住宅を建てる際は、扉をどのタイプにするかが非常に重要です。扉には大きく引き戸・開き戸・折れ戸があり、引き戸にはさらに引き込み戸や引き分け戸といった種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、扉ごとの特徴を正しく理解することが大切です。
この記事では、引き込み戸について以下の内容を解説します。
- 扉の種類ごとの違いや引き込み戸の特徴
- 引き込み戸のメリット・デメリット
- 引き込み戸で後悔しないためのポイント
引き込み戸について理解を深め、住宅を購入する際の参考にしてください。
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Contents
1.引き込み戸とは
引き込み戸とは、横にスライドさせて開閉し、壁と壁の間に引き込む戸のことです。引き戸の1つで、戸を開けた際に戸袋の中に収納されて見えなくなるという特徴があります。
そもそも引き戸とは、前後ではなく横にスライドさせて開閉するタイプの戸のことです。その中でも、引き込み戸は見た目がスッキリしており、雨戸や掃き出し窓などに設置されるケースが多く見られます。
以下では、扉の3つの種類と引き込み戸をはじめとする引き戸の4つの種類、さらに引き込み戸の2つのタイプについて解説します。
1-1.扉の3つの種類
引き込み戸について理解する前に、扉の3つの種類を理解しましょう。
扉には、大きく分けて引き戸・開き戸・折れ戸の3つがあります。それぞれの特徴やメリット、デメリットをまとめると以下のとおりです。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
引き戸 | 扉を左右に動かして開閉する |
開けっ放しにしやすく出入りが楽 前後のスペースを確保する必要がない |
気密性や遮音性が低い 掃除がしにくい |
開き戸 | 扉を前後に動かして開閉する |
気密性や遮音性が高い 掃除しやすい |
開口部のスペースを広くとる必要がある 車椅子で通るのが難しい 部屋の内側に押して開ける内開きタイプの場合、中にいる人とぶつかる可能性がある |
折れ戸 | 扉を折り畳むようにして開閉する | 気扉を開けた時のデッドスペースが少ない |
コストが高くなりやすい 掃除がしにくい 指を挟む恐れがある |
1-2.引き戸の4つの種類
引き戸には、さらに引き込み戸、片引き戸、引き分け戸、引き違い戸の4つの種類があります。それぞれの違いは以下のとおりです。
種類 | 特徴 |
---|---|
引き込み戸 |
戸を片側にスライドさせて開閉する 戸を開けると戸袋の中に収納される |
片引き戸 | 戸を片側にスライドさせて開閉する |
引き分け戸 | 2枚の戸を左右にスライドさせて開閉する |
引き違い戸 | 2枚の戸を左右どちらかにスライドさせて開閉する |
1-3.引き込み戸の2つのタイプ
引き込み戸は、設置方法によってレールタイプと上吊りタイプの2つに分けられます。
レールタイプは、床の上に設置したレールの上をスライドさせて開閉するタイプです。安定感がある一方、レールの溝の間に埃や髪の毛などが挟まりやすいというデメリットがあります。また、レールの分段差ができるため、車椅子で通りにくかったり、つまずいて怪我をしたりするリスクには注意が必要です。
上吊りタイプは、天井や壁にレールが設置されており、戸をスライドさせて開閉するタイプです。上吊りタイプは、床がフラットであるため車椅子でも通りやすく、転倒リスクも抑えられるため安心というメリットがあります。レールタイプに比べると掃除もしやすいです。一方、床とドアの間に隙間ができるため、気密性や遮音性が低いのが難点です。
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2.引き込み戸のメリット
引き込み戸を設置することには、以下のようなメリットがあります。
- 見た目がスッキリする
- 戸袋部分に家具を置ける
- 間取りを柔軟に変化させやすい
- 車椅子の方でも安心して使える
それぞれのメリットについて見ていきましょう。
2-1.見た目がスッキリする
引き込み戸は、戸を開けると戸袋内に収納されるため、見た目がスッキリするのがメリットです。
同じ引き戸でも、たとえば片引き戸の場合は、戸を開けると壁の上に戸が重なります。一方、引き込み戸なら戸が見えなくなるため、圧迫感が薄れ部屋が広く見えるでしょう。
また、開き戸のように取手が出っ張っていないため、閉めている際もスタイリッシュです。
このように、引き込み戸はスッキリした見た目をしているため、空間に馴染みやすく開放感のある空間を演出できます。
2-2.戸袋部分に家具を置ける
引き込み戸は、戸袋両面の壁に家具を置けるのもポイントです。
片引き戸の場合は、戸を開けた際に壁の上に戸が重なります。また、引き違い戸の場合は戸同士が重なります。開閉する度に重なっている部分が動くため、そこに物を置いたり立てかけたりするのは難しいです。
一方、引き込み戸では戸が戸袋内に収納されるため、開閉しても戸袋両面の壁が動くことはありません。そのため、家具やインテリアを置いてスペースを有効活用できます。
2-3.間取りを柔軟に変化させやすい
引き込み戸は、間仕切りとして間取りを柔軟に変化させやすいのもメリットです。
たとえば、リビングとダイニングの間に引き込み戸を設置すれば、普段は開けっ放しにして開放感のある空間を演出できます。戸が見えなくなるため、部屋との一体感もあります。お客さんが来た時や集中して作業する時などは、引き込み戸を閉めて空間を区切ることが可能です。
また、子ども部屋とリビングの間に引き込み戸を設置するのも1つの方法です。子どもが小さいうちは開けたままにしておくことで、リビングにいながら子どもの様子を確認できます。子どもが成長した際は、戸を閉めて子ども用のプライベートな空間を確保できます。
このように、状況に応じて間取りを柔軟に変化させられるのが魅力です。
2-4.車椅子の方でも安心して使える
引き込み戸は、車椅子の方や体が不自由な方でも安心して使えます。
戸を好きな場所で止められるため、車椅子でも移動がしやすいです。特に、上吊りタイプであれば床に段差ができないため、スムーズに通過できるでしょう。
また、軽い力で横にスライドさせるだけでよいため、身体の不自由な方や小さな子どもでも簡単に開け閉めできるのもメリットです。
ゆっくり閉まるタイプの引き込み戸を設置すれば、手や足を挟んでしまう事故も防げます。
ここまで、引き込み戸のメリットをご紹介しましたが、希望する戸を取り入れた間取りを実現するには、どんなパターンがあって、どんな予算感になるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
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3.引き込み戸のデメリット
一方、引き込み戸には以下のようなデメリットもあります。
- 気密性・遮音性が低い
- 設置場所が限られる
- お手入れが大変
設置後に後悔しないためには、メリットだけでなくデメリットも理解しましょう。
ここでは、引き込み戸を設置する3つのデメリットについて解説します。
3-1.気密性・遮音性が低い
引き込み戸は、戸とレールや、戸と戸袋の間に隙間ができるため、気密性や遮音性が低いのがデメリットです。隣の部屋まで音が漏れたり、冷暖房効率が悪くなったりする場合があります。
特に、上吊りタイプの場合は床と戸に隙間ができるため、音漏れや隙間風が気になる可能性が高いです。
気密性や遮音性の高さを重視する場合は、開き戸を採用するとよいでしょう。
3-2.設置場所が限られる
引き込み戸は、設置場所が限られるのも難点です。戸を引き込むスペースが必要であるため、狭い部屋には設置できない可能性があります。スペースをあまり確保できない場所に扉を設置する際は、開き戸にすることがおすすめです。
ただし、ほかの引き戸に比べると設置場所を柔軟に選びやすいでしょう。たとえば、片引き戸を設置する場合は少なくとも扉2枚分のスペースが必要です。一方、引き込み戸では壁と壁の間に戸袋を作るため、壁の部分に扉を引き込めます。
3-3.お手入れが必要
引き込み戸は、お手入れが必要である点に注意が必要です。
戸袋の中に物が入ってしまった場合、戸を取り外さなければ取り出せません。戸袋の中を綺麗に掃除したい場合も、戸を取り外す必要があります。
また、レールタイプの場合はレール部分のお手入れも必要です。レールに埃や髪の毛などが溜まりやすく、放置すると引き込み戸の動きが悪くなってしまいます。お手入れを正しく行うことで、快適に利用できるでしょう。
メリットだけでなく、デメリットもありながら、その検討のポイントや対策があることも分かりましたね。
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4.引き込み戸を設置して後悔しないためのポイント
ここでは、引き込み戸を設置して後悔しないために注意したいポイントを3つ紹介します。
- 音やにおいが気になる場所は引き込み戸にしない
- お手入れが大変なことを理解しておく
- ゆっくり閉まるタイプを選ぶと安心
引き込み戸は、メリットを活かせる場所に設置しましょう。
また、お手入れが大変なことを事前に理解しておくことや、子どもも安心して使えるようゆっくり閉まるタイプを選ぶことも大切です。
4-1.音やにおいが気になる場所は引き込み戸にしない
引き込み戸は気密性や遮音性が低いため、音やにおいが気になる場所に設置するのはおすすめしません。たとえば、トイレの戸を引き込み戸にすると、トイレ内の音やにおいがリビングやダイニングなどに漏れてしまう可能性があります。
引き込み戸は、風通しをよくしたい場所に設置するのがおすすめです。気密性が低いということは、通気性に優れているということを意味します。湿気がこもりやすい脱衣所や、洋服や靴などを保管している場所を引き込み戸にするとよいでしょう。
4-2.お手入れが必要なことを理解しておく
前述のとおり、引き込み戸を設置する際はお手入れが必要な点を理解しておきましょう。引き込み戸は自身で取り外せるケースが多いです。しかし、戸袋の内部を掃除したり物を取り出したりする度に取り外すことになるため、面倒に感じる可能性があります。
お手入れが必要なことを理解したうえで、正しいお手入れ方法を知ることが大切です。
普段のお手入れでは、レールに汚れが溜まらないように掃除機をかけましょう。隙間掃除用のノズルを取りつけると、レールの溝も綺麗に掃除できます。
汚れが溜まっている場合は、アルコールスプレーをかけてからブラシでかき出すと、汚れがゆるんで取り除きやすくなります。
戸袋の内部まで綺麗にしたい場合は、戸を取り外した後、掃除機やハンディモップなどを使って汚れを取り除きましょう。
4-3.ゆっくり閉まるタイプを選ぶと安心
安全性を重視したい方は、ゆっくり閉まるよう工夫されている引き込み戸を選ぶのがおすすめです。勢いよく閉まるタイプの場合、指や足を挟んで怪我をしてしまう恐れがあります。また、閉める度に「バタン」という衝突音が気になってしまう可能性が高いです。
ゆっくり閉まるタイプなら、閉まる直前に自動でブレーキがかかるため、子どもも安心して使えます。音も静かで、閉めた勢いで扉が跳ね返ることもないため、快適に利用できます。
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5.引き込み戸の設置がおすすめのケース
引き込み戸は、以下のようなケースや場所に設置するとよいでしょう。
- 限られたスペースを有効活用したい場合
- 空間を広く見せたい場所
- 家族の出入りが多い場所
- バリアフリーにしたい場所
- 開き戸にすると扉同士がぶつかってしまう場所
引き込み戸は、開き戸のように前後のスペースを広く確保する必要がありません。また、戸袋の両面の壁にも家具やインテリアを置けます。そのため、限られたスペースを有効活用したい場合におすすめです。
また、開けた扉を戸袋に収納できるため、空間を広く見せられるという効果もあります。見た目がスッキリしているため、圧迫感を出したくない場所に適しています。
リビングやダイニングのように家族の出入りが多い場所にもおすすめです。人が多い時間は開けっ放しにし、必要に応じて引き込み戸を閉めて空間を仕切る、という使い方ができます。また、横に動かして開閉するため、扉を開けた際に中にいる人とぶつかってしまう心配もありません。
車椅子で通りやすいため、バリアフリーにしたい場所にも適しています。上吊りタイプであれば、段差でつまずく恐れがないためより安心です。
さらに、開き戸にすると扉同士がぶつかってしまう場所にも、引き込み戸がおすすめです。狭い場所に扉を複数設置する場合、開き戸では扉同士が干渉してしまう可能性があります。片方を引き込み戸にすることで、扉がぶつかるリスクを防げます。
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まとめ:引き込み戸のデメリットも理解したうえで検討しよう
引き込み戸は、横に動かして開閉し、壁と壁の間の戸袋に引き込む戸のことです。引き戸の1つであり、戸を開けた際に戸が戸袋の中に収納され、見えなくなるという特徴があります。見た目がスッキリしており、前後のスペースを確保する必要もないため、開放感を演出したい場所やスペースを有効活用したい場合などにおすすめです。
一方、気密性や遮音性が低いことや、お手入れが必要なこと、設置できる場所が限られていることなど、デメリットもあります。引き込み戸のメリットとデメリットを理解したうえで、どの部屋に設置するべきかを慎重に検討することが大切です。
玄関の戸を引き戸にしようか検討されている方は、併せて以下の記事もご覧ください。
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