家を建てるのに年齢は関係ありません。しかし、みんなは何歳くらいで建てるものなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
国土交通省の調べによると、注文住宅を建てた方の場合、30代が最も多く41.7%。
次いで40代が23.5%、50代以降が20.5%、30歳未満が14.1%です。
この記事では、なぜ30代で家を建てる人が多いのか、また、年齢ごとに注文住宅を建てる時のポイントを解説します。
- 30代で家を建てる人が多い理由
- 家を建てるタイミングの具体例
- 【年齢別】注文住宅を建てる際のポイント
注文住宅を建てる平均年齢である30代の住宅ローンの平均借入額や返済期間、金利タイプなどのデータをはじめ、年齢別の注文住宅の建て方についても解説するので、ぜひ最後までご覧いただき、自分たちにとって一番よいタイミングで注文住宅を建てるための参考にしてください。
家を買うと決めたときに、まずやるべきことが知りたい方は「家を買う」の記事もご覧ください。
Contents
1.家を建てる年齢の平均は30代!その理由は?
国土交通省の調査によれば、回答した住宅ローン利用者の年代は以下の割合を示していました。
大半を占めるのが30代という結果となりました。
それでは、なぜ30代で家の新築を決意する方が多いのでしょうか。
ここからはその理由に迫っていきます。
参考:国土交通省「 令和4年度 住宅市場動向調査」
1-1.理由(1) 年収が増えてローンを借りやすいから
30代で家を建てる方が多い理由として、年収が増えて、住宅ローンが借りやすいことが挙げられるでしょう。
住宅ローンの審査では、返済負担率をチェックされることが一般的です。返済負担率とは1年間のローン返済額を年収で割って求めた数字で、住宅ローンで負担のない返済計画を考えるなら、20〜25%程度が目安といわれています。
つまり、年収が多ければ大きい金額を借りやすくなるため、20代では収入が低く、思うような借入額を得られないこともあるのです。
30代であれば20代よりは年収が高くなっているので、住宅購入に必要な金額も借りやすくなるでしょう。また、結婚している場合は配偶者の年収も合算してローンを借りることもでき、より高額なローンを組みやすくなります。
1-2.理由(2) 家賃を無駄にしたくないから
国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第15回出生動向基本調査」によれば、男性の平均初婚年齢は30.6歳、女性の平均初婚年齢は29.1歳でした。
この調査から、30歳前後のタイミングで一人暮らしをしていた方や親兄弟と暮らしていた方が、配偶者やパートナーと暮らすために引っ越すなど、住居における変化が訪れる可能性が想定されるでしょう。
夫婦のうちどちらかが住居を所有している場合などを除き、以下の2つの選択をします。
- 賃貸住宅を借りる
- 住居を購入する
賃貸住宅を借りると当然ながら家賃が発生しますが、何年家賃を払っても財産にはならないので無駄に感じるかもしれません。家賃を無駄にしないためにも、結婚や同居を機に住宅購入に踏み切る方も多いと考えられます。
家族が増える場合なども、広い住宅を借りて家賃を支払うよりは、住宅を購入し、ローン返済に充てるほうが良いと選択する方もいます。
参考:国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」
1-3.理由(3) 頭金が貯まったから
住宅ローンを借りるときは、ある程度の頭金を用意することが一般的です。
頭金があるとその分、住宅ローンで借りる金額が減り、返済期間や毎月の返済額も減らすことができるため、ローンによる負担も軽減されます。
一般的に、働き始めてすぐの20代と比べると、30代は貯蓄額も増えています。頭金を出す程度の余裕も生まれ、住宅ローンも現実的になってくるでしょう。
また、フルローンで住宅を購入する場合でも、手付金や中間金などは現金で支払うため、手元にお金が必要です。
家具や家電製品も新居に合わせて購入するなら、さらに高額な費用がかかります。
このことからも、30代になってある程度の貯蓄があることで、住宅購入を決意する方が多いともいえるでしょう。
1-4.理由(4) ライフステージが変わったから
結婚・出産・入学などを機に住宅購入を検討する方もいます。結婚や出産により家族が増え、部屋数が必要になることもあるでしょう。
結婚当初は夫婦どちらかの家に住む場合でも、子どもが生まれるタイミングでより広い住宅に引っ越す必要性を感じるかもしれません。
親の老後・子育てのしやすさ・子どもの就学・進学から家を建てる判断をする方もいらっしゃいます。
以上が、30代で家を建てる人が多い理由です。
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2.家を建てるタイミングの決め方【具体例あり】
家を建てる年齢は30代が多いですが、一人ひとり事情は異なるので、いつ建てても問題はありません。
どのタイミングで建てようか迷ったときは、次の3つを考慮して決めてみてはいかがでしょうか。
- 住宅ローンの完済時期から逆算する
- 子どもの進学に合わせて決める
- 良い土地や良いハウスメーカーとの出会い
それぞれのポイントからどのように家を建てる年齢を決めるのか、詳しく解説します。
2-1.住宅ローンの完済時期から逆算する
国土交通省が実施した調査によれば、金融機関が融資を実行する際に考慮する項目のうち、もっとも多いのが「完済時年齢」でした。
実に98.7%の金融機関がローン契約者の完済時年齢をチェックしていたことから、住宅ローン審査に通るためには、完済時の年齢について考慮する必要があることがわかります。
参考:国土交通省「 令和4年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」
完済時年齢が何歳以下だとローン審査に通りやすい?
実際に完済時年齢が何歳であれば審査に通りやすいかについては、金融機関側は公表していませんが、無理なく返済できる年齢が好ましいでしょう。
例えば定年退職する前であれば、安定した収入の中から返済できるため、審査に有利になることがあります。
完済時年齢は、住宅ローンの返済期間によっても変わります。
例えば35歳で35年ローンを組めば完済時年齢は70歳になりますが、30年ローンにすれば完済時年齢は65歳です。
完済時の年齢を逆算する際の注意点
以下の点に注意することで、完済時年齢を決め、住宅ローンを開始する年齢、つまり家を建てる年齢を逆算することができます。
- いつまでに住宅ローンを完済すれば審査に通りやすいか
- 老後生活に影響を与えずに無理なく返済できるか
- 子どもの教育費や親の介護費用をひっ迫しないか
65歳までに住宅ローンを完済したいけれども、毎月の返済額が多いのは困るという方であれば、30歳で住宅を建てて35年ローンを組み、65歳で完済するというプランも検討できるでしょう。
また、頭金をしっかりと貯めて借入額を減らし、毎月多めに返済して短期間で完済したいという方であれば、40歳で住宅を建てて20年ローンを組み、60歳で完済するプランも考えられます。
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2-2.子どもの進学に合わせて決める
現在住んでいる場所とは異なる学区に家を建てる予定であれば、子どもが進学するタイミングに合わせることもおすすめです。
子どもにとって居住地の変化がストレスになることもあるので、学校やお稽古ごとなどを変えずに済むように住宅購入の時期を調整することも大切です。
2-3.良い土地や自分に合ったハウスメーカーとの出会い
良い土地と出会う
家を建てる土地が決まっていない場合は、土地探しから始めることになります。
ここで暮らしたいという理想的な土地が見つかったタイミングで、住宅を建ててみてはいかがでしょうか。
自分に合ったハウスメーカーと出会う
また、良いハウスメーカーとの出会いも、家を建てるおすすめのタイミングです。将来のことを理解して、しっかりとした間取りプランを立ててくれるハウスメーカーと出会うことで、一気に理想の家を現実に近づけることができます。
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3.「30代」の住宅資金計画の立て方!住宅ローンに関する平均は?
30代でマイホーム新築を考える場合、住宅ローンを組んで家を建てる方がほとんどでしょう。
国土交通省の調査によれば、新築の注文住宅を建てるときに住宅ローンを利用する方は78.6%です。
そのため、家を建てる計画を立てる際には、同時に住宅ローンを含めた資金計画を立てる必要があります。
以下の3つの段階で資金計画を立てましょう。
- 自己資金(祖父母・両親の援助)がどれぐらいかを考える
- 借り入れできる金額・月々に返済可能の金額を確認する
- 自分の建てたい家がどれぐらいの費用が掛かるのかを確認する
また、土地・住宅の購入費用や住宅ローンに関する2022年(令和4年)度の各平均データは以下の通りです。
購入資金 | 5,436万円 |
---|---|
住宅ローン借入額 | 3,772万円 (全体の26%) |
土地購入 | 34.5年 |
---|---|
住宅新築工事 | 32.8年 |
年間のローン返済額 | 174万円 |
---|---|
返済負担率* | 16.4% |
*返済負担率・・年収におけるローン返済額の割合のこと。
住宅ローンは頭金の金額や住宅購入にかかる金額、年齢などさまざまな要素によって変わります。平均的な住宅ローンの組み方も参考にしつつ、家族で話し合って決めていきましょう。
参考:国土交通省「 令和4年度 住宅市場動向調査」
4.【年齢別】30代以外で家を建てるときの注意点
30代以外で家を建てるときに注意したいポイントを紹介します。
- 20代は資金計画に注意
- 40代以降は完済時年齢に注意
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
4-1.20代は資金計画に注意
20代で注文住宅を建てるときは、資金計画に注意が必要です。
一般的に20代は収入が低いため、借りられる金額が少なくなるケースがあります。借りられる金額に合わせて小さめの住宅や設備があまり整っていない住宅を選ぶと、近い将来、建て替えの必要性が生じるかもしれません。
4-2.40代以降は完済時年齢に注意
金融機関では住宅ローン審査の際に完済時年齢をチェックするため、40代以降で住宅ローンを利用するときには返済期間を長くしすぎないように注意しましょう。
また、完済時の年齢が定年退職後の場合でも審査に通る可能性はありますが、老後資金に影響を及ぼす恐れがあります。一度、老後資金計画も見直し、住宅ローンを無理なく返済できるのか計算してみましょう。
5.家を建てる3つのステップ
住宅購入のステップについて見ていきましょう。家は次の3つのステップで建てていきます。
- 資金計画を立てる
- 土地とハウスメーカーを探す
- 設計から着工、竣工
それぞれのステップを詳しく解説します。
5-1.資金計画を立てる
まずは資金計画です。どの程度の予算で住宅を建てたいのか、自己資金としていくら出せるのか、住宅ローンでいくら借りるのか書き出しておきましょう。
また、手付金や中間金、諸費用などの現金で支払う部分もあるため、頭金以外にも現金をある程度用意しておく必要があります。
5-2.土地とハウスメーカーを探す
資金計画の目処を建ててから、ハウスメーカーを探します。
ハウスメーカーごとに得意とすることや保証サービスなどが異なるため、いくつか候補となるハウスメーカーを絞り込み、気になる項目を比較してから選びましょう。
また、土地が決まっていない場合は、土地探しも始めなくてはいけません。ハウスメーカーによっては住宅建築だけでなく土地探しもまとめて依頼できます。
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5-3.設計から着工、竣工
土地とハウスメーカーが決まれば、いよいよ設計です。どのような暮らしをしたいかを家族で話し合い、ハウスメーカーの担当者とも相談を重ねて間取りを決めていきましょう。
どのような住宅にするか、また、住宅の設備や立地などにもよりますが、一般的に着工から竣工までは4ヶ月~6ヶ月ほどかかるといわれています。
子どもの入学時期や出産時期、天候不順による工事の遅れなども考慮し、無理のないスケジュールを組むようにしましょう。
まとめ
家を建てる年齢は30代が平均です。ある程度お金が貯まり、収入も安定してくる30代は、住宅購入に適した年代といえるのかもしれません。しかし、家を建てる状況は一人ひとり異なります。
ご紹介したデータなども参考にしながら、ご自身に合う住宅プランを立ててください。
この記事のポイント
国土交通省の調べによると、注文住宅を建てた方の場合、30代が最も多く41.7%。
次いで40代が23.5%、50代以降が20.5%、30歳未満が14.1%です。
詳細は「1.家を建てる年齢の平均は30代!その理由は?」で解説しています。
- 年収が増えてローンを借りやすいから
- 家賃を無駄にしたくないから
- 頭金が貯まったから
- ライフステージが変わったから
それぞれの詳しい理由は「1.家を建てる年齢の平均は30代!その理由は?」で解説しています。
家を買うのに年齢制限はありませんが、40代以降で住宅ローンを利用する際には完済時年齢に気を付けなければなりません。
詳しくは「4-2.40代以降は完済時年齢に注意」をご覧ください。
- 住宅ローンの完済時期から逆算する
- 子どもの進学に合わせて決める
- 良い土地や自分に合ったハウスメーカーとの出会い
詳しくは「2.家を建てるタイミングの決め方【具体例あり】」をご覧ください。
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