RC造住宅とは?特徴やメリット・デメリット、他構造との違いを解説

マイホーム建築を検討しているのであれば、木造とRC造の住宅で悩む方もいるでしょう。

特に、3階建て以上の多層階住宅を考えているのであれば、RC造住宅を選択肢として考える方も多いのではないでしょうか。

この記事でわかること
  • RC造住宅の特徴
  • 他の工法との違い
  • RC造住宅のメリットとデメリット

この記事では、RC造の特徴と他構造の違いや、RC造で注文住宅を建てるメリットとデメリットを解説します。

マイホーム建築の工法に悩んでいる方や、納得がいくマイホーム建築を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。

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1.RC造(鉄筋コンクリート造)とは?特徴を解説

「RC造」とは、鉄筋で壁や柱の骨組みを作り、コンクリートを流し込んで固めたものを床や壁に使った建物のことです。

強度が必要な中高層階のマンションや商業施設や、デザイン性を重視した高級住宅の建築に多く利用されます。

ここでは、RC造の特徴を詳しく見ていきましょう。

1-1.高い強度とデザイン性の高さが魅力

RC造の特徴の1つが、高い強度とデザイン性です。RC造が高い強度を持つ理由は、建築工法にあります。

RC造は、柱や壁の骨組みを鉄筋で組みコンクリートを流し込んで固めることで、建物を形作っていきます。ここで重要なのは、建物の骨組みに2つの材料が使用されている点です。

鉄筋とコンクリートの特徴を、以下で確認しましょう。

鉄筋とコンクリートの特性
種類 特徴
鉄筋
  • 引っ張る力に強い
  • 圧縮に弱い
  • 錆びやすい
  • 高温に対する耐火性が低い
コンクリート
  • 圧縮に強い
  • 引っ張る力に弱い

このように鉄筋とコンクリートは、それぞれ異なる性質を持ちます。両方の材料を併せて使用することで、RC造は引っ張る力と圧縮の両方に強い、高い強度を実現しているのです。

また、RC造のデザイン性が高いといわれるのは、他構造と比較して柱が少ないためです。少ない柱で建築が可能なRC造は、大空間を作りやすく、自由でオリジナリティのあるデザインを実現できるでしょう。

1-2.RC造は壁式構造とラーメン構造の2種類

RC造には、「壁式構造」と「ラーメン構造」の2種類があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

壁式構造とラーメン構造の特徴
種類 特徴
壁式構造
  • 壁と床の面が建物を構成
  • 遮音性が高い
  • 断熱性が高い
  • ラーメン構造よりも強度が高い
ラーメン構造
  • 梁と柱が建物を構成
  • 間取りの自由度が高い

壁式構造は、基礎の上に壁や床などの面で構成された箱を組み上げていくような工法です。隙間のない密着した空間ができることから、遮音性や断熱性が高くなります。

また、壁と床で建物全体をしっかり支えるため、高い強度を実現可能です。これらの特徴を活かし、壁式構造は中高層マンションや一戸建ての建築に多く採用されています。

ラーメン構造は、梁と柱が建物を構成し支える作りです。壁や仕切りを減らせることによる、間取りやデザインの自由度の高さが特徴といえるでしょう。

一方で、壁を薄くできることから遮音性や防音性、強度は壁式構造よりも低くなります。
ラーメン構造は、中高層マンションの建築に多く使用されています。

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2.RC造と他構造との違い

RC造と他構造との違い

次に、RC造と他構造の違いを見ていきましょう。

RC造以外の主な構造には、「SRC造(鉄筋鉄骨コンクリート造)」や「S造(鉄骨造)」、「木造」があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

RC造と他構造の特徴
種類 特徴 建築例
RC造 耐震性・耐久性・遮音性が高い
  • 一戸建て
  • 中高層マンション
SRC造 RC造よりもさらに耐震性と耐久性が高い
  • 高層マンション
  • 高層ビル
S造 木材より強度と耐震性が高い
  • 一戸建て
  • 小規模店舗
  • 高層ビル
木造 調湿性や通気性、断熱性に優れる
  • 一般住宅
  • 中高層商業ビル

SRC造は、RC造の内部にさらに鉄骨を埋め込みます。RC造よりも耐震性や耐久性に優れているため、高層マンションや高層ビルの建築に使われます。

S造は、柱や梁に鉄骨を埋め込み建築する方法です。S造には、「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」の2種類があります。

重量鉄骨造は大きな空間作りが必要な、高層ビルや体育館などの施設の建築に使われます。

軽量鉄骨造は、工場で部品を大量生産できるため、コストを抑えた建築が可能です。そのため、一戸建てや小規模アパート、小規模店舗の建築で多く活用されます。

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3.RC造で注文住宅を建てるメリット

RC造で注文住宅を建てるメリットは、以下のとおりです。

RC造住宅のメリット
  • 遮音性と防音性が高い
  • 耐火性に優れている
  • 耐震性に優れている
  • 耐用年数が長い
  • デザインの自由度が高い

それぞれを詳しく確認しましょう。

3-1.遮音性と防音性が高い

メリットの1つは、遮音性と防音性の高さです。建物の遮音性や防音性は、重さに比例して高くなるといわれます。そのため、鉄筋とコンクリートで作られたRC造は、高い遮音性と防音性の実現が可能です。

RC造は、構造によって防音・遮音性の高さに違いがあります。ラーメン構造は柱や梁を中心に、建物を支えます。そのため、壁が比較的薄く遮音性や防音性は壁式構造と比較し低めです。

一方、壁式構造は、鉄筋を組み込んだ分厚い壁で建物を支えるため、防音性や遮音性に優れます。防音性や遮音性を重視するのであれば、壁式構造を検討しましょう。

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3-2.耐火性に優れている

耐火性に優れている点も、RC造のメリットです。コンクリートと鉄筋で建築されたRC造は、数時間であれば1,000度の高温にも耐えられるといわれます。

そのため、火事が発生しても全焼することは少なく、補修で対応できる場合もあるでしょう。

耐火性が高いRC造の建築物は、近隣への延焼を防ぐ効果も見込めます。特に、住宅が密集したエリアにマイホームを建築する場合は、RC造は有力な選択肢となるでしょう。

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3-3.耐震性に優れている

耐震性に優れている点も、RC造のメリットとして挙げられます。

引っ張る力に強い鉄筋と、圧縮に強いコンクリートを組み合わせて建築されるRC造は、地震の揺れへの高い対応力が期待できるでしょう。

なお、以下の特徴を持つ住宅は、梁や柱の数が少ない部分ができることで、耐震性が低くなる傾向があるといわれます。

耐震性が低くなる住宅の特徴
  • インナーガレージを設置している
  • 住宅の一部を店舗として活用している
  • スキップフロアがある

このような間取りを含むマイホーム建築を検討している方は、RC造を選択肢として検討してください。

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3-4.耐用年数が長い

耐用年数の長さも、RC造のメリットです。RC造とその他の工法との耐用年数の違いを、以下で確認しましょう。

RC造とその他工法との耐用年数比較表
種類 耐用年数
RC造 47年
SRC造 47年
S造(軽量鉄骨) 骨格材肉厚4ミリ超 34年
骨格材肉厚3ミリ超4ミリ未満 27年
木造 22年

参考:総務省「PDF 償却資産の耐用年数

RC造は、SRC造と並んで耐用年数の長い建築工法です。
そのため、将来的に次の世代に引き継いで住み続けられる家の建築が可能です。

また、劣化が少ないことから、メンテナンス費用も抑えられるでしょう。

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3-5.デザインの自由度が高い

デザインの自由度が高い点も、RC造のメリットといえます。

RC造の特徴を活かした間取りの一例は、以下のとおりです。

RC造の特徴を活かした間取りの一例
  • インナーガレージ
  • 3階建て
  • 屋上付き住宅
  • 地下室付き住宅
  • 丸い形の部屋
  • 大空間リビング

耐震性や耐久性が高いRC造は、多層階住宅の建築に向いています。丸い部屋など、四角形以外の間取りも可能なため、狭小地や変わった形の土地へのマイホーム建築を可能にします。

また、少ない柱や梁で建築できるため、吹き抜けなどを取り入れた大空間リビングも可能です。

柱や梁が少ないRC造は、リフォーム時にデザインや間取りを変えやすい点も特徴です。子供の独立や介護など、ライフスタイルの変化に合わせた変更ができる点も、RC造の魅力といえるでしょう。

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4.RC造で注文住宅を建てるデメリット

RC造で注文住宅を建てる主なデメリットには、以下があります。

RC造住宅のデメリット
  • 湿気がこもりやすい
  • 建物自体の重量が重いため地盤補強工事が必要になるケースがある
  • 建築コストが高め
  • 工期が長め
  • 固定資産税が高め

RC造にはさまざまなメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。

気を付けるべきポイントをあらかじめ確認し、納得のマイホーム建築を目指しましょう。

4-1.湿気がこもりやすい

RC造のデメリットの1つは、湿気がこもりやすい点です。

コンクリートは、セメントと水で作られおり、特に建築から数年は湿気やすいといわれます。
また、気密性が高く、湿気がこもりやすいといった特徴も特徴です。

湿気がこもると、結露やカビが発生する可能性があります。カビは、住宅の寿命を縮めるだけでなく、居住者の健康を害するかもしれません。

RC造でマイホームを建築するのであれば、以下の湿気対策を講じる必要があるでしょう。

湿気に有効な主な対策
  • 換気システムを導入する
  • 洗濯物の室内干しをしない
  • 日当たりを考慮した間取りを考える
  • 窓を効果的に配置する

室内に湿気を貯めないためには、換気システム付きの住宅が適しています。

また、間取りや窓の大きさや数を十分に考慮することで、湿気の影響が少ない家づくりを目指せます。

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4-2.建物自体の重量が重いため地盤補強工事が必要になるケースがある

「地盤補強工事」が必要になる可能性があることも、RC造のデメリットの1つです。鉄筋やコンクリートを材料とするRC造は、木造と比較して建物自体の重量が重くなります。

建物の重さに耐えられる地盤でないと、建築後に地盤沈下などのトラブルが発生するおそれがあります。RC造のマイホームを建築する際は、事前に地盤調査を十分実施し、場合によっては補強工事を行いましょう。

なお、地盤補強工事にかかる費用の目安は以下のとおりです。

地盤補強工事の費用目安
  • 表層改良工法:50万円程度
  • 鋼管杭工法:100万~200万円程度

地盤補強工事は、施工内容によって100万円以上の費用がかかるケースもあります。RC造を検討しているのであれば、地盤補強工事費用も念頭に置いておくことが重要です。

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4-3.建築コストが高め

建築コストが高めな点も、RC造のデメリットとして覚えておくべきポイントです。

C造では、地盤補強工事によって費用が嵩む可能性がある点は、先述のとおりです。

加えて、RC造の住宅は木造と比較して、そもそも建築費が高いといわれます。なぜなら、建築現場で鉄筋や枠組みを組み上げていくRC造は、工場で作ったパネルや木材を組み上げる木造と比較して、多くの人手が必要なためです。

なお、RC造の建物は耐用年数が長いため、メンテナンス費用などを含めた総コストで考えると、それほど高くないケースも多くあります。RC造のマイホームは、資金計画をしっかりと立てたうえで建築を進めましょう。

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4-4.工期が長め

工期が長めなことも、RC造のデメリットに挙げられます。RC造の工期が長くなる主な要因には、以下があります。

RC造の工期が長くなる主な要因
  • 地盤改良工事が必要なケースが多い
  • コンクリートの養生に時間がかかる

工期が長くなると、仮住まいの期間が長くなるかもしれません。その場合、仮住まいの賃貸料などが嵩む可能性があるでしょう。

また、工期が長くなると、たとえば入学や転勤などのタイミングに合わせた住み替えが難しくなるケースもあります。RC造のマイホームを建築するのであれば、スケジュール管理も大切なポイントです。

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4-5.固定資産税が高め

RC造のマイホームは、「固定資産税」が高めになる点も覚えておきましょう。

固定資産税は、対象となる不動産の価値を基に算出されます。RC造は木造と比較して建築費用が高く耐用年数が長いことから、固定資産税が高めに課税されるのです。

固定資産税は、マイホームに居住するうえでランニングコストとなります。RC造のマイホームを建築するのであれば、居住後の資金計画をしっかりと考えておきましょう。

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まとめ

RC造(鉄筋コンクリート造)とは、鉄筋やコンクリートで壁や床を作り、組み上げる建築工法のことです。

RC造のメリットは、他の工法と比較して耐震性や耐火性、遮音性に優れている点です。少ない柱や梁での建築が可能なため、デザインの自由度が高い点も魅力として挙げられます。

一方、建築費や固定資産税が高くなる点には注意が必要です。また、湿気がこもりやすい構造のため、換気に気を配った間取りを考えることも重要です。

RC造は、木造よりも工期がかかります。RC造のマイホームを希望している方は、計画的に建築を進めましょう。