょう。
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4.シックハウス症候群が生じたときの対応方法
シックハウス症候群の症状が出たときは、次の方法で対応してください。
- 家の外に出る
- 芳香剤や防虫剤の使用を見直す
- 換気と除湿を心がける
なお、上記の方法はいずれも一時的な対処策です。不快感や異常を覚えるときは、すぐに医療機関に相談してください。
4-1.家の外に出る
シックハウス症候群は、室内の化学物質やカビ、ダニなどにより引き起こされる症状です。家の外に出ることで、症状が緩和し、楽になることがあります。
反対にいえば、家の中で倦怠感や原因不明の体調不良を感じ、外に出て症状が緩和されるときは、シックハウス症候群の可能性が高いと考えられます。普段からこまめに換気と除湿を実施し、シックハウス症候群が起こりにくい環境にしておきましょう。
4-2.芳香剤や防虫剤の使用を見直す
体調不良を引き起こす化学物質は、建材や家具由来のものだけではありません。芳香剤や防虫剤などの揮発性のある薬剤により、シックハウス症候群の症状が出ている可能性があります。
建物や家具だけが原因と思われないときは、芳香剤や防虫剤、殺虫剤などの薬剤の使用を見直してみてはいかがでしょうか。薬剤から揮発する化学物質が高濃度になりすぎ、体調不良を引き起こしているかもしれません。
4-3.換気と除湿を心がける
目がチカチカする、皮膚が赤くなるなどのシックハウス症候群の症状が出ているときは、すぐに換気・除湿をしましょう。空気を入れ替え、湿度を下げることで、症状を引き起こす原因物質が屋外に排出されやすくなります。
また、普段から換気と除湿を心がけることも大切です。屋外の花粉や黄砂などが気になるときは、空気清浄機を使って清浄な環境を保ちましょう。
5.シックハウス症候群のセルフチェックリスト
シックハウス症候群になりにくい環境を維持するためにも、健康状態や生活・行動をセルフチェックしてみましょう。該当する項目が多いときは、シックハウス症候群になりやすい環境と考えられます。
- アレルギー既往歴のある人がいる
- 化学物質に過敏な人がいる
- 窓を開けて換気する習慣がない
- ガスコンロを使うときに換気扇を使わない
- エアコンや空気清浄機のフィルターを定期的に掃除している
- 床ワックスをこまめにかけている
- シンナーや塗料などを室内で使うことが多い
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まとめ
新築住宅でも、換気や除湿を心がけることで、シックハウス症候群を発症しにくくなります。また、新築以外の住宅でも、適度に換気・除湿を行うことで、ダニやカビが発生しにくい環境を維持できます。
ぜひ、本記事をご参考にしていただき、健康に過ごせるマイホームを実現してくださいね。
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