【設置を迷った方向け】「玄関・引き戸」の参考事例&メリット・デメリット

玄関引き戸 メリット・デメリット・事例集

この記事では、新築住宅の玄関に「引き戸」と「開き戸」と迷ったときの決め方や、「引き戸」のメリット・デメリットといった基礎知識や選び方、実際の設置事例を解説しています。

この記事でわかること
  • 玄関引き戸のメリット・デメリットと、開き戸と迷ったときの決め方
  • 玄関引き戸と開き戸を対比した価格相場と選び方
  • 玄関引き戸を選んだ人の事例

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1.玄関引き戸の特徴&開き戸と迷ったときの決め方

この章では、玄関引き戸の主な特徴と、開き戸と迷ったときの決め方を解説いたします。

1-1. 特長1 開閉が抜群にしやすく、バリアフリー

引き戸 特長1 開閉が抜群にしやすく、バリアフリー

玄関引き戸の最大の特徴・メリットは「開閉のしやすさ」です。
取っ手を必ずつかんでいなくても、扉の前に荷物を置いていても自在に開けることが出来ますし、開き戸と比べて、開ける間隔を自由に選べるというメリットもあります。

また、開き戸に比べて開閉口が広くとれるのでバリアフリーにも適しており、メーカーによっては車いすの方のためのオプションがついていることもあります。
最近は自動開閉や、勢いよく開けてもゆっくりと扉が閉まるようになる機能などもオプションで選べるようになっており、更に利便性を上げることも可能です。

これらの利点から、玄関引き戸を選んだ方からは、「満足」「引き戸以外考えられない」という声が多くなっています。

詳しくは「2.玄関引き戸のメリット&デメリット解説」をご覧ください。

1-2. 特長2 断熱性・防犯性も現在は向上

引き戸 特長2 断熱性・防犯性も現在は向上

引き戸は、開閉のためにレールや溝を設置する必要があるため、扉の上下に隙間が生じてしまうので断熱性に弱く、また壁や扉と扉の間に隙間が生じることから、防犯性にも心配があると言われてきました。

ですが現在は断熱性に優れた引き戸が数多く販売されていますし、防犯性に関しても、ディンプルキーや脱着サムターン、鎌鍵といった技術で対策されているため、開き戸に比べて大きく劣るということはありません。

詳しくは「2.玄関引き戸のメリット&デメリット解説」をご覧ください。

1-3. 特長3 主に4種類の形状と3種類の材質から選べる

引き戸 特長3 主に4種類の形状と3種類の材質から選べる

引き戸には、4種類の形状と、3種類の材質があります。
それぞれの種類ごとの向いている家・人は以下の通りです。

<玄関引き戸の形状の種類と向いている家>
引戸の形状 向いている家
引き違い戸 間口が扉二枚分だけで済み、両側がそれぞれ開くため、フレキシブルな使い方が可能。枚数を増やすことでどんどん間口を広くできるのでどんな家にも向いている。
片引き戸 病院などでもよく使われ、開けやすく、間口も広いので、子供や車いすの方がいる家に向いている。
引き分け戸 間口を大幅に取るので、壮麗な見た目の家に向いている。
引き込み戸 2枚、3枚引き込み戸であれば、大きな荷物の出し入れがあったり、人の出入りが多い家向き。
1枚引き込み戸であれば、狭い間口の家にも向いている。
<玄関引き戸の素材の種類ごとのメリット・デメリット 選ぶべき人>
素材の種類 メリット・デメリット 選ぶべき人
アルミ製

【メリット】

  • お手入れも楽で、風雨での劣化も起こりにくい。

【デメリット】

  • 断熱性が低い
  • 機能性・デザイン性を中間的に兼ね備えたものが良い人
  • 安めの価格で引き戸にしたい人
木製

【メリット】

  • 圧倒的な高級感があり、デザイン性が高い。

【デメリット】

  • 価格が高い
  • 半年か1年ごとにオイルを塗ったり塗装したりという維持の手間がかかる
  • お金はかかってもデザイン性や温かみ、重厚さを得たい人
  • メンテナンスが苦にならない人
ガラス製

【メリット】

  • デザイン性が高い。ハイセンスな見た目になる。
  • 採光性に優れており、暗くなりがちな玄関を一気に明るくする。

【デメリット】

  • 防犯性に劣る。
  • デザイン性にこだわりたい人
  • 採光を多くとりたい人

詳しくは、「4.玄関引き戸の選び方」をご参照ください。

1-4.開き戸と迷ったときの決め方

開き戸と迷ったときは、以下のことを念頭に置いて考えれば、最も良い選択ができるでしょう。

〈玄関引き戸と開き戸で迷ったときの決め方〉
  • どれくらい開けやすさを重視するかで決める

開けやすさでは、引き戸は圧倒的に開き戸に勝ります。簡単に開けっ放しにしておけるため、荷物の運搬にも便利です。
「とにかく開けやすさが大事」という方であれば、引き戸以外に選択肢はないでしょう。

また、開けやすさというメリットをふまえたうえで、それぞれを選ぶべき場合を紹介すると、以下の通りです。

【引き戸を選ぶべき場合】
  • バリアフリーに配慮したい(子供がいたり、車いすの方や体の弱いお年寄りがいるなど)
  • 荷物の持ち運びや人の出入りが多い
  • 強風が吹く地域に家がある
  • 玄関周りを充実させたい(鉢植えを置きたい、土間を作りたいなど)
【開き戸に選ぶべき場合】
  • 引き戸特有の間口を広く取るデザインが好みでない
  • 断熱性、気密性を手軽に得たい

更に詳しく知りたい方のために、引き戸と開き戸それぞれのメリット・デメリットを簡単に比べてみましょう。

<玄関ドア 開き戸と引き戸 メリット・デメリット比較>
種類 メリット デメリット
開き戸
  • 断熱性、気密性が高い
  • 防音性が高い
  • 防犯性が高い
  • 選べるデザインが豊富
  • 引き戸よりも安め
  • 開けっぱなしにしておく時に手間がかかる
  • 開口が狭い
  • 強風時の開け閉めが大変
引き戸
  • 開けやすい
  • 開口部が広い
  • 扉前後の開閉スペースが不要
  • 開ける幅が調整できる、
  • 段差が少ない
  • 蝶番で指を挟むなどの事故が起きにくい
  • 断熱性、気密性が低い
  • 防犯性が低い
  • 開口部を広くとらなければいけない
  • 開き戸よりも高め

まず、開き戸には「引き戸は構造上溝やレールがあるため、その分の隙間が空くのに対し、開き戸は構造上元から断熱性・防音性に優れている」というメリットがあることを知っておきましょう。だからこそ、現在の住宅のほとんどが開き戸でもあるのです。

そしてその一方で、実は引き戸のデメリットはほとんどが対策可能です。例えば、このように対策が出来ます。

<玄関引き戸 デメリット対策方法一覧>
問題 断熱性、気密性が低い
対策 現在は技術が向上してどちらも十分に対策されている。安いものだとないものもあるが、その場合も後から対策可能。
問題 防犯性が低い
対策 壁と扉、扉と扉の隙間を狙われるという被害がかつてはあったが、今はディンプルキーや二重ロック、脱着サムターンといった様々な防犯対策が取られている。
問題 開口部を広くとらなければいけない
対策 これはある程度しかたないところがあるが、引き込み戸の1枚タイプであれば開口部が広くなくても外壁や内壁のスペースを利用して設置できる場合がある。
問題 開き戸よりも高め
対策 これは一概には言えない。メーカーやつけるオプション、デザイン、素材、色々な要素で価格が変わり、開き戸も引き戸も相場は大体20万~60万くらいであるため。

こうしてみると、引き戸は開き戸のメリットも十分に兼ね備えることが可能だということが分かります。
ですから、最終的には「開けやすさと開ける間隔を選べる利便性」で選ぶのが、一番後悔がない選び方が出来るでしょう。

また、例外的に「デザインや機能より、とにかく丈夫なドアがいい」方、海沿いに住んでいる方には開き戸をおすすめします。なぜならそのような方には、素材として、防火・耐久性が抜群に優れた「スチール製」、塩害に強い「ステンレス製」のドアが適しているのですが、それらは基本的に開き戸の素材で、引き戸ではほとんどないからです。

2.玄関引き戸のメリット・デメリット解説&デメリットの対策方法

この章では、玄関引き戸のメリット・デメリットと、デメリットの対策方法について、詳しく解説いたします。
以下はその一覧です。

<玄関引き戸のメリット&デメリット一覧>
メリット デメリット
  • 開閉が楽
  • ドアを開けっぱなしにしておける
  • 玄関ポーチが広く使える
  • 好きな幅で開けておける
  • 開き戸に比べて段差が少ない
  • 扉によるケガが少ない
  • 断熱性・気密性に劣る
  • 防犯性にやや劣る
  • 間口を広く確保しなくてはいけない
  • 開き戸よりも価格が高い
<デメリットとそれぞれに対応するカバー方法の一覧>
デメリット一覧 デメリットの対策方法一覧
気密性に劣る 元から気密性の高い商品を買うか、後からでも上げることが可能。
防犯性に劣る 元から防犯性の高い商品を買うか、鍵、防犯ガラスなどの防犯グッズを施す。
間口を広く確保しなくてはいけない 引き込み戸であれば外壁や内壁のスペースを利用して設置できる可能性がある。
開き戸よりも価格が高い 基本的にそういわれているが、玄関ドアは開き戸も引き戸もピンキリで、一概には言えない。

2-1.玄関引き戸のメリット解説

玄関扉を引き戸にしている家庭はあまり見かけないかもしれませんが、取り入れたところでは「後悔した」という声が聞かれることはあまりなく、そのことからデメリットをカバーできるだけの大きなメリットがあると言えます。

この章では、玄関引き戸のメリットについて、詳しく解説いたします。項目は以下の6つです。

  • 開閉が楽
  • ドアを開けっぱなしにしておける
  • 玄関ポーチが広く使える
  • 好きな幅で開けておける
  • 開き戸に比べて段差が少ない
  • 扉によるケガが少ない

2-1-1. メリット1 開閉が楽

玄関引き戸 メリット1 開閉が楽

開閉が楽なのは、玄関引き戸の大きなメリットのうちの一つです。扉の前に荷物を置いていても、手がふさがっていても、簡単に開閉できます。後ろに下がって開ける必要がないので、車いすの方にもおすすめです。

また、強風が吹いている場合、開き戸だと扉が煽られて強くしまったり、開ける際に重たくなったりしますが、引き戸はそのようなことはなく、労力が要りません。

2-1-2. メリット2 ドアを開けっぱなしにしておける

玄関引き戸 メリット2 ドアを開けっぱなしにしておける

大きなものの搬入などで、開き戸だと誰かが扉を押さえておく、ドアストッパーをかませるなどの煩わしい作業が必要になりますが、引き戸の場合、ただ開けっぱなしておけばいいだけなのでとても簡単です。

2-1-3. メリット3 玄関ポーチが広く使える

玄関引き戸 メリット3 玄関ポーチが広く使える

引き戸だと、開き戸に必要な前後の開閉スペースを必要としないため、玄関ポーチが広く使えます。

また、おすすめは土間を作ることです。施工費は㎡単価でおおよそ8,000円~10,000円かかりますが、自転車を入れたりおしゃれな鉢植えを置く棚を作ったりと、玄関のグレード・おしゃれさが格段にアップします。

2-1-4. メリット4 好きな幅で開けておける

玄関引き戸 メリット4 好きな幅で開けておける

「開ける」か「閉める」か、どちらかの選択肢しかない開き戸に比べて、引き戸は好きな幅だけ開けておけます。

誰かと立ち話をするときに開ける幅を調整したり、換気のために少し開けたりと、細かい動作に対応してくれます。

なお、換気のためにドアを開けておく機会が多くなりそうであれば、中折れタイプの網戸の取り付けがおすすめです。網戸は目隠しにもなるため、プライバシーを確保しやすくなります。また、中折れタイプは費用があまりかからないうえ、省スペースで取り付けできます。

2-1-5. メリット5 開き戸に比べて段差が少ない

玄関引き戸 メリット5 開き戸に比べて段差が少ない

こちらはご高齢の方や、ベビーカー、車いすをご利用の方にうれしいポイントです。開き戸に比べて段差が少ないので、移動が楽になります。

2-1-6. メリット6 扉によるケガが少ない

玄関引き戸 メリット6 扉によるケガが少ない

開き戸でよくあるのが、子供が蝶番部分に指を詰める事故です。また、扉の向こうに人がいるのに気づかずに開けてしまい、思い切りぶつかってしまったという話もよく聞きます。

引き戸なら、そのようなことはありません。子どもが扉を閉じる際に指を挟む可能性はゼロとは言えませんが、「ソフトクローズ」という、勢いよく開けてもゆっくりと閉まる機能付きの引き戸もありますので、対策は可能でしょう。

ソフトクローズ機能つきの扉の例
https://www.yamatoya-kk.co.jp/kenzai/genkan-hikido/

2-2.玄関引き戸のデメリット解説&対策方法

玄関引き戸には多数のメリットがありますが、デメリットも存在しています。
とはいえ、それらはほとんど工夫によって対策が可能です。

この章では、玄関引き戸のデメリットと対策方法とを詳しく解説いたします。項目は以下の通りです。

<デメリットとそれぞれに対応する対策方法の一覧>
デメリット一覧 デメリットの対策方法一覧
気密性に劣る 元から気密性の高い商品を買うか、後からでも上げることが可能。
防犯性に劣る 元から防犯性の高い商品を買うか、鍵、防犯ガラスなどの防犯グッズを施す。
間口を広く確保しなくてはいけない 引き込み戸であれば外壁や内壁のスペースを利用して設置できる可能性がある。
開き戸よりも価格が高い 基本的にそういわれているが、玄関ドアは開き戸も引き戸もピンキリで、一概には言えない。

2-2-1. デメリット1 断熱性・気密性に劣る

玄関引き戸 デメリット1 断熱性・気密性に劣る

玄関引き戸の最大のデメリットは、開き戸に比べて気密性に劣ることです。
引き戸の特性上、開閉のためにレールや溝を設置する必要があるため、扉の上下に隙間が生じてしまうので、風が通りやすく、音漏れもしやすくなっています。

とはいえ、これは製品選びの時点である程度対策可能です。例えば、YKKap社の「れん樹」という製品は、複層ガラス構造にすることで断熱性を高めています。

また、LIXIL社のk3シリーズ、PGシリーズという引き戸も、断熱性、気密性を売りにしています。

製品選択以外で対策する場合、ピンチブロックを取り付けてもらうのが最も高い効果があります。

なお、ご自身で断熱性・気密性を上げることも可能です。
引き戸を外してテープを張るだけですが、だいぶ改善したという声が多くあります。

2-2-2. デメリット2 防犯性にやや劣る

玄関引き戸 デメリット2 防犯性にやや劣る

引き戸は、戸と壁が重なる部分に隙間がある、などの理由から開き戸に比べて防犯性にやや劣ると言われています。

ですが、こちらも対策は可能です。
例えばLIXIL社のエルムーブ2という製品は高い防犯性を有しています。

三協アルミのジュノバ、セレナ、彩樹といった商品も、2ロックや着脱式サムターンといった防犯性に優れています。

基本的に大手のメーカーなら、断熱性にしろ防犯性にしろ、引き戸の弱点をよく知っているので、開き戸に劣らないようある程度の対策はしてあると考えて良いでしょう。

また、以下のような優れものの防犯グッズもあります。

防犯ガラス……空き巣の手口に多いガラス割りを防ぐための強固なガラス。
一般的なガラスに「防犯フィルム」を貼るという手もあります。

脱着サムターン……施錠した後、サムターン(鍵の開閉のための金具)をわざと取り外すことで、サムターン回しを防ぎます。
※ただし取り付けられない扉もあります。

ディンブルキー……かなり形状が複雑なため、ピッキングを途中であきらめさせるのに効果的です。

鎌鍵……扉と扉の間の部分をこじ開けられないためのグッズです。引き戸の枠に鎌状のフックが食い込むので、なかなか引きはがすことが出来ません。なお、出来るだけ高所にとりつけることをおすすめします。空き巣の手が届きにくいようにするためです。

防犯では、以下の3点を頭に置いておくとよいでしょう。

  • 元から防犯性能の高い商品を選ぶ
  • ガラスを付けるなら防犯ガラスに
  • 鎌鍵などの防犯性の高い鍵を複数取り付ける

2-2-3. デメリット3 間口を広く確保しなくてはいけない

玄関引き戸 デメリット3 間口を広く確保しなくてはいけない 

開き戸の場合、扉一枚分と少しのスペースがあれば取り付けが可能ですが、引き戸の場合は左右に開閉するので、少なくとも扉二枚分と少しのスペースがなければ取り付けが出来ません。

ですが、引き込み戸であれば外壁や内壁のスペースを利用して設置できる可能性があります。
「狭めの間口で取り付けたい」という要望を、メーカーに伝えてみるとよいでしょう。

2-2-4. デメリット4 開き戸よりも価格が高い

デメリット4 開き戸よりも価格が高い

基本的に、間口を大きくとらなければならない上に、レールや溝などの部品が多くなるので、引き戸は開き戸よりも価格が高いと思われている傾向にあります。

ですが、玄関ドアの価格はピンからキリまであります。メーカーによっては、引き戸の方が開き戸よりもずっと安いところもありますし、開き戸で80万近くするものもあれば、引き戸でも9万円程度のものもあります。

その上、新築時だと、何十%か割引になることも少なくありません。

ですから、これは明確なデメリットとはならないでしょう。

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3.玄関引き戸・開き戸の費用相場&比較シミュレーション

ここでは、玄関引き戸・開き戸の費用相場と、最低額~最高額までを比べた比較シミュレーションを掲載しています。

3-1.玄関引き戸・開き戸の費用相場&比較シミュレーション

玄関引き戸・開き戸の費用相場は、おおむね以下の通りです。

<玄関引き戸・開き戸の費用相場>
玄関引き戸の費用相場 約20万~60万円

ある程度のデザイン性・機能性を兼ね備えたものを想定した場合で、実際メーカーなどによっても大きく差が出ますが、大体この程度の値段が出せれば、引き戸でも開き戸でも検討が可能と言えるでしょう。

「玄関引き戸の方が開き戸より高い」とはよく言われることですが、実際玄関ドアは、開き戸であろうと引き戸であろうとピンからキリまでの値段があります。例えば、市場に出回っている玄関ドアの値段を、引き戸・開き戸それぞれで低い方から高い方まで比べてみると、おおまかにこのようになっています。

<玄関引き戸・開き戸の費用 おおまかな最低額から最高額まで>
玄関引き戸の費用
※大体の最低額~最高額
約10万~100万円
玄関開き戸の費用
※大体の最低額~最高額
約7万~85万円

こう見ると、引戸の方が高くなってはいるものの、あまりに価格の幅がありすぎるので、比較するのは難しいことがお分かりになるでしょう。
開き戸では勝手口にも使えるような汎用ドアだと、7万円程度からあります。引き戸も、気密性や防犯性を高めてあるわけではない最も簡易的なものなら10万円程度から探せます。
ホームセンターなどで探すなら、さらに安いでしょう。

反対に、開き戸で80万円近くするものだと、デザイン性・断熱性共にトップクラスのもの、引き戸で100万円近くするものだと、4枚建ての引き分け戸などです。

他にも、以下の様々な点でドアの値段は大きく上下します。

  • 欄間の有無
  • メーカーごとの差
  • 色やデザイン性
  • 防火性等機能をアップさせるかどうか
  • オーダーメイドかどうか(例えば、単板ガラスの製品を防犯性の高い合わせガラスにするなど)
  • 新築時の割引

そのため、一概に「引き戸の方が開き戸より高い」とは言い難いでしょう。

「引き戸にするか開き戸にするか」を迷ったら、費用相場だけでなく、2章で述べたメリット・デメリットや、次章で解説する玄関引き戸の選び方を含めて検討してください。

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4.玄関引き戸の選び方

ここでは、玄関引き戸の選び方を、種類と素材、二つの観点からご紹介いたします。

4-1.玄関引き戸の種類(形状)と選び方

玄関引き戸には、代表的に以下の4種類があります。

  • 引き違い戸
  • 片引き戸
  • 引き分け戸
  • 引き込み戸

それぞれの特徴と価格帯は以下のとおりです。

引き違い戸・片引き戸・引き分け戸・引き込み戸

<玄関引き戸の種類と特徴 価格帯>
形状 特徴 価格帯
引き違い戸 最もスタンダードなタイプで、2枚建てが多く、両方の戸を自由に動かせる。 安いものからある
片引き戸 左右の一方にドアを動かすタイプの引き戸。ドアを引き込むのは玄関中側・外側のどちらのタイプもある。 相場通りか、相場より高い
引き分け戸 4枚建てで最も外側の二枚を固定し(FIX部分)、中央の二枚の引き戸から出入りする。 かなり高い
引き込み戸 壁に引き戸が入るので、スペースをあまりとらずに広い開口部を得ることが可能。
3枚建てで2枚を引き込むものや、作りとしては引き分け戸と同じだが、その固定部分を壁側に引き込む両引き込み戸などがある。
相場通りか、相場より高い

選ぶ際には、基本の価格帯に加え、

  • 開口部が広いものが良いか
  • デザイン性が高いものが良いか

に注意して選ぶとよいでしょう。
それに着眼したうえで、向いている家を解説すると、以下の通りです。

<開口部の広さとデザイン性で選ぶ玄関引き戸の種類>
玄関引き戸の種類 向いている家
引き違い戸 間口が扉二枚分だけで済み、両側がそれぞれ開くため、フレキシブルな使い方が可能。どんな家にも向いている。
枚数を増やすことでどんどん間口を広くできるが、その分価格も高くなるので注意が必要。
〈開口部の広さ〉
普通〜広い
〈デザイン性〉
普通。和風のものが多いが、洋風も選べる。
片引き戸 病院などでもよく使われ、開けやすく、間口も広いので、子供や車いすの方がいる家に向いている。
〈開口部の広さ〉
広め
〈デザイン性〉
良い。洋風のものも多く、袖部分がガラスになっているものは特に美麗。
引き分け戸 間口を大幅に取るので、壮麗な見た目の家に向いている。
〈開口部の広さ〉
広い
〈デザイン性〉
良いが、好みが分かれる。和風で荘厳な見た目になるため。
引き込み戸 見た目を大げさにせず広い開口部が持てるので、大きな荷物の出し入れがあったり、人の出入りが多かったりする家に向いている。
1枚引き込み戸であれば、間口が広く取れない家でも設置が可能。
〈開口部の広さ〉
普通〜広い
〈デザイン性〉
良い。モダンでスタイリッシュなデザインが多い。

次に、玄関引き戸の材質を解説いたします。

4-2.玄関引き戸の種類(材質)と選び方

玄関引き戸の材質には、代表的に以下の3種類があります。

  • アルミ製
  • 木製
  • ガラス製

それぞれの特徴とメリット・デメリットは以下の通りです。

<玄関引き戸の材質3種類の主な特徴とメリット・デメリット>
材質 主な特徴 メリット・デメリット
アルミ製 玄関ドアの主流の素材。軽くて耐久性にも優れており、デザインも豊富。

【メリット】

  • お手入れも楽で、風雨での劣化も起こりにくい。

【デメリット】

  • 断熱性が低い
木製 断熱性が高く、温かみのある外見。

【メリット】

  • 圧倒的な高級感があり、デザイン性が高い。

【デメリット】

  • 価格が高い
  • 半年か1年ごとにオイルを塗ったり塗装したりという維持の手間がかかる
ガラス製 片開き戸で固定部分(FIX部分)がガラスになっていたり、ドア自体にガラスが細工されているもの。全面ガラスは玄関扉では防犯や機能上ほとんどみかけない。

【メリット】

  • デザイン性が高い。ハイセンスな見た目になる。
  • 採光性に優れており、暗くなりがちな玄関を一気に明るくする。

【デメリット】

  • 防犯性に劣る。

選ぶ際には、

  • 価格帯
  • デザイン性
  • 機能性

に注目して選ぶとよいでしょう。上記の材質をその観点ごとに簡単に並べるとこのようになります。

<玄関引き戸の材質3つの価格帯・デザイン性・機能性の比較>
価格帯 デザイン性 機能性
アルミ製 安い 良い 耐久性が高いが断熱性は低い
木製 かなり高い とても良い 断熱性は高くメンテナンス次第で長く耐久性を保つ
ガラス製 機能にこだわると高い とても良い ガラス部分がどのくらいあるかにもよるが、他の全てと比較すると機能性に突出したところはない

要約すると、選ぶべき人は以下の通りです。

<玄関引き戸の材質3つと選ぶべき人>
材質 向いている人
アルミ製
  • 機能性・デザイン性を中間的に兼ね備えたものが良い人
  • 安めの価格で引き戸にしたい人
木製
  • お金はかかってもデザイン性や温かみ、重厚さを得たい人
  • メンテナンスが苦にならない人
ガラス製
  • デザイン性にこだわりたい人
  • 採光を多くとりたい人

なお、補足ですが、このほかに玄関ドアの材質としては、

  • スチール製
  • ステンレス製

の二種類があり、こちらはほとんど開き戸のみの材質となっています。
ただ、特にステンレス製ドアは塩害に強いという特徴があるため、海沿いにお住まいの方はステンレス製の開き戸にした方がお手入れを楽にできるかもしれません。

5.玄関引き戸を設置した際に想定できる事3選

ここでは、玄関引き戸を設置した際に想定できる「良い点」「悪い点」を3つご紹介します。

5-1.【事例】玄関を開けっぱなしで使うために、引き戸を設置

玄関を開けっぱなしで使うために、引き戸を選んだ際に想定できる「良い点」「悪い点」をご紹介します。

想定できる「良い点」 想定できる「悪い点」
  • 開けやすく、開きっぱなしにしやすい
  • 防犯、断熱、価格が心配

良い点:開けやすく、開きっぱなしにしやすい

関引き戸 良い点:開けやすく、開きっぱなしにしやすい

引き戸は開けやすく、開き戸に比べて開けっ放しにしておきやすいため、荷物の出し入れが多くなるご家庭や車いすの方がいらっしゃるご家庭に向いています。

逆に、勝手に閉まってくれないというデメリットもありますが、ゆっくり自動で閉まる様なオプションも存在します。

悪い点:防犯、断熱、価格が心配

玄関引き戸 悪い点:防犯、断熱、価格が心配

確かに価格は少々高めになる事が多いようですが、ものによりますのでそこは予算と相談してみてください。

防犯面・断熱性は古いタイプのものをイメージすると少し不安に感じますが、強化されたタイプもありますので、お住いの地域の事情に合わせて幅広く選んでいただけます。

また和風のデザインをイメージしがちですが、木目調でガラスをふんだんに使った洋風なものもあります。

引き戸は開き戸に比べて開けやすく、バリアフリーな玄関ドアとして定評があります。かつては開き戸に劣ると言われていた断熱性や防犯性も、十分対策できるものになっているようです。

似ている引き戸はこちら→https://www.lixil.co.jp/lineup/entrance/lmove/

5-2.【事例】リーズナブルな引き戸を設置

リーズナブルな引き戸を設置した際に想定できる「良い点」「悪い点」をご紹介します。

想定できる「良い点」 想定できる「悪い点」
  • 見た目もよく、使い勝手もよい
  • 後から心配なところを補強しようと思うと、手間とお金がかかる

良い点:見た目もよく、使い勝手もよい

玄関引き戸 良い点:見た目もよく、使い勝手もよい

「昔ながら」のイメージの強い引き戸ですが、最近はデザインのバリエーションも豊富です。

玄関は開き戸が標準で引き戸は珍しいので、個性的でおしゃれな玄関を演出し易いと言えるでしょう。
またどんな引き戸でも、基本的に開けやすいです。

悪い点:後から心配なところを補強しようと思うと、手間とお金がかかる

玄関引き戸 悪い点:後から心配なところを補強しようと思うと、手間とお金がかかる

やはりリーズナブルなものは防犯や断熱性が心配になります。後から断熱テープを貼ったり、防犯フィルムをガラスに張ったりすると、手間や費用が掛かります。

断熱性、防犯性の向上はそれぞれ数万円程度のオプション料金で施工可能なことが多いです。

似ている引き戸はこちら→https://alumi.st-grp.co.jp/products/entrance/hikido/reihou/

5-3.【事例】こだわりの木製の和風引き戸を設置

こだわりの木製の和風引き戸をオーダーメイドで設置した際に想定できる「良い点」をご紹介します。

想定できる「良い点」 想定できる「悪い点」
  • 懐かしさがよみがえる
  • 木製なのでじっくりメンテナンスが出来る
  • 特になし

良い点:懐かしさがよみがえる

玄関引き戸 良い点:懐かしさがよみがえる

子供のころ、ずっと引き戸の家で育っていた方も多いと思います。

そんな方にとっては、木製の引き戸は懐かしい、純日本家屋の思い出が引き起こされるのではないでしょうか?
欄間にこだわるのもまた一つの愉しみといえます。

良い点:木製なのでじっくりメンテナンスが出来る

玄関引き戸 良い点:木製なのでじっくりメンテナンスが出来る

木製の戸は塗料を塗りなおしたりといったメンテナンスが必要な場合があります。
欄間にこだわったりしていれば猶更です。

じっくり手入れをして、長く住み続けることこそ家を持つことの楽しみと考える方に合っていると言えます。

木製ドアは価格も高く、場合によってはメンテナンスに手間がかかることから選ばない人もいますが、長く大切に住み続ける家の顔として、ドアに投資するのも良いかもしれません。

ここまで様々な観点から考えうる事例をご紹介しましたが、予算を考慮しながら玄関引き戸を活かした間取りを考えるのは大変です。
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まとめ

玄関引き戸の種類や、採用するメリット・デメリット、費用相場、事例などをお伝えしました。
玄関引き戸を検討する際にはこれらをしっかり理解し、後悔のない選択をするようにしましょう。
それではおさらいです。

この記事のポイント

玄関引き戸で後悔しないためには?

例えば、玄関引き戸には、気密性に劣るというデメリットがあります。これに対しては、元から気密性の高い商品を買うか、後からでも上げる方法はあるので調べてみるとよいでしょう。
このようなデメリットへの対策は「2-2.玄関引き戸のデメリット解説&対策方法」で解説しています。

おしゃれな玄関引き戸にこだわりたい

玄関引き戸にこだわるのであれば、まず玄関引き戸の種類を把握しましょう。

  • 引き違い戸
  • 片引き戸
  • 引き分け戸
  • 引き込み戸

4.玄関引き戸の選び方」では、上記の特徴を解説しています。

玄関引き戸の値段はいくらぐらい?

一般的な玄関引き戸の値段は、約20万~60万円が相場と言われています。
ただし、商品によって価格帯は大きく変動するため、「3.玄関引き戸・開き戸の費用相場&比較シミュレーション」で費用相場の詳細や、比較シミュレーションを確認してみてください。

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