自宅を売却する前にハウスクリーニングは必要なのでしょうか?
ずばり、結論は「義務ではないが、やるべき」です。
中古住宅を売却するときには、内覧での印象が大きく影響します。売却をスムーズに進めるためには、できるだけきれいにしておいたほうが良いからです。
とはいえ、その費用に見合う効果がないなら、ハウスクリーニング代を掛けてまできれいにする気にはなりませんよね。
そこで、ここでは、自宅の売却時に
- ハウスクリーニングをどの程度まですれば良いのか?
- いくら掛かるのか?
- 掛けた費用に見合う効果があるのか?
- 自分で掃除するだけでも構わない場所はどこか?
を説明します。
自宅の売却を考えている方、売却前にハウスクリーニングをしたほうが良いのか迷っている方は、ぜひ読んで参考にしてくださいね。
不動産売却について基礎から詳しく知りたい方は『不動産売却の基礎』『マンション売却で失敗・損しないための注意点』もご覧ください。
また、売却でかかる費用の中で、最も高額になりやすい仲介手数料について『不動産売却の手数料はいくら』も併せてご覧ください。
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- 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます
Contents
1.ハウスクリーニングをするべき場所と相場
内覧対策として、ハウスクリーニングを依頼したほうが良い場所と、自分で掃除するだけでも構わない場所があります。まずはハウスクリーニングをするべき場所を紹介します。
1-1.ハウスクリーニングをするべき場所は、「浴室」「洗面台」「トイレ」「キッチン」「レンジフード」
プロにハウスクリーニングを依頼してきれいにしておくべき場所は「浴室」「洗面台」「トイレ」「キッチン」「レンジフード」です。こういった水回りの印象は、家全体の印象にそのまま結びつきます。清潔感が何より大切です。
しかし、これらの場所には、自分では落としにくい頑固な汚れがこびりついています。浴室のカビ、洗面台の水垢、トイレの黄ばみ、キッチンの油汚れ、レンジフードのベタベタなどを、自分できれいにするには、大変な時間や手間が掛かります。疲れるほど掃除しても、汚れが落としきれず、残ってしまうこともあります。
ハウスクリーニングを依頼すれば、プロ用の洗剤や機材、プロならではのテクニックで、徹底的にきれいにしてくれます。自分でやるよりもはるかに汚れ落ちがよく、効率も良いのです。
しかも、売却前は、水回りの掃除だけでなく、家全体をきれいにしなくてはいけません。自分ですべてやろうとするととても大変です。その点からも、結果に差がつきやすい「浴室」「洗面台」「トイレ」「キッチン」「レンジフード」はハウスクリーニングを頼むのがおすすめです。
もちろん、内覧があるたびに依頼するわけにはいかないので、一度ハウスクリーニングをした後は、汚さないように日々のお手入れや掃除をこまめにしてくださいね。
1-2.意外と安い!?ハウスクリーニングの料金相場
それでは、それぞれの箇所をハウスクリーニングのプロに依頼した場合はどのくらいの値段になるかを見ていきましょう。広さや、詳細な作業内容、地域にもよりますが、東京都の場合ではだいたい次の価格が相場になります。
料金相場:10,000円~20,000円
料金幅:最安7,900円~最高80,000円
料金相場:6,000円~10,000円
料金幅:最安5,000円~最高23,000円
料金相場:6,000円~13,000円
料金幅:最安5,000円~最高29,800円
料金相場:10,000円~24,000円
料金幅:最安8,000円~最高50,000円
料金相場:10,000円〜20,000円
料金幅:最安7,000円~最高32,000円
「浴室」「洗面台」「トイレ」「キッチン」「レンジフード」をすべて依頼した場合の料金相場は、42,000円~87,000円です。
普段のお掃除の代わりとしては、ちょっと高く感じるかもしれません。
でも、自宅の売却は数千万円以上のお金が動きます。少しでも有利に売却するための「投資」だと思えば、意外にリーズナブルな感じがしませんか?
うまくいけば総額5万円以下で済みますし、高くても10万円掛かりません。これで売却がスムーズに進められるなら、支払っても良いと思える金額ですよね?
それでも、日常の感覚からすれば大きな金額です。本当にその金額を掛けてまでハウスクリーニングをする価値があるのか?とまだ迷っているかもしれませんね。
そんなあなたのために、投資した金額に見合う効果が本当にあるか、次の章で詳しく解説していきます。
ハウスクリーニングをするか迷っている方は、ぜひ続きを読んで、判断材料にしてくださいね。
まだ査定を受けていない方は、ハウスクリーニングを決める前に査定を受けておきましょう。
査定依頼の際は、複数社に簡単に依頼できる不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)をご活用ください。
最短1分の簡単な入力で、最大6社の不動産会社にまとめ査定依頼ができます。
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2. ハウスクリーニングをしないとどうなる? 売却前にハウスクリーニングするべき3つの理由
それでは、「ハウスクリーニングを全く行わないと、どうなるのか?」を考えてみましょう。
2-1.理由1:値引き交渉をされてしまう
1つめは「値引き交渉の材料を与えてしまう」ということです。買い手は少しでも安く買いたいと考えて、内覧のときも交渉材料を探しています。お風呂やキッチンの汚れは格好のターゲットです。
あなたは、自分なりに一生懸命お掃除して「今日は普段よりきれいだ」と感じているかもしれません。でも、買い手がイメージしているのは、究極的には新築のモデルルームです。中古物件を見に来ていても、期待しているのは、雑に使い古された家ではありません。清潔に整えられた家なのです。
そのため、買い手から見ると、素人が掃除した浴室やキッチンは、どうしても生活感や使用感が漂うものになりがち。
少しでも汚れが残っていれば「浴室が思ったより汚かったから」「レンジフードはそのまま使えないから」などの理由をつけて、その分、値引きしてほしいと持ちかけてくる可能性が高くなります。そういった具体的な理由を挙げての交渉であれば、あなたも断りづらいはずです。
中古住宅の場合、10万円単位の端数は値引き交渉の対象になりやすい部分です。たとえば、2,650万円で売りに出している住宅だったら、端数の50万円は買い手が値引きを打診してくる可能性が高いのです。
ハウスクリーニング代の数万円を節約しても、最終的に50万円値引きされてしまったら、結局40万円を損したことになります。比べてみればどちらがお得か、明らかですよね? 内覧に来た人に、これなら値引き交渉ができる、という印象を与えないためには、プロの手でお掃除をしてもらって、万全の状態で内覧客を迎えるほうが良いのです。
2-2.理由2:売却に時間が掛かってしまう
2つめは「売却に時間が掛かってしまう」ということです。特別なきれい好きでなくても、汚い部屋に住みたいと思っている人はいません。内覧のときに汚れていると印象が悪くなり、成約までに時間が掛かります。
一般的に売り出してから成約するまで平均3カ月以内と言われています。それ以上に時間が掛かると、改善策として、売り出し価格を下げることも選択肢に入ってきます。そうなれば、10万円くらいは簡単に値下がりしてしまいます。
また、売却に時間が掛かるということは、その家の維持費がずっと掛かり続けることを意味します。固定資産税やマンションの管理費など、その家の価値には関係ない、維持するための費用をずっと払い続けなければならないのです。これは無駄な出費ですよね。
ハウスクリーニング費用の数万円で、あなたの家は何カ月維持できますか? おそらく1~2カ月程度ではないでしょうか?
そう考えると、ハウスクリーニング代を掛けてでも、できるだけ早く売って維持費を節約するほうが、結果的にはずっとお得になることがわかるでしょう。
2-3.理由3:売れ残ってしまう
3つめは「売れ残ってしまう」ということです。まさか自分の家が売れ残ってしまうなんて、考えたくないですよね? でも、残念ながら現実として売れ残ってしまうことはあります。
国土交通省の調査では、過去5年間に住み替えた人の中で、「前の家をそのまま所有している」人は32.7%に上り、5年前の3倍以上に増えています。
(国土交通省住宅局「平成25年住生活総合調査結果」より)
もちろん、その家を誰かに貸して収入を得ている人もいますが、残念ながら売却をあきらめて、ただ持っているだけの人もいるでしょう。ちなみに、平成30年の空き家率は13.6%で、過去最高になっています。
(総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査(住宅数概数集計)結果の概要」より)
空き家がこれだけ増えているのは、住宅の供給が多すぎるからです。こういった市場においては、あなたの家も絶対に売れるとは言い切れないのです。
売却を始めてからずっと買い手がつかずに半年以上が経つと、「売れ残り物件」と思われてしまいます。そうすると、次のようなことが起きます。
- いつでも売りに出ているから急がなくて良いと思われて、内覧客が減る
- 長いこと売りに出ているのは何か欠点があるからだと思われて、成約しづらくなる
- 数百万円単位の値引き交渉を持ちかけられるようになる
- あきらめて不動産会社に売却することになり、足元を見られて買いたたかれてしまう
想像するだけで嫌ですよね。こんなことになるくらいなら、最初に数万円でハウスクリーニングをしておくほうがずっと良いですよね?
なお、ここまで事態が深刻化する前に、打開策として、仲介する不動産会社の担当者にハウスクリーニングを勧められるかもしれません。
結局ハウスクリーニングするなら、もっと早くやっておけば、もっと早い段階で、もっと高く売れたかもしれないのです。そうなってから後悔しても、失った時間や支払った維持費は戻ってきません。
このような「売れ残り物件化」のリスクを回避するためにも、内覧客を迎える前にハウスクリーニングをしておくのがおすすめなのです。
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3.自分で掃除しておくべきところは「玄関」「リビング」「寝室」「子ども部屋」「窓」「照明器具」「エアコン」「バルコニー」「庭」
次の場所は、内覧前にきれいにしておくべきですが、一般的な汚れ方であれば、ハウスクリーニングを依頼するほどではありません。自分で大掃除程度にきれいにしておけば良いでしょう。
靴や傘は収納し、全体をほうきで掃いておきます。
内覧前に換気して、臭いがこもらないように注意しましょう。
リビングは家具が少ないほうが広く見えます。新居で使わない家具は早めに処分すると良いでしょう。寝室や子ども部屋も雑然とした印象を与えないよう、きちんと片づけておきます。すべての部屋に掃除機をかけます。
手の届くところは拭いておきます。採光を十分に活かすため、窓近くには余計な物を置かないほうが良いでしょう。
明るい印象を出すためにシェードを拭いておきます。当日はすべての照明を点けて、最大限に明るく見せましょう。
エアコンが必要な季節であれば、動かしたときに嫌な臭いがしないよう消臭剤などを使いましょう。
忘れがちですが、きちんと整頓し、ゴミは取り除いて、見せられるようにしておきます。
もちろん、忙しくてそこまで手が回らないとか、掃除が苦手だという方は、部屋まるごとクリーニングをプロに頼んでしまうのも一つの手段です。部屋まるごとクリーニングを依頼した場合の料金相場は次のとおりになります。(東京都の場合)
一般的に、場所ごとに依頼するよりも割安になります。少し予算に余裕がある方にはおすすめです。
広さ | 料金相場 |
---|---|
1R/1K | 20,000円~40,000円 |
1LDK~2LDK | 35,000円~70,000円 |
3LDK~4LDK | 70,000円~120,000円 |
5LDK以上 | 100,000円~ |
広さ | 料金相場 |
---|---|
1LDK~2LDK | 50,000円~95,000円 |
3LDK~4LDK | 80,000円~135,000円 |
5LDK以上 | 120,000円~ |
部屋まるごとクリーニングは、業者ごとに作業範囲が少しずつ違います。希望の場所がすべて入っているか、確認してから依頼するのが良いでしょう。
4.まとめ
今回は、自宅の売却をスムーズに進めたい方や、売却前にハウスクリーニングが必要なのかを迷っている方のために、次のことをお伝えしました。
- 自宅売却前には、内覧での印象アップのためにハウスクリーニングをするべき。
- ハウスクリーニングしておかないと「値引き交渉される」「売却に時間が掛かる」「売れ残る」など大きなデメリットにつながってしまう。最初にハウスクリーニングしておくほうが、結局お得になる。
- やるべき場所は、家全体の印象につながる「浴室」「洗面台」「トイレ」「キッチン」「レンジフード」。
- 料金相場は、この5カ所合計で5~10万円。
- 「玄関」「リビング・居室」「窓」「照明器具」「エアコン」「バルコニー」「庭」は自分で大掃除しておく。
- 面倒ならば、部屋まるごとハウスクリーニングを利用するのも良い。
- ハウスクリーニング後は、再び汚さないようにこまめに掃除やお手入れをすること。
ハウスクリーニング費用として数万円を節約したために、値引きや売却期間の長引き、売れ残るのは絶対避けたいですよね?>
早く売却するために、ぜひ参考にしてください。
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(2019/08/30追記:空き家の数値に関連する最新データの更新に伴い、一部表記を修正しております。)