マンション売却と築年数は大きく関係しています。
そのため、築40年以上などの築古のマンションの場合、売却が成功するのか不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
築40年のマンション売却を成功させるためには、マンション売却の流れをおさえておくだけでなく、以下のポイントをおさえることが大切です。
- 築40年のマンション売却相場
- 築40年のマンション売却が難しい理由
- 築40年のマンション売却を成功させるコツ
Contents
1.築40年のマンションでも売却できる
結論からお伝えすると、築40年のマンションでも売却できます。
以下は、2022年の東京都における築年数別の取引件数のグラフです。築40年のマンションは、築36年〜40年が6.6%、築41年〜45年が5.3%で、合計すると11%程度です。したがって、成約しているマンションの約1割は築40年程度のマンションだとわかります。
参考:土地総合情報システム「不動産取引価格情報検索」※お家のいろは編集部作成
具体的な築年数別の取引件数は、以下のとおりです。
築年数 | 取引件数 | 全体における割合 |
---|---|---|
築0〜5年 | 457件 | 17.1% |
築6〜10年 | 324件 | 12.1% |
築11〜15年 | 322件 | 12% |
築16〜20年 | 362件 | 13.5% |
築21〜25年 | 294件 | 11% |
築26〜30年 | 175件 | 6.5% |
築31〜35年 | 186件 | 7% |
築36〜40年 | 176件 | 6.6% |
築41〜45年 | 142件 | 5.3% |
築46〜50年 | 113件 | 4.2% |
築51〜55年 | 98件 | 3.7% |
築56〜60年 | 25件 | 0.9% |
中古マンションで成約率が高いのは、60%以上を占めている築25年以内のマンションです。
ただし、築40年のマンションの売却は可能ではあるものの、割合としては少ない傾向です。築40年のマンションでも市場価値があるのはどのようなケースか、以下より、築古マンションでも売却できる理由を解説します。
1-1.低価格のため購入しやすいケース
売却が可能な理由として、築40年のマンションは買い手にとって低価格のため購入しやすいことが挙げられます。
マンションの価格は、築年数が経過するごとに下がり、築40年のマンションであれば、新築や築浅物件と比べて、安い値段で取引されることが多いです。
そのため、買い手からすると低価格な築40年のマンションは、予算内で購入できる価格帯であることが多いため、築古物件でも売却できる可能性があると言えます。
1-2.買い手がリノベーションするケース
あえて、年数の経過している比較的価格の安い築古のマンションを購入し、その後に好きなようにリノベーションする方もいます。
こうしたケースでは、築40年のマンションでも一定の需要があります。
売却前にリフォームやリノベーションを考える方もいるかもしれません。しかし、現状のまま売却する方が、買い手が見つかりやすいケースもあるので、事前に不動産会社と相談しておくと安心です。
1-3.好立地な場所に建てられているケース
築40年のマンションが建てられたのは1980年代です。現在でこそ、次々にマンションが建設され、好立地な土地の競争が激しくなっていますが、当時は現在ほど競争が激しくありませんでした。
そのため、多くのマンションが立地条件の良い土地に建てられたので、周辺環境が充実していたり、駅までのアクセスがしやすかったりと、好条件のマンションが多い傾向にあります。
したがって、築40年のマンションは、比較的好立地な場所に建てられているケースがあり、買い手にとって需要があると言えます。
2.築40年のマンション売却相場
首都圏における築40年のマンションの売却相場は、以下のとおりです。
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」
築年数が経過するごとに、売却価格が下がっていることがわかります。
築5年までのマンション売却相場を見ると6,600万円程度で売却できますが、築10年ごろのマンション売却相場を見ると少しずつ価格が下落しているのがわかります。また、築20年頃のマンション売却相場を見ると価格は急激に価格が下がり、築30年超のマンション売却相場だと新築や築浅時の約3分の1の価格です。
築40年や築50年のマンション売却相場となれば、さらに下落するだけでなく、マンションとしての価値自体がつかなくなる可能性もあります。
また、マンションなどの不動産の価値は、構造によって耐用年数が定められており、耐用年数に近づくにつれて、建物の価値が下がります。
耐用年数とは、建物の年数が経過し、計算上は資産価値がなくなるまでの年数のことです。
建物構造の種類 | 居住用(自宅用など)の耐用年数 | 非居住用(住宅・店舗)の耐用年数 |
---|---|---|
鉄骨鉄筋コンクリート造 又は鉄筋コンクリート造 |
70年 | 47年 |
れんが造、 石造又はブロック造 |
57年 | 38年 |
鉄骨(骨格材の肉厚が4mm超) | 51年 | 34年 |
鉄骨(骨格材の肉厚が3mm超4mm以下) | 40年 | 27年 |
鉄骨(骨格材の肉厚が3mm以下) | 28年 | 19年 |
木造 | 33年 | 22年 |
木造モルタル造 | 30年 | 20年 |
出典:国税庁「減価償却費」の計算について」
出典:国税庁「耐用年数(建物/建物附属設備)」
上記の表から、一般的なマンションの構造である鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の居住用の耐用年数は70年、非居住用であれば47年でマンションの価値が無くなることがわかります。
非居住用の築40年マンションの場合は、耐用年数が間近のため、新築や築浅時と比較して当然価値は下がります。
いくらマンションの外観が綺麗で、住むには問題がなくても、建物自体の価値は無くなるのです。
3.築40年のマンション売却が難しい4つの理由
築40年のマンション売却が難しいとされる理由は、以下のとおりです。
- 建物や設備の劣化・老朽化が進んでいる
- 耐震性に不安がある
- 修繕積立金が高額になりやすい
- 住宅ローン審査が通らないケースがある
築40年マンションでも売れるのは事実ですが、築浅物件と比べると成約率は低い傾向です。
売れる理由だけでなく、売るのが難しい理由も理解しておきましょう。
理由1.建物や設備の劣化・老朽化が進んでいる
築40年マンションは、建物や設備の劣化・老朽化が進んでいるため、売れにくいと言われています。
劣化や老朽化が進むと、外観が悪くなり、設備に不具合が発生する場合があるからです。
外観で言えば、外壁や屋根の塗装の剥がれ、ひび割れや腐食が進行することがあります。
設備は、電気設備や給排水設備などが長年の使用により劣化し、火災の危険性や、給水・排水のトラブルが起こる可能性があります。
築40年マンションは、劣化や老朽化によりさまざまな問題が発生する場合があるので、買主にとって懸念材料となり、売却が難しくなることがあります。
理由2.耐震性に不安がある
築40年マンションに対して、耐震性に不安があると考えている買い手が多いです。
日本は地震が多い国なので、1981年(昭和56年)以前に建設された「旧耐震基準」のマンションであるかどうかは、買主にとって重要な問題です。
旧耐震基準のマンションであれば、地震の影響を大きく受けやすく、売却価格にも影響します。
そのため、売却予定のマンションが、1981年以前の旧耐震基準なのか、1981年以降の新耐震基準のどちらに該当するのか把握しておきましょう。
日本では、今後も地震のリスクが懸念されており、買い手は耐震性を重視しています。
そのため、新耐震基準を満たしていない築40年以上のマンションの場合は、売却が難しくなる可能性があります。
理由3.修繕積立金が高額になりやすい
築40年以上など、年数が経過したマンションは、修繕積立金が高額になりやすいです。修繕積立金とは、建物の診断や修繕が必要になる場合に備えて、マンションの居住者が毎月支払う維持費用のことです。
マンションが古くなるほど、劣化や老朽化が進み、修繕箇所や規模が増えるため、修繕積立金が高くなる傾向があります。
築40年のマンションは、買主にとって修繕積立金の負担が多くなるケースがあり、購入後も固定費として支払う必要があるので、売却が難しい場合があります。
理由4.住宅ローン審査が通らないケースがある
築40年のマンションは、住宅ローン審査が通らないケースがあり、買い手が見つかりにくいことがあります。
築年数が経過しているマンションは、建物の古さや旧耐震基準などの要因から、担保評価が低く、融資を断られたり、希望金額の融資を受けられなかったりするケースが多いです。
たとえば、1,000万円のマンションを購入しようと考えて1,000万円の住宅ローンを組みたいと希望しても、マンションの評価が低いため、300万円までしか融資を受けられないなどがあります。
そのため、自己資金に余裕がない買い手にとっては、住宅ローン審査が通らないなら購入しないと判断されて、成約までに至らないことがあります。
4.築40年のマンション売却を成功させるコツ4つ
築40年のマンション売却を成功させるコツは、以下のとおりです。
- ホームインスペクションを実施する
- リフォームやリノベーションしない
- 不動産買取で売却する
- 複数社に査定してもらう
築40年のマンションでも、売り方次第では売却の可能性を高められます。
コツ1.ホームインスペクションを実施する
ホームインスペクションを実施すると、買い手に建物の安全性をアピールできます。
ホームインスペクションとは、住宅診断士が建物の劣化状況や欠陥の有無などを、専門家の立場から調査してくれることです。
ホームインスペクションを実施することで、マンションの耐震性や不具合がないことを証明できるため、安心して売買できます。
仮に不具合箇所があっても、ホームインスペクションを行い内容報告すれば、売却後にトラブルも起こりにくいです。
また、買主側にとっても、物件の劣化状況が把握できれば、購入後に必要なリフォーム費用や、今後のメンテナンス計画などが立てやすくなるなどのメリットがあります。
コツ2.リフォームやリノベーションしない
リフォームやリノベーションせずに売却すると、買い手が見つかりやすいです。
リフォームやリノベーションを施して相場より高い価格を設定してしまうと、買い手に「相場より高いマンション」と判断され、売れ残る傾向があります。
マンションには築年数ごとに適正な相場が存在し、買い手は適正相場の価格を基準に物件を探します。
したがって、数百万円かけてリフォームを行い、その費用を上乗せして販売しても、売主が見つかりにくいです。
また、築40年のマンションの場合、費用が安いマンションを購入し、自分でリフォームやリノベーションを行いたいと考える方も多いです。
自分でリフォームを希望する方にとって、既に改装されておりかつ相場よりも高いマンションは避けられる傾向があるため、リフォームやリノベーションを行わずに売却しましょう。
コツ3.不動産買取で売却する
築40年のマンションであれば、不動産買取で売却する方法もあります。
買取とは、一般の買主を探す「仲介」とは違い、不動産会社が直接マンションなどの物件を買い取ってくれる方法のことです。
買取は、買い手を探す手間や労力が必要なく、短期間で売却できる特徴があります。
また、仲介手数料がかからない点もメリットです。
ただし、仲介と比べて売却価格が安くなる傾向があり、相場の7割程度の金額で買取される場合があるので注意が必要です。
買取の「短期間」「手間がかからない」などの特徴から、売却活動をすぐに終わらせたい方や、早急に現金が必要な方に向いている方法と言えます。
不動産買取なら、一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」がおすすめです。査定申し込みの際に、「買取希望」と入力することで、買取の査定を受けることができます。
「不動産売却 HOME4U」を活用して、良い条件で買取を依頼できる不動産会社を探してみてください。
コツ4.複数社に査定してもらう
複数社に査定してもらうことで、所有マンションの適正な価格を把握できるだけでなく、高く売却してくれそうな不動産会社を見つけられます。
1社のみの査定だと、提示された査定額が適正かどうかわからないため、損をする可能性があります。
一方で、複数社に査定依頼すると相場感を理解でき、どの不動産が高く売却してくれそうか判断できます。
5〜6社程度に査定を依頼し、複数の会社から比較することが売却を成功させるコツです。
複数社への査定依頼は、一括査定サイト「不動産売却 HOME4U」が便利です。
厳選された優良企業2,100社の中お客様の条件にあった会社を「不動産売却 HOME4U」がピックアップし、その中から最大6社まで選択することができます。マンション売却時に活用して信頼できる不動産会社をみつけましょう。
まとめ
築40年のマンションは、建物や設備の劣化・老朽化、住宅ローンが通らない(可能性が高い)などとして、売却が難しいとされています。
しかし、「1.築40年のマンションでも売却できる」でご紹介した通り、マンション成約データのおよそ1割が築40年程度のマンションという結果もでています。
築40年のマンション売却を成功させるコツは、以下のとおりです。
- ホームインスペクションを実施する
- リフォームやリノベーションせずに売却する
- 不動産買取で売却する
- 複数社に査定してもらう
ただし、リフォームや買取など、わからないことは信頼できる不動産会社にアドバイスをもらうと安心です。まずは「不動産売却 HOME4U」などの一括査定サイトを活用して不動産会社を探すことで売却の一歩を進めましょう。