12坪の狭小住宅ってどんな家?メリットや間取りアイデアをわかりやすく解説

12坪狭小住宅のメリット 間取りアイデアも解説

12坪の狭小住宅は、都心の限られたスペースでマイホームをもちたい方におすすめです。工夫次第で、おしゃれで快適な住まいを実現できるでしょう。

この記事では、12坪の狭小住宅について以下の点を解説します。

この記事でわかること
  • 12坪の狭小住宅のメリットや注意点
  • 12坪の狭小住宅を建てる際のポイント
  • 12坪の狭小住宅の間取りのアイデア

ぜひ最後までご覧いただき、理想のマイホームを建てる際の参考にしてください。

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1.12坪の狭小住宅はどんな家?

12坪の狭小住宅はどんな家? イメージ

狭小住宅は、その名のとおり「狭くて小さい」土地に建てられた住宅です。広い土地の確保が難しい都心部に多く、近年では京都や愛知などの地方都市でも狭小住宅を建てる方が増えてきています。三角地や、くの字の土地など、住宅にあまり適していない土地に家を建てる際に採用されるケースが多いようです。

住宅は基本的に四角い形状の土地に建てますが、あえて三角地や、くの字の土地に建てれば、土地の形状を活かした個性的なデザインの住宅を建てることも可能となるでしょう。

ここからは、以下の2項目について詳しく解説します。

  • 「狭小住宅」はおおよそ15坪以下の住宅
  • 一戸建ての坪数の目安

1-1.「狭小住宅」はおおよそ15坪以下の住宅

まず狭小住宅の大きさについてですが、どの程度の大きさまでの住宅が狭小住宅と呼ばれるのか、明確に定義されているわけではありません。目安としては、おおよそ15坪以下の住宅が狭小住宅と呼ばれています。

住宅用の土地としては非常に小さな空間ですが、それゆえに一般的な土地よりも安めの価格で売られていることが多いです。

住み慣れた土地で暮らしたい方や、小さくてもマイホームが欲しい方にとっては、土地を相場よりも安く購入できる有力な選択肢となるでしょう。

1-2.一戸建ての坪数の目安

狭くて小さい土地に建てられた狭小住宅と、一般的な一戸建ての住宅では坪数にどの程度の差があるのでしょうか。住宅金融支援機構が実施した「2022年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅の住宅面積の全国平均は122.8m²です。

坪数に換算すると約37坪のため、両者の住宅面積には大きな差があることがわかります。今回紹介する12坪の狭小住宅は住宅面積が約40m²のため、その差はより顕著です。このような小さな住宅で暮らしていくには、一般的な住宅とは異なるなんらかの工夫が必要となるでしょう。

参考:住宅金融支援機構「PDF 2022年度 フラット35利用者調査

40坪はどれくらい広い?具体的な間取り例や注意したいポイントをご紹介

2.狭小住宅(12坪)のメリット

狭小住宅(12坪)のメリット イメージ

住宅面積が狭いため、不便な部分が多いのではと思われがちな狭小住宅ですが、狭小住宅特有のメリットもいくつか存在します。狭小住宅(12坪)のメリットは以下の4つです。

  • 利便性の高い土地を安く購入できる
  • 税金を安く抑えられる
  • 水道光熱費を節約できる
  • 住まいの手入れがしやすい

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

2-1.利便性の高い土地を安く購入できる

狭小住宅は狭くて小さい土地、つまり都心部に集中して建てられることが多いです。そのため、狭小住宅を建てる場合は、駅や商業施設が近くにある利便性の高い土地を確保できます。とくに駅が近い場合は、通勤や通学の際に非常に便利です。

基本的に利便性の高い土地は価格が高めの傾向にありますが、狭小住宅を建てるような土地はその狭さゆえに安く購入できる可能性が高まります。

人気があり、利便性の高い土地になるべく安く住宅を構えたい場合は、狭小住宅が有力な選択肢となるでしょう。

2-2.税金を安く抑えられる

住宅建築後に徴収される税金に「固定資産税」や「都市計画税」がありますが、これらの税額の算出には土地や建物の大きさが関連しています。土地や建物が大きければ大きいほど高くなるため、土地、建物ともに小さい狭小住宅は税金を安く抑えることが可能です。

また、住宅用の土地に関しては「土地に関する軽減措置」があり、住宅の面積が200m²以下であれば固定資産税が1/6、都市計画税が1/3に減額されます。

税金による家計への負担は無視できないため、税金を安く抑えられる点は狭小住宅の大きなメリットといえるでしょう。

参考:総務省「PDF 税負担軽減措置関係

2-3.水道光熱費を節約できる

狭小住宅がもつ特徴は、水道光熱費の節約にも関係します。たとえば冷房や暖房を使用する場合、狭小住宅は一般的な住宅よりも狭いため、冷暖房が効きやすいです。

そのため、結果的に冷暖房の使用時間が短くなり、光熱費の節約につながります。節水タイプのシャワーやトイレを導入すれば水道代の節約も可能です。

なお、住宅売買時に発生する登録免許税は、土地・建物共に固定資産税評価額に基づいて算出されます。狭小住宅であれば敷地や建物が狭いことから通常よりも評価額が低くなるため、これらの費用もあわせて抑えられます。住宅が小さいことから修繕費も少なく済み、工期も短いため、狭小住宅はさまざまな面でコストカットを見込める住宅といえるでしょう。

2-4.住まいの手入れがしやすい

住宅内の掃除をはじめとする住まいの手入れは、住宅が大きければ大きいほど時間がかかり、負担も大きくなります。一方、狭小住宅は住宅面積が狭く、住宅内の掃除がしやすいでしょう。住宅が狭いことで家の中に目が行き届きやすくなるため、修繕が必要な箇所を見つけやすい点もメリットといえます。

また、狭小住宅は土地自体が狭いことから庭がない場合も少なくありません。そのため、庭掃除をする必要がない点も一般的な住宅にはないメリットといえます。

ここまで、狭小住宅(12坪)の詳細やメリットをご紹介しました。元々イメージされていた戸建、一軒家とはイメージが少し違った、あるいは、メリットが大きいと感じた方もいるかもしれません。

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3.狭小住宅(12坪)の注意点

狭小住宅(12坪)の注意点 イメージ

土地を安く購入できる、税金を安く抑えられるなどのメリットがある狭小住宅ですが、メリットばかりではなくデメリットも存在します。狭小住宅(12坪)の注意点は、以下の3つです。

  • 建築コストが割高になりやすい
  • 3階建て住宅は階段移動が多い
  • 住宅ローンが組みづらい

それぞれ詳しく解説します。

3-1.建築コストが割高になりやすい

狭小住宅は、建築コストが割高になりやすいというデメリットがあります。敷地が狭く建築資材の搬入が難しいことで、人件費や車両費が一般的な住宅よりも高くなってしまうことがあるためです。

住宅を3階建てにする際に間取りの工夫が求められる点も、建築コストが高めになる要因といえます。住宅面積が狭いからといって、建築コストが安くなるとは限らないことを頭に入れておきましょう。

3-2.3階建て住宅は階段移動が多い

土地が狭い狭小住宅は、できるだけ生活スペースを増やすために3階建てにする場合が多いです。しかし、3階建てにすると階段移動が多くなってしまうため、不便に感じる場面もあるでしょう。

なるべく快適に暮らしていけるよう、水回りやリビングなどの配置をよく考えたうえで、生活動線を意識した間取りにすることをおすすめします。

また、3階建ての住宅は建築物の高さに制限があることが多いため、床下空間が狭くなりがちです。人が入れるほどの広さではない場合は、丁寧な点検・修繕が困難となってしまいます。狭小住宅を3階建てにする場合は、床下がどの程度の高さになっているのか必ず確認しておきましょう。

3-3.住宅ローンが組みづらい

一般的な広さの住宅とは違い、狭小住宅は住宅ローンが組みづらい場合があります。金融機関は、住宅ローンを組む際の条件として土地面積や住宅の床面積の広さを基準として定めている場合が多く、狭小住宅だと基準を満たしていない可能性があるためです。

また、すまい給付金をはじめとする緩和制度は「床面積が50m²以上の住宅(一定期間内に契約した場合は40m²以上)」が条件となっているため、緩和制度を受けられない可能性もあります。

すでに注意点として挙げたように、狭小住宅は建築コストが割高になりやすいため、住宅ローンが組めなかった場合は金銭的に大きな負担がかかってしまうでしょう。

ただし、金融機関によって土地面積や床面積の基準は異なるため、すべての金融機関で住宅ローンが組めないわけではありません。いくつか候補となる金融機関を決め、住宅ローンが組めるかを事前に確認するとよいでしょう。

参考:国土交通省「すまい給付金

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ここでは狭小住宅(12坪)の注意点を解説しました。狭小住宅を検討する際に考慮すべき視点が見えてきましたね。

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4.12坪の狭小住宅を建てる際のポイント

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12坪の狭小住宅を建てる際に意識しておきたいポイントは、以下の3つです。

  • 間取りに開放感をもたせる
  • 耐震性についてメーカーに相談する
  • 収納を工夫する

それぞれ詳しく解説します。

4-1.間取りに開放感をもたせる

ドアや壁で間取りを完全に区切ってしまうと、圧迫感をおぼえやすくなってしまいます。部屋の仕切りをできるだけ少なくして、間取りに開放感をもたせるようにしましょう。

間取りに開放感をもたせたい場合に便利なアイテムが「可動式の間仕切り」です。可動式の間仕切りは天井や床面のレールに沿って動かせるため、状況に応じて自由に使い分けられます。可動式の間仕切りを多く採用して壁自体を減らせば、内装費の節約にもなるでしょう。

また、フェンスや門を設置しない「オープン外構」というスタイルをとることでも圧迫感を軽減できます。フェンスや門を設置しない分、コスト削減も可能です。ただし、敷地がオープンになってしまうため、外から部屋の中が見えにくくなるような工夫を凝らすことをおすすめします。

4-2.耐震性についてメーカーに相談する

3階建てが多い狭小住宅は、居住スペースが縦に長くなりがちです。縦に細長い形状は、一般的な横に長い住宅よりもバランスが悪くなるため、地震の横揺れに弱くなる可能性があります。日本は地震が多い国なので、大きな揺れを感じやすい住宅では不安に感じてしまう方も多いでしょう。

そのため、地震による不安をできる限り払拭できるよう、住宅の耐震性について住宅メーカーとしっかり相談するべきです。住宅のプロである住宅メーカーから耐震性を保証されれば、確実に安心感につながります。

住宅の構造としては、木造よりも鉄骨造のほうが耐震性に優れているため、耐震性を重視する場合は鉄骨造での建築を検討してみてください。

地震に強いハウスメーカー15社比較!耐震等級3やその他工夫を解説

4-3.収納を工夫する

狭小住宅は収納スペースが少ないため、収納スペースをどのように確保するかが課題です。効率よく収納スペースを確保できるよう、収納を工夫する必要があるでしょう。

効果的な方法としてまず考えられるのは、「デッドスペースの活用」です。リビングの床下や階段下など、デッドスペースになりがちな空間は少なくありません。これらの空間を収納スペースとして活用できれば、さまざまなものを収容できるようになるはずです。

予算に余裕があれば、思い切って地下室を設けるのもよいでしょう。費用は割高になってしまいますが、収納スペースとしては十分すぎる空間を確保できます。もちろん収納スペースとしてだけでなく、趣味を楽しむ部屋としての活用も可能です。

これらの工夫を凝らし十分な収納スペースを確保できれば、狭小住宅で快適に暮らし続けられるでしょう。

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5.理想の暮らしを実現!12坪の間取りのアイデア

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12坪の狭小住宅で理想の暮らしを実現するには、外装や内装などの工夫が欠かせません。間取りを工夫して、快適に暮らせる住宅を作り上げましょう。

今回紹介する12坪の間取りのアイデアは以下の2つです。

  • 3階建てでゆとりある居住空間を確保
  • 吹き抜けを設けて明るく開放感ある住宅に

それぞれのアイデアでどのような工夫が凝らされているのか、詳しく見ていきましょう。

5-1.3階建てでゆとりある居住空間を確保

住宅を3階建てにすれば、ゆとりある居住空間の確保が可能です。階層を増やせばそれに伴い床面積も増えるため、寝室や子ども部屋、趣味の部屋などさまざまな個室を作れます。部屋にロフトを作成すれば、より効果的にスペースを活用できるでしょう。

なお、住宅を3階建てにする場合は生活動線の考慮が重要です。どうしても階段を使ったフロア移動が多くなってしまうため、リビングやトイレなど使用頻度の高い設備の場所を工夫する必要があります。使い勝手がよく、狭さを感じさせない住宅となるような間取りを目指しましょう。

▶【3階建てでゆとりある居住空間を確保する間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック

5-2.吹き抜けを設けて明るく開放感ある住宅に

狭小住宅は大きな窓をつけられないため、採光を意識しないと屋内が暗くなりがちです。明るく開放感のある住宅にしたい場合は、吹き抜けを設けるとよいでしょう。吹き抜けがあれば天窓から光が届くため、明るく開放的な住宅を実現できます。

天窓を設けると通気性もよくなるため、住宅の快適性も向上するでしょう。狭小住宅は住宅密集地に建てられることが多いため、日当たりを確保しづらいケースも少なくありません。しかし、そのような環境であっても、吹き抜けがあれば日当たりを確保しやすくなるためおすすめです。

▶【吹き抜けを設けて明るく開放感のある住宅にする間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック

まとめ

狭い土地に建てる狭小住宅は、一般的な住宅とは異なる点が多いです。利便性の高い土地を安く購入できる、税金を安く抑えられる点は非常に大きなメリットですが、メリットだけでなくデメリットも把握しておかなければ、住宅購入後に後悔してしまうかもしれません。

とくに住宅ローンが組めなかった場合は大きな誤算となり得るため、今回紹介した注意点は必ず確認するようにしましょう。

間取りの工夫次第で狭さを感じさせない住宅にすることは十分に可能なため、狭小住宅に魅力を感じた方はぜひ狭小住宅を検討してみてください。

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