屋根裏収納なら、一定条件を満たすことで固定資産税に影響を与えずに収納スペースを増やせます。しかし、費用がどの程度かかるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、屋根裏収納について以下の内容を解説します。
- 屋根裏収納の設置費用
- 屋根裏収納のスペースを活用するアイデア
- 屋根裏収納以外のおすすめ収納スペース
ぜひ最後までご覧いただき、収納量が多い家づくりを実現してくださいね。
注文住宅のおすすめ設備について知りたい方は「注文住宅の設備」の記事もご覧ください。
Contents
1.屋根裏収納とは?
屋根裏収納とは、屋根裏を活かした収納スペースのことです。屋根裏とは、天井と屋根の間や、階下の天井と階上の床の間のスペースを指します。
どの階にも天井の広さの屋根裏スペースがあるため、大容量の収納が可能です。また、屋根裏収納の床面積は、次の条件を満たすと総床面積に含まれません。
- 屋根裏収納につながる階の床面積の1/2未満であること(建物の中間部に屋根裏収納を設置する場合は上下階の床面積の1/2未満であること)
- 高さは140cm以下であること
- 収納以外の用途に転用できないこと
- 家屋内からアクセスする空間であること
- 建物の中間部に屋根裏収納を設置する場合は、屋根裏収納を挟む上下階の天井高が2.1m以上であること
ただし、自治体によっては、延床面積に算入されない屋根裏収納の基準が異なります。建築前に自治体の基準を確認しておくようにしましょう。
1-1.小屋裏収納との違い
屋根裏と小屋裏は、とくに意味の違いはありません。しかし、屋根裏は屋根と天井の間、小屋裏は天井上のスペースと使い分けていることも多く、この定義に沿うならば以下のように分類できます。
- 屋根裏収納:屋根と天井の間の空間を活かした収納スペース
- 小屋裏収納:屋根と天井の間、もしくは階下の天井と階上の床の間を活かした収納スペース
1-2.ロフトとの違い
屋根裏収納とロフトも、とくに意味の違いはありません。しかし、屋根裏収納は収納スペースとしてのみ活用される空間、ロフトは居室の一部としても活用される空間と分けることがあります。この定義に沿うならば、以下のように分類できます。
- 屋根裏収納:収納スペースとしてのみ使われる
- ロフト:収納スペースや居住スペースとして使われる
屋根裏の空間を収納スペース以外に用いると、床面積の算出に影響を及ぼします。床面積を少しでも広げたいときは、屋根裏や小屋裏の空間は収納に活用するようにしましょう。
2.屋根裏収納の収納量
天井裏のスペースは、すべて屋根裏収納として活かせます。また、天井の面積の半分までなら床面積に参入されないため、かなりの収納量を確保できます。
たとえば、30平米の広さの屋根裏収納をつくる場合について考えてみましょう。ものを詰めすぎると使い勝手が悪いため、全体の1/3にのみ収納ケースを置いたとします。大きめの衣装ケース(幅40cm×高さ30cm×奥行き75cm、容量90リットル)でも33個は平置きにできます。
また、天井高が140cmなら、衣装ケースを4個積み重ねることが可能です。屋根裏収納に置ける衣装ケースは全体で132個、収納量は約12,000リットルと概算できます。
2-1.屋根裏収納に置けるもの
高い収納力を発揮する屋根裏収納ですが、何でも置けるわけではありません。温度や湿度がこもりやすいこと、出し入れに時間がかかることなどを考慮し、収納するものを選びましょう。おすすめのものをいくつか紹介します。
- 行事やイベントに使うもの:クリスマスツリー、ひな人形、五月人形など
- 季節の家電:扇風機、ファンヒーターなど
- 季節の衣類、客用の布団、スーツケースなど
- 子どもの図工作品、卒業アルバムなど
屋根裏収納へは階段やはしごを使ってアクセスするため、頻繁に取り出すものはおすすめできません。できれば取り出す頻度が年に1回程度のものを収納しましょう。
2-2.屋根裏収納に置けないもの
以下のものは屋根裏収納に置くのは適していません。居住スペース内のクローゼットやウォークインクローゼット、納戸などに片付けましょう。
- 抱えて階段を上るのが難しいほど重いもの
- 階段を下りるときに足元が見えないほど大きなもの
- DVD、ビデオカセット、カセットテープ
- 革製のカバンや衣類
- カメラやパソコンなどの精密機器
- 高温多湿の環境で保管できない食品
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3.屋根裏収納のメリット・デメリット
収納スペースは屋根裏だけではありません。後述しますが、床下収納や土間収納、階段下収納などのさまざまな種類があります。屋根裏収納をつくるか迷ったときは、屋根裏収納ならではのメリットとデメリットを確認し、使い勝手が良さそうか判断しておきましょう。
3-1.メリット
屋根裏収納のメリットとしては、次のものが挙げられます。
- 収納スペースが増える
- 隠し部屋としても活用できる
- 間取りに影響を与えにくい
本来、屋根裏はデッドスペースです。しかし、はしごや階段を取り付け、内装や照明を整えれば、デッドスペースを収納スペースとして活用できます。
ウォークインクローゼットや納戸は総床面積に含まれますが、屋根裏収納は条件を満たせば総床面積に含まれないため、収納スペースが増えても総床面積には影響を与えません。
非日常感があり、隠し部屋として活用できるのも屋根裏収納のメリットです。急に来客があったときは、リビングにある日用品を一時的に屋根裏収納に片付け、見た目をすっきりとさせられます。ほかにも、内密の話をする場所や誰にも邪魔されずに一人になりたいときの場所として活用してみてはいかがでしょうか。
ほかの空間に影響を与えにくいのも屋根裏収納のメリットです。たとえば、主寝室にウォークインクローゼットを設置する場合、収納スペースを広く確保すると寝室のスペースが減ってしまいます。また、廊下にクローゼットを設置するときも、クローゼットの奥行きによっては廊下が狭くなるでしょう。
しかし、本来使わない屋根裏なら、奥行きや幅を広げても他の個室や廊下に影響を及ぼしません。限りある居住空間を有効活用するためにも、屋根裏収納を検討してみてはいかがでしょうか。
3-2.デメリット
屋根裏収納には、次のデメリットがあります。
- 高温多湿
- 天井が低い
- 出入りに階段が必要
温かい空気は上昇するため、屋根裏の温度は高くなりがちです。また、屋根を隔てて外気と接していることから、気温の影響を受けやすく、夏は暑く冬は寒くなる傾向にあります。
換気が十分でない場合は、湿度がこもりやすい点もデメリットです。場合によっては、収納物にカビが生えたり、変色・変質したりするかもしれません。
また、元々屋根裏は人が入るための空間ではないため、天井高が高くはありません。収納スペースとして活用するために天井高を高くする場合でも、総床面積に影響を及ぼさないためには140cm以下であることが求められます。そのため、内部を移動するときは中腰の姿勢となり、身体に負担がかかることもあります。
出入りに階段・はしごが必要な点もデメリットです。収納するものを抱えて階段・はしごを上るため、あまり重いものは片付けにくいでしょう。また、取り出したものを抱えて階段・はしごを下りるため、あまり大きなものを収納すると視界を遮り、足を滑らせてしまうかもしれません。
ここまで、屋根裏収納のメリットとデメリットを解説しました。
マイホームに屋根裏収納を導入するか検討中の方は、複数メーカーの間取りプランを比較検討したり、第三者に相談してみたりすることが後悔しない大切なポイントになります。その上で、まずHOME4U(ホームフォーユー)プラン作成依頼サービス(無料)を活用してみることをおすすめします。
実際のハウスメーカー・工務店が作成するプラン資料を取り寄せたり、専任スタッフに間取りや予算など、家に関する疑問を相談してみることも可能です。
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4.屋根裏収納にかかる費用
屋根裏収納を設置する費用は、6畳程度の広さで15万~30万円が相場です。しかし、施工会社や内装工事の内容、広さなどによっても異なるため、さらに高額になることもあります。はしごではなく固定階段を取り付ける場合や10畳以上の広々としたスペースにする場合は、費用がさらに高額になり、50万円を超えることも珍しくありません。
屋根裏収納の面積を広くすると、その分、資材が多く必要になるため、費用が高額になってしまいます。収納したいものがあまりないときや、活用できるか不安があるときは、少し狭めにつくるのも一つの方法です。
また、階段を造作工事でつくってもらうと、階段だけでも20万円ほどかかることがあります。とくにこだわりがなければ、既製品を使うか、はしごを選んでみてはいかがでしょうか。
5.屋根裏収納をフル活用する収納アイデア
階段やはしごを使って上り下りするのが徐々に面倒になり、屋根裏収納を使わなくなってしまうこともあるようです。せっかくのスペースをフル活用するためにも、次のアイデアを実践してみてください。
- 収納棚をDIYで取り付ける
- 必要な棚・ラックを後付けする
- 扇風機やソファを設置する
それぞれのアイデアを解説します。
5-1.収納棚をDIYで取り付ける
ひな人形や客用布団のように専用箱や専用袋があるものなら、そのまま屋根裏収納に置けますが、子どもの美術作品やアルバムといった細々としたものは、どのように片付けるか迷ってしまうかもしれません。ちょっとしたものでも気軽に屋根裏収納に片付けられるよう、収納棚を取り付けてみてはいかがでしょうか。
棚があれば、専用箱や専用袋がないものでも簡単に片付けられます。棚はDIYでも取り付けられるため、片付けたいものが増えれば自分で増設し、使いやすい収納空間に仕上げていきましょう。
5-2.必要な棚・ラックを後付けする
どの程度の棚やラックが必要かは、実際にものを入れてみないとわかりません。屋根裏収納をつくるときに棚やラックも取り付けてしまうと、予想以上に使い勝手が悪く、デッドスペースができてしまう可能性もあります。棚やラックは後付けするようにしましょう。
5-3.扇風機やソファを設置する
屋根裏は天井高が低く、高温多湿になりがちなため、決して快適とはいえません。しかし、あまりにも快適性が低いと、出入りするのも億劫になり、使わなくなってしまいます。
収納しやすくするためにも、扇風機やヒーターなどの冷暖房器具を置いてみてはいかがでしょうか。電気だけで動くものなら、コンセントさえ取り付ければ使用できます。また、片付けで疲れたときに休憩できるように、簡易ソファやクッションなどを置いても良いかもしれません。
6.屋根裏収納以外のおすすめ収納スペース
屋根裏収納以外にも、さまざまな収納スペースがあります。個室や廊下などの居住空間に影響を与えにくいおすすめの収納スペースを紹介します。
6-1.床下収納
床下収納とは、床下部分に設けた収納スペースです。キッチンの床に設置することが多く、非常食や米、水などを収納する際に使われることがあります。
床下収納は居住スペースに影響を与えないだけでなく、熱がこもりにくく、荷物を出し入れしやすい点がメリットです。ただし、広いスペースは確保できないため、収納するものは限られます。
6-2.外部収納
庭に物置を設置するのもおすすめの方法です。アウトドア用品やガーデニング用品なら、元々屋外で使用するもののため、取り出しやすいのではないでしょうか。
しかし、屋外のため、貴重品を置くスペースには適していません。また、地域や物置の床面積によっては、建築確認申請が必要になることがあります。事前に確認しておきましょう。
6-3.土間収納
土間収納とは、土間を活かした収納スペースです。水を流して掃除できるため、アウトドア用品や子どもの外遊びのおもちゃを置く場所にも適しています。
また、外部収納とは異なり屋内にあるため、貴重品の収納にも使えます。大切なマウンテンバイクや高価なベビーカーなどを置く場所としても活用してみてはいかがでしょうか。
6-4.階段下収納
階段下は高さが不揃いのため、デッドスペースになりがちです。棚やラックを取り付けて、階段下収納として活かしましょう。
うまく整理できない場合は、扉やカーテンで目隠しするのも一つの方法です。余剰スペースがある場合は、小さなソファを置いて、隠れ家として使っても面白いかもしれません。
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まとめ
屋根裏の広い場所を収納に活かすことで、居住空間を減らさずに収納スペースを増やすことが可能です。換気や温度管理にこだわれば、ものを片付けるときも快適に過ごせます。
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