6人家族が暮らす家に必要な広さは、70平方メートル~130平方メートル程度といわれています。ゆとりのある130平方メートルほどの広さの場合、間取りは3LDK~5LDKが中心です。このうち、部屋の使い方を複数の選択肢から選べるのは、4LDK~5LDKの間取りであるといえるでしょう。
この記事では、6人家族が住む家の購入を考え始めていて、どのような間取りが適しているのか気になっている方に向けて、以下の内容を解説します。
- 6人家族が暮らす家に必要な広さと適した間取り
- 6人家族におすすめの間取りとメリット・デメリット
- 6人家族におすすめの間取り事例
ぜひ最後までご覧いただき、理想の家づくりの参考にしてください。
1.6人家族が暮らす家に必要な広さと適した間取り
6人家族が暮らす家に最低限必要な広さは、70平方メートル(21坪)とされます。国土交通省が公表している「住生活基本計画」には、世帯人数ごとに適した居住面積の水準が示されています。
算定式は「10平方メートル×世帯人数+10平方メートル」です。
ただし、これはあくまでも最低限の広さにすぎません。子どもの年齢にもよるものの、6人家族の場合、できれば130平方メートル(40坪)は確保しておきたいところです。80平方メートル(24坪)程度でやや余裕のある広さとなり、100平方メートル(30坪)以上あれば、6人家族でも十分な広さを感じられるようになるでしょう。
なお、広さと部屋数の2つの要素のどちらかを優先させる場合、広さを取ることをおすすめします。可能であれば、8帖以上の部屋が1つ以上ある間取りがよいでしょう。広さがあれば、将来的に部屋数が必要になったときに、可動式家具や簡単なリノベーションで部屋を区切る対応を取ることが可能です。しかし、部屋の広さが6帖未満の場合、そういった対応をするのは難しいと考えられます。
参考:国土交通省「住生活基本計画における居住面積水準」
1-1.70平方メートルの場合は2LDK・3LDK
70平方メートルの間取りの主流は、2LDKと3LDKを占め、部屋数は3部屋程度に収まるパターンが多くなります。子ども一人ずつで部屋を用意することは、面積上難しくはなりますが、前述の通り、将来的には部屋を分割できるよう、子ども部屋にする部屋を大き目に広さをとるとよいでしょう。
1-2.130平方メートルの場合は3LDKから5LDK
130平方メートルほどの広さとなると、間取りは3LDK~5LDKが中心となります。また、部屋数が多いものでは6LDKの間取りもあり、より個室を確保しやすいつくりを選ぶことも可能です。
子ども一人ずつ部屋を用意してあげたいと思う場合、これほどの広さで家を建てると安心です。
2.6人家族におすすめの間取りとメリット・デメリット
6人家族と一言でいっても、例えば夫婦と子ども4人家族なのか、夫婦と子ども2人に夫婦の親2人の3世代で暮らすのかによって、適した間取りは異なります。ここからは、3LDKから5LDKの間取りのメリットとデメリットをご紹介します。各間取りのメリットとデメリットを理解し、自分の家族に合うのはどのような間取りなのかを確認しましょう。
2-1.3LDKの場合のメリットと工夫すべき点
3LDKの住まいで6人暮らしをした場合、考えられる部屋の組み合わせと工夫点を解説します。
6人家族が3LDKの家に暮らすメリットは、夫婦の寝室のほかに子ども部屋が2つ用意できる点です。
子どもが4人の場合、年齢が近い兄妹や性別が同じ子ども同士の組み合わせで、2人ずつの子ども部屋を使えます。
ただし、子ども全員に個室を用意することは難しく、受験を控えた子どもがいる場合、部屋が足りなくなります。一部屋を分割したり、リフォームをすれば解消はできますが、改修に費用が発生してしまう点も考慮すべきでしょう。
2-2. 4LDKの場合のメリットと工夫すべき点
4LDKの場合、3LDKよりも部屋が1つ増え、部屋の使い方にバリエーションが生まれます。6人家族が4LDKの家で生活するメリットとデメリットは、以下のとおりです。
6人家族が4LDKで生活するメリットは、部屋の使い方の選択肢が増えることです。夫婦の寝室と3つの子ども部屋を用意するほか、両親と夫婦と子ども2人のような3世代の家族で暮らすことも可能です。
反面、部屋が増えると1部屋あたりの面積が狭くなる、掃除の労力が増えるといった点がデメリットといえるでしょう。
最近ではロボット掃除機などを導入して、掃除の手間を減らす方も増えています。注文住宅の場合、このようなロボット掃除機の格納(基地)スペースを確保したり、掃除機などの格納場所に工夫をこらすことで、負担を低減することも可能です。
2-3. 5LDKの場合のメリットと工夫すべき点
5LDKの間取りは、リビングとダイニング、キッチンのほかに5つの部屋がある間取りです。5LDKであれば、5~6人家族や三世帯同居の家族が、ある程度のゆとりを持って暮らせます。5LDKの家に6人家族が暮らすことによるメリットとデメリットは、以下のとおりです。
6人家族で5LDKの家に住むメリットとしては、子どもが4人の場合、子ども全員に個室を用意できる点が挙げられます。2世帯同居であっても、子ども部屋を3つ用意できます。
デメリットとしては、子どもたちが独立した後の部屋の使い道に困る可能性があります。長期的にみると、部屋を活用し続けるのが難しい点がデメリットといえるでしょう。5LDKの間取りは、それなりの広さが必要であり、価格も高くなるのが一般的です。5LDKの間取りの必要性について、十分に検討した上で選択することをおすすめします。
3.6人家族におすすめの間取り事例
ここからは、6人家族におすすめの実際の間取り事例をご紹介します。部屋数や広さを比較し、自分たち家族に適した間取りを検討する際の参考にしてください。
3-1.和室と洋室を備えた5LDK
1階にLDKと1部屋の洋室・小さめの和室、 2階に2部屋の洋室と夫婦の寝室がある間取りです。リビングダイニングが十分広いため、家族が集まってゆったりとした団らんの時間を過ごせます。個室が5部屋あり、2階の洋室を夫婦の寝室として、各部屋を子どもたちの個室として使える点も魅力です。
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3-2.全員に子ども部屋がある5LDK
水回りに関するスペースを一直線に配置し、洗濯導線に配慮した間取りです。リビングは約20帖とかなり広く取っており、6人家族が集まっても快適にくつろげる広さがあります。2階にはすべて5帖以上の子ども部屋を4つ用意し、「子どもたちに1部屋ずつ作ってあげたい」という希望を実現しました。
3-3.家事動線が短い4LDKの平屋
4LDKの平屋の間取りです。移動の時間を削減することを目的にキッチンと洗濯機を配置し、キッチンと洗面所の動線を短くしています。6人家族の場合、洗濯物の量も多いため、いかに家事効率を高めるかが重要になってきます。家族が多い分家事の負担が大きいことから、洗濯動線に限らず、少しでもストレスなく効率的に家事を行えるかどうかという視点のもと、間取りを考えるのがおすすめです。
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4.6人家族の間取りを考える上でのポイント
6人家族の間取りを考える上で、押さえておきたいポイントは以下の4点です。
- 家族の生活パターンをよく考える
- 収納スペースと生活スペースのバランスを取る
- ゆとりを持って過ごせるリビングの広さを確保する
- ライフステージの変化を見越しておく
各ポイントについて解説します。
4-1.家族の生活パターンをよく考える
6人家族の家の間取りは、家族の生活パターンを洗い出した上で検討するようにしましょう。一般的に人気のある間取りであっても、自分や家族の生活パターンを当てはめた場合に、使いにくいケースは十分にあり得ます。
例えば、家族6人の生活時間がほぼ同じ場合、朝の混雑しやすい時間帯に家族が集中しないよう、脱衣所と洗面所は分けたほうがよいでしょう。あらかじめ洗面所や脱衣所を広く取っておくことも一案です。
4-2.収納スペースと生活スペースのバランスを取る
収納スペースと生活スペースのバランスを取ることも大切です。家族の人数に比例して荷物も多くなり、その分の収納スペースを確保する必要があります。しかし収納スペースを十分に確保しようとすると生活スペースが狭くなってしまうため、それぞれのバランスを考える必要があります。
また、シューズクロークや土間収納などを広くしすぎると玄関が狭くなり、大きな荷物の出し入れがしにくくなることもあります。収納スペースだけに目を向けるのではなく、生活のしやすさや家全体のバランスを意識して間取りを考えましょう。
4-3.ゆとりを持って過ごせるリビングの広さを確保する
間取りを検討する上で、ゆとりを持って過ごせるリビングの広さを確保することをおすすめします。6人全員が集まっても、快適に団らんの時間を過ごせることが理想です。
一家族の人数に応じた理想のリビングの広さの目安は以下のとおりです。
家族の人数 | リビングの広さの目安 |
---|---|
2人 | 10帖~12帖 |
3人 | 14帖~16帖 |
4人 | 16帖~18帖 |
5人 | 18帖~22帖 |
6人 | 18帖~24帖 |
6人家族であれば、リビングは18帖~24帖程度の広さが理想的といえます。やや大きいと感じる方もいるでしょう。しかし、ダイニングテーブルやソファー、テレビなどを置くとなると、上記の大きさが必要になると考えられます。これらの大型家具を設置した上で、さらに生活動線も確保する必要があるためです。
ただし、上記の広さは「理想」であり、実際にどの程度のリビングの広さが必要かどうかは家庭によって異なります。あくまでも1つの目安として参考にしてください。
4-4.ライフステージの変化を見越しておく
部屋の間取りは、ライフステージの変化を見越しておくことが求められます。
例えば、子どもの人数分の個室が必要と考えがちですが、必ずしもそうではありません。兄妹の年齢差が大きい場合、独立した上の子が使っていた部屋を下の子が使うことも可能です。また、子どもたちが独立した後、子ども部屋をどのように活用するかどうかも考えておく必要があるでしょう。
間取りは、家族の年齢と進学や独立、親の退職などのライフイベントのタイミングを書き出して、長期的な視点で検討するのがおすすめです。
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まとめ
6人家族が暮らす家に必要な広さは、70平方メートル~130平方メートル程度といわれています。このうち6人家族がある程度ゆとりを持って暮らせる、130平方メートルの家の間取りの主流は、3LDK~5LDKです。
6人家族の間取りを考える上では、家族の生活パターンをよく考えたり、ゆとりを持って過ごせるリビングの広さを確保したりすることがポイントになります。また、現時点の状況だけでなく、ライフステージの変化によって訪れる変化についても見越して、間取りを検討しなければなりません。
6人家族と一言でいっても、どのような間取りの家が生活しやすいかどうかは、その家族によって異なります。家族が快適に暮らせる家づくりを行うには、生活パターンや今後のライフステージの変化を考慮する必要があります。本記事を参考にして、理想の家づくりを実現してください。