これから新築住宅で住宅ローンを組む方の中には「借り換え」の存在を知り、情報を集めだした方もいるでしょう。
住宅ローンの借り換えには、金利が安くなったり返済額が減少したりといったメリットが見込まれます。
ただし、場合によっては期待したメリットが得られないため、タイミングの見極めが必要です。
この記事では、住宅ローンの借り換えとは?と疑問をもつ方に向けて以下の点を紹介します。
- 借り換えにおすすめのタイミング
- 住宅ローン借り換えのメリット、デメリット
- 借り換え先を選ぶ際のポイント
住宅ローン借り換えのシミュレーション例も紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。
住宅ローンを組む際の全体像を把握しておきたい方は「住宅ローンの流れ」の記事もご覧ください。
Contents
1.住宅ローンの「借り換え」とは
住宅ローンの「借り換え」とは、新たな金融機関でローンを契約し、現在の住宅ローンを一括返済することです。
住宅ローンの返済額には、他のローンと同様に金利が含まれます。
数千万単位で組まれることが多い住宅ローンは、わずかな金利の差が返済額に大きく影響することが特徴です。
借り換えで現在のローンより金利が低くなれば、多くの場合、総支払額の負担は少なくなります。
金利差や元金が大きく、残りの返済期間が長いほど利息負担も軽減されるでしょう。
2.住宅ローンの借り換えにおすすめのタイミング
住宅ローンの借り換えにおすすめのタイミングは、以下のように3パターンあります。
- より金利の低い住宅ローンに借り換えられるとき
- 変動金利が上昇するとき
- 固定期間が終了するとき
タイミングによってはメリットが期待できず、かえって負担が増える可能性があるため注意が必要です。
借り換えすべきか迷っている方は、これらのタイミングに当てはまるかぜひチェックしてみてください。
2-1.より金利の低い住宅ローンに借り換えられるとき
現在のローンより低い金利の住宅ローンに乗り換えれば、返済額の負担は軽減されます。
借り換え額が多く残りの返済期間が長ければ、金利差年1%以下でも総支払額が減少するでしょう。
ただし、借り換えには諸経費が必要です。
金額によっては総支払額が増加してしまうため、借り換え時はシミュレーションを利用した慎重な検討をおすすめします。
2-2.変動金利が上昇するとき
住宅ローンには、「変動金利型」と「固定金利型」2つのタイプがあります。
変動金利型の住宅ローンを利用している場合は、変動金利が上がるタイミングでの固定金利型への借り換えを検討してみてください。
変動金利型の場合、金利が高くなるほど利子負担も大きくなります。
固定金利型に借り換えれば利子が一定になり、返済計画が立てやすくなるというメリットも得られるでしょう。
また、2024年(令和6年)3月、日銀は「マイナス金利政策」の解除を決定しました。
マイナス金利政策は、2016年導入以来、住宅ローンの金利低下に大きく関与してきた制度です。
今後は変動金利が上昇するのではという懸念の声も上がるなど、借り換えを検討するうえで注視していきたいポイントといえます。
2-3.固定期間が終了するとき
住宅ローンを「当初期間優遇」タイプで利用している方にとって、固定期間終了時は借り換えの検討に適したタイミングといえます。
優遇期間が終了することにより、返済額が大幅に増える可能性があるためです。
優遇期間と同様に低い金利で借り入れを続けたい場合は、他の金融機関での固定金利型ローンへの借り換えを検討してみてください。
この際も、シミュレーションで借り換え後の負担額を確認しておきましょう。
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3.住宅ローンを借り換えるメリット
住宅ローンを借り換えることで得られるメリットは、以下の3点です。
- 返済総額が減少する
- 金利上昇リスクに備えられる
- 保険の見直しにつながる
借り換えには返済負担の減少だけでなく、将来の金利上昇リスクに備えられるというメリットもあります。
場合によっては保険の見直しにもつながるため、将来への備えという観点でも借り換えに着目してみてください。
以下より1つずつ解説します。
3-1.返済総額が減少する
現在の住宅ローンより金利の低いローンに借り換えれば、総返済額減少というメリットが期待できます。
毎月の返済額が減り、家計負担の軽減にもつながるでしょう。
注意したいのは、借り換え先との金利差やローン残高、残りの返済期間などがメリットに影響することです。
一般的に、以下のケースに当てはまる場合は借り換えメリットが得られる可能性が高いと考えられます。
- 借り換え先との金利差が年1%以上
- 借入残高が1,000万円以上
- 残りの返済期間が10年以上
上記に当てはまったら、積極的に借り換えを検討しましょう。
3-2.金利上昇リスクに備えられる
現在「変動金利型」ローンを利用している場合は、「固定金利型」ローンへ借り換えることで金利上昇リスクに備えられます。
変動金利は日銀の政策金利のうち、短期金利に影響を受けるといわれるものです。
金利上昇リスクを避けるのであれば、金利が低いうちに固定金利に借り換えるのも選択肢の1つといえるでしょう。
ただし、一般的に固定金利は、変動金利より金利が高い傾向にあります。
この場合、借り換えにより返済金額が増加してしまう可能性があるため注意が必要です。
返済金額の増加を抑えるのであれば、金利の低い「当初固定期間選択型」の利用を検討してみてください。
全期間固定型に比べ、低い金利で住宅ローンを利用できます。
3-3.保険の見直しにつながる
多くの金融機関では、団体信用生命保険(団信)への加入が住宅ローンを組むうえでの条件となっています。
団信は、契約者に万が一のことがあった場合、住宅ローンの残高がゼロになる保険のことです。
契約者の死亡などにより返済ができなくなった際は、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を銀行に支払います。
注目したいのは、団信の保障内容は金融機関により異なることです。
基本的には死亡時と高度障害状態時が対象ですが、特約としてがん・脳卒中・急性心筋梗塞の三大疾病が含まれるなど、手厚い保証が期待できます。
4.住宅ローン借り換えのデメリットや注意点
住宅ローンにはメリットだけでなく、以下のようなデメリットや注意点があります。
- 借り換え時は手数料がかかる
- 手続きの手間を要する
- 審査を受ける必要がある
- 原則として同じ銀行では借り換えできない
メリットを最大限生かすには、あらかじめデメリットや注意点への理解を深めておくことが大切です。
後悔しないためにも、手数料や手続きの手間なども考慮したうえで借り換えを検討してください。
4-1.借り換え時は手数料がかかる
住宅ローンの借り換えには、一定の手数料が必要です。
事務手数料をはじめ、以下のような諸費用がかかります。
- 事務手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
- 抵当権設定にかかる登記費用
- 保証料
- 司法書士報酬
ローンの総額によっては、事務手数料だけで50万円近くを要します。
諸費用で、総支払額の負担が増えてしまわないように気を付けてください。
4-2.手続きの手間を要する
借り換え時は、新たな住宅ローンを組むための書類が必要です。
新規にローンを組む際は、不動産業者に代行してもらえるケースがほとんどですが、借り換え時には自ら手続きを行う手間を要します。
なお、証明書によっては期限が設けられており、新たに発行しなくてはいけません。
金融機関への対応などが求められることも、念頭に置いておきましょう。
4-3.審査を受ける必要がある
一般的に、他銀行ですでに融資を受けている借り換えは、信用が高く審査に通りやすい傾向にあります。
一方で、契約者の年齢や物件の担保評価によっては審査が厳しくなる可能性があるため注意が必要です。
多くの金融機関では、新規での借り入れとは異なる担保評価基準が採用されています。
審査に通らないケースは少ないものの、通常の住宅ローン契約と同様、審査が必要な点は覚えておきましょう。
4-4.原則として同じ銀行では借り換えできない
住宅ローンの借り換えは、他の金融機関で検討する必要があります。
原則として、同じ銀行での借り換えはできないため注意しましょう。
ただし、「フラット35」であれば、これまでと違う住宅ローンへ借り換えできる可能性があります。
フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提供する住宅ローンです。
同じ金融機関で借り換えを行いたい場合は、現段階から積極的に「フラット35」の商品を検討しましょう。
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5.借り換え先を選ぶ際のチェックポイント
住宅ローンの借り換えは、同じ銀行ではできません。
そのため、借り換え先である他の金融機関を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしてみてください。
- 金利
- 保証料や手数料
- 団体信用生命保険の内容
- 手続きの内容
- サービスの充実度
金利はもちろん、デメリットである手間を軽減するためには、手続きの内容やサービスの充実度も重視したいポイントです。
総合的に判断しながら、自身のケースに応じた借り換え先を検討しましょう。
5-1.金利
借り換え先の金利は、年1%程度下がるのが理想的です。
借り換えにより、返済総額の減少が期待できます。
ただし、残りの返済期間が長い場合は年0.5%程度の引き下げでも、返済総額が抑えられる可能性があります。
また、金利の上昇が予想される場合は、変動金利から固定金利への借り換えも重視したいポイントです。
この場合、金利の低い「当初固定期間選択型」の利用も含め、借り換えを検討してみてください。
5-2.保証料や手数料
債務者が返済不能になった場合の不良債権化を防ぐため、多くの金融機関では保証会社の利用を必須としています。
中には保証会社なしで住宅ローンを借りられる金融機関もあるため、保証料の負担を軽減したい場合はそちらも確認してみてください。
また、借り換えには事務手数料が必要です。
事務手数料の扱いは金融機関ごとに異なるため、内容を比較しながら検討しましょう。
5-3.団体信用生命保険の内容
借り換えで保険を見直したい場合は、団体信用生命保険(団信)の内容を確認しましょう。
近年は死亡や高度障害時の保障に加え、がん罹患時に残債の返済が免除される団信もあります。
一定の介護認定により残債が免除される団信もあるなど、年齢にあわせた見直しもおすすめです。
ただし、プランによっては金利が上乗せされるため、内容はしっかりと確認してください。
5-4.手続きの内容
手続きの負担が懸念される場合は、インターネット手続きが可能な金融機関を検討してみましょう。
忙しく窓口に行く時間がない方も、ネットで借り換えの手続きができます。
また、インターネット上で契約する場合は、契約書に貼り付ける印紙が不要です。そのぶん印紙税がカットでき、諸費用の負担が軽減できるというメリットも期待できます。
5-5.サービスの充実度
サービスの充実度は、借り換え先を選ぶうえでの重要なポイントといえます。
多くの場合、借り換え手続きは自分で行わなくてはいけません。
相談体制が整えられている金融機関であれば、不明点が生じた際も安心です。
金利や保証内容、手続きの流れなどもしっかりと確認できます。
インターネット手続きを行う場合は、必要に応じて対面相談の有無も確認しておきましょう。
6.借り換え前後の住宅ローンシミュレーション例
借り換えを検討する際は、実際にシミュレーションしてみるのがおすすめです。
以下は、借り換え前後のシミュレーション例になります。
諸費用も含め、借り換えでどれくらいのメリットが得られるのか確認しておきましょう。
- 借入残高:3,000万円
- 残りの返済期間:30年
- 現在の金利:年1%
- 借り換え先の金利:年0.4%
項目 | 借り換え前 | 借り換え後 |
---|---|---|
借入残高 | 3,000万円 | 3,000万円 |
残りの返済期間 | 30年 | 30年 |
金利 | 年1% | 年0.4% |
返済額(月々) | 96,492 円 | 88,448 円 |
総返済額 | 34,737,120 円 | 31,841,280 円 |
増減額 | ―2,895,840 円 |
※一般社団法人 全国銀行協会「ローン借り換えシミュレーション」で試算
まとめ
住宅ローンの借り換えは、タイミングを見極めることで総支払額の減少や金利上昇リスクへの備えといったメリットが期待できます。
一方で、金利や残りの返済期間、諸費用の額によってはデメリットを被る可能性もあるため注意が必要です。
自分にあった借り換え先は、金利だけでなく、保険や手続きの内容に着目することで選択できます。
シミュレーションでメリットの度合いを確かめながら借り換えを検討し、理想のマイホームが叶う資金計画を立ててくださいね。
この記事のポイント
原則できませんが、フラット35であれば可能な場合もあります。
詳しくは「4.住宅ローン借り換えのデメリットや注意点」で解説しています。
以下をチェックするとよいです。
- 金利
- 保証料や手数料
- 団体信用生命保険の内容
- 手続きの内容
- サービスの充実度
「5.借り換え先を選ぶ際のチェックポイント」で詳細を確認し、自分に合った資金計画を立ててみてくださいね。
住宅ローンを組む際の全体像を把握しよう!
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