ルーフバルコニーで何ができる?メリット・デメリットや後悔しない対策と活用方法

ルーフバルコニー 相場やメリット・デメリット

ルーフバルコニーは開放感があり、さまざまな用途で使える場所です。子どもやペットの遊び場にしたり、植物の栽培をしたりと思い描く活用方法に胸を膨らませ、新築住宅に設置する方も多いでしょう。しかし、ルーフバルコニーのメリットだけでなく、デメリットも理解していないと、設置してから後悔するかもしれません。

この記事ではルーフバルコニーの基礎知識やメリット・デメリット、活用方法などをわかりやすく解説しています。

この記事でわかること
  • ルーフバルコニーとバルコニー、インナーバルコニー、ベランダ、テラスの違い
  • ルーフバルコニーを設置する場合のメリット・デメリット
  • ルーフバルコニーの活用方法
  • ルーフバルコニーを設置して後悔しそうな事例と対策
  • ルーフバルコニーのメンテナンスの頻度と費用の相場
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Contents

1.ルーフバルコニーとは階下の屋根部分に作るバルコニー

ルーフバルコニーとは、階下の屋根部分を使った屋根のないバルコニーのことです。ルーフテラスやルーフガーデンと呼ぶこともあります。

ルーフバルコニーは手すりや柵、フェンスで囲われたスペースですが、屋根がないため開放的な空間です。ベランダやバルコニーよりも広く作られることが多いため、広い開放空間を使った楽しみ方ができます。

マンションでは最上階に設置されることもあり、高層マンションのルーフバルコニーは眺望が良い場所です。

2.ルーフバルコニーとバルコニー、インナーバルコニー、ベランダ、テラスの違い

各設備の違い

なお、ルーフバルコニーのほかにも、バルコニーやインナーバルコニーと呼ばれるスペースがあります。同じ「バルコニー」と表現されていても、屋根の有無や設置される階などに違いがあります。

また、ベランダやテラスなども室外の空間ですが、ルーフバルコニーとは何が違うのでしょうか。以下でそれぞれの違いを解説します。

2-1.ルーフバルコニーとバルコニーの違い

バルコニー

バルコニーは基本的に2階以上に設置される、屋根のない張り出た部分です。
屋根がない点は同じですが、ルーフバルコニーは階下の屋根部分に設置するため、設置場所が異なります。

2-2.ルーフバルコニーとインナーバルコニーの違い

インナーバルコニー

インナーバルコニーには屋根が付いており、室内に組み込まれているか、半屋外になっているスペースです。階下の屋根部分に作る点は、ルーフバルコニーと共通しています。

2-3.ルーフバルコニーとベランダの違い

ベランダ

ベランダはバルコニーと同様、張り出した部分ですが、屋根がある点が異なります。
ルーフバルコニーは階下の屋根部分に設置するため、必然的に2階以上ですが、ベランダは1階にあってもベランダと呼ばれます。

2-4.ルーフバルコニーとテラスの違い

テラス

テラスは1階にあるバルコニーのようなスペースで、地面より一段高く作られます。
リビングやダイニングとつながるように作られることが一般的で、屋根があるとベランダと呼ばれることもあります。屋根がない点はルーフバルコニーと共通です。

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3.ルーフバルコニーの4つのメリット

自宅にルーフバルコニーがある場合、次のメリットを得られます。

  • 洗濯物が干しやすい
  • 遊びや趣味、レクレーションに使える
  • ベランダよりも部屋の内側を覗かれにくい
  • 住空間が広く見える

それぞれ、詳しく解説します。

3-1.メリット1 洗濯物が干しやすい

ルーフバルコニーは屋根がなく、ベランダやバルコニーよりも広く設計されることが多いため、開放的で洗濯物が干しやすいスペースです。周りに高い建物がなければ日当たりも良く、物干しスペースにはうってつけの場所といえます。

こまめにシーツの洗濯や布団干しをしたい方、洗濯物の多い家庭にとって、物干しスペースの広さ・使いやすさは大きなメリットです。

3-2.メリット2 遊びや趣味、レクレーションに使える

ルーフバルコニーは広く作られることが多いため、庭のような使い方も可能です。子どもやペットの遊び場にできるほか、バーベキューを楽しむ場所にも使えます。屋根がない点を活かして、天体観測や家庭菜園のスペースにも向いています。

庭のないマンションでもルーフバルコニーのある物件なら、開放的な空間を確保できるでしょう。

3-3.メリット3 ベランダよりも部屋の中を覗かれにくい

階下の屋根部分に作るため、ルーフバルコニーは2階以上の高さです。なおかつ、ベランダよりも広く作られることが多いため、外から室内を覗きにくい特徴があります。ベランダに出るとき、隣家の窓から部屋が丸見えになる心配はありません。

自宅にルーフバルコニーがあると、防犯面でもメリットがあります。

3-4.メリット4 居住空間が広く見える

ルーフバルコニーと接する部屋からは、ルーフバルコニーと部屋と一体化して見えるため、広く感じられます。室内とルーフバルコニーの床色を統一すると、より効果は高まります。広い空間で生活している気分になれるでしょう。

4.ルーフバルコニーの7つのデメリット

ルーフバルコニーのメリットを紹介しましたが、デメリットも存在します。

  • 騒音やにおいなど近所への配慮が必要になる
  • 利用時の上り下りが負担になる
  • 設置やメンテナンス・修繕に費用と手間がかかる
  • 天候によっては使用できず対策も必要になる
  • ルーフバルコニーの下にある部屋は暑くなりやすい
  • ルーフバルコニー部分は外から見える
  • マンションは物件が限られ利用規約がある

自宅にルーフバルコニーの設置を検討する場合は、以上のデメリットも知っておきましょう。

4-1.デメリット1 騒音やにおいなど近所への配慮が必要になる

ルーフバルコニーを使用するときの騒音やにおいへの配慮が不十分だと、近隣トラブルになる可能性があります。開放的な空間で楽しく過ごしていると、声が大きくなってしまうかもしれません。またバーベキューなどをする際は煙やにおいが周辺に広がるため、何らかの対策が必要です。

ルーフバルコニーを使ってパーティーなどをする際は、周辺へ十分配慮しましょう。

4-2.デメリット2 利用時の上り下りが負担になる

ルーフバルコニーを物干しスペースにする場合、洗濯機が下の階にあると、上り下りが発生します。洗濯の頻度が多い家庭や年を取ってから使う場合を考えると、日々の負担になる可能性もあります。

ライフスタイルや今後の生活において使いやすいスペースかを考えて、ルーフバルコニーの設置を決めましょう。

4-3.デメリット3 設置やメンテナンス・修繕に費用と手間がかかる

ルーフバルコニーの設置やその後のメンテナンス・修繕には、相応の費用が発生します。

日々の手入れが悪いと防水性能の寿命を縮めてしまい、雨漏りのリスクが高まるかもしれません。特にマンションでは、階下の住人に迷惑をかけ、トラブルになる恐れもあるでしょう。

紫外線や雨風の影響を直接受ける場所なため、ルーフバルコニーには腐食しづらい素材を選びましょう。

また、手入れがしやすい床材選びも重要です。ルーフバルコニーに、おしゃれなタイルやウッドパネル、人工芝などを敷きたい方も多いでしょう。しかし、防水の状態が確認しづらかったり、水はけが悪くなったりすると問題です。

ルーフバルコニーの床材は、ハウスメーカーと相談して選ぶことをおすすめします。

4-4.デメリット4 天候によっては使用できず対策も必要になる

ルーフバルコニーは屋根のない開放的なスペースですが、天気が悪いと使用できません。

荒天時には、ルーフバルコニーに設置したものが飛ばされないよう、片付けも必要です。ルーフバルコニーに設置しているものが多いと片付けが大変になるため注意しましょう。

4-5.デメリット5 ルーフバルコニーの下にある部屋は暑くなりやすい

ルーフバルコニーは屋根がなく、直射日光が当たるため、下にある部屋は暑くなりやすいです。

ルーフバルコニーに使う床材の断熱性や、部屋全体の断熱性も高めておく必要があります。また、ルーフバルコニーの下に位置する部屋は、室温が上昇しても問題ない場所かも検討しましょう。

4-6.デメリット6 ルーフバルコニー部分は外から見える

ルーフバルコニーがあることで室内は見えにくくできますが、ルーフバルコニー部分は外から丸見えです。周囲の目が気になって、使いづらく感じることもあるかもしれません。柵やフェンスを高く作ったり、目隠しを設置したりして、対策しましょう。

4-7.デメリット7 マンションは物件が限られ使用規約がある

マンションの場合、ルーフバルコニーのある物件は限られています。また、ルーフバルコニーも共用スペースに該当するため、設置できるものに制限がかかります。

使用規約を守らなければならないため、ルーフバルコニーでのバーベキューやパーティーをしたくても禁止されている場合もあります。

一戸建て住宅のように、自由度な使い方をできない点は注意しましょう。

5.ルーフバルコニーの活用方法7選

ルーフバルコニーの活用方法7選

意外とデメリットも多いルーフバルコニーですが、ルーフバルコニーがあるからこそ楽しめることもあります。思い描くライフスタイルに取り入れたいと考えるなら、後述する事例と対策にも注意して、ルーフバルコニーを設置しましょう。

以下に、ルーフバルコニーの活用方法を7つ紹介します。

5-1.日当たりの良さを活かした物干し場所

屋根がなく、開放的で日当たりの良いルーフバルコニーは物干し場所におすすめです。広いスペースなら、布団やマットレスなど、大きなものも干しやすいでしょう。

5-2.子どもやペット用の開放感ある遊び場

子どもやペットを遊ばせる場合、1階の庭だと道路に飛び出す危険がありますが、柵やフェンスで囲われたルーフバルコニーなら安全です。遊びに夢中になって道路へ飛び出し、事故に遭う心配も減ります。

ルーフバルコニーなら、ビニールプールでの水遊び、軽い運動も安心してできます。ただし、柵やフェンスがあるからといって、過信しないようにしてください。跳び越え対策などは必要です。

5-3.植物を育てるガーデニング・家庭菜園のスペース

日当たりの良いルーフバルコニーなら、庭のようにガーデニングや家庭菜園も可能です。自身で育てた花や野菜を、生活のなかに取り入れられます。ただし、マンションの場合はルーフバルコニーも共用部に該当します。使用規約を守り、必要に応じてすぐ撤去できる内容に留めましょう。

5-4.屋外で楽しむバーベキュー

屋根のない屋外空間なので、バーベキューを楽しむスペースにもぴったりです。広さのあるルーフバルコニーなら、家族だけでなく、友人を招待してバーベキューパーティーも楽しめます。

5-5.広い開放空間を活かしてお家キャンプやピクニック

広いスペースがあれば、ルーフバルコニーにテントを設置してキャンプ気分も味わえます。バーベキューと組み合せれば、よりアウトドア感が出るでしょう。また、人工芝を敷けばお家でピクニック気分も味わえます。自宅にいながらアウトドア気分を楽しめるのも、ルーフバルコニーの醍醐味です。

5-6.ハンモックやテーブルセットを設置して非日常を演出

ハンモックで休憩したり、テーブルセットを設置して外で食事したりと、ルーフバルコニーなら非日常を味わう空間も作れます。照明を置けば、夜も楽しめるでしょう。「家庭菜園は毎日世話が面倒」「人を招いてのパーティーは苦手」とうい方も楽しめる使い方です。

5-7.高い階にあることを活かした天体観測や花火鑑賞

マンション高層階にあるルーフバルコニーなら、天体観測にも向いています。周りに建物がなく、より空に近い場所で天体ショーを楽しめるでしょう。

地域によっては、ルーフバルコニーから花火大会が見られることもあります。混雑が予想される花火大会の会場まで行かなくても、花火を鑑賞できるのもメリットです。

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6.ルーフバルコニーを設置して後悔しそうな事例3選と対策

ルーフバルコニーを活用しようと思っていても、近所の目が気になったり、使える期間が限られたりするかもしれません。設置してから予想と違うことに気付いて後悔しないため、事例と対策を紹介します。

6-1.【事例】開放的なスペースとしてルーフバルコニーを設置したら…

<想定事例>
階数 ルーフバルコニーの面積 防水工法 家族構成
2階建て 約16㎡ ウレタン防水 3人
想定できる「後悔しそうなこと」 想定できる「対策」
  • 近所から見て目立つ
  • 掃除が大変
  • 乗り越え・転落が不安
  • 目隠しルーバーを付ける
  • 設置物・床材はなるべく軽いものを選ぶ
  • 柵の近くに物を置かない

外で遊べる場所が少ないので、子どもやペットが安心して遊べる場所としてルーフバルコニーを設置する方も多いでしょう。開放的なスペースを活かしてバーベキューを楽しんだり、友人を呼んでホームパーティーを開いたりといった使い方もできます。

しかし、ルーフバルコニーからの声やにおいで近所に迷惑をかけないか、トラブルの原因にならないかを考えると、思い切り使えないかもしれません。開放的な場所で音楽や映画を鑑賞したいと思っても、思ったより音が響いて断念するケースもあります。

また、ルーフバルコニーは屋根がないため汚れやすく、定期的なメンテナンスを必要とする場所です。掃除を怠ると、防水性能の劣化を早める可能性もあるでしょう。紫外線や雨の影響でも防水性能は劣化するため、5年~10年のスパンでメンテナンス工事も必要です。

柵の乗り越えやルーフバルコニーからの転落が起きないかも心配です。転落事故が起きて後悔しないため、対策を考えておきましょう。

対策:目隠しルーバーを付ける

【事例】子供が遊べるルーフバルコニーを設置したら… 対策:目隠しルーバーを付ける

子どもの遊ぶ姿やパーティーをしている様子は、外から見て目立つものです。周りの目が気になって使いづらくならないために、目隠しルーバーを設置しましょう。
隣家の窓からルーフバルコニーが見える状態でも、目隠しルーバーがあればある程度、隠せます。

対策:設置物・床材はなるべく軽いものを選ぶ

【事例】子供が遊べるルーフバルコニーを設置したら… 対策:設置物・床材はなるべく軽いものを選ぶ

日々の掃除が面倒で後悔しないため、ルーフバルコニーの設置物や床材はなるべく軽いものを選び、手入れしやすい状態にしましょう。
例えば、床材の一部をウッドデッキにした場合、床材の下や排水溝にたまったゴミを取り除くには、ウッドデッキを持ち上げる必要があります。

排水溝の詰まりは大きなトラブルの原因となるため、掃除のたびに持ち上げる負担を軽減するため、なるべく軽い床材を使いましょう。
また、設置物も軽いものにしておけば、荒天時に室内へ片付ける必要があっても、楽に運べます。

対策:柵の近くに物を置かない

子どもやペットの遊び場にもおすすめのルーフバルコニーですが、乗り越えや転落が起きないかは心配です。対策として、柵やフェンスの近くには足場となるものを置かないようにしましょう。

また、子どもだけで遊ばせない、大人が付いているときも目を離さないことも大切です。ペットを遊ばせる場合も自宅だからと安心せず、リードを付けるなどして乗り越えを防ぎましょう。

6-2.【事例】洗濯物を干すつもりで設置するも…

<想定事例>
階数 ルーフバルコニーの面積 防水工法 家族構成
3階建て 約36㎡ ウレタン防水 4人
想定できる「後悔しそうなこと」 想定できる「対策」
  • 家事動線を考えていなかったので、洗濯物を持って上がるのが面倒
  • 天気が悪いと使えない
  • 家事動線を考えた間取り・設置にする
  • 浴室乾燥機やドラム式洗濯機の導入も検討する

洗濯物を広々と干すために、ルーフバルコニーを設置する方も多いと思います。

しかし、家事動線が悪いと、2階や3階のルーフバルコニーまで洗濯物を運ばなければならず、面倒に感じるかもしれません。また、天候が悪いとルーフバルコニーは使えないため、雨が続く梅雨時は洗濯物を干す場所に困るでしょう。

使える期間が限られることから、屋根のあるインナーバルコニーや広めのベランダにすれば良かったと後悔するかもしれません。

対策: 家事動線を考えた間取り・配置にする

【事例】洗濯ものを干すつもりで設置するも… 対策:事前に家事動線を考えて設置する

建てた当初は、洗濯物を干すのにルーフバルコニーを使っていましたが、1階に洗濯機があることから、洗濯物を3階まで持っていくのが面倒くさくなってしまい、使わなくなってしまうなんてことも。

結局スペースと管理費が無駄になってしまったように感じる人もいるかもしれません。

面倒くさいことは続きません。「家事動線」は新築時にはよく気を付けるべき重要なポイントの一つです。

対策:浴室乾燥機やドラム式洗濯機の導入も検討する

天気が悪いと、広いルーフバルコニーがあっても外干しできません。雨・雪の多い地域やよく洗濯する過程では、干せないときの対策も必要です。必要に応じて、浴室乾燥機やドラム式洗濯機の導入も検討しましょう。

6-3.【事例】ルーフバルコニーでガーデニングや家庭菜園をしようとするも…

<想定事例>
階数 ルーフバルコニーの面積 防水工法 家族構成
2階建て 約15㎡ ウレタン防水 4人
想定できる「後悔しそうなこと」 想定できる「対策」
  • 掃除の手間がかかる
  • 排水溝の詰まりや近隣へのご迷惑
  • 植物の転落事故
  • 排水溝の砂の受け皿やネット・囲いを設置する
  • 植物の置き場所に注意する

ガーデニングや家庭菜園が趣味で、広い場所で存分に楽しもうと思い、ルーフバルコニーを設置する方もいるでしょう。しかし、植物を育てる際の土や落ちた葉などを排水溝に詰まらせないよう、注意しなければなりません。植物を世話すると同時に、ルーフバルコニーの掃除にも手間がかかります。

植木鉢やプランターなどの設置場所が悪いと、ルーフバルコニーから転落する恐れもあります。転落による事故が発生して後悔しないための対策が必要です。

対策:排水溝の砂の受け皿やネット・囲いを設置し、掃除がしやすいように工夫する

【事例】ルーフバルコニーでガーデニングに家庭菜園をしようとするも・・・ 対策:排水溝の砂の受け皿やネット・囲いを設置し、掃除がしやすいように工夫する

「掃除の面倒」「配水管が詰まらないか不安」「近所へ砂が飛ばないか心配」などを理由に、ルーフバルコニーでの家庭菜園をあきらめる方もいるかもしれません。

対策として、以下の方法が考えられます。

  • 鉢や設置物を動かさなくても掃除がしやすいような土台を作る
  • 砂が排水溝へ流れて行かないように受け皿やネット・囲いを設置する
  • 砂などが飛んでしまっても迷惑をかけないようなフェンスを選ぶ

また、設置物で排水溝をふさがないかも注意しましょう。マンションのルーフバルコニーでは、排水溝を詰まらせてしまうと、階下に漏水などを起こして被害を与えるかもしれません。責任を問われる可能性があるため、家庭菜園やガーデニングを楽しむときは注意してください。

対策:植物の置き場所に注意する

植木鉢やプランターの設置場所が悪いと、落下する恐れがあります。育てていた植物の被害だけならまだしも、下に人がいたなら事故につながるかもしれません。設置場所には十分注意し、下に落ちそうな場所には置かないようにしましょう。また、強風のときは飛ばされないよう、屋内に移動させておくと安全です。

7.【防水工法別】ルーフバルコニーの設置費用相場と耐用年数

ルーフバルコニーの設置費用は、50~100万円が相場といわれています。
ルーフバルコニーの設置費用は、部屋を一つ作るのと金額差はほぼありません。屋根や壁を作る費用がルーフバルコニーの設置費用になるイメージです。

設置費用に含まれ、設置後のメンテナンス費用にも関わってくる防水工事費用の相場とルーフバルコニーに向いている3工法と耐用年数を紹介します。

防水工事費用相場と耐用年数
工法 おもな素材 単価(/㎡) 耐用年数 向いている場所
FRP防水 プラスティック
ガラスシート
4,000~7,500円 10~15年
  • バルコニー
  • ベランダ
  • 屋上
ウレタン防水 ウレタン 3,000~7,000円 5~10年
  • バルコニー
  • ベランダ
  • 屋上
シート防水 ゴムもしくは塩ビシート 3,000~7,500円 10~15年
  • 屋上

7-1.FRP防水とは

軽くて強く強靭なので、抜群の防水力があります。腐食などはほぼ抑えられますが、劣化した際にひび割れを起こしやすいのがデメリットです。

7-2.ウレタン防水とは

ウレタン防水は最もポピュラーな工法です。液体塗料を使用するのでどんな形状でも施工でき、定期的なメンテナンスを行えば防水機能を維持できます。

7-3.シート防水とは

ゴムや塩ビシートを接着剤で貼り付け、防水性をします。一番施工時間が短い工法です。

8.【防水工法別】ルーフバルコニーのメンテナンス費用相場と耐用年数

ルーフバルコニーの防水メンテナンス費用相場と耐用年数は以下の通りです。

<防水メンテナンス費用相場と耐用年数>
工法 トップコートのおもな素材 単価(/㎡) 耐用年数
FRP防水
  • ポリエステル系
  • アクリルウレタン系
1,550~3,000円 5年
ウレタン防水
  • アクリルウレタン系
  • フッ素系
1,600~1,850円 3~5年
シート防水 水溶性タイプ 900~1,500円 5年

トップコートとは、防水工事によって作られた防水層(水の侵入を防ぐ層)のダメージを軽減するために塗られるものです。定期的なメンテナンスというのは、このトップコートの塗り替えのことを指しています。
気候や環境によってダメージも変わるため、耐用年数も変化します。ひび割れを見つけた、水たまりができるようになった、床が浮いてきたという場合は、早めにハウスメーカーや施工会社に相談し、対応しましょう。

9.ルーフバルコニーの防水メンテナンス費用シミュレーション

ここでは、5年に1度トップコートの塗り直しを行った場合と行わなかった場合を

  • ウレタン防水
  • 11㎡(6畳)
  • 30年間

で比較してみます。

・トップコートの塗り直しを行わなかった場合

トップコートの塗り直しを行わなかった場合のスケジュール

30年間に3回の防水工事が必要
防水工事(3,000~7,000円)×3=9万9,000~23万1,000円
合計9万9,000~23万1,000円

・5年に1度トップコートの塗り直しを行った場合

5年に1度トップコートを塗る場合のスケジュール

  • 30年間に2回の防水工事が必要
  • トップコートは、4回必要

という条件をもとに計算すると、
防水工事(3,000~7,000円)×2=6万6,000~15万4,000円
トップコート(1,600~1,850円)×4=7万400~8万1,400円
合計13万6,400~23万5,400円

トップコートの塗り替えを行わないのと行うのでは、費用差で見ると最大約3万円ありますが壁や床のダメージやメーカーによって大きく変わります。
維持費を抑えるためにメンテナンスを減らすと、ダメージが大きい場合メンテナンス費用が相場よりかかってしまうことや雨漏りにまで発展し大きな工事をしなくてはいけない場合もありますので、定期的にメンテナンスを行ったほうが、費用は抑えられるでしょう。

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まとめ

ルーフバルコニーの特徴や活用方法、後悔しそうな事例、設置した場合の費用などをお伝えしました。

ルーフバルコニーのある家に住みたいと考えるときはこれらを十分に理解し、後悔のない選択をしましょう。
それではおさらいです。

この記事のポイント

ルーフバルコニーの特徴は?

階下住戸の屋根部分を利用しており、バルコニーやベランダよりも開放感に優れている点が特徴です。

2.ルーフバルコニーとバルコニー、インナーバルコニー、ベランダ、テラスの違い」で特徴をつかみ、自分の求めるものを選びましょう。

ルーフバルコニーは何に使う?

例えば、以下のような使い方ができるでしょう。

  • 洗濯物を干す
  • 子供やペットの遊び場にする
  • BBQやパーティーをする
  • 家庭菜園やガーデニングを楽しむ
  • お家キャンプやピクニックに使う
  • 非日常空間を演出する
  • 天体観測や花火鑑賞する

5.ルーフバルコニーの活用方法7選」を参考に、さまざまな使い方を検討してみましょう。

ルーフバルコニー(ガーデン)のメリットは?
  • 洗濯物が干しやすい
  • 遊びや趣味、レクレーションに使える
  • 部屋の中を覗かれにくい
  • 住空間が広く見える

ルーフバルコニーには以上のようなメリットがありますが、デメリットもあります。事前に対策ができるよう、「4.ルーフバルコニーの7つのデメリット」や「6.ルーフバルコニーを設置して後悔しそうな事例3選と対策」で詳細を確認しておきましょう。

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