平屋は新築費用が高い?費用相場とメリット・デメリットを徹底解説

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老後の暮らし方を考えて、平屋の新築を考えているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、平屋と2階建てのどちらで家を建てるか、決めかねている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、平屋の新築住宅を検討している方に向けて、平屋のメリット・デメリット、費用相場、費用を抑えるポイントなどについて詳しく解説します。平屋の暮らし方の特徴を十分に理解して、予算も考えながら最適な家づくりを進めてください。

1.平屋って実際どうなの?

はじめに、平屋の建物としての特徴や生活スタイルについて、メリット・デメリットをご紹介していきます。

1-1.平屋とは

平屋とは、2階以上の階層がなく1階だけの建物を指します。住宅では、リビングダイニングやキッチン、浴室など水回り、寝室などの個室も全て1階にあることになります。生活空間がワンフロアにまとまった生活スタイルは、一般的なマンション空間をイメージするとわかりやすいかもしれません。

1-2.平屋のメリット

平屋は、全ての生活空間が同じ階にあります。そのため、例えばリビングから寝室への移動などに階段を使う必要がありません。高齢になり足腰に不安を抱えたときでも安心して暮らせるでしょう。もし車いすが必要になったとき、エレベーターの取り付けをしない限り、2階に移動するのは簡単ではありません。階段の壁を利用して、電気で車いすを運ぶ設備もありますが、大掛かりなリフォームが必要になります。

また、階段の脇に壁がないなど状況によっては取り付けできないこともあります。容易に2階に移動できなければ、2階建ての住宅であったとしても、結局は1階だけで暮らせるようにリフォームしなければならないケースも少なくありません。はじめから平屋で建てて、車いすでもゆとりが出るように通路幅を確保して備えていれば、車いすの生活になっても不便は感じないでしょう。

また、寝室や子供部屋など各個室が1階にあり家族との距離が近くなることで、防犯上や健康上の安心感もあります。最近は、犯罪の種類も多様化していて、点検等を装って住宅に上がり込み、窃盗をするケースもあるようです。1、2階と空間が分かれていると、死角となる部屋も多くなり防犯上は狙われやすくなります。平屋であれば、ワンフロアで家族のコミュニケーションも取りやすいため、何か異変があったときも気付きやすくなります。

平屋は建物の構造の上でもメリットがあります。2階以上の階層がないことで建物の重心が低くなり、地震や強風など外部から強い揺れが加わっても安定感があります。2階建て以上の建物は、強風などで揺れを感じたり、地震のときには上の階に行くほど揺れを強く感じたりする傾向があります。平屋は、基本的に柱が基礎、土台と直接的に接合されていて、屋根の重量も広い面積で受け止めているため、地震などのエネルギーに対して強さを発揮します。

また生活面のメリットとして、ワンフロアで部屋がつながっているため、掃除機を2階以上に移動させる手間が省け、家事動作もスムーズです。バリアフリー仕様の平屋であれば、段差もなくとても動きやすい環境です。

1-3.平屋のデメリット

平屋を建てる際は生活空間を1階にまとめる必要があり、どうしても1階の床面積が大きくなりがちです。そのため、ある程度の広さを確保できる敷地が必要です。限られた敷地の中で平屋の建築を計画する場合は、部屋数の制限を検討する必要も出てきます。また建物が低くなるため、目の前に高さのある建物があるなど、立地条件によっては日当たりや眺望をあまり期待できない可能性もあります。

平屋は坪単価が高いといわれますが、その要因は、住宅としてのトータルの床面積が小さく(狭く)なるためです。平屋は1階のみの床面積は大きくなりますが、2階以上の階層がありませんので、1棟の住宅としての合計の床面積は2階建て以上よりも小さくなることが多く、坪単価を計算するときに不利になるでしょう。坪単価=建築費用÷床面積ですから、平屋は坪単価が高くなる傾向があります。もし、ハウスメーカーが目安となる坪単価を示しているとしても、多くは2階建て以上の建物の場合と捉えることが大切です。

2.平屋に向いている人

魅力的なメリットもありながら、敷地の大きさなどデメリットもある平屋は、どのような方に向いている住宅なのでしょうか。

高齢者や身体的に障害を持つ方などにとって、部屋の中に階段がないという点は生活面でのメリットが大きいと考えられますので、平屋に向いています。
子育て世帯についても、家族の数が少なく将来的に1階だけの生活を希望しているなら平屋はおすすめです。

平屋を検討する際は、個室があまり必要ではない間取りになる、高齢者や子どもが同居しやすいという点がポイントになるかもしれません。十分な広さの敷地があり建築費用にもゆとりがある場合は、選択肢のひとつとしてください。

3.平屋の費用相場はいくら?

家族の数や暮らし方によって床面積は大きく影響されるため、平屋の費用相場は一概にいえない背景があります。しかし、目安をイメージすることは可能です。

坪数の目安の考え方としては、一般的に2階建ての住宅を建てる場合、4人家族で約35坪前後というものがあります。2,000万円の予算内で家を建てるとすると、2,000万円÷35坪=約57万円の坪単価となります。

平屋の住宅を建てる場合、2~3人家族として約30坪前後の坪数が目安とされます。2,000万円の予算内で家を建てるとすると、2,000万円÷30坪=約66万円の坪単価です。平屋は2階建てと同じ予算でも坪単価が割高に算出されますので、坪単価を試算するのではあれば、少々ゆとりをもつことをおすすめします。

とはいえ、間取りや必要な部屋数などは家族によって異なりますので、坪単価だけに左右されることなく、あくまで予算内で実現できる平屋の建築を計画することが大切です。

4.平屋の坪単価が高くなる要因

坪単価が高いといわれる平屋ですが、その要因としては次のようなことが関係しています。

4-1.基礎の面積が広くなる

生活空間がワンフロアだけになるため、建物の基礎面積は2階建て以上と比べて広くなります。基礎工事は建築費用の中でも金額の割合が大きい部分ですので、坪単価も影響されやすいのです。とはいえ、家族数が少ないときは、個室の部屋数も少なくなると考えられますので、ある程度は削減しながら計画することも可能です。

4-2. 屋根・壁の面積が広くなる

1階の床面積が広くなると、それだけ屋根の面積も広くなります。屋根の工事も建築費用の中で金額の割合が大きい部分ですので、坪単価に影響を与えやすいです。また、間取りによっては壁の面積も増えることがあります。

4-3. バリアフリー仕様になる

平屋を建てる選択をする場合、将来的に車いすの暮らし方も見据えてバリアフリー仕様にするケースがあります。その場合、廊下の幅を広くしたり、玄関にスロープを付けたりすることで、通常の住宅よりも費用が割高になりやすいのです。

5.平屋の建築費用を削減するポイント

平屋の建築費用をできるだけ削減したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。ここでは、費用を削減するポイントをご紹介します。

5-1.必要な部屋に限定する

間取りを考えるうえで、必要な部屋をある程度絞って計画することがおすすめです。1階の床面積を削減できれば、基礎工事の面積や屋根・壁の面積も減らすことにつながります。
家族の人数にもよりますが、普段は使わない個室や和室などは本当に必要か、リビングダイニングの広さは適切かなど、優先順位を決めて計画を進めることがポイントです。「なんとなく必要」といった基準で進めると、床面積はどんどん増えてしまいます。

モデルハウスなどでは、一般的に2階建て、3階建ての仕様で、居住空間もゆとりを持って建てられているケースが多いため、平屋で建てるとどの程度の感覚になるのか、体験することが難しいかもしれません。しかし、実際の空間を体感することで、より具体的に快適に暮らせる面積を検討することができますので、できるだけ平屋で建てているモデルハウスを見学するか、実際に平屋で建てた友人・知人の家を見せてもらうなど、実物が見学できる方法を検討してみてください。

また、部屋の配置の仕方は外観の形にも影響し、壁、屋根の面積を減らすことはコストにも影響します。外観の形がシンプルな四角より、凸凹が多い形だと、壁、屋根の面積はその分増えてしまい、施工も複雑化しますので、材料、施工費ともに割高になってしまうことがあります。床面積を減らすことは、コスト削減には有効なのですが、削減によって、外観の形が複雑化してしまうと本末転倒です。

床面積を減らしながら、外観もシンプルな形を維持することが理想的ですので、場合によっては間取りにも妥協点が出てくる可能性があることを理解しておいてください。

5-2.仕切り壁を減らす

室内の壁の仕切りを減らすことで、壁の仕上げ面積や建具の削減につながります。壁の施工面積が減ることは、内装の材料、施工費が削減できることはもちろん、下地を作る大工職人の木工事を減らすことにもなります。建具においても、部材とともに、枠の施工をする木工事が減ります。二種類の施工費が削減できる効果は大きいです。
平屋のメリットのひとつはワンフロアで生活できることです。より開放的に暮らすためには、細かく部屋を仕切るよりもワンルームのように大空間にして、用途の違うスペースを家具や簡易的な壁で仕切れば、後から配置替えをするときも便利です。車いすが必要になったときも動きやすいでしょう。

5-3.動線を短くする

床面積を減らすためには、生活動線を短くする方法も効果的です。
生活動線とは、部屋から部屋へ移動するときに歩く道のりのことです。生活動線を短くするには、廊下を作らないような間取りの工夫が大切です。2階建て以上では階段のスペースが必要になるため、どうしても廊下が必要になってしまうことがありますが、平屋の場合は工夫しだいで廊下を必要としない、またはできるだけ少なくすることが可能です。

また、収納スペースを設けるときにはデッドスペースとなるような場所を利用するなど、コンパクトな間取りの工夫も効果的です。

とはいえ、面積を削りすぎたために暮らしが不便になってしまわないよう、許容できる範囲で検討することをおすすめします。

まとめ

平屋を建てる前に知っておくべきメリット・デメリットや、費用相場の考え方、費用を削減するポイントなどをご紹介しました。

平屋は、お子さんがいるご家庭の場合や、老後の暮らし方を想定した場合に、階段を使わず生活できる点が大きな魅力です。しかし、敷地の広さの確保や坪単価が割高になりやすいことなどもあり、必要な部屋数を制限しなければならない面もあります。
平屋と2階建て以上ではどちらがご自身の家づくりに適しているのか、シミュレーションしながらしっかりと検討し、最適な選択ができるようにしてください。

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