家やマンションを売る際、事前にリフォームをしておいたほうがいいか迷う方もいるかもしれません。しかし、売却前の全面リフォームはオススメしません。今回は、不動産の売却時に全面リフォームをおすすめしない理由と、リフォームなしでも家を売れやすくする方法をご紹介します
不動産の売却について基礎から詳しく知りたい方は『不動産売却の基本』『【図解】不動産売却の流れ』も併せてご覧ください。
Contents
1.不動産売却前のリフォームが不要な2つの理由
たとえば中古のリサイクル品を購入する際、同じ機能でデザインも似ているものが2つ見つかったとしたら、きれいな方を手に取ってしまうのではないでしょうか。これを中古不動産にも当てはめ、「家を売るならリフォームしていない家よりは、きれいにリフォームした家のほうが買ってもらいやすいのではないか」と考える人がいます。
しかし、最近ではリフォームしていない家のほうが売れやすい傾向にあります。どうしてリフォームしていない家のほうが売れやすいのでしょうか?
1-1.【理由1】中古を買ってリノベーションする人が増えているから
最近では、全面リフォームした家よりも、リフォームしていない家のほうが購入してもらいやすい傾向にあります。その理由は、リノベーションをするための中古物件を求めるケースが増えているからです。
リフォームとは、老朽化した部分を改装することです。また、家の躯体、つまり骨組みのみを残して、内外装や間取りなどを全面的に改修したり交換したりすることをスケルトンリフォームといいます。
一方のリノベーションは、老朽化が進んでいるいないにかかわらず、より快適になるような付加価値をつける改装工事を施すことを指します。
どちらも自分のライフスタイルにあわせた家に再生することで、より快適で自分らしい暮らしを追求することができる上、資産価値の向上も期待できる点が人気の理由といえます。
自分の理想をかなえる家を新築で建てるより、あえて中古物件を購入し、自分の好きなスタイルにリフォームやリノベーションする方がコストも満足度も高いと考える層が増えてきているということです。つまり、家をキレイにリフォームしたとしても、買い手の好みに合わなければ意味がないのです。
1-2.【理由2】リフォーム費用を回収できないから
リフォームをすると売主はリフォーム費用回収のため、価格を高めに設定することになります。しかし購入希望者は希望に沿う家をできるだけ安く買いたいと考えています。
そのため、家の査定価格にリフォーム費用を上乗せして高く売ろうとしても、近隣の相場よりも高くなることで、逆に売れにくくなってしまうのです。
以上の2つの理由から、家やマンションを売りたいのなら、リフォームはせずに現状のままで売却することをおすすめします。
2.リフォームせずに築年数のたった住宅の売却を成功させる方法
リフォームを行わなくても、家を売却しやすくする方法はあります。ここでは、リフォームなしで売れやすい家を作る工夫や、活用するべきサービスなどをご紹介します。
2-1.広く明るく見せる
内覧に来た購入希望者が、「この家に住みたい!」と思うのは、開放感があって明るい印象の家です。なるべく部屋の奥まで光が届くように、家具の配置や採光などに気を配るとよいでしょう。具体的には下記のような方法があります。
2-1-1.大型の家具は窓から離れた箇所に配置する
大型の家具は、窓から離れた箇所に配置しましょう。
窓の近くにおいてしまうと、せっかくの光が遮られてしまいます。また、窓からの景色が見えないと、部屋が狭く感じられるものです。なるべく部屋の奥まで光が届くような配置を考えましょう。
2-1-2.照明を照度の高いものに交換する
照明は照度の高いものに交換しておきましょう。
照明が暗いと部屋の印象も暗くなってしまいます。晴天の日であっても、内覧の間は家中の照明をつけたままにしておくのもよいでしょう。照度が高いだけで印象は明るくなります。
2-1-3.余計な物などは極力減らす
部屋にある雑貨や細々とした日用品などは、極力減らしておきましょう。余計な物がある雑多な部屋は狭く感じます。広くて明るい部屋に見えるように、できる限り物を減らす努力をして、「この家に住みたい!」と思ってもらえるようにしましょう。
2-2.ハウスクリーニングで清潔に
売却前にリフォームしなくても、業者によるハウスクリーニングを実施することで、家の印象は良くなります。
大掛かりな改修や設備変更などを行うと、数百万円ほど費用がかかることもあります。ハウスクリーニングならリフォームの10分の1、もしくはそれ以下の費用で家をきれいにすることができます。しかもプロの技術なので、自分でやるのとは比較にならないくらいきれいになり、短時間で済みます。
特に生活感の出やすいトイレ、浴室、洗面所、キッチンなどの「水回り」は重点的にクリーニングを行うと、清潔感が増し、内覧者の印象をアップできるでしょう。
2-3.ホームステージングで魅力を演出
ホームステージングとは、実際に家の中に家具やインテリアなどを配置し、プロが室内を魅力的に演出してくれるサービスのことです。内覧者は購入した後の生活をイメージしやすく、また売主はきれいな状態で物件を見てもらえるため、どちらにとってもメリットが大きいサービスといえます。
自分で行うよりも高クオリティの演出が期待でき、リフォームほど費用もかかりません。ファミリー向け、シニア向けなど購入層に合わせたコーディネートができることも魅力のひとつです。
不動産会社によっては媒介契約の種類によって、ホームステージングのサービスを無料でつけてくれるところもあります。査定依頼の際、不動産会社に問い合わせてみるとよいでしょう。
2-4.インスペクションで安心をアピール
インスペクションとは、専門家が家の劣化状況や価値などを診断し、アドバイスを行うことです。
物件を購入する時は、どの物件が本当に優良なのかを見極めるのは素人には困難です。インスペクションを行うと、家の寿命はあとどれくらいか、欠陥はないかなどをプロが客観的に判断してくれるため、調査結果を示せば住宅の信頼性を高められるでしょう。
インスペクションの進め方については、どこに相談すればよいかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような方には、「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」の活用をおすすめします。
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インターネットで手続きをして大丈夫か、費用はかからないかと抵抗や不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「不動産売却 HOME4U」はNTTデータグループによる運営で長年のサイト運用実績もあり、情報管理も万全です。また費用は無料です。信頼性の高い、便利な「不動産売却 HOME4U」をぜひご利用ください。
3.リフォームを検討したほうがいいケース
ハウスクリーニングで汚れを取り切れず、リフォームを依頼したほうがよい場合もあります。ここではリフォームを検討する場合の判断基準について説明します。
3-1.壁紙がひどく汚損している場合
黒カビが発生していたり、はがれていたりする壁紙は、ハウスクリーニングでの修復は難しいかもしれません。北側の部屋や気密性の高い部屋などは結露が発生することも多く、これらに悩んでいる方も多いことでしょう。
壁紙の種類や施工面積などにもよりますが、6畳間の壁と天井の壁紙を張り替えた場合のリフォーム費用は、3~7万円ほどと、リフォーム会社によって異なります。汚れを気にしない購入者もいるので、まずは不動産会社にリフォームが必要かどうかを相談することをおすすめします。
3-2.建物の外観が古く感じる場合
物件を探している方は、家の外観で住みたいかどうかを決めるケースも多いものです。なるべく安く家を買いたいと思っていても、外観が古い、印象が悪いなどの家は敬遠されてしまうかもしれません。
普通に売り出しても買い手が付きそうにない古い家などは、外観リフォームが効果的です。リフォーム済みをアピールすることで、こうした物件も、興味を持ってもらえるでしょう。
ただし、外壁リフォームをするよりも取り壊して土地のみで売る、古家つきの土地として少し価格を安くするなどのほうが総合的に見て費用が抑えられる場合もあります。こちらも不動産会社の営業担当者に相談してみてください。
4.リフォームする場合の費用相場
家の売却でリフォームをする時のポイントは、費用対効果を考えて、明らかに必要な時のみ実施することです。中でも水回りについては気にする人が多い箇所になります。ホームクリーニングをしても清潔な印象にならない場合はリフォームした方がいいかもしれません。また、壁紙やフローリング、外壁など、ひと目見ただけで悪印象を与えてしまうような箇所も、リフォームすべき場合があります。
費用相場は、おおむね以下のような目安となります(HOME4U調べ)。
トイレ | 10~30万円 |
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浴室 | 50~150万円 |
洗面所 | 20万円前後 |
キッチン | 10~70万円 |
壁紙、フローリング | 20~40万円 |
外壁 | 150~300万円ほど |
やむを得ずリフォームする場合は、全てではなく生活感の出やすい場所に絞り、必要な箇所だけ行うことをおすすめします。
いずれにしても、リフォームは自己判断で進めず、必ず事前に不動産会社に相談しましょう。
まとめ
いかがでしたか?この記事では不動産の売却前のリフォームが基本的には不要であること、リフォームのほかにしておいたほうがよいこと、リフォームをどうしても行う場合の判断基準について説明しました。
家を売りやすくするには、購入希望者の第一印象をアップすることが大切です。ハウスクリーニングやホームステージング、インスペクションなど、リフォームをせずにきれいな家を印象づける方法はたくさんあります。リフォームは汚れが落ちにくい箇所など必要最低限にとどめ、今回ご紹介した方法をぜひ実践してみてください。
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この記事のポイント まとめ
不動産売却前のリフォームは不要です。理由は以下の2つです。
- 中古を買ってリノベーションする人が増えているから
- リフォーム費用を回収できないから
詳しくは「1.不動産売却前のリフォームが不要な2つの理由」をご覧ください。
リフォームせずに家の売却を成功させる方法は以下の4つです。
- 広く明るく見せる
- ハウスクリーニングで清潔に
- ホームステージングで魅力を演出
- インスペクションで安心をアピール
詳しくは「2.リフォームせずに家の売却を成功させる方」をご覧ください。
リフォーム費用の相場は以下のとおりです。
トイレ……10~30万円
浴室……50~150万円
キッチン……10~70万円
その他のリフォームの相場は「4.リフォームする場合の費用相場」をご覧ください。