注文住宅における階段は、1階と2階をつなぐという重要な機能を持つだけでなく、インテリアとして住まいを彩る役割も担います。
この記事では、おしゃれな階段を備えた注文住宅の建築を考えている方に向けて、階段に関する以下の内容を解説します。
- おしゃれな階段にするためのポイント
- おしゃれな階段における失敗例と対策
- 階段の種類と費用相場
ぜひ最後までご覧いただき、理想の家づくりの参考にしてください。
注文住宅のおすすめ設備について知りたい方は「注文住宅の設備」の記事もご覧ください。
Contents
1.おしゃれな階段にするために押さえておきたいポイント
おしゃれな階段にするために、押さえておきたいポイントは以下の3点です。
- 階段の材質にこだわる
- 設置場所によって階段の種類が決まる
- 窓や踊り場をセットで活用する
各ポイントを解説します。
1-1.階段の材質にこだわる
材質によって、階段の印象は大きく変わります。階段の素材としてよく使われるのは、木材と金属です。階段の骨組みに細い鉄骨を用いることで、シンプルでスタイリッシュな雰囲気になります。鉄骨は強度があるため、安全性も兼ね備えています。
段板には無垢材を使うと、木の温もりが鉄骨のクールな印象を程よく緩和してくれるでしょう。踏み板や蹴込板に同じ木材を使うと、統一感が出ます。また、違う木材を組み合わせると、おしゃれな雰囲気になります。
1-2.設置場所によって階段の種類が決まる
家の中のどの場所に階段を設置するかによって、階段の種類がある程度決まる点もポイントです。たとえば、途中に踊り場がありL字型に折れている「かね折れ階段」は、階段の設置予定場所にある程度のスペースを確保できなければ作れません。階段の種類や材質だけを考えるのではなく、家の間取りとセットで考える必要があります。
1-3.窓や踊り場をセットで活用する
おしゃれな階段にするには、窓から入る光や踊り場で生まれる空間をセットで活用し、明るく開放的にすることもおすすめです。階段は、どうしても暗くなりがちな場所です。
しかし、窓が大きければ踊り場や下の階に自然光をたっぷりと取り入れられるだけでなく、安全性の向上にもつながります。
ここまで、おしゃれな階段にするために押さえておきたいポイントをご紹介しましたが、実際に家を建てる際には
- ハウスメーカー複数社のプラン資料から比較検討したい
- 経験豊富なプロと会話して、間取りのバランスを決めたい
という方もいるのではないでしょうか。
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2.【トレンドも考慮】おしゃれな階段にするアイディア
トレンドも考慮しつつ、おしゃれな階段にするアイディアとして挙げられるのは、以下の5点です。
- スケルトン階段を選択する
- 踊り場をワークスペースとして使う
- 階段下の空間を上手に活用する
- 階段の壁面をおしゃれな収納スペースにする
- 夕方以降は照明を効果的に利用する
それぞれのポイントを解説します。
2-1.スケルトン階段を選択する
スケルトン階段は、開放的な空間を演出できるため人気を集めています。スケルトン階段とは、骨組みと足を乗せる踏み板のみで作られた階段のことです。圧迫感がなく、光を遮断しない点が特徴です。
部材の数が少ないためスタイリッシュな印象になることや、素材の組み合わせ方の選択肢が豊富で、インテリアのアクセントになる点も魅力といえるでしょう。
スケルトン階段の手すりに使用する素材は、木やスチール、アイアン、アルミなどです。とくに人気なのは、木材の踏み板にアイアンの手すりの組み合わせです。家のテイストに合わせた素材や色にすると、統一感が生まれておしゃれな印象になります。
スケルトン階段の参考事例やメリット・デメリットについては、こちらの記事をご参照ください。
2-2.踊り場をワークスペースとして使う
踊り場を広くした空間をワークスペースとして使うケースも、増えてきています。新たに部屋を設けるのが難しい場合でも、空間を有効に活用することが可能です。テレワークで使ったり、子どもの勉強スペースとして使ったりできるため、家族の共同スペースとして役立ちます。
テレワークがライフスタイルの方へ、テレワークしやすい「間取り」のポイントと注意点を以下の記事で紹介しています。
2-3.階段下の空間を上手に活用する
デッドスペースになりがちな階段下の空間を上手に活用すれば、テレビを設置したり、カウンターを設けて座って作業できるスペースを設けたりできます。その際に、階段とテレビボード、カウンターなどに統一感が出るように意識すれば、インテリアのおしゃれなアクセントになるでしょう。
また、他の場所でこれらのスペースを確保する必要がなくなるため、空間の有効活用にもつながります。
2-4.階段の壁面をおしゃれな収納スペースにする
階段の壁面をおしゃれな収納スペースにするのも、インテリア性と空間の有効活用の両面からおすすめです。ショーケースのような見せる収納にしたり、棚板の高さを互い違いに変えるなど、デザイン性の高い棚にしたりすると、インテリアのアクセントになります。
また、部屋に大きな本棚を設置するスペースがない場合も、階段の棚を効果的に使うことが可能です。
収納について悩まれている方へ、様々な収納の形や、収納スペースにおすすめのハウスメーカーの解説を、以下記事にて紹介しています。
2-5.夕方以降は照明を効果的に利用する
暗くなりがちな夕方以降の階段は、照明を効果的に利用することで、足もとの安全性を確保しつつ、おしゃれに演出できます。壁面につけるタイプのブランケットランプや、つり下げるタイプのペンダントライトなどが人気です。
吹き抜けの階段や上階段のスペースが取れている場合は、デザイン性の高いペンダントライトを選ぶと、よりおしゃれな空間になります。
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3.おしゃれな階段における失敗例と対策
階段のおしゃれさを重視しすぎた場合に、起きやすい失敗例は以下のとおりです。
- 上り下りがしにくい
- 動線が長くなる
- 音や匂いが2階に伝わる
- リビング階段によって部屋が暖まりにくい
- 落下のリスクがある
それぞれの失敗例と対策を解説します。
3-1.上り下りがしにくい
おしゃれな階段にしようとデザイン性を重視しすぎた結果、上り下りがしにくくなるケースは少なくありません。上り下りしにくい要因はさまざまですが、階段1段ごとの高さが高い、足を乗せる踏み板の幅が狭い、急傾斜であるといったことが挙げられます。
モデルハウスを見学する際に、階段1段あたりの高さや傾斜などを確認しておくと、注文住宅が完成したときに「こんなはずではなかった」と後悔するのを防げます。
3-2.動線が長くなる
階段の場所によっては、生活動線が長くなってしまうこともあります。それによって、生活する上での効率が下がり、後悔するケースです。
各階で生活しやすい動線になるように、階段を各階の動線の出発点として考える必要があります。階段を使う場面を1つずつ想像し、非効率な動線にならないかをチェックしておくことが大切です。
3-3.音や匂いが2階に伝わる
リビングの中に階段を設置するリビング階段を選択した場合、テレビの音や家族の話し声、料理の匂いが2階の部屋に伝わってしまい、後悔することもあります。
家を設計する段階では、音や匂いがどこまで伝わるのか、想像しにくいものです。1階と2階で生活する時間帯が異なる場合は、リビング階段にドアをつけることを検討するのも選択肢の1つです。
3-4.リビング階段によって部屋が暖まりにくい
リビング階段によってリビングと2階の廊下がつながることで、音や匂いが伝わってしまう以外にも、冷暖房が効きにくくなるのも、よくあるケースです。せっかくリビングを暖めても、2階から冷たい空気が下りてきてしまい冷暖房効率が下がるため、光熱費も必要以上にかさんでしまいます。
対策としては、音や匂いの伝達防止と同様に、リビング階段へのドアの設置が有効です。また、天井に取りつける扇風機「シーリングファン」の取りつけを検討したり、断熱性能の高さに定評のある工務店・ハウスメーカーを選択したりするのもおすすめです。
リビングイン階段のメリット・デメリットとおすすめの間取りについては、こちらの記事も参考にしてください。
3-5.落下のリスクがある
おしゃれなスケルトン階段はデザイン性の高さが人気である一方で、踏み込み板や手すりに隙間があるため、小さな子どもやお年寄り、ペットが落下するリスクがあります。
手すりや踏み板の隙間にネットやパネルを取りつけたり、子どもが1人で上り下りをするのを防ぐためにベビーゲートを設置したりする方法がおすすめです。
そのほか、万が一落下した場合のリスクを軽減するために、ストレート階段ではなくU字型やL字型などの折り返しのある形状を選ぶのも得策です。U字型やL字型などの折り返し階段であれば、万が一落下してしまった場合でも、最上階から1階まで直接落ちてしまうことを回避できます。
検討する階段のデザイン、間取りだと、実際の予算はどのくらいになるだろうか、と考える方もいるかもしれません。
そんなときは、複数のハウスメーカーや工務店のプランを比較するなどして、相場感をまずは見てみることをオススメします。ご心配ごとをハウスメーカー出身のアドバイザーに相談してみることもできますよ。
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4.知っておきたい階段の種類と費用相場
おしゃれな階段を設置する際、階段の種類と費用相場は押さえておきたい基本の項目です。階段の種類は、主に以下の5種類です。
- 直階段
- 折り返し階段・回り階段
- かね折れ階段
- らせん階段
- スケルトン階段
それぞれの特徴と費用相場を解説します。
4-1.直階段
直階段は、その名のとおり上下階を一直線につなぐタイプの階段です。費用としては、15万円〜25万円が相場です。階段設置のための広い面積を必要としない点や、比較的安価である点などがメリットで、注文住宅で採用されることの多いタイプといえるでしょう。
直階段のデメリットは、省スペースで高さを出すために、傾斜が急になりやすい点です。さらに、踊り場がないため、足を踏み外すと直接最上階から転げ落ちるリスクが高まります。
4-2.折り返し階段・回り階段
折り返し階段と回り階段は、階段の途中で折り返しが入り、コの字やU字になっているデザイン性の高い階段のことです。費用相場は30万円〜40万円で、比較的高額です。さらに、デザインによっては数百万円を超える場合もあります。
踊り場部分が平らであれば折り返し階段、踊り場も段になっていれば回り階段です。折り返し階段と回り階段のいずれも、途中に踊り場があるため、直階段に比べて一気に転落するリスクが低くなります。
ある程度のスペースを使って段差を設けるため、傾斜が緩やかな点も魅力です。その分、広い面積を必要とする点がデメリットです。
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4-3.かね折れ階段
かね折れ階段は、途中で折れ曲がる角度が90度の、L字型をしている階段のことを指します。踊り場を設けることや、階段の段数が多いことなどにより、費用相場は直階段よりもやや高い25万円~35万円程度です。
折り返し階段より必要な段数や面積が少ないため、費用は直階段と折り返し階段のちょうど中間の位置づけになります。
途中に踊り場があるため、折り返し階段と同様に一気に落下するリスクが低い点や、デッドスペースになりやすい部屋の角部分を有効に活用できる点、直階段よりも傾斜が緩やかな点がメリットです。
設置場所によっては、階段下のスペースも有効活用できます。ただし、直階段に比べて階段に必要なスペースが広い点がデメリットといえるでしょう。
4-4.らせん階段
らせん階段とは、1本の柱を中心にらせん状に踏面が設置されている階段のことで、費用相場は30万円~40万円です。らせん階段は上から見ると円状にスペースを使っているため、必要なスペースがもっとも少ないのが特徴です。
オープンでおしゃれな雰囲気を演出するのに適しているほか、階段に使う面積をできるだけ小さくしたいという場合にも向いています。
おしゃれでインテリア性の高いらせん階段ですが、踏み板が扇形になっており、足を置ける面積が狭いことに注意が必要です。小さな子どもやお年寄りが足を踏み外すリスクがあるほか、大きな荷物を持って階段の上り下りをするといったように足もとの確認ができない状況に備えて、安全対策をしておくことが重要です。
4-5.スケルトン階段
スケルトン階段とは、骨組みと足を乗せる踏み板のみで作られた階段のことです。スケルトン階段は部材の数が少ないため、材料費を抑えられる傾向があり、規格品である場合は20万円前後で施工できます。
スケルトン階段の魅力は圧迫感がなく、スタイリッシュでおしゃれな点です。しかし、踏み込み板の部分や手すりに隙間があるため、落下のリスクが他のタイプの階段よりも高い点に注意しなければなりません。
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まとめ
階段にこだわると、家全体のおしゃれ度がアップします。ただし、階段に使えるスペースや設置場所によって選択できる種類が決まってくるため、注文住宅の設計段階で、希望を伝えておくことが重要です。
好みの材質やデザインの階段を設計できるのは、注文住宅の醍醐味ともいえます。おしゃれな階段にするためのポイントやアイディア、失敗例などを押さえ、理想的な家づくりを楽しんでくださいね。
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