不動産の売却を検討されている方にとって、「不動産を売ると、どのようなメリット・デメリットがあるのか」気になるところですよね。
この記事では、
- 不動産売却のメリット
- 不動産売却のデメリット
- 売却すべき不動産の条件
- 売却するなら知っておきたいリスク
について解説します。
不動産を売るのであれば、知っておきたい基本的な知識を解説しています。
売るか所有し続けるか悩んでいる方は、ぜひ判断の参考にしてください。
Contents
1.不動産売却のメリット
不動産売却で得られるメリットは、次の3つです。
- まとまった現金が手に入る
- 維持費を減らすことができる
- 税負担を軽減できる
メリットについて詳しく解説します。
1-1.まとまった現金が手に入る
不動産を売却すれば、まとまった現金が手に入ります。
たとえば、以下のようなケースで急に現金が必要となることもあるでしょう。
- 子供の進学などで大きなお金が必要
- 失業や病気などによる収入減
- 災害や事故など不測の事態
思わぬ状況に陥った時、不動産を売却すれば資金を確保することができます。
また、家の老朽化が進んだ際にも、現金化することで新たな不動産に買い替えることも可能です。
1-2.維持費を減らすことができる
不動産は時間と共に老朽化が進むため、維持のために定期的にメンテナンスをしなければなりません。しかし、不動産を売却すればメンテナンスのための維持費をなくすことができます。
築年数が経過しているほど劣化はひどくなるので、その分費用も大きくなりがちです。維持費の負担が大きければタイミングを見て売却した方がメリットが大きいでしょう。
1-3.税負担を軽減できる
不動産を売却することで税金の負担を減らすことができます。
不動産の所有者には毎年、固定資産税と都市計画税の納付が義務付けられています。
そのため、使用するあてのない物件を相続した場合や所有の必要がない場合は、売却した方がメリットは大きいでしょう。
大きな金額でなくても、毎年税金を払い続けることは負担です。古い家や空き家を売却する際の税金については、関連記事でもご紹介していますので、ぜひ併せてお読みください。
2.不動産売却のデメリット
不動産売却は決して良いことだけではありません。以下のようなデメリットもあります。
- 売却費用がかかる
- まとまった時間が必要になる
- 節税ができなくなる
それぞれ詳しく解説します。
2-1.売却費用がかかる
不動産売却には、さまざまな費用がかかります。
主な費用の内訳の目安は以下の通りです。
費用の項目 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 | (物件価格×3%+6万円)×消費税 |
印紙税 | 1,000円~60,000円 ※売買金額が100万円超~5億円以下の場合 |
登録免許税 | 1,000円×件数 |
司法書士費用 | 1~2万円 |
住宅ローン一括返済の手数料 | 1~6万円 ※金融機関や借入条件により異なる |
ハウスクリーニング代 | 物件の条件による |
測量費用 | 官民境界は60~80万円、民民境界は35~45万円程度 |
解体費用 | 1坪あたり3~5万円 |
引っ越し代金 | シーズンや業者によって異なる |
不動産を売却して最終的に売主が得られる利益は、これらの費用や住宅ローンの残債を引いた額となります。
なお、一覧表はあくまで目安です。司法書士の依頼料や一括返済の際に金融機関に支払う手数料は、それぞれの条件により異なりますので、事前に確認しておきましょう。
2-2.まとまった時間が必要になる
一般的には、不動産売却にかかる期間は3ヶ月から6ヶ月程で、ある程度の期間が必要になります。
しかし、買い手がつかない状態が続いたり、その他の手続きに時間がかかったりすると売却活動はより長期化します。
スケジュールに余裕がない、急いで現金化したいなどの理由でまとまった時間を確保できない場合、物件の価格を下げて売らざるを得なくなります。そうなると最終的に手元に残る利益も少なくなってしまいます。
2-3.節税ができなくなる
不動産を所有していることで出来ていた節税対策ができなくなります。
アパートやマンション経営などで不動産収益がある場合、確定申告することで税金の一部や管理などにかかる費用、減価償却費などを経費計上することができます。その結果不動産所得が損失計上となった場合は給与所得なども合わせた時の所得税を節税できるのです。
節税を目的として不動産を所有してた場合、売却してしまうと節税対策はできなくなるので注意が必要です。
3.売却すべき不動産の条件
不動産価格は物件自体の価値だけでなく、その時の市況や需要に影響されるので、「売却すべきか」に決まった答えを出すのは困難です。
しかし、次のような条件に当てはまるのであれば、売却すべきと言えるでしょう。
- 人が住んでいない
- 築年数が20年以内の物件
- 相続の遺産分割をしたい
それぞれ、どうして売るべきなのか理由を解説します。
3-1.人が住んでいない空き家
人が住んでない空き家であれば、放置するよりも売却したほうが得策といえるでしょう。
空き家の所有は税金負担が続くだけでなく、放置しておくと老朽化し倒壊するリスクがあるためです。
倒壊などの可能性がある空き家は、「空家対策特別措置法」に基づいて「特定空家等」に指定される可能性があります。もし特定空家等に指定された場合、固定資産税が最大で6倍にも増えることになるため、税金の負担も大幅に増えてしまいます。
3-2.築年数が20年以内の物件
高値での売却を希望するのであれば、築年数が20年以内に売却した方がよいでしょう。
不動産は築年数が経過するごとに価値が減少します。これは、国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」の下記のデータからも分かります。