住宅ローンは何歳まで組める?20・30・40・50・60代の年齢別に借入ポイント解説

住宅ローンは「80歳」まで組める金融機関が多いです。

完済時の年齢に制限を設けている金融機関が多く、上限を「80歳未満」に設定していることがほとんどでであるためです。

ただしこれはあくまで「上限」であり、現実的には80歳近くの方が住宅ローンを組めるケースは稀です。

ほとんどの金融機関の住宅ローンの審査では、年齢が若いほうが有利であるとされています。

【年代別】住宅ローンのメリット・デメリット
年代 メリット デメリット
20代
  • 返済期間が長く月々の返済額を抑えやすい
  • 定年を迎える前に完済しやすい
  • 老後資金を貯めやすい
  • 返済計画を立てにくい
  • 30代・40代と比べて借入金額が低い傾向にある
30代
  • 返済期間が長く月々の返済額を抑えやすい
  • 40代以降と比べ大きな病気になるリスクが低い
  • 40代以降よりも想定外の収入減が起こる可能性が高い
  • 教育費の負担が重くなりやすい時期
40代
  • 頭金を確保しやすい
  • 収入が安定する傾向にあり、返済計画が立てやすい
  • 教育費がかかりやすい
  • 定年後も住宅ローンの返済が続く可能性が高い
50代
  • 頭金を確保しやすい
  • 年収が高い傾向にあり、住宅ローンの審査に有利
  • 返済期間が短くなる傾向にある
  • 借入金額が少ない傾向にある
  • 老後資金に配慮が必要
60代
  • 頭金を確保しやすい
  • 他の支出への心配が少ない傾向にある
  • 老後を見据えた家づくりがイメージしやすい
  • 返済期間が短くなる傾向にある
  • 借入金額が少ない傾向にある
  • 老後資金に配慮が必要
  • 加齢に伴う健康が住宅ローンの審査に影響しやすい

この記事では、住宅ローンは何歳で組めるのか知りたい方に向けて、以下の内容を解説します。

この記事でわかること
  • 住宅ローンを何歳まで組めるかがわかる
  • 年代別の住宅ローンを組むメリット・デメリットが理解できる
  • 年代別の住宅ローンを組む際のポイントがわかる

ぜひ最後までご覧いただき、理想の家づくりの参考にしてくださいね。

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住宅ローンを組む際の全体像を把握しておきたい方は「住宅ローンの流れ」もご覧ください。

1.住宅ローンは何歳まで組めるのか

冒頭でもお伝えしたとおり、住宅ローンは80歳未満の方が組めることが多いです。
しかし、実際には80歳近くの方が住宅ローンを組めることは少ないでしょう。

たとえ完済時年齢の目安が80歳未満とされていたとしても、それはあくまでも名目上の基準であり、実際には一般的に会社員が定年退職する65歳で完済することが、審査の目安になっているといわれています。

月々の返済を抑えるために返済期間を最長の35年間とし、65歳で退職するまでに住宅ローンの支払いを終えようとすると、30歳頃に住宅ローンを借り入れることが望ましいといえます。

ただし、30歳を過ぎてから住宅ローンを組む方も少なくありません。
その場合「35歳から30年間借りる」「40歳から25年間借りる」というように、返済期間が短くなる傾向にあります。

また、完済時年齢が定年を超える場合は、「繰り上げ返済」をして返済期間を短縮したり、定年以降も働いたりするといった方法も視野に入れる必要があります。

まずは、以下のポイントを押さえ、自分たちの場合、住宅ローンは何歳までに組むべきか考えてみましょう。

住宅ローンを組む年齢を考えるポイント
  • 完済時年齢が重視される
  • 40歳前後で組むケースが多い

以下より1つずつ解説します。

1-1.完済時年齢が重視される

住宅ローンを借り入れるためには審査に通らなければなりません。
審査時には「申込者の年齢」が考慮されることが非常に多いです。

国土交通省の「PDF令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、98.5%もの金融機関が、審査時に考慮する項目として「完済時年齢」を挙げています。

住宅ローン審査項目一例
  • 完済時年齢
  • 健康状態
  • 借入時年齢
  • 年収
  • 勤続年数
  • 返済負担率
  • 担保評価
  • 金融機関の営業エリア
  • 連帯保証 他

住宅ローンの審査時に考慮される項目の1位となっており、年収や勤続年数などの他の項目を上回っています。

なお、2位は健康状態(96.6%)、3位は借入時年齢(96.0%)です。

1-2.40歳前後で組むケースが多い

住宅金融支援機構の「PDF2023年度 フラット35利用者調査」では、住宅ローンを組んだ平均年齢は44.3歳(前年度比+1.5歳)でした。

住宅ローンを組んだ平均年齢の推移
年度 平均年齢
2016年度 39.8歳
2017年度 40.0歳
2018年度 40.1歳
2019年度 40.2歳
2020年度 40.3歳
2021年度 41.5歳
2022年度 42.8歳
2023年度 44.3歳

40代がボリュームゾーンでありつつも見逃せないのが、2017年度以降、住宅ローンを組む平均年齢は上昇し続けているという点です。

定年年齢の引き上げにより、収入を得る期間が増えたことが1つの要因と考えられます。

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2.【年代別】住宅ローンを借りるメリットとポイント

ここからは、住宅ローンを借り入れる年齢別のメリット・デメリット、そしてローンを組むときのポイントを解説します。

2-1.【20代】住宅ローンを借りるケース

20代の住宅ローン:メリット・デメリット
メリット
  • 返済期間が長く月々の返済額を抑えやすい
  • 定年を迎える前に完済しやすい
  • 老後資金を貯めやすい
デメリット
  • 返済計画を立てにくい
  • 30代・40代と比べて借入金額が低い傾向にある

20代で住宅ローンを組む場合、返済期間が長いことから月々の返済額を抑えることがメリットです。

また、早いタイミングで住宅ローンを借り入れているため、定年を迎える前に完済しやすく、老後資金を貯めやすい点もメリットといえるでしょう。

一方、20代は仕事や子育てなどライフイベントに関して不確定要素が大きいため、返済計画を立てるのが困難であることや、計画を立てたとしても、その通りにはならない可能性が高い点がデメリットです。

そのほか、住宅ローンで借り入れできる金額は収入に応じて決まることから、30代や40代と比較して収入が少ない傾向にある20代は、借り入れできる金額が少なくなってしまうリスクがあります。

20代で住宅ローンを
組むときのポイント

20代で住宅ローンを組む場合、事前に長期的なライフプランを組んでおくことが求められます。
将来の不確定要素が多く、計画的にローンを組まないと返済が困難になりやすい側面があるためです。
転職や転勤、出産など、できる限り将来のライフイベントを予想し、実現可能性の高いライフプランを組んだうえで住宅ローンを借りるようにしましょう。

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2-2.【30代】住宅ローンを借りるケース

30代の住宅ローン:メリット・デメリット
メリット
  • 返済期間が長く月々の返済額を抑えやすい
  • 40代以降と比べ大きな病気になるリスクが低い
デメリット
  • 40代以降よりも想定外の収入減が起こる可能性が高い
  • 教育費の負担が重くなりやすい時期

30代で住宅ローンの借り入れをするケースでも、住宅ローンの借入期間を長めに確保できます。
それにより、月々の返済金額を抑えることが可能です。

また、まだ大きな病気になるリスクが低いため、審査に通過しやすい点もメリットといえるでしょう。

ただし、30代は突然転勤が決まったり転職したりすることも多く、予想外に収入が下がってしまうといった想定外の出来事が起こりやすい時期でもあります。

また、ある程度家族計画を固めたとしても、当初の予定よりも家族が増えるといったことも想定されます。

加えて、子どもの年齢によっては教育費の負担が重くなっていく年代でもあるため、住宅ローンの返済と教育費の確保を両立できるように計画しなければなりません。

30代で住宅ローンを
組むときのポイント

30代と一口にいっても、前半と後半で完済のタイミングが変わるため、細かくシミュレーションしておくことが大切です。
30代前半で住宅ローンを組んだ場合は定年前に完済できる可能性が高いですが、30代後半の方が35年間の返済期間でローンを組んだ場合、完済が70歳以降になる可能性が高まります。
定年後は収入が大きく減少し、返済が困難になるリスクが生じやすくなるため、繰り上げ返済を検討するなど、定年前に返済が終わるように計画する必要があるでしょう。

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2-3.【40代】住宅ローンを借りるケース

40代の住宅ローン:メリット・デメリット
メリット
  • 頭金を確保しやすい
  • 収入が安定する傾向にあり、返済計画が立てやすい
デメリット
  • 教育費がかかりやすい
  • 定年後も住宅ローンの返済が続く可能性が高い

40代で住宅ローンを借りるケースでは、借入期間がそれなりに確保できることから月々の返済金額を抑えられる傾向にあります。

また、自己資金のある方が増え、頭金を多めに入れる選択肢が生まれる点もメリットです。

そのほか、キャリア形成がある程度進み収入が安定しやすくなったり、ライフスタイルもある程度確立してくる年代のため、ライフプランを立てやすくなったりすることも利点といえます。

一方、40代は、教育費がかかる年齢の子どもを持つ方が多いために、住宅ローンの返済が苦しくなりやすいことがデメリットに挙げられます。

30代以下と比べると返済期間が短いことが多く、月々の返済額が大きくなりやすい点にも注意が必要です。

さらに、定年後も住宅ローンの返済が続く可能性が高く、その場合はローンの返済額が生活を圧迫しやすいことも懸念されます。

40代で住宅ローンを
組むときのポイント

定年後も住宅ローンの返済が続く可能性があるため、無理のない借入金額に抑えることが重要です。
また、子どもが独立した後に繰り上げ返済を行い、返済期間の短縮を図るようにするなどの工夫も欠かせません。

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2-4.【50代】住宅ローンを借りるケース

50代の住宅ローン:メリット・デメリット
メリット
  • 頭金を確保しやすい
  • 年収が高い傾向にあり、住宅ローンの審査に有利
デメリット
  • 返済期間が短くなる傾向にある
  • 借入金額が少ない傾向にある
  • 老後資金に配慮が必要

50代は40代以下の世代に比べて勤続年数が長く、年収も高い方が多い傾向にあり、これらの点においては住宅ローンの審査に有利に働きやすいでしょう。

貯蓄が十分にある場合は、頭金も確保しやすい点もメリットです。

50代で住宅ローンを借りる場合、借入期間が短いことがほとんどであり、借り入れできる金額が少ない傾向にある点がデメリットといえます。

健康状態に問題があると、ローンを組めなくなる点にも注意しましょう。

退職金で繰り上げ返済をする方法もありますが、老後資金が足りなくならないように、綿密に資金計画を立てなければなりません。

50代で住宅ローンを
組むときのポイント

50代でローンを組む際は、自分で完済できる範囲で借り入れるようにしましょう。
定年前に完済できるプランが理想的ですが、人によっては65歳以降も再雇用や再就職で収入を得ている可能性があります。
何歳まで無理なく返済できそうかを考慮し、具体的なシミュレーションを作成しておくことをおすすめします。
なお、定年後も返済が続きそうな場合は、住宅ローンの借り換えによって月々の返済金額を抑えることも視野に入れるとよいでしょう。
ただし、借り換えによって別途事務手数料がかかったり、通常の住宅ローンよりも金利が高くなったりするデメリットがあるため、メリットとデメリットのバランスを見極めたうえで判断することが大切です。

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50代で住宅ローンを組むべきか?決め方とメリット・デメリット

2-5.【60代】住宅ローンを借りるケース

60代の住宅ローン:メリット・デメリット
メリット
  • 頭金を確保しやすい
  • 他の支出への心配が少ない傾向にある
  • 老後を見据えた家づくりがイメージしやすい
デメリット
  • 返済期間が短くなる傾向にある
  • 借入金額が少ない傾向にある
  • 老後資金に配慮が必要
  • 加齢に伴う健康が住宅ローンの審査に影響しやすい

60代で住宅ローンを借りる場合、比較的頭金を確保しやすい点がメリットです。
すでに子どもが独立しており教育費などの支出が抑えられていたり、生活に必要なほとんどのものは揃っていたりすることから、毎月にかかるお金が少なく、ある程度の貯金ができていることが多いためです。

そのほか、バリアフリーなど老後を見据えた家づくりが可能なことも利点といえるでしょう。

一方、一般的に、住宅ローンの返済時年齢は80歳未満と設定されているため、60代で住宅ローンを借り入れる場合の借入期間は長くても20年未満であり、月々の返済額が多くなる傾向にあります。

住宅ローンの審査においては、完済時年齢のほか健康状態も重視されます。
加齢に伴い健康への不安を感じやすくなることから、住宅ローンの審査に通りにくくなることも、デメリットの1つです。

60代で住宅ローンを
組むときのポイント

60代で住宅ローンを借り入れるケースでは、住宅ローンの返済のみを意識するのではなく、老後資金とセットで資金計画を立てなければなりません。
60代で住宅ローンを組む方の多くは年金からも返済することになるため、あらかじめ年金の受取額をある程度把握しておき、そのなかで返済できるようにしておきましょう。

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60代で住宅ローンを組むための基礎知識

以上が、年代別の住宅ローンを組むメリット・デメリット、組む時のポイントです。

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自分たちの年代ではどのような点がメリット・デメリットになりえ、どのようなポイントを押さえたらよいかがわかったら、家づくりの資金計画について本格的に考えてみましょう。

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  • 費用を支払うタイミングと全体の流れを知る
  • 住宅ローンの組み方を知る
  • 住宅を建てる時に活用できる税制優遇制度を知る

以下の記事では上記のポイントをまとめて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【初心者向け】住宅建築の資金計画の立て方|かかる費用の把握から住宅ローン、お得な税制優遇制度まで紹介

まとめ

住宅ローンが組める年齢は、80歳未満が上限とされている傾向にあります。

ただしこれはあくまで上限であり、現実的には80歳近くで住宅ローンを組めるケースは少ないです。

返済期間を最長の35年間とし、65歳で退職するまでに住宅ローンの支払いを終えようとすると、30歳頃に住宅ローンを借り入れることが望ましいと考えられます。

30歳を過ぎてから住宅ローンを組む場合は、例えば「35歳から30年間借りる」「40歳から25年間借りる」というように、返済期間が短くなる傾向にあります。

また、完済時年齢が定年を超える場合は、「繰り上げ返済」をして返済期間を短縮したり、定年以降も働いたりするといった方法も視野に入れる必要があるでしょう。

ぜひ本記事の、年代別の住宅ローンを組む際のポイントを参考にしつつ、時には無料サポートサービスも活用しながら、無理のない返済計画を立ててみてください。

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