初めて中古マンションを売却する方の中には、どのような流れで何をどうすればいいのかがわからず悩んでいる方も多いと思います。好条件で売却するには、中古マンション売却の流れを事前に把握しておくだけでなく、注意点を理解した上で売却に臨むことが大切です。

この記事では、中古マンションを売却するときの流れ、売却前の注意点、不動産会社の選び方、高く売るポイントなどを紹介します。
売却全体像を理解し、失敗を未然に防ぎながら速やかに高くマンションを売却していきましょう。

1.中古マンションを売却するときの流れ

マンションを売却する際の主な流れは以下の通りです。

• STEP1.売却相場を確認する
• STEP2.査定を受ける
• STEP3.不動産会社を選ぶ
• STEP4.売却に向けた活動をスタートする
• STEP5.買主と売買契約を結ぶ
• STEP6.マンションの引き渡しを行う
• STEP7.確定申告を行う

それぞれの流れについて詳しく見ていきましょう。

STEP1.売却相場を確認する

まずは売却相場の確認です。売却予定のマンションにどのくらいの価値があるのかは、不動産会社に査定を依頼すれば把握できます。
ただし、査定額は不動産会社によって差が出てしまうため、比較の軸となる売却相場を把握しておくことが重要です。

売却相場は売却を予定している物件の、条件に近い物件の成約事例を参考に調べます。
中古マンションの場合は、同じマンションの成約事例や、近場で同じ程度の築年数、間取りのマンションの成約事例が参考になります。

過去の成約事例は、土地総合情報システムやレインズマーケットインフォメーションで検索できます。

STEP2.査定を受ける

売却相場を確認した後は、不動産会社に査定を依頼します。
査定には、机上査定と訪問査定の2種類があるので、依頼前に決めておきましょう。

机上査定は、現地調査を行わずに過去の取引実績や周辺相場などからおおよその価値を算出する査定方法です。
訪問査定は、机上査定で得られる結果に加えて、訪問調査を行って価値を算出します。

訪問査定の方が精度の高い査定結果を得られるので、売却を決めている方は訪問査定を実施しましょう。

また、大まかな査定方法はどの会社も同じですが、会社の方針や見方、売却への自信などで査定額は大きく変わります。
100万円単位で差が出るため、複数の不動産会社を比較したうえで、信頼できる査定額を見つけましょう。

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全国から厳選された2,300社を超える不動産会社の中から、最大6社にまとめて査定依頼ができるため、査定の比較が簡単にできます。

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STEP3.不動産会社を選ぶ

査定を依頼した不動産会社の中から、仲介を依頼する不動産会社を選びます。
不動産会社を選ぶ際は、査定結果や担当者との相性、売却実績などから総合的に判断します。

不動産会社を選んだら媒介契約を締結します。
媒介契約には以下の3種類あり、それぞれ特徴が異なるため、マンションの状態や需要を鑑みて決めましょう。

レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するネットワークシステムです。会員となっている不動産会社のみサイトにアクセスでき、不動産業界全体が連携して売りたい方と買いたい方、貸したい方と借りたい方の成約をサポートしています。

STEP4.売却に向けた活動をスタートする

不動産会社と媒介契約を締結した後、マンションの売り出し価格を決定し、売却に向けた活動をスタートさせます。

売却活動中は、不動産会社が購入希望者の募集をするため、売主がすべきことは多くありません。

購入希望者からの問い合わせがあると内覧が行われますので、内覧にむけての準備はしておきましょう。
具体的に、物件の掃除やスリッパ等の準備、また物件のアピールポイントをまとめおきましょう。

内覧は必ず売主が参加する必要はありませんが、できる限り立ち合い、自然に物件のいいところをアピールしていきましょう。
この時、購入希望者の内覧の邪魔をせず、あくまでも雑談の雰囲気でアピールできると印象をよくできます。

STEP5.買主と売買契約を結ぶ

購入希望者が購入を決断すると、売買契約に移ります。
売買契約も不動産会社主導で行われるので気楽に臨みましょう。

売買契約を締結すると、買手から手付金を受領します。
手付金は売却金額の5~10%が相場で、残りの代金を引き渡し時に決済するのが一般的な流れです。

また、売主は不動産会社に仲介手数料を支払います。
この際、仲介手数料の半額を支払い、引き渡し完了後に残りを決済するのが一般的です。

STEP6.マンションの引き渡しを行う

売買契約時に決めた引き渡し日に、決済と引き渡しを行います。

以下は、引き渡し当日の流れです。

1. 所有権移転登記の書類を確認した後、署名・捺印を行う
2. 物件の残金を受領した後、管理費などの精算を行う
3. マンションの鍵を買主に渡す
4. 仲介手数料や司法書士への報酬を支払う
5. 引き渡し確認書に署名・捺印を行う

住宅ローンが残っている方は、売却物件の残金を受け取ってすぐに完済の手続きを行います。
住宅ローンを完済し、不動産についている抵当権を抹消しないと売却できないため、しっかりと準備しておきましょう。

所有権を買手に移し、鍵を渡したら、不動産会社と司法書士に手数料を支払います。
不動産会社への仲介手数料は、売買契約時に半金を支払っているので、残りの半金を支払います。

STEP7.確定申告を行う

売却益が出た場合は、その売却益に対して譲渡所得税（所得税と住民税）が課されます。
売却益がある方は翌年の2月16～3月15日の間に確定申告を行い、納税しなければいけません。

また、売却損が出た場合も、節税のための特例制度を利用するには確定申告による申請が必要になります。

そのため、いずれの場合でも確定申告を行うことをおすすめします。

2.失敗しないために確認すべき中古マンション売却前の注意点

マンション売却に失敗して後悔しないためにも、以下の注意点を押さえておきましょう。

• 売却する前に相場を把握しておく
• 必要な書類を揃えておく
• 査定価格が高い＝良い不動産会社と勘違いしない
• 売却時にかかる費用を見積もっておく
• 高すぎる売り出し価格をつけない

それぞれの注意点について詳しく説明していきます。

2-1.売却する前に相場を把握しておく

売却相場を知っていると、査定額を比較する際や、売り出し価格、値引き額を決める基準ができます。
売主が自分の意志で、価格に対して意見ができるよう、必ず売却相場を調べておきましょう。

マンションの売却を後悔する理由の一つは、不動産会社に任せきりにしてしまうことです。
不動産会社の利益は売買契約後に発生する仲介手数料だけのため、早く多くの物件を売却した方が多くの利益を上げられます。

不動産会社の利益への追及が、必ずしも売主の利益に直結するわけではありません。
売主は不動産会社といいパートナーシップを築きつつも、自分の意見を持てるようにすることが大切です。

2-2.必要な種類を揃えておく

マンションの売却には、以下のような書類が必要になります。

• 身分証明書（運転免許証やパスポート）
• 印鑑登録証明書および実印
• 登記済権利証または登記識別情報
• 固定資産税・都市計画税納税通知書
• 通帳やキャッシュカード
• マンションの管理規約・長期修繕計画表
• 管理にかかる重要事項調査報告書

書類に不備があった場合、計画通りに進まないため、事前に必要書類を確認し、余裕をもって準備しましょう。

必要書類に関しては不動産会社が教えてくれるため、必ずしも事前に準備する必要はありません。

ただ、事前に書類を集めておければその分スムーズに手続きを進められます。
できる範囲で集めてみましょう。

2-3査定価格が高い＝良い不動産会社と勘違いしない

査定価格が高い不動産会社が良い不動産会社とは言い切れません。
その理由は、いくら査定価格が高くても相場に合った適正価格でないと売れないためです。

媒介契約を締結できた不動産会社しか、仲介手数料を得られるチャンスがないため、不動産会社の中には媒介契約を締結するためにわざと高い査定結果を提示するところもあります。

そのような不動産会社に売却を任せて高い価格で売り出しても、売却相場に見合わない価格では購入希望が集まらず、売却が長期化します。
最終的に値下げが必要になり、かえって相場よりも低い価格で売却してしまうケースもあります。

高い査定額が出された際は、十分な根拠があるか質問したうえで、他社と比較してみましょう。

査定依頼の際は、最大6社の不動産会社にまとめて査定依頼ができる不動産売却 HOME4U（ホームフォーユー）を是非ご利用ください。
NTTデータグループが運営する一括査定サービスで、安全に、厳選された不動産会社だけを比較できます。

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2-4.売却時にかかる費用を見積もっておく

マンションの売却には、目安として売却金額の5～7％ほどの費用がかかります。

以下は、マンションの売却でかかる主な費用です。
（ハウスクリーニング費用や引っ越し費用などの諸費用は含めていません。）

• 仲介手数料：売却金額×3%＋6万円（＋消費税）
• 印紙税：1,000円～6万円程度（売却価格によって異なる）
• 抵当権抹消費用：1つの不動産につき1,000円（土地と建物の場合は2,000円）
• 司法書士報酬：1万5,000円程度
• 譲渡所得税：売却益に対して20.315%～39.63%

譲渡所得税はとても税率の高い税金ではありますが、売却益が発生しない売却も多く、その場合は税金が発生しません。

【譲渡所得税の税率（所有期間により異なる）】

• 所有期間5年以下（短期譲渡所得）：39.63％
• 所有期間5年超（長期譲渡所得）：20.315％

そのため、もっとも高額になりやすいのが不動産会社へ支払う仲介手数料です。

仲介手数料は、不動産会社が請求できる上限額が法律決められており、400万円以上の取引では『売却金額×3%＋6万円（＋消費税）』以下の金額が請求されます。
例えば、3,000万円で売却した場合は、1,056,000円以下の仲介手数料が発生します。

2-5.高すぎる売り出し価格をつけない

マンションの売却を検討している方の中には、少しでも高く売りたいので売り出し価格を高く設定したいと考えている方も多いと思います。

ただし、周辺相場と比べて高すぎる売り出し価格を設定するのはおすすめしません。
購入希望者はネットを通じて多くの物件を閲覧しており、自然と相場感を持っているため、相場を逸脱した価格の物件は、検討はおろか表示すらされにくくなります。

売却に費やせる期間を十分にとれる場合は、相場価格の1割増しで様子を見てみるのもいいでしょう。
反対に、売却に費やせる時間が少ない場合は、相場価格と同等かそれ以下の価格で売り出すことをおすすめします。

3.中古マンション売却に最適な不動産会社の選び方

仲介を依頼する不動産会社選びによって、売却結果が左右されます。
不動産会社を選ぶ際は、以下のようなポイントを押さえることが大切です。

• マンションの売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ
• 査定額の根拠を明確に提示してくれる不動産会社を選ぶ
• 親身に相談にのってくれる不動産会社を選ぶ
• 複数社に査定を依頼する

各不動産会社によって得意分野が異なります。
マンションの売却実績が豊富な不動産会社を選べば、マンション売却に失敗するリスクを軽減できるでしょう。

また、査定額の根拠が曖昧である不動産会社よりも根拠を明確に提示してくれる不動産会社の方が、査定の精度が高く信頼できる不動産会社と言えます。
マンション売却は平均的に3～6か月の期間を要します。
不動産会社との付き合いも長くなるため、親身に相談にのってくれる不動産会社を選びましょう。

「売却活動に熱心」「質問対する対応が誠実」「査定額に根拠がある」といったいい不動産会社を見つけるには複数社の比較が必要不可欠です。
査定を複数社に依頼し、できる限り比較するようにしましょう。

複数社へそれぞれ査定するには大変ですが、不動産一括査定サービスを利用すると便利です。

複数社に査定を依頼する際に便利なのが、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U（ホームフォーユー）」です。

「不動産売却 HOME4U（ホームフォーユー）」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,100社のなかから、最大6社を選んでまとめて査定依頼ができます。

信頼できる優良な不動産会社を探すなら、「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。

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4.中古マンションを高く売るためのポイント

マンションを高く売るために、以下5つのポイントを押さえておきましょう。

• 複数の不動産会社に査定を依頼する
• 値引き交渉を想定して売り出し価格を設定する
• 掃除やリフォームは不動産会社に確認してから行う
• 買い替えの場合は売り先行で売却を進める
• 需要の高い時期にマンションを売却する

売主の中には、クリーニングやリフォームなどを行った方が高く売れると考えている方も多いかもしれませんが、必ずしも高く売れるとは限りません。
費やした費用分の価格を上乗せしてしまうと、周囲よりも高いという印象を与えて売却に不利になる可能性もあるためです。
独断で行うのではなく、必ず不動産会社に相談しましょう。

買い替えを想定している場合は、マンションの売却を先に行う売り先行をおすすめします。
その理由は、売却代金を購入資金に充てられるので資金の負担が軽く、物件を同時に2つ持たずに済むので住宅ローンや維持費の2重支払いのリスクを回避できます。

また、マンションを売るタイミングも重要です。
年度替わりである4月に向けて、2～3月は1年間で最もマンションの取引が活発になります。

売り出し開始まで1～2か月程度かかることを見越して、11月、12月あたりから売却に向けて準備を始めていきましょう。