マンションで住んではいけない階は?階層別メリットや要望別おすすめ階を紹介

マンションでの生活をより快適に過ごすには、何階を選べばいいでしょうか。
反対に、不便などの理由から「住んではいけない」と言える階層はあるのでしょうか?

この記事では、住んではいけない階の存在や、階層別のメリット・デメリットを紹介します。

マンションの住み替えを考えている方は、『マンション住み替えの2つの手順』も併せてご覧ください。

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1.マンションに住んではいけない階は無い

結論、マンションに「住んではいけない階」はありません
人によって、どんな点に快適さを感じるかは異なるためです。

「低層階」「中層階」「高層階」どれをとってもメリットとデメリットがあるため、自分の価値観と合った階を選べるかが重要です。

次章では、各階層別のメリットとデメリットをまとめています。
各階層の特徴を知って、物件選びを進めていきましょう。

2.マンション階層別のメリット・デメリット

この章では、以下の階層別にメリットとデメリットを紹介いたします。

なお、「3階までのことを低層階という」といった明確な決まりは有りません。
超高層階まであるマンションとした場合の、すみ分けの一例としてお考えください。

2-1.1階

1階のメリットとデメリット

メリット

  • 価格が安い
  • 気軽に外出できる
  • 下階への配慮が不要

一般的にマンションは高層階になるほど価格が上昇するため、1階は安く売られています。
専用庭や専用駐車場がある場合などは、必ずしも最も安いと言えませんが、条件も加味したうえで割安と言えるでしょう。

また、気楽に外出できる点と、下階へ生活音の配慮をしなくていい点も魅力です。
毎日のゴミ出しもしやすいですし、子供がいるご家庭はもちろん、車椅子を使われる方にとっても過ごしやすい階です。

デメリット

  • 防犯性が低い
  • 虫が入りやすい
  • 湿気がこもりやすい

セキュリティの強いマンションでも、他の階と比べれば、1階は外から侵入しやすいと言えます。
空き巣やベランダにあるものの盗難などが考えられるため、マンション自体のセキュリティだけではなく、居住者自身の防犯意識も重要です。

同様に虫も侵入しやすく、周囲に緑地がある場合、専用庭で草木が豊富な場合などは特に注意が必要です。

また一階は、湿気がこもりやすい傾向にあります。外からの温度が伝わりやすく、地下からの湿気も取り込みやすいためです。
換気や除湿が不十分だと、カビやダニが繁殖しやすくなる可能性があります。

2-2.低層階(~3階)

低層階のメリットとデメリット

メリット

  • 価格がやや安い
  • 外から見えにくい、侵入されにくい
  • 階段移動が楽

基本的には1階が最も安く、階数が増えるごとに高くなっていきます。
ただ、1階に専用庭がある場合など、条件によっては1階よりも安く買える場合もあります。

そのうえ、1階と比べて外からの視線、不審者や虫の侵入リスクも小なくなります。

階段移動での距離もほどよく、エレベーターの待ち時間に感じるストレスを回避できます。

デメリット

  • 上下左右の部屋、外から音がする
  • 下階への生活音に気を遣う

2階以上になれば、下の階への配慮が必要です。
また、下の階含めた上下左右の隣室からの音と、外からの音も聞こえやすいでしょう。

大型家電の音や足音など、壁や床を直接振動させる音は、下の階から上の階へも伝わりやすいものです。
そのため、上下に挟まれる2階以上の階は、場合によって1階以上に騒音被害に遭いやすいと言えます。

2-3.中層階(4階~10階)

中層階のメリットとデメリット

メリット

  • 快適な室温を維持しやすい
  • 虫が発生しづらい
  • 眺望日当たりが比較的いい

中層階は高層階ほど日光の影響を受けず、低層階よりも風通しが良いため快適な室温を維持できます。
換気しやすいことでカビやダニの発生を防ぎやすく、快適な生活空間を保ちやすいでしょう。

また、4階以上になると空を飛んでくる虫が侵入しにくくなります。

高層階程ではありませんが、低層階のデメリットでもある、眺望や日当たりも良くなる階層です。

デメリット

  • 周辺環境によってはプライバシー対策が必要となる
  • 夏は部屋が暑くなりやすい
  • 階段移動がしづらい

周辺に立っている建物次第では、中層階の部屋でもプライバシー対策が必要となります。
例えば、向かいの建物からの視線が気になる場合、カーテンやブラインドが必要になるでしょう。

また、上層に行くほど、日当たりが良いというメリットがある反面、夏場には室温が上がりやすい特徴があります。
冷房を適切に使用しないと、屋内で過ごしていても熱中症になってしまうリスクがあるため注意が必要です。

中層階あたりから、階段での移動を困難に感じる方も増えます。
エレベーターの混雑を回避できなくなるので、通勤・通学の際は特にストレスを感じる場合があります。

2-4.高層階(11階~20階)

高層階のメリットとデメリット

メリット

  • 防犯性が高い
  • 外の音が気にならない
  • 資産価値が落ちにくい

高層階になると外部からの侵入が困難になるため、中階層以上に防犯性が高いといえるでしょう。
地上からの距離もあるため、車や電車などの音でストレスを感じることも少なくなります。

マンションは一般的に、高層階の部屋ほど人気が高まるという特徴があるので、資産価値が落ちにくいと言えます。
売れやすく、好条件での売却も期待できます。

デメリット

  • 価格がより高くなる
  • エレベーターが必須
  • 構造によっては地震の揺れが大きくなる

高い階ほど価格が高くなるのが基本です。
また、高層階あたりから価格の上昇率も高まるため、割高な物件と言えます。

階段で移動する方はほとんどおらず、生活にはエレベーターが必須になります。
エレベーターの混雑でストレスを感じることもあれば、災害などによりエレベーターが停止して、外出が困難になる可能性もあります。

また一般的に、高層階になるほど地震の揺れが大きくなります。
制振・免震の機能を持つマンションであれば「高いほど大きく揺れる」とは一概に言えませんが、揺れに対して恐怖を感じやすい方は注意が必要です。

2-5.超高層階(21階~)

超高層階のメリットとデメリット

メリット

  • 眺望が良く開放的
  • プライバシーを確保しやすい
  • 風通しと日当たりが良い

超高層階のあるタワーマンションの魅力は、何といっても眺望の良さでしょう。
立地によっては同じ高さの建物もなく、抜群の眺望と、プライバシーが確保されます。

風通しや日当たりが良いため、湿気がこもりにくく、気持ちのいい日の光が差し込みます。

デメリット

  • 外出に時間がかかる
  • 物件によっては窓を開けられない
  • 携帯などの電波が入りにくい場合がある

超高層階では、エレベーターに乗り継ぎが必要な物件もあります。
外に出るまでに5~10分かかることもあります。

高い場所ほど、強い風が吹く可能性が高まります。
このため、超高層階では窓を開けることを禁止している場合があります。

また、携帯などの電波が入りにくい可能性があります。
基本的に、基地局の電波が下向きに出ているためです。
地域により改善されていますが、いまだ全戸の通信が安定しているとは言えません。

2-6.最上階

最上階のメリットとデメリット

メリット

  • 上の階の生活音が気にならない
  • 眺望・風通しに最も優れる
  • 高い資産価値を保ちやすい

最上階だと上の階に住民がいないため、上の階からの生活音がありません。
眺望・風通しは最も良いといえるので、ここに重点を置く方は、より快適な生活が期待できます。

また、同じマンションのほかの階と比較して最上階は人気が高く、資産価値を保ちやすいでしょう。
購入価格よりも高く売却できた事例もあります。

デメリット

  • プレミア価格で売り出される
  • 災害時の避難が困難
  • 屋上の騒音や侵入リスクがある

最上階は需要が高いので、ひときわ高いプレミア価格で売り出されることがあります。
タワーマンションなどの高級な物件では、より顕著に高い価格で売り出されています。

人気のある最上階ですが、災害時は外に出るだけでも多大な労力を要します。
また、屋上にエアコンの室外機が置かれている場合などは、運転音にストレスを感じることもあります。

防犯面に関しても、屋上から侵入されるリスクがあります。
タワーマンションではなかなか考えづらいですが、比較的低層なマンションであれば、最上階だからといって必ずしも安全とはいえません。

3.要望別のマンションおすすめ階

マンションを選ぶうえでの要望は人それぞれです。

この章では、気にされやすい点を以下5つのトピックに分け、それぞれでおすすめの階について答えていきます。

3-1.防犯面でのおすすめ階

基本的に、低層階ほど外部から侵入しやすいため、中層階以上の方が防犯性が高いと言えます。
ただし、施されている防犯対策によっては、低層階でも十分安心して生活できます。

また、最上階は屋上から侵入されるリスクがありますし、居住者の中に他住居への侵入を考える人がいれば階層のリスク差などありません。
そのため、必ずしも高いほどいいわけでありません。

事実として1階は外からに侵入が最も容易なため、セキュリティの強いマンションを選び、自分でできる防犯対策なども考えておくと安心です。
地域の治安についても必ず確認しておきましょう。

3-2.防災面でのおすすめ階

防災面を考える際、高層階ほど避難に適さず、低層階ほど津波や洪水などの被害に会いやすくなります。
また台風の際など、風にのった飛来物が当たりやすいのも低層階です。4階以下の高さは飛来しやすいようですが、それ以上の階にまで飛来する場合もあります。

上記の観点で見ると、中層階が最も「非難がしやすく」「水害も避けやすく」「飛来物にもあたりにくい」と言えます。

ただし前提として、最近のマンションは強固な建物なので、災害時に避難が必要になるケースは多くありません。
一般的に真っ先に避難を強いられるのが戸建てに住まわれている方々でしょう。

そのため、災害時に「マンション内で様子をみる状態になっても安全か」を見極めるのも重要です。
建物の強度はもちろん、管理組合が取り組んでいる防災対策について確認しておきましょう。

3-3.騒音面でのおすすめ階

騒音面を重視する場合、中層階以上の部屋を選ぶとよいでしょう。
地上から距離があるほど、車や電車の走行音から遠ざかるため、音によるストレスを軽減できます。

ただし、両隣や上下の部屋からの生活音を完全に防ぐことはできない点には注意しましょう。

階層に着目する方法とは異なりますが、防音性や気密性が高いマンションであれば、耳に届く騒音をより軽減できます。

3-4.価格面でのおすすめ階

価格面を考える場合、一般的には低層階ほど価格が安くなります。
1階でも専用庭や専用駐車場が付いていれば高くなるケースもありますが、使い勝手を考えれば割安と言えます。

ただし、マンション各部屋の価格決定の要因は階数だけではありません。
方角や角部屋かどうか、間取りの需要など様々です。

また中古マンションに至っては、売り手の状況が価格に関係する場合もあります。
早く売りたいと考える売主であれば、相場よりも安く買える可能性があります。

タイミングよくいい物件と巡り合えるか、いつでも購入を考えられる状況にあるかも大切です。

3-5.体質や個性に関する面でのおすすめ階

以下では、「虫嫌いの場合」と「気圧変化に弱い場合」について、マンションのおすすめ階を紹介します。

虫嫌いの場合

虫嫌いの方であれば、5階以上がおすすめです。
一般的に、蚊やハエが飛行できる高度は10メートル程度までといわれており、マンションの階層に換算すると3階~4階程度です。

飛行での侵入の他に、排水管や非常階段を上がってくる可能性もあります。
この場合でも、基本的には高層階ほどリスクは少なくなります。

ただし、虫や虫の卵が、衣服やバッグに紛れて家へ持ち込まれるケースもあります。
これに関しては、高い階だから防げるといった話でもないでしょう。

気圧変化に弱い場合

気圧は10m高くなるごとに1hPa下がります。

一般的に、高さ60m(階数にして20階程度)を超えるマンションを超高層マンションといいます。
そのため超高層階では、少なくとも地上との気圧差が6hPaあることになります。

高層階の気圧差がもたらす心身への影響に関しては、様々な意見があるため一概に悪影響だとは言えませんが、「気圧変化に弱い」と自覚している方は注意しても損は無いでしょう。

少なくとも、低層階の住戸では気圧差を心配する必要はないでしょう
内覧をする際は、エレベーターでの上り下りで気圧変化を感じるか確認してみましょう。

4.マンションの部屋を決める際のポイント

購入するマンションを決める際には、階層以外にも確認すべき点があります。以下が具体的なポイントです。

  • 資金計画
  • 資産価値
  • 立地
  • 周辺環境
  • 間取り
  • 方角
  • 管理体制

マンションを選ぶ際には、資金計画をできる限り明確にしておきましょう。
マンションは購入後も「管理費」「修繕積立金」「固定資産税」「駐車場代」など、様々な固定費がかかります。将来、これらが値上がりする可能性もあるため、もれなく見積り、そのうえで余裕を持てるかが重要です。

マンション購入者の中には、住み替えを行う方も多くいます。
そのため、売却を見据えて資産価値について考えたうえで購入することも大切です。

資産価値について調べていく過程で、立地や周辺地域についても考えが及ぶでしょう。
これらは、生活の満足度を上げるうえでも重要なので、家族との話合いも重要です。

そして何より、マンションや部屋に関する個別的な情報の収集が大切です。
階層以外に、間取りや方角などの物件のスペック、またマンションの管理体制をみておきましょう。
マンションメンテナンスへの取り組みや防災対策などについては、管理組合ごとに大きな差があるためです。

まとめ

前提として、マンションに住んではいけない階はありません。

あくまでも自分の価値観や生活スタイルに応じて、「合う」「合わない」を判断することが重要です。
各階層別のメリット・デメリットを知っておくことで、選択肢を絞りやすくなるでしょう。

本記事で紹介したメリット、デメリットは、あくまで一般論です。
例えば、一階でも虫が出ていないマンションもあります。

マンションを選ぶ際は、何より内覧を大事にしましょう。

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