住み替えなどでマンションを売却するとなったとき、部屋は空の状態にしなければならないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
マンションは住みながら売却することができます。
インターネットで売出中の中古マンションの情報を検索してみるとわかりますが、空室で即入居可能の物件ばかりではありません。実は、住みながら売りに出されているマンションは、とても多いのです。
でも、「空室でないと値が下がるのでは?」「買い手が付きにくいのでは?」といった不安をお持ちの方もたくさんいらっしゃいますよね?
そこで今回は、住みながら売却するための5つの成功ポイントをお伝えしていきます。メリット・デメリットやよくある疑問についても丁寧に解説しますので、どうぞ最後までお付き合いください。
1. 住みながらマンションを売る!そのメリット・デメリットとは?
住みながらマンションを売却することの最大のメリットは引き渡しの直前まで同じ環境で暮らすことができ、引っ越しの手間や費用が1回で済むということです。
新居にすぐ入居することができれば、1回の引っ越しで空室状態を作ることができますが、新居の引き渡し日までの期間が長い場合、空室状態を作るためだけに一時的に家を借りるとなると、賃貸契約のために敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料、保証人不要契約の保証料などが必要で、引っ越し代なども合わせると、家賃のおよそ6~7か月分の初期費用がかかってしまいます。
住宅ローンを組んでいる場合には、毎月の返済と家賃の支払いが重なって金銭的にかなりの負担になりますので、あまり現実ではありませんよね。
やはり「住みながら売却」ができるのがベストです。
では、住みながらのマンション売却にあたっては、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ見て行きましょう。
- メリット
-
- 引き渡し日の直前まで同じ環境で暮らすことができる
- 買主にマンションの住み心地や管理、近隣の状況について直接説明できる
- 買主に家具の配置や生活のイメージを伝えることができる
- デメリット
-
- 売主は内覧に予定を合わせて立ち会わなければならない
- 売主は自分が生活している最中の室内を買主に見せなければならない
- 引き渡し日が制限され買主は即入居できないため、売却に時間がかかる場合がある
デメリットを見てしまうと、「やっぱり住みながらマンションを売却するのは不安だな…」という方もいらっしゃるでしょう。実際、首都圏の物件売却者と中古購入者を対象としたアンケートでも、「売主は買ってもらえるか心配だった」という意見が多くなっています。
ところが!「購入者」の方のアンケートをご覧ください!
「内覧時に暮らしをイメージしやすかった」など、「住みながらの売却」に対しポジティブな意見を持っている割合が高くなっています。
マンションを住みながら売却するという手段は引っ越しにかかる手間や費用を抑えて売却をしたいという売主にとっても、より良い住まいを求める買主にとっても、メリットがあることなのです。さまざまな不安もあると思いますがしっかりと対策をしておけば大丈夫!
次の第2章では、「住みながら売却を成功させる5つのポイント」をご紹介します!
さっそく売却を進めていきたい方は、不動産会社に査定を依頼してみましょう。
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厳選された不動産会社を簡単に比較できるので、売却をスムーズに進めていきたい方にもおすすめです。
2. 住みながら売却を成功させる5つのポイント!
2-1. 引き渡し時期に合わせて綿密に売却スケジュールを組む
住みながら売却する場合、引き渡し日の前日までに引っ越しを完了しなければなりません。引き渡しの時期に合わせて余裕をもって売却活動を開始することを強くおすすめします。
売り出しを開始してもすぐに買主が見つかるとは限りません。特に買い替えで住宅ローンを使用する場合には、売却が完了できないと新居の契約が解約になってしまう恐れがありますので注意してください。
買主が見つかったら、契約、決済、引き渡しなどさまざまな手続きや必要書類の準備と引っ越しでいよいよ慌ただしくなります。同居している家族のスケジュールなどもしっかり把握し、不動産会社の担当者と連絡を密にとって、計画的に進めましょう。
2-2. 内覧希望には可能な限り応じてチャンスを逃さない!
内覧希望者があらわれたら、絶好のチャンスです。ここで一気に購入意欲を高めてもらい、売却成約までこぎつけたいですよね。内覧希望者のモチベーションが落ちないよう、内覧のアポイントはスムーズに進めなくてはなりません。不動産会社の営業マンと以下のことをあらかじめ相談をしておくとよいでしょう。
- 内覧に確実に応じられる曜日や時間帯などをあらかじめ決めて、必ず予定を空けておく
- どうしても在宅ができない場合は一時的に不動産会社に鍵を預けて立ち会ってもらうことも検討する
「日当たりや騒音を確認したいので日中と夜と時間帯を変えて内覧をしたい」、「手持ちの家具が入るか知りたいので採寸をしたい」、「購入後にリフォームを検討しているので内装業者と一緒に室内を確認したい」など、内覧希望者からさまざまな要望が出てくる場合もありますが、早く売るために協力は惜しまず、可能な限り希望に応じるようにしましょう。
2-3. とにかくキレイに!買いたいと思える状態で内覧者を迎える
内覧の予定が決まったら、すみずみまで徹底的に掃除をしてここに住みたいと思ってもらえる状態で内覧者を迎えることが重要です。モデルルームとはいかないまでも、なるべくすっきりした状態で室内を見せるように心がけてください。掃除と合わせてやっておくことは以下の3つ。
- 引っ越し準備や不用品の処分は早めに済ませておく
- 普段使わない物はトランクルームや実家に預けておく
- 生活感の出やすいキッチンや浴室などはプロの手を借りてきれいにしておくと印象アップ
どうしても中を見せたくない部屋や収納がある場合には、不動産会社を通じてあらかじめ伝えておきましょう。
住みながらの売却は購入希望者と直接対面し、反応をリアルタイムに知ることができるというメリットがあります。質問されることもありますので、以下のようなことを答えられるように準備しておくと慌てずに対応できます。
- 周辺の環境
- マンションの管理の状況
- 日当たりや風通しなどの住み心地
- 不動産会社から「マイナスポイント」と評価されている箇所があれば、それについて聞かれた時の答え方
(マイナスポイントを補える要素があれば、それを交えて答えると良いです。)
買主が気兼ねなく内覧できるように配慮しながら、住んでいる人だけが知っているマンションの魅力をさりげなくアピールしましょう。
なお、ハウスクリーニングについては、こちらの記事で詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
2-4. 小さい子どもがいる場合に気を付けること
小さい子どもがいると内覧中に泣き出したり、ミルクやおむつ替えをしたりして、せっかくの内覧に集中できないということもあります。近所に親族が住んでいる場合は預かってもらうか、子守をしながらでも内覧者への対応ができるように夫婦揃って在宅しているタイミングがベストです。
また、おもちゃなどのこまごました物が多く目に入ると、部屋が狭く見えてしまいます。一時的にサッとまとめておけるような出し入れのしやすい収納ボックスなどを用意したり、遊具などにはカバーをかけたりしておくとよいでしょう。
2-5. ペットを飼っている場合はニオイに細心の注意を払う
動物のニオイや毛などは住んでいる人は慣れてしまっていても、内覧に来た人からするととても気になるものです。こまめに掃除機をかけて、消臭剤などを置くようにして内覧に来る人に悪い印象を与えないよう配慮しましょう。
動物が苦手な人やアレルギーがある人もいるので、内覧者を迎えるときはペットをケージなどに入れておくようにします。知らない人が訪ねてくると吠えたり、騒いだりしてしまう場合には、内覧中は散歩に連れて行く、人に預けるなど対策を考えておくことも必要です。
3. 住みながらでも大丈夫?不安解決のQ&A
3-1. 住みながらだと安くなる?
中古マンションの価格は以下のような項目をもとに査定されます。「居住中だから」という理由で価格が安くなってしまうということはありません。
- 立地条件
- 築年数
- 近隣エリアでの過去の取引事例
- 市場の流通の状況
室内が現状どのような状態になっているかは価格に直接影響しませんが、設備の故障や大がかりなリフォームが必要となる汚れや破損箇所がある場合にはそれを理由に値引き交渉をされることがありますので、事前に手入れをしておくようにしましょう。
また、買い替えで新居の引き渡し時期が迫っている場合など、早く売ることを優先しなければならないケースでは、買主からの値引き交渉などがあるとなかなか断れないといったことになってしまうので、スケジュールには余裕をもって売却活動を始めましょう。
3-2. 住みながらだと売れにくい?
第1章のアンケートでご紹介したように、買主は「住んでいることで家具の配置や暮らしをイメージしやすかった」「住んでいる人の生の声が聞けて良かった」と回答していますので、あなたが思っているほど、心配する必要はありません。
不要な心配をするよりも、第2章でご解説した「住みながら売却を成功させる5つのポイント」をきちんとおさえて、しっかりと売却活動を進めることにパワーを注ぎましょう。
3-3. 突然内覧希望者が訪ねてくることはないの?
住みながらマンションを売却する場合、現住所となっている家が商品なので内覧希望者が突然訪ねてきたり、投函などで直接コンタクトを取ってきたりすることがないわけではありません。売却活動を依頼している会社以外の不動産会社や買い取り業者が直接連絡を取ってくることもあります。
万が一、そのようなことがあった場合には媒介契約を結んで売却を依頼している不動産会社があることをきちんと説明して、依頼先の会社を通してもらうようにしましょう。直接対応をしてしまうと媒介契約違反になったり、トラブルになったりする恐れがありますので、個人的に対応することは絶対に避けてください。
3-4. 買主が付いたらすぐに引っ越さなければならないの?
買主が決まったらすぐに引っ越さなければならないということはありません。マンションを売却する際には引き渡しが可能な時期を表示して売り出します。引き渡し時期が決まっていない場合には相談という表示をして、買い手が入居を希望する時期を確認したうえで調整して引き渡し日を設定することが可能です。
買い替えでの売却の場合は新居の入居可能時期の都合や、学校に通っている子どもがいる場合には進学や転校の都合などもあると思いますので、前もって引き渡し可能な時期を不動産会社の売却担当者に伝えてスケジュールの調整をしましょう。
売却後も住み続けるという選択肢「リースバック」
リースバックとは、売却後に買主と賃貸借契約を結んで元の住まいに住み続けるというシステムです。一般的にはリースバックを専門に取り扱っている業者が現金で買い取りをしているので、まとまった資金を手に入れながら、同じマンションに住み続けられるというメリットがあります。
マンションを購入したけれど、持ち家特有の固定資産税などの支払いが苦しい、住宅ローンを長期間払い続けることが先々の不安になっている、将来的に転居しなければならない事情が発生しそうなので身軽にしておきたい、マンションを売却したいけれど手続きや引っ越しなど手間がかかるのがイヤ、周りの人に知られずに売却をしたいなど、売りたい事情によってはリースバックでの売却を検討することもよいでしょう。
4. まとめ
それではおさらいです。
住みながら売却する最大のメリットは引き渡しの直前まで同じ環境で暮らすことができ、引っ越しの手間や費用が1回で済むとことです。転勤や子どもの進学の都合などでタイムリミットがある場合は、余裕をもって早めに売却活動を始めましょう。
住みながらマンション売却をさせるポイントは5つ!
- 引き渡し時期に合わせて綿密に売却スケジュールを組む!
- 内覧希望者にはしっかり対応する!
- 内覧時にはとにかくキレイにして、「買いたい」と思われる状態にしておく!
- 内覧時は小さい子どもはできるだけご近所や親族に預ける
- ペットを飼っている場合はニオイに細心の注意を払う
内覧の対応はとても重要ですので、「自宅を高く早く売却する【内覧】のテクニックすべて教えます」の記事もぜひ参考にしてみてください。
しっかりとポイントをおさえて、ぜひ「住みながらの売却」、成功させてくださいね。
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