L型(L字型)キッチンのメリット、デメリットは?レイアウト実例も解説

L型キッチンのメリット レイアウト実例も解説

注文住宅を設計する際は、キッチン選びにこだわることが大切です。キッチンには複数の種類があり、使い勝手やデザイン性が異なります。

効率よく作業でき、作業スペースを広く確保できるのがL型キッチンです。L型キッチンをさらに活用するためには、サイズやレイアウト選び、コーナー部分の使い方をよく検討する必要があります。

この記事では、L型キッチンについて以下の内容を解説します。

この記事でわかること
  • L型キッチンのメリット・デメリット
  • L型キッチンのサイズやレイアウトの選び方
  • L型キッチンの活用方法

キッチンの種類に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

注文住宅のおすすめ設備について知りたい方は「注文住宅の設備」の記事もご覧ください。

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1.L型キッチンとは

L型キッチンとは イメージ

L型キッチンとは、上から見てL字型になっているキッチンのことです。片側にシンク、もう片側にコンロが設置されているケースが多く見られます。

壁付け式と対面式どちらでも設置でき、効率的に作業ができることから人気の高いキッチンの種類です。

以下では、L型キッチンのレイアウトとほかのキッチンとの違いについて解説します。

1-1.L型キッチンのレイアウト

L型キッチンのレイアウトには、壁付け式と対面式があります。それぞれの概要とメリットは以下のとおりです。

レイアウト 概要 メリット
壁付け式 両側とも壁に沿って配置するレイアウト キッチンのスペースを有効活用でき、収納スペースも広く確保しやすい
対面式 一方を壁に沿って配置し、もう一方をダイニングと対面させるレイアウト 家族とコミュニケーションをとりながら料理ができる

1-2.L型キッチンとI型キッチンの違い

L型キッチンとI型キッチンの違い イメージ

I型キッチンとは、シンクやコンロなどが横一列になっており、上から見てI字型になっているキッチンです。
リビングやダイニングの方に向いて料理をするタイプと、壁に向いて料理をする壁付け式があります。

I型キッチンは、L型キッチンよりも省スペースで設置できるのがメリットです。一方、横に移動して使用するためL型キッチンよりも動線が長くなってしまいます。

1-3.L型キッチンとペニンシュラキッチンの違い

L型キッチンとペニンシュラキッチンの違い イメージ

ペニンシュラキッチンは、カウンターの左右どちらかが壁に接しているキッチンのことで、カウンターキッチンの一種です。
作業スペースが壁に接しており、半島のような形をしていることからペニンシュラキッチンと呼ばれます。

L型キッチンとは異なり、シンクやコンロなどは横一列に配置されています。

ペニンシュラキッチンは、リビングやダイニングに面しているため開放感があるのが特徴です。また、壁側にコンロがあるため、油が飛び散りにくいというメリットもあります。

1-4.L型キッチンとアイランドキッチンの違い

L型キッチンとアイランドキッチンの違い イメージ

アイランドキッチンは、キッチンの四方がすべて壁に接していないキッチンのことで、カウンターキッチンの一種です。
壁から離れた独立した場所に設置され、島のように見えることからアイランドキッチンと呼ばれます。

ペニンシュラキッチンと同様、シンクやコンロなどは横一列に配置されています。また、四方に通路があるためキッチンの周りを自由に動き回れるのが特徴です。

一方、ある程度のスペースがないと設置できない、料理中の匂いや油汚れなどが部屋に広がりやすいなどのデメリットがあります。

2.L型キッチンのメリット

L型キッチンのメリット イメージ

ここでは、L型キッチンのメリットについて解説します。

2-1.動線が短く効率的に作業できる

L型キッチンは、コンロとシンクがL字の両側に設置されるため、I型キッチンに比べて動線が短くなるのがメリットです。横に移動する必要がなく、体を90度回転させることですぐにコンロとシンク間を移動できます。

キッチンの作業効率を表すのがワークトライアングルです。ワークトライアングルとは、キッチンのシンク、コンロ、冷蔵庫の前側の中心点を結んだ三角形のことです。3辺の長さの合計が短ければ、動線が短く作業効率がよいキッチンと判断できます。

L型キッチンなら、ワークトライアングルの長さの合計が短くなる配置が実現するため、効率よく作業できるでしょう。

2-2.作業スペースを広く確保できる

L型キッチンは、作業スペースを広く確保できるのもメリットです。

L型キッチンでは、コーナー部分のスペースが広くなります。また、シンク側とコンロ側にそれぞれキャビネットがあるため、天板の面積が広くなるのもポイントです。

作業スペースが広いため、カットした野菜を並べておくスペースや、盛り付け前にお皿を置いておくスペースとしても活用できます。

2-3.収納スペースを確保しやすい

L型キッチンには、収納スペースを確保しやすいというメリットもあります。シンク側とコンロ側にキャビネットを設置できるためです。シンク側には包丁やボウル、洗剤のストック、コンロ側にはフライパンや調味料というように、それぞれの場所でよく使うアイテムを収納できます。

特に、壁付け式の場合は吊り戸棚を多く設置できるため、より多くのアイテムを収納できるでしょう。

また、コーナー部分にコーナーキャビネットを設置するという方法もあります。

ここまで、L型キッチン4つのメリットをご紹介しました。
希望するキッチンの導入を進めるにあたり、既にある程度、希望するキッチンや間取りのイメージがある方、あるいはまず思いつくことを伝えてプロの意見をもらいたい、という方は、家づくりのとびらをまず活用してみることもおすすめです。

【新築住宅の間取り事例】収納のある注文住宅のメリット&デメリットとおすすめ間取り

2-4.複数人で料理を楽しめる

L型キッチンは、複数人で料理を楽しめるのもポイントです。

コンロ側とシンク側の通路部分が広いため、動線が交錯しません。そのため、お互いに邪魔することなく作業できます。コンロ側とシンク側に1人ずつ立つことで、片方は調理、片方はお皿洗いというようにスムーズに家事を分担できるのが魅力です。

子どもや友人と一緒に料理を楽しみたい方や、家族で家事を分担したい方におすすめです。

キッチンを設置した後に後悔しないようにするためには、まずはキッチンを設置する部屋の間取りや家事動線など、全体のバランスを考えることが重要です。
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3.L型キッチンのデメリット

L型キッチンのデメリット イメージ

ここでは、L型キッチンのデメリットについて見ていきましょう。

3-1.ある程度のスペースが必要

L型キッチンは、I型キッチンよりも奥行きがあるため、設置にはある程度のスペースが必要です。キッチンの広さによっては、L型キッチンの設置が難しい場合があります。

また、キッチンにスペースをとられる分、リビングやダイニングのスペースが狭くなってしまう可能性もあります。

キッチンのスペースをなるべくコンパクトにしたい場合は、I型キッチンを選ぶのがおすすめです。

3-2.コーナー部分が使いにくい

L型キッチンは、コーナー部分が使いにくいというデメリットもあります。
コーナー部分は奥行きがあるため、奥に物を置いてしまうと手が届かず使い勝手が悪くなる可能性があります。キャビネットや吊戸棚を設置するという方法もありますが、入り口が狭くなってしまうのが難点です。

コーナー部分がデッドスペースにならないよう、使い方を工夫することが大切です。

3-3.価格が高くなる

L型キッチンは、I型キッチンよりも材料費や施工費がかかるため、価格が高くなる傾向にあります。

L型キッチンの費用目安は、キッチン本体の価格と取り付け費を合わせて約100〜200万円です。一方、I型キッチンの場合は約70〜150万円が目安です。もちろん、キッチンのサイズやオプションなどによって費用は異なりますが、L型キッチンの方が高くなることがわかるでしょう。

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3-4.冷蔵庫や食器棚の設置場所が限られる

L型キッチンは、冷蔵庫や食器棚の設置場所が限られる点にも注意が必要です。

I型キッチンの場合は、キッチンの背面側に冷蔵庫や食器棚を自由に設置できます。一方、L型キッチンの場合はコンロやシンクの横に置くことになります。対面式の場合は背面に設置することも可能ですが、動線を考えると冷蔵庫はコンロかシンクの横に設置する方が効率的です。

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4.L型キッチンのサイズの選び方

L型キッチンのサイズの選び方 イメージ

L型キッチンを設置する際は、キッチンのスペースや使いやすさを考慮してサイズを選ぶ必要があります。
以下では、サイズの選び方について見ていきましょう。

4-1.キッチンの間口

L型キッチンの一般的な間口のサイズは以下のとおりです。

  • シンク側:180センチメートル〜270センチメートル
  • コンロ側:165センチメートル〜180センチメートル

特に、シンク側の間口は作業スペースとなるため、200センチメートル以上確保するのが理想です。コンロ側の間口は、165センチメートル程度でも問題ありません。キッチンのスペースに応じて調節してください。

4-2.キッチンの高さ

キッチンの高さは、80センチメートル〜90センチメートルが一般的です。
使いやすいキッチンの高さは、キッチンを使用する方の身長によって異なります。「身長÷2+5センチメートル」が理想とされているため、参考にしましょう。

ただし、この理想の高さは作業台を使用する際の姿勢を想定しています。シンクやコンロでは若干使いにくく感じる可能性があります。

4-3.ワークトップの奥行き

ワークトップ(天板)の奥行きは、65センチメートルが一般的です。スペースを確保できない場合は、60センチメートルのスリムタイプにすることもあります。60センチメートルまたは65センチメートルが、日本工業規格で定められている使いやすいキッチンの奥行きです。

ワイドタイプを選択できる場合もありますが、奥まで手が届かず使いにくくなったり、通路のスペースが狭くなって移動しにくくなったりする可能性があります。

5.L型キッチンのレイアウトの選び方

続いて、L型キッチンのレイアウトの選び方について解説します。壁付け式と対面式、どちらを選択すべきか迷っている方は参考にしてください。

5-1.壁付け式が向いている人の特徴

L型キッチン|壁付け式

壁付け式が向いている方の特徴は以下のとおりです。

  • 壁面を利用した収納スペースを多く確保したい方
  • スペースを有効活用したい方
  • お手入れのしやすさを求める方

壁付け式は、壁面や吊り戸棚を設置して収納力を確保できます。また、キッチンを壁に付けることで、リビングやダイニングの空間を広く取りやすいのが魅力です。そのため、スペースを有効活用したい方には、壁付け式が適しています。

また、油や水がはねた場合もお手入れがしやすく、出窓を設けることで効率よく換気できます。料理中の匂いや煙がリビングやダイニングに広がるのを防ぎたい方にも、壁付け式がおすすめです。

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5-2.対面式が向いている人の特徴

L型キッチン|対面式

対面式が向いている方の特徴は以下のとおりです。

  • 家族とコミュニケーションをとりながら料理をしたい方
  • キッチン・ダイニングを開放的なデザインにしたい方

対面式は、リビングやダイニングにいる家族とコミュニケーションをとりながら料理できます。お子様やご高齢の方、ペットなど目を離したくない家族がいる方や、テレビを見ながら作業したい方などにおすすめです。

また、リビングやダイニングと視覚的につながるため、キッチン・ダイニングを明るく開放的な印象にしたいにも適しています

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6.L型キッチンのコーナー部分を活用する方法

L型キッチンのコーナー部分を活用する方法 イメージ

最後に、L型キッチンのコーナー部分の活用方法を3つ紹介します。

6-1.コーナーキャビネットを追加する

1つ目は、コーナーキャビネットを追加する方法です。キッチン設計時にコーナーキャビネットを追加することで、収納スペースをさらに確保でき、コーナー部分を有効活用できます。

コーナーキャビネットには、大きく棚板タイプとワゴンタイプの2つがあります。棚板タイプは、コーナーの下に備え付けられており、動かせないタイプです。一方、ワゴンタイプは下にキャスターがついているため、引き出して使用できます。

使い勝手がよい方を選び、コーナー部分を収納スペースとして活用しましょう。

6-2.おしゃれなディスプレイスペースにする

2つ目は、コーナー部分をディスプレイスペースにすることです。

バスケットを置いて中に果物を入れる、観葉植物を飾る、カラフルな食器を並べるなどして、おしゃれな雰囲気を演出しましょう。

スパイスラックを置き、あまり使わない調味料やスパイスを飾るのもおすすめです。

また、お気に入りのレシピ本を飾るという方法もあります。コーナーの手前部分を空けておけば、汚れを気にすることなく、レシピ本を広げられます。

6-3.カフェスペースにする

3つ目は、カフェスペースにするという方法です。コーヒーメーカーやコーヒー豆、マグカップなどを置くことで、おしゃれで便利なカフェスペースになります。

スペースをとるコーヒーメーカーも、コーナー部分であれば余裕を持って設置できるでしょう。ビールサーバーやワイングラスなどを置けば、バーとしても活用できます。

コンロ側とシンク側どちらからも使いやすく、おしゃれな雰囲気を演出できるのが魅力です。

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まとめ

L型キッチンは、片側にシンク、もう片側にコンロが設置されており、上から見てL字型になっているキッチンのことです。L字型キッチンは、動線が短く効率よく作業できます。作業スペースや収納スペースを広く確保でき、複数人で料理を楽しめるのもメリットです。

L型キッチンを活用するためには、サイズとレイアウト選びにこだわりましょう。また、デッドスペースになりがちなコーナー部分をうまく活用することも大切です。

L型キッチンとほかのキッチンの違いを理解し、L型キッチンを設置するかを検討しましょう。
ぜひ本記事を参考にしていただき、理想のマイホームを叶えてくださいね。

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