マイホームを購入する際は、収納の多さを重視することが大切です。収納の中でも、居住スペースを減らすことなく使わない物を収納できるのが床下収納です。しかし、床下収納をどのように活用できるのか、具体的なイメージがわかずマイホーム選びに迷っている方もいるでしょう。
この記事では、床下収納について以下の内容を解説します。
- 床下収納のメリットと注意点
- 床下収納を上手に活用する方法
- 設置場所別の床下収納の活用アイデア
床下収納を活用する具体的なイメージを固め、マイホーム選びの参考にしてください。
注文住宅のおすすめ設備について知りたい方は「注文住宅の設備」の記事もご覧ください。
1.床下収納とは
床下収納とは、床下の空間を利用した収納スペースのことです。
もともとは食品を保管する用のスペースとして使われており、明治時代から使われ始めたといわれています。
建築基準法により、住宅の床は基礎となる地面から45センチメートル以上の高さが必要であるため、どんな家でも床下にはそれほどの空間が存在しているといえます。そのようなデッドスペースになってしまう空間を有効活用できるのが床下収納です。
主にキッチンや洗面所などに設置されています。
2.床下収納のある家に住むメリット
床下収納のある家に住むメリットは以下のとおりです。
- 収納場所が増える
- 床下点検口としても活用できる
- 生活感を減らして収納できる
それぞれのメリットについて解説します。
2-1.収納場所が増える
床下収納を設ける大きなメリットは、収納場所が増えることです。
収納場所を設けるためには、パントリーを設置したりラックを購入したりする必要があります。その分、居住スペースが減ってしまうのが難点です。
床下収納であれば、もともとある床下空間を収納スペースとして活用できます。床面積をとることなく、収納場所を確保できるのが魅力です。とくに、面積が限られているものの物が増えがちなキッチンや洗面所には、床下収納を設けるのが効果的です。
2-2.床下点検口としても活用できる
床下収納は、床下点検口としても活用できます。床下点検口とは、床下に経年劣化や水漏れ、シロアリによる腐食などがないかをチェックするための住設機器です。床下点検口がなければ、床下の状態を確認するためにフローリングを剥がしたり、穴を開けたりしなければなりません。
床下収納があれば、収納ボックスを取り外すことで床下点検口としても使えます。普段は収納スペース、床下空間のメンテナンス時は床下点検口として活用できるため便利です。
2-3.生活感を減らして収納できる
床下収納は、生活感を減らして物を収納できるのもメリットです。
生活用品のストックや派手なパッケージの商品などは、見える場所に置いておくとインテリアを邪魔してしまうことがあります。床下収納があれば、生活感が出てしまうアイテムを、床下という人目につかない場所に隠して収納できます。インテリアにこだわりがある方や、部屋をなるべくスッキリさせたい方におすすめです。
普段は使わないような防災グッズを格納するなどの活用もできます。
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3.床下収納の注意点
一方、床下収納には以下のような注意点があります。
- 湿気やカビ対策が必要
- 物の出し入れが大変
- 床に段差ができてしまう
- 床の強度が落ちやすい
注意点も理解したうえで、床下収納のある家に住むかを決めましょう。
ここでは、それぞれの注意点について解説します。
3-1.湿気やカビ対策が必要
床下は日当たりが悪く湿気がたまりやすいため、湿気やカビ対策が欠かせません。カビ臭さが気になったり、カビが発生して収納していた食品が腐ったりする恐れがあります。虫も発生しやすく、食品を長期間収納していると虫が発生してダメになってしまう可能性もあります。
湿気やカビ対策として、除湿剤を活用しましょう。新聞紙を全面に敷き詰めることもおすすめです。新聞紙が湿気を吸ってくれます。また、湿気がたまらないように間隔を空けて物を収納することも大切です。
3-2.物の出し入れが大変
床下収納は、物を出し入れするのが大変というデメリットもあります。出し入れするたびに屈まなければならないため、足腰を痛めてしまう可能性も否定できません。
また、どこに何が入っているのかがわかりづらく、必要な物を出すためにすべての物を取り出さなければならないこともあるでしょう。
物の出し入れが大変という理由から、床下収納をあまり使わなくなってしまう可能性がある点には注意が必要です。
3-3.床に段差ができてしまう
床下収納を設置することで、床に段差ができてしまうのもデメリットです。
床下収納の蓋や枠の部分がわずかな段差となり、つまずいて怪我をしてしまうリスクがあります。とくに、小さな子どもや高齢の家族がいる場合は、転倒を防げるようマットを敷いて対策することが大切です。マットを敷くことで、床下収納自体を隠せるのもメリットです。
また、段差部分に埃がたまりやすいため、こまめな掃除が必要な点にも注意しましょう。
3-4.床の強度が落ちやすい
床下収納によって、床の強度が落ちやすくなるのもメリットです。
床下収納の仕様によっては、扉の部分の強度が落ちてしまう傾向があります。その上を家族が頻繁に行き来することで、寿命が短くなってしまう可能性もあります。
また、床下収納の近くは床鳴りがしやすく、定期的なメンテナンスも必要です。床鳴りとは、フローリングが軋んでミシミシと音が鳴ることです。
床の劣化を防ぐためには、床下収納を家族があまり行き来しない場所に設置するとよいでしょう。
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4.床下収納を上手に活用する方法
ここでは、床下収納を上手に活用するための方法を4つ紹介します。
- 床下収納のタイプを選ぶ
- 床下収納の深さを確認する
- 中に入れる物を工夫する
- 収納方法を工夫する
床下収納を設置して後悔しないためにも、ぜひ参考にしてください。
4-1.床下収納のタイプを選ぶ
床下収納には複数のタイプがあるため、使いやすいものを選ぶことが大切です。
床下収納には、以下のような種類があります。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
蓋を取り外せるタイプ | 蓋を自由に取り外せる | 蓋を外した状態でも収納できるため、大きい物やかさばる物も収納しやすい | 床下収納が大きいとその分、蓋も大きくなって目立ちやすくなる |
蓋を片手で開閉できるタイプ | 蓋が扉になっており、片手で開け閉めできる | 物を持ちながらでも開け閉めしやすく、出し入れが楽 | 物を収納する際に蓋が邪魔になってしまうことがある |
スライドタイプ | 複数の収納ボックスが連結しており、スライドさせることでそれぞれのボックスを利用できる | 収納スペースが多い | 物を入れすぎたり重い物を入れたりすると、収納ボックスが重くなってスライドさせにくくなる |
跳ね上げタイプ |
畳1畳分ほどの扉を開閉して利用する 和室や寝室などに設置されることが多い |
収納スペースが多い | ある程度のスペースがある場所にしか設置できない |
設置場所や利用頻度、収納したい物のサイズなどに応じて、どのタイプにするかを選びましょう。
4-2.床下収納の深さを確認する
床下収納の深さも確認しましょう。床下収納には、浅型と深型があります。浅型の高さは30センチメートルほど、深型は40〜50センチメートルほどです。
浅型は深さがない分、物を取り出しやすく2階にも設置しやすいというメリットがあります。深型は、ペットボトルやお酒、洗剤のボトルなど、背が高い物を収納するのに適しています。
設置場所や入れる物の高さに応じて、適切な深さを選びましょう。
4-3.中に入れる物を工夫する
床下収納を上手に使うためには、中に入れる物を工夫することも大切です。
床下収納には、以下のような物を入れるのが適しています。
床下収納に向いている物 | 例 |
---|---|
頻繁に取り出さない物 | パーティー用の調理器具やお正月用の食器など |
高温多湿でも長持ちし、長期保存が可能な物 | 未開封のペットボトルや缶詰、瓶詰め、非常食など |
軽量な物 | トイレットペーパーやティッシュなど |
向いていない物を収納してしまうと、物が腐ってしまったり、取り出すのが面倒になったりするため注意が必要です。
具体的な場所別の活用アイデアは、次の章で解説します。
4-4.収納方法を工夫する
床下収納をさらに活用するためには、収納方法を工夫することが大切です。工夫次第でより多くの物を収納できたり、物が取り出しやすくなったりします。
床下収納を活用する工夫としては、以下が挙げられます。
- コの字ラックを使用して、上下に収納できるようにする
- 取手付きのカゴに入れて取り出しやすくする
- ラベリングして何が入っているかわかるようにする
- ファイルボックスで仕切り、何が入っているかをわかりやすくする
- 床下収納に入れている物をリストアップしておく
5.設置場所別の床下収納活用アイデア
ここでは、キッチンと洗面所における床下収納の活用アイデアを解説します。
5-1.キッチン
キッチンの床下収納には、以下のような物を収納するのがおすすめです。
- 消費期限が長い缶詰やカップ麺
- かさばるペットボトル
- 限られたタイミングでしか使わない調理器具(鍋用のコンロやたこ焼きプレートなど)
キッチンには、深型の床下収納を設置するケースが多く見られます。大容量で多くの物を収納できる一方、積み重ねて入れると下に何を収納したのかが見えにくくなってしまうのが難点です。
上にラベルシールを貼ったり、透明な収納ケースを使用したりなど、上からでも何が入っているかがわかるよう工夫しましょう。
5-2.洗面所
洗面所の床下収納には、シャンプーや洗剤、掃除道具などのストックを収納すると便利です。床下収納を設置することで、狭くなりがちな洗面所を効果的に活用できます。
せっけんや歯ブラシなどの細かい物を収納する際は、ボックスに入れて収納するのがおすすめです。物がバラバラになることなく、取り出しやすくなります。
また、床下収納の場所にも注意が必要です。床下収納の上を頻繁に人が通ると軋みやすくなります。洗面所を使用するために、家族がその上を歩かないといけないような位置に床下収納が設置されていないかを確認しましょう。
洗面所の床下収納は、とくにこまめに掃除する必要があります。髪の毛や埃などが留まりやすく、湿気も多いためカビが生えやすい場所です。定期的な掃除で清潔に保ちましょう。
6.床下収納に関するよくある質問
最後に、床下収納に関するよくある質問と回答を紹介します。
- 床下収納に入れてはいけない物は?
- リフォームで床下収納を後から設置することは可能?
- 床下収納のある家は気密性や断熱性が劣るって本当?
- 床下収納の掃除方法は?
床下収納の理解を深めるためにも、ぜひ参考にしてください。
6-1.床下収納に入れてはいけない物は?
床下収納にあまり向いていないのは、以下のような物です。
- 腐りやすい物
- 密封されていない物(開封済みの物)
- 湿度の影響を受けやすい布製品や紙製品
- 床下収納の耐荷重を超える重い物
とくに、要冷蔵の食品や冷暗所で保管する物などは、カビや虫が発生しやすいため注意が必要です。また、物を入れすぎて床下収納の耐荷重を超過しないよう注意しましょう。
6-2.リフォームで床下収納を後から設置することは可能?
床下収納をリフォームで後付けすることは可能です。しかし、床下の深さや配管の位置などによっては設置できない場合もあります。また、床上げして収納を作る場合は建築基準法の確認が必要であったり、その分の費用がかかったりすることも少なくありません。
そのため、床下収納が欲しい場合は床下収納がすでに備わっている物件を選ぶ、あるいは注文住宅を建てる際に床下収納の設置もお願いするのがよいでしょう。
6-3.床下収納のある家は気密性や断熱性が劣るって本当?
床下収納のある家は、床下収納部分から空気や熱が逃げるため、気密性や断熱性が劣ってしまう可能性があります。
気密性や断熱性を高めた住宅であっても、期待する性能が得られない場合があるため注意が必要です。冬場は床下から冷気が入り込み、足元が冷えてしまうこともあるでしょう。
気密性や断熱性を高めたい場合は、断熱材が取り付けられている専用の床下収納を選ぶのがおすすめです。
6-4.床下収納の掃除方法は?
床下収納の日々のお手入れでは、水でぬらした布で全体を拭き取りましょう。汚れがひどい場合は、中性洗剤で汚れを落とし、乾拭きしてください。
床下収納は気密性があまり高くないため、埃やゴミが中に落ちやすいのが難点です。定期的なお手入れで、清潔に保ちましょう。
また、年に1回はねじやボルト類のゆるみがないかを確認し、締め直すことが大切です。
まとめ
床下収納は、床下を有効活用して収納を増やせる便利なスペースです。主にキッチンや洗面所などに設置され、ペットボトルや缶詰、日用品のストックなどを収納する際に役立ちます。収納場所を増やしたい方や、なるべく生活感を出したくない方などにおすすめです。
床下収納を活用するためには、設置場所や収納する物などに応じて床下収納のタイプや深さを選びましょう。また、中に入れる物や収納方法を工夫することも大切です。
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