不動産査定はAIで十分?査定の精度やデメリットなどを詳しく解説

不動産の価格を査定する方法の1つにAI不動産査定があります。オンラインで完結し、気軽に査定できることもあり利用される方も増えてきました。

ただ、AI不動産査定は利便性が高い一方、売却に活用するうえでは注意点もあります。
この記事では、AI査定の利用を検討している方に向けて、以下について詳しく解説していきます。

不動産の売却について基礎から詳しく知りたい方は、『不動産売却の基本』『【図解】不動産売却の流れと期間』を併せてご覧ください。

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1.AI不動産査定とは?どんな仕組み?

AI不動産査定は、過去の不動産取引情報をもとに、AI(人口知能)を活用して簡易的に不動産価格を査定する方法です。
インターネット上で完結し、物件に関する簡単な情報を入力するだけで、瞬時に査定価格が算出されます。

一般的に、AI不動産査定時に提供する物件情報は次のとおりです。

  • 所在地
  • 築年数
  • 床面積(マンションは専有面積)
  • 土地面積(一戸建てや土地の場合)
  • 所在階(マンションの場合)
  • 構造(木造、鉄骨造など)
  • 居住中か空き家か
  • 売却理由 など

※サービスによって必要な情報は異なり、これより少ない情報で査定結果が分かるサービスもあります。

これらの基本情報をもとに、過去の類似物件の取引事例としながら、自動で査定額を算出します。

個人情報については、メールアドレスの提供だけで利用できるサービスも多く、電話番号は必要としないサービスの方が多いようです。
また、個人情報を提供せずに査定できるサービスもあります。

ただし本来は、不動産の価格に影響する項目はこれらの基本情報だけではありません。
周辺環境や建物の状態、リフォーム履歴、日当たりなど、実際に現地で確認しなければ分からない情報も多くあるため、あくまでも簡易的な査定となります。

査定方法の違い

2.AI不動産査定のメリット

AI不動産査定のメリット、以下2つについて解説します。

2-1.瞬時にその場で査定額が分かる

現地調査を伴う、不動産会社の訪問査定を依頼した場合、査定額が分かるまでに1週間ほどかかります。

AI不動産査定なら、必要な情報を入力すれば瞬時にその場で査定額が分かります
パソコンやスマホ画面に瞬時に査定額が表示されるため、自宅にいながら24時間いつでも利用できます。

不動産の現況が考慮しないAI不動産査定では、どうしても査定額が低くなってしまいます。
簡単に素早く不動産の相場を知りたい方には、おすすめです。

2-2.匿名で利用できるから営業の心配がない

AI不動産査定を利用するには、いくつかの情報を入力する必要があります。
ただ、これらの入力情報は不動産会社へ送信されるわけではないため、不動産会社からの営業電話がくることは有りません

AI不動産査定サービスの多くは、不動産一括査定のような機能も持ち合わせているため、詳しい査定額が気になった場合にだけ不動産会社へ連絡ができます。

AI不動産査定の利用に必要な情報は各社異なり、電話番号などの個人情報を必要としないサービスもあります。

3.AI不動産査定のデメリット

便利なAI不動産査定ですが、もちろんデメリットもあります。
以下2つでのデメリットについて解説します。

3-1.査定額の幅が広く参考にしづらい

AI不動産査定の査定額は、ほとんどの場合で「〇〇円~〇〇円」といった価格帯で表示されます。
この時の査定額の幅が大きいことも多く、1,000万円ほどの差がある場合もあります。

特に、売買件数の少ない地方の物件などは、この特徴が顕著に表れます。
ほとんど参考にならないケースもあるので、「正確な価値を知るものではない」「あくまでも目安」といった気持ちで利用しましょう。

3-2.査定の精度が低い

AI不動産査定は、物件の所在地や方角、階数など、基本的で簡単に入力できる情報だけで価格を算出します。
「不動産が今どんな状態にあるのか」が加味されないため、査定の精度は低くなります

売却事例の多い東京都内のマンションなどであれば、いくらか信頼しやすくなりますが、不動産会社の行う査定よりは明らかに精度が低くなります。

AI不動産査定で算出される査定額は、売却を検討する材料などに使っていきましょう。
その価格通りに売れる可能性は決して高くないので、売却の最終決断をする時は不動産会社への査定をおすすめします。

3-3.売却をするなら不動産会社の査定が必要

不動産会社に売却を依頼する場合、より正確な査定額を算出するため、また不動産会社が物件の現況を把握するためにも、訪問査定が必要になります。
AI不動産査定だけでは売却を行うことができないため、すでに売却を決めている方は、最初から不動産会社に査定を依頼することも考えましょう。

もし、訪問査定の前に簡単な査定額を知りたい場合は、机上査定(簡易査定)という選択肢もあります。

机上査定は、AI不動産査定と同様に、床面積や築年数など物件の基本情報と条件の近い取引事例から査定価格を算出する方法ですが、AI査定と異なり査定するのは不動産会社の担当者です。
基本情報以外の価格に影響する点も含めて査定が可能であり、AI不動産査定より精度は高いといえます。

いずれにせよ、最終的には訪問査定が必要になります。
AI不動産査定は「売却するかどうかの判断材料」に、机上査定は、売却判断だけなく「契約したい不動産会社選びの材料」として活用することをおすすめします。

4.AI不動産査定のおすすめサービス

ここでは、AI不動産査定でおすすめのサービスを3つ紹介します。

サービス名 運営会社 特徴
HowMa 株式会社コラビット AI不動産査定に加え不動産会社が査定する「コラボ査定」を提供
10秒でDo 株式会社And Doホールディングス 仲介での売却価格と不動産会社の買取価格が分かる
IESHIL 株式会社リブセンス 首都圏の中古マンションに特化。個人情報不要でマンション名だけで部屋ごとの参考相場価格が分かる

4-1.HowMa

HowMaは、株式会社コラビットが提供するAI不動産査定サービスです。所在地や床面積、築年数など基本情報だけですぐに査定できます。
利用するには、物件情報のほかメールアドレスの登録が必要ですが、会員登録後のマイページ内に査定結果が届くため、不動産会社へ個人情報は渡りません。

また同社では、AI不動産査定に加え、AI技術と不動産会社のプロの視点から、高値売却を狙うチャレンジ価格・確実に売却できる安全価格の2つを算出する「コラボ査定」を提供しています。
コラボ査定利用者限定で、不動産売却のセカンドオピニオンとしてコンシェルジュに無料相談できるサービスも提供しています。

なお、コラボ査定では、不動産会社へ個人情報の提供が必要です。

4-2.10秒でDo

10秒でDoは、株式会社And Doホールディングスが提供するAI不動産査定アプリです。

物件の基本情報を入力するだけで仲介での売却価格や不動産会社の買取価格が分かります。

より正確な査定を希望する場合は、AI不動産査定結果の問い合わせボタンからメールでそのまま訪問査定を依頼することができます。
利用するには、メールアドレスのほか、氏名、電話番号の提供が必要です。

4-3.IESHIL

IESHILは、株式会社リブセンスが提供する中古マンションに特化したAI不動産査定サービスです。対象エリアは、東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県となっています。

個人情報を入力することなく、マンション名を入力するだけで部屋ごとに参考相場価格が表示されるほか、災害リスクや物件周辺情報として保育園小学校の情報が表示されます。
個別により正確な価格を知りたい場合は、メールアドレスの登録が必要です。

また、不動産の売却について、オンラインで専門家に相談できる「イエシル個別相談会」サービスを提供しています。

5.精度の高い査定は不動産一括査定で依頼しよう

AI不動産査定は、売主の状況や目的によっては便利なサービスですが、査定精度は決して高くありません。最終的には不動産会社の査定が必要であることを理解しておきましょう。

ただ、不動産会社が算出する査定額も各社異なるため、複数社を比較することが重要です。

複数社への査定依頼は大変ですが、不動産一括査定サービスを活用すると簡単に済ませられます。
不動産一括査定サービスは、たった一度の簡単な入力で複数社にまとめて査定依頼ができるサービスです。

不動産一括査定サービスも様々ありますが、中でも不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)がおすすめです。
NTTデータグループが運営しており、個人情報の取り扱いやセキュリティの面で安心して利用できます。

1分程の簡単な入力で、全国から厳選した2,300社の中から最大6社にまとめて査定依頼ができます。

信頼して売却を任せられる不動産会社を探したい方は、ぜひご活用ください。

6.まとめ

AI不動産査定の仕組みや利用するメリット・デメリットについてご理解いただけたのではないでしょうか。

すぐに査定結果を知ることができ、個人情報の提供も少なく済むAI不動産査定ですが、査定価格の精度が低い点には注意が必要です。
「とりあえず家の価値を知れればよい」「売却するか決めていないが参考に知りたい」などの目的で利用するには、便利なサービスと言えます。

ただし、売却が前提の場合、改めて正確な査定価格を知るためには訪問査定が必要です。AI不動産査定を利用するとしても、目的を明確にして活用することが大切です。

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