離婚でマンションを売却する方法「任意売却」とは?ローン残債がある場合の注意点

離婚 マンション売却イメージ

2020年12月1日時点の総務省の統計では(「2-16 都道府県別出生・死亡数と婚姻・離婚件数」より)、婚姻件数が約58万6千件なのに対し、離婚件数は約20万8千件、約35%ものカップルが離婚していることになります。

離婚となった場合、財産の分割で問題になりやすいのが、ローン残債がある場合です。そこで今回は離婚の際にローン残債があり、オーバーローンのケースでも、不動産が売却できる「任意売却」について説明します。実際に利用している人もたくさんいる方法ですので、ぜひ参考にしてください。

マンションの売却について基礎から詳しく知りたい方は、『マンション売却で失敗・損しないための注意点』も併せてご覧ください。

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1.任意売却とは?任意売却の仕組み

通常、ローンが残っている不動産を売却する時は、抵当権(※後述)の関係上、残債を完済しなくてはなりません。その場合、売却の手段は次の2つのいずれかです。

  1. 残債以上の値段でその物件を売り、完済する。
  2. 残債より安い金額で売るならば、売却金額では返済しきれない残債については、預貯金などから現金を用意する。

1.のケースで高く売れずオーバーローンとなってしまうときや、2.のケースで預貯金などから現金を用意できないときにおすすめなのが、「任意売却」です。

「任意売却」とは、物件を売却しても残債が完済できない場合に、「ローンの残債よりも安い金額で物件を売っても良いですよ」と、銀行などの債権者から承諾を得て売却する方法です。通常、債権者にとって融資額の回収はマストであるにも関わらず、なぜ「安くても良い」といった承諾をするのでしょうか?

理由として、債権者の「融資額の確実な回収」という目的があります。

離婚をすると、これまで一つだった生計がそれぞれ別になりますので、今まで通りにローンの返済ができなくなる可能性が高まります。もし滞納が続いたら、債権者は「競売」という方法で物件を売り、融資額の回収にあたるのですが、この方法では市場価格の50~70%ほどの値段での売却となり、債権者にとってメリットはほとんどありません。

そこで債権者は「任意売却」を許可し、できるだけ市場価格に近い値段での売却を目指し、残ったローンについても債務者に無理のない金額に見直すなどして、確実に融資額を回収できる手を打つのです。

オーバーローンとは

オーバーローンとは、残っているローンの金額が、持ち家の価値(時価)よりも高い状態を指します。家を売却してもローンが完済できないため、引き続きローンを支払い続けることになります。

例えば、自宅の名義人と住宅ローンの名義人が同一人(夫か妻のどちらか一方)であるケース。オーバーローンであっても、名義人が引き続いてその家に住み、ローンを支払うならば特に問題にはなりません。

もちろん、多額の債務が残っているなど、支払いが困難な場合もあり得ます。また、どちらかが「今後も住み続けたい」と思っていても、「残債に対して支払い能力がない」あるいは「新しい保証人が見つからない」といった理由でローンの名義を単独に変更できない場合もあります。

「抵当権」とは?

抵当権とは、金融機関(債権者)が住宅ローンを貸すとき、万が一お金が回収できない場合のため、担保として不動産を確保しておくことをいいます。抵当権が設定されている以上、債権者の許可なく勝手に不動産を売ることはできません。

抵当権の説明

住宅ローンが払えない場合どうなる?≪すぐできる≫5つの対処法を徹底解説

2.任意売却のメリットとデメリット

ここでは、オーバーローンになっているマンションなどの不動産を売却するおすすめの方法として、任意売却のメリットとデメリット、使いたい場合の方法などについて説明します。

2-1.任意売却の5つのメリット・3つのデメリット

離婚で持ち家を任意売却する場合の、メリットとデメリットを見ていきましょう。

【任意売却のメリット】
(1)抵当権があっても売り出すことができる
通常は抵当権があると売却はできませんが、任意売却では可能です。
(2)売却額でローンが完済できなくてもよい
通常はローン完済が必要ですが、売却額でローンが完済できない場合には、この後のローン返済についても無理のない設定に変更してもらえる可能性があります。
(3)新生活のために取っておきたい預貯金の切り崩しを、最小限にとどめることができる
手持ち資金を持ち出す必要がなくなるため、離婚後の生活費などの不安を軽減できます。
(4)競売にかけられるよりも比較的高い金額で売ることが可能になる
上記のとおり、競売になると市場価格より大幅に安い金額でしか売れません。任意売却は比較的高い金額で売ることが可能です。
(5)プライバシーが守られる
競売になるとオーバーローンの事実などを近隣に知られてしまいますが、任意売却ならば知られることはありません。
【任意売却のデメリット】
(1)任意売却後は「ブラックリスト」状態になる
ローンの滞納が前提となるため、ブラックリストに掲載されます。よって、一定期間新しいローン契約はできません。
(2)必ず、すぐに売れるとは限らない
売却そのものは一般的な仲介売却と変わらないため、売れるかどうかは物件の需要によります(必ず、すぐに売却できるとは限らない)。
(3)自分で不動産会社を見つけて売却査定を依頼しなければならない
任意売却するためには、自分で不動産会社を見つけ、査定を依頼する、通常の売却と同じ作業が必要です。

なお、「(3)自分で不動産会社を見つけて査定を依頼したい」と思ったら、できるだけ早く売却に向けて行動を開始しましょう。しかし、「不動産会社に突然行って任意売却の話をするのは気が引ける」「できれば速やかに、人に知られず動きたい」「忙しくて不動産会社を探して連絡する時間もない」とお悩みかもしれませんね。
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2-2.任意売却を希望する場合

任意売却を希望する場合は、直接債権者に申し出るか、「任意売却119番」や「全日本任意売却支援協会」といった専門窓口を通して債権者に申し出て、調整を進めてみてください。

家の競売を回避するための突破口!【任意売却】の基礎知識

■任意売却が認められないケース■

任意売却は、債務者が申し出たからといって、すべて認められるわけではありません

任意売却は、ローンの返済がすでに滞っている場合や、今後支払い能力がなくなるであろう(融資額の回収が難くなる)場合に認められます。あなた(債務者)に十分な支払い能力があると判断される場合には、任意売却は認められませんので、次章で紹介するいずれかの方法を検討することになります。

3.「任意売却」以外の売却方法とメリット・デメリット

任意売却以外の売却方法には、「仲介」「買取」の2種類があります。おおまかに「仲介は、長期戦になる覚悟がある人向け」「買取は、残債分を預貯金から捻出する経済的負担の準備は厭わないのでとにかく早く売りたい人向け」といえます。

ただし、離婚時にローン残債が残っている場合は、現実的には難しい傾向があります。ここでは、任意売却以外のそれぞれの売却方法を、メリット・デメリットとともに紹介します。

3-1.仲介

もっとも一般的な売却方法です。不動産会社に買い手を探してもらう方法です。築年数・立地・間取りなどの条件が良く、すぐに高額で売れそうな物件であればおすすめです。

■メリット:希望する価格(もしくはできるだけそれに近い価格)で売れる可能性があります。

■デメリット:良い物件であっても、買い手がすぐに見つかるという確証はありません。長引けば長引くほど、離婚相手との共有財産を持ち続けることになります。

■進め方:不動産会社による訪問査定を受けて、査定額や営業マンの対応など総合的に見て、契約する不動産会社を選定します。不動産会社が決まったら、媒介契約を結び、売り出しとなります。

3-2.買取

不動産会社に直接買ってもらう方法です。

■メリット:仲介よりも比較的早期に売却できる傾向があります。仲介手数料を払わなくて良い点もメリットです。

■デメリット:早く買ってもらえる分、市場価格よりも安い値段での売却となります。また、売却代金でローンが完済できない場合がほとんどな上、新生活用に確保しておきたい預貯金などから残債分を捻出して支払わなくてはならず、経済的な負担が大きくなる可能性が高いといえます。

■進め方:「不動産売却 HOME4U」などの専門サイトから、物件情報を入力し、査定依頼をします。その際に、「早く売りたい」という要望を備考欄に入力しましょう。複数の会社に一括で査定依頼できるので、まとめて依頼、訪問査定を受けた後、最も高く買い取ってくれる不動産会社を見つけられます。

もし「任意売却」が認めてもらえなかった場合は、預貯金や周囲からの経済的な援助、また、自分自身の精神的・体力的な負担を考慮して、共有名義人と対応を決めてください。

4.少しでも高く早く買ってもらうコツはある?

「任意売却」に限らず、「仲介」の場合も同様ですが、高く早く売るためには内覧者に好印象を与えることが必要です。

新たな住まいが決まっているのであれば、早々に引っ越して物件を空室にして、クリーニングを徹底しましょう。傷をつけた箇所があれば、きちんと補修します。傷の補修や壁紙の貼り替え程度なら、大きさにもよりますが、業者に頼んでも数千円で済むケースもあります。

内覧者は特にキッチンや浴室、洗面所、トイレ、洗濯機置き場などの「水回り」をチェックしますので、水回りだけは多少費用がかかっても、プロのハウスクリーニングに頼むことをおススメします(リフォームは不要です。関連記事参照)。

もし「住み続けながら買い手を見つける」のであれば、いつ内覧者が来ても良いように、余計な家財は処分するか実家やレンタルスペースなどに預けて、とにかく掃除がしやすく、部屋が広く明るく見えるよう準備をしておいてください。

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まとめ

いかがでしたか。この記事では、離婚の際にマンションなどの不動産を売却する方法のひとつとして、「任意売却」について説明しました。

離婚する人にとっての「任意売却」のメリットは、次の5点でした。

(1)抵当権があっても売り出すことができる
(3)新生活のために取っておきたい預貯金の切り崩しを、最小限にとどめることができる
(4)競売にかけられるよりも比較的高い金額で売ることが可能になる
(5)プライバシーが守られる
(2)売却額でローンが完済できなくてもよい

デメリットも3点ありますが、そのうち「必ず、すぐに売れないかもしれない」「自分で査定を依頼しなければならない」ことは、「不動産売却 HOME4U」を利用することで、手間をかけずに高く査定してくれる、早く売却してくれる不動産会社を見つけることが可能です。

任意売却は「他人(債権者)から”経済力がない”と烙印を押される気がして抵抗を感じる」という人もいるかもしれませんが、大切なのは新しい生活です。任意売却を利用することで預貯金の切り崩しを最小限におさえて、離婚後も前向きに新生活に入れることを願っています。

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