【2024年】投資用マンションは売り時?3つのコツで資金を最大化しよう

投資用マンション 売り時と高く売却するコツ

投資用マンションを所有していると、「売るべきか所持し続けるか」判断が必要な局面に立たされることがあります。特に昨今は社会情勢や経済状況の変化が目まぐるしいため、マンション売却の判断がしづらいのが実情です。

そこでこの記事では、投資用マンションの売却すべきタイミングを見極めるポイントをご紹介した上で、売却の基礎と、高く売るコツをお伝えします。
手元に残るお金を最大化できるよう、売却の可能性について考えていきましょう

<この記事を読んでわかること>
  • 売却するかの判断材料になる日本の情勢や主な売却理由
  • 具体的な投資マンションの売り時
  • 売却の基礎である費用や税金、売却の流れ
  • 高く売るための3つのコツ

マンションの売却について基礎から詳しく知りたい方は『マンション売却の流れ』も併せてご覧ください。

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1.金利上昇!2024年は投資用マンションの売り時

2013年1月から現在に至るまで、マンション価格は急上昇を続けています。
2012年12月にアベノミクスが推進されるようになり、2013年4月から量的・質的金融緩和が導入されたことが、マンション価格急騰の大きな要因と考えられます。

2024年がマンションの売り時と言えるのは、今後の価格上昇への期待が薄れ始めているためです。
コロナ禍では更なる急上昇を見せたマンション価格ですが、2022年前半には落ち着き、加熱した相場が減速していく様にも見られます。

不動産価格指数

出典:国土交通省.”不動産価格指数”.REINS TOWER.2024-09-30.(参照2024-10-15)

今後のマンション価格に影響する最大の要素は「金利」です。
金利が継続して上昇していく場合、地方や郊外のマンションを中心に価格が下がっていく可能性があります。
(大都市のマンションは需要が安定しやすく、金利が上昇しても投資対象として依然として有力である可能性が高いため、継続して上昇していくことも考えられます。)

先述の通り、2013年4月から始まった金融緩和政策により、日本の住宅ローン金利は非常に低金利の状態が続いていました。
金利の安さは、取引を活性化し、物の価格を押し上げます。

また、昨今は極度の円安状態で、海外投資家の売買も盛んに行われていました。

その一方で日本銀行は、2024年3月にマイナス金利政策の解除、2024年7月に政策金利0.25%の引き上げを行いました。
なお、低金利であることに変わりはないため、現時点ではマンション価格を下落に転じさせるだけの材料にはなっていませんが、今後の金利動向次第と言えます。

2024年10月は、石破茂首相が誕生しました。
石破茂首相はこれまで、金融緩和政策に相対する発言を続けていたため、金利上昇の可能性は一段高まったとも考えられます。

政治的な面で見ると、「増税」も取引を鈍化させ、マンション価格の上昇を止める原因になりえます。

直近でのマンション売却を考えない方は、新内閣の動向を逐一確認しておきましょう。

2.投資用マンションを売却した人の主な理由

投資用マンションの売却は、投資人生における大きな決断の一つです。

売却を検討する理由は人それぞれではありますが、以下は多くの売却経験者に共通する、代表的な売却理由です。

2-1.相続した物件の現金化のため

親族から投資用マンションを相続したものの、相続人が「今後住む予定がない」「賃貸経営にも自信がない」といったケースも少なくありません。

例えば、地方都市にある築年数の古いマンションを相続した場合、空室リスクや修繕費の負担は大きいと考えられます。
このような場合に、売却して現金化しようと考えることは非常に自然です。

また財産分与のために、「先に投資用マンションを売却し現金化する」ケースもあります。

投資用マンションに限ったことではありませんが、現に、近年は相続を機にした不動産の売却が増加傾向にあります。

2-2.資金不足に陥ったため

当初は順調に収益を上げていた投資用マンションも、予期せぬ事態によって資金不足に陥り、売却を余儀なくされることがあります。

コロナ禍で多くの事業者が収入を減少させていたことは記憶に新しいですが、そうした状況以外でも医療費の増加などで資金不足に陥る場合もあります。
ローンの返済ができなければ当然、売却の選択肢を真っ先に考えるでしょう。

2-3.赤字化の可能性があるため

空室の増加や家賃の下落、修繕費の増大など、様々な要因によって投資用マンションの収支は悪化し、赤字に転落する可能性があります。

特に、築年数が経過したマンションでは、大規模修繕の費用が数百万円から数千万円に及ぶこともあり、収支を圧迫する大きな要因となります。

将来的な赤字化を懸念し、早めの売却を決断するオーナーも少なくありません。

2-4.赤字回復の見込みがないため

長く経営をしていれば、一時的に赤字になる時期があってもおかしくありません。
しかし、賃貸需要の低迷や競合物件の増加など、様々な要因からその後も収支改善の見込みが立たなくなるケースもあります。

例えば、人口減少が進む地域では、空室率が高止まりし、家賃収入の減少に歯止めがかからない状況が続くことも大いに考えられます。
このような場合、損失を拡大させないためにも、早期の売却が有効な手段となりえます。

2-5.事業継続が手間になってきたため

投資用マンションの管理・運営には、「入居者の募集」「家賃の徴収」「クレーム対応」「修繕」など、多岐にわたる業務が発生します。

これらの業務を管理会社に委託する場合でも、一定の手間や費用は避けられません。
特に高齢者や本業が忙しい方にとって、事業を継続していくことは大きな負担となり、売却を考えるきっかけとなることがあります。

3.投資用マンションを売るべきタイミング

1章では「投資用マンション売却に適した情勢であること」を、2章では「投資用マンションを売却した人の主な売却理由」を紹介しました。

では、売却の意思が決まったとして、実際にいつ売却に動き出せばよいのでしょうか。

以下では、細かい売却タイミングを見極めるための5つのポイントを紹介します。

3-1.金利が低いとき

マンションの売却を検討する上で、金利動向は非常に重要な指標です。

一般的に、金利が低いと不動産購入の際の借入コストが抑えられるため、物件購入を検討する人が増え、市場全体の需要が高まる傾向にあります。
そのため、金利が低いタイミングで売却することにより、高い価格で売却しやすくなると言えるでしょう。

2024年は、マイナス金利政策の解除や短期金利の利上げなどがおこなわれ、さらなる金利上昇の可能性が見えてきました。
金融緩和政策を大きく掲げていたアベノミクスが終了し、今後の金利動向が読みづらい局面にありますが、少なくとも2024年11月現在も低金利状態は維持されており、売却に適しているといえます。

3-2.所有期間が5年を超えた後

譲渡所得(売却益)が発生する場合は、その譲渡所得に対して譲渡所得税(所得税と住民税)が課税されます。

譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間が「5年以下」か「5年超え」かの違いで大きく異なります
そのため、譲渡所得が生じることが明らかな場合は、所有期間が5年を超えるのを待って売却しましょう。

投資用マンションを相続した方の場合は、被相続人の所有期間を含めます。

所有期間で異なる譲渡所得税の税率
所有期間 所得税率※ 住民税率 合計
5年以下
(短期譲渡所得)
30.63% 9% 39.63%
5年超え
(長期譲渡所得)
15.315% 5% 20.315%

※2037年まで復興特別所得税が含まれます。

なお譲渡所得とは、売却代金から取得費(その不動産の取得にかかった費用)と譲渡費用(その不動産の売却にかかった費用)を差し引いた金額です。
また、特例等による特別控除がある場合は、さらに譲渡所得から控除し、そのうえで税率をかけます。

3-3.減価償却の終了前

マンションの減価償却が終了すれば、節税の効果は大きく失われます。
そのため、減価償却が終了する前に売却することをおすすめします。

ただし、減価償却の残存年数があまりにも多い状態で売却すると、せっかくの節税枠を有効活用できなかったことになります。
充分な売却益が見込める場合は、残存年数の多さを過度に気にしすぎる必要はありませんが、できる限り減価償却を済ませた状態で売却する方が多く場合で得をするでしょう。

3-4.大規模修繕の前

大規模修繕は12年周期を目安に行われ、外壁やエントランスなどの共有部分の経年劣化による汚れや損傷が修繕されます。

修繕工事後の方が外観も綺麗ですが、基本的には大規模修繕前の売却にメリットを感じる方が多いでしょう。

以下は、大規模修繕前後における売却のメリットです。

大規模修繕前 大規模修繕後
  • 築年数が浅いうちに売り出せる
  • 修繕積立金が値上げされていない
  • 外観が綺麗な状態で売り出せる

不動産は基本的に、築年数が浅い方が高く売れます。
大規模修繕工事に向けた計画立案から工事完了までは、およそ2~3年程かかるため、修繕工事の完了を待つ間に売却価格も落ちていきます。

また、大規模修繕の計画時点で予算が足りないようであれば、修繕一時金の徴収や、修繕積立金の増額が決定されることもあります。
買手の負担が増えるため、売却価格を下げる必要があるかもしれません。

そのため、大規模修繕より前に売り出した方が、高く売れる可能性が高いのです。

ただし、大規模修繕後に売り出す場合は、外観や共用設備が綺麗な状態で売りに出せるという利点があります。

築年数が比較的浅い物件であれば、築年数が浅いという価値がありますので、大規模修繕が終わるのを待つ必要が無いでしょう。
反対に築年数が古い物件は、修繕が行われた実績の方が価値になりますので、大規模修繕が終わるのを待つのも良いでしょう。

3-5.継続したマンション価格相場の上昇中

マンション価格が継続して上昇している場合、マンション価値は購入時よりも高くなっているかもしれません。

マンションの価値が高くなっていても、購入時点より築年数が経過しているため、必ずしも購入価格より高く売れるわけではありません。
しかし、ローン残額に比べて、より高い売却価格にはなりやすいでしょう。

マンション価格の推移は、国土交通省の発表する不動産価格指数から簡単に把握できます。
不動産価格指数は、2010年の不動産価格を100とした場合の、相対的な価格変化を表した価格指標です。

不動産価格指数

出典:国土交通省.”不動産価格指数(令和6年7月・令和6年第2四半期分)を公表~不動産価格指数、住宅は前月比0.4%下落、商業用は前期比1.7%上昇~”.2024-10-30.(参照2024-11-11)

2013年から、マンションの価格は急上昇しており、2010年の価格からおよそ2倍になっています。

4.投資用マンションの売却の流れと期間

投資用マンションの売却の流れと期間

投資用のマンションの売却は、居住用のマンションの売却と大きな違いはありません。
物件の査定を不動産会社に依頼してから、実際に決済され、引き渡しをするまで3ヶ月から4ヶ月程度かかります。
場合によってはそれ位以上かかることもあります。
ここでは、マンションの売却にかかる期間と売却の流れについて解説します。

【投資用マンションの売却の流れ】

  1. 不動産会社に査定の依頼
  2. 不動産会社を選定し媒介契約を結ぶ
  3. 買い手候補への内覧対応
  4. 売買契約を結ぶ
  5. 物件の引き渡し
  6. 賃貸人の地位継承通知
  7. 確定申告

詳しく見ていきましょう。

4-1.不動産会社に査定の依頼

投資用不動産を売却しようと思ったらまず初めに、売却予定のマンションがどれくらいで売れるのか、不動産会社に査定の依頼をします。
その際、1社だけではなく、複数の不動産会社に査定の依頼をした方がよいでしょう。

なぜなら、不動産会社により、査定の金額はさまざまです。そのため、1社だけでは本当に適正価格なのかの判断をすることができません。
適正価格を知るためには、最低でも4社程度依頼することをおすすめします。

しかし、適正価格で必ず売却しなければならないということではありません。
最終的には査定金額を元に売主が販売価格を決めます。

また、投資用のマンションは居住用のマンションの売却とは違う手続きがあるため、投資用不動産の得意な不動産会社を選ぶとよいでしょう。
期間は1週間程度が理想です。

4-2.不動産会社を選定し媒介契約を結ぶ

査定価格が高いからといった理由だけで不動産会社を選んではいけません。
査定額はあくまで相場や目安で、適正な価格を知るための参考と考えてください。

不動産会社選びで大切なのは、その会社がどれだけの販売実績があるのかなどです。
たくさんの売買をしていればそれだけお客さんの人数もいますし、買主も信頼するポイントになります。
また、担当者も忘れてはいけません。

実際に自分の代わりに営業活動をしてくれるのは担当者です。
引き渡しまでの間、いろいろなタイミングできめ細かな対応をしてくれる人を選ぶといいでしょう。

依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結びます。媒介契約は3種類あり、それぞれメリットデメリットがありますので下記一覧で確認してください。

媒介契約の種類 特徴 メリット デメリット
一般媒介契約 複数の会社と契約できる
レインズへの登録義務なし
自分で買主を探し契約
複数の会社に依頼できるため、買い手の幅が広がる 販売状況の報告義務がないため活動が見えにくい
専任媒介契約 不動産会社1社との契約
契約締結後7日以内にレインズへ登録
2週間に1回報告販売状況を報告
積極的に行動してもらいやすい
自分で買主を見つけた場合、契約に要した費用を支払う
専属専任媒介契約 不動産会社1社との契約
契約締結後5日以内にレインズへ登録
1週間に1回報告販売状況を報告
積極的に行動してもらいやすい
自分で買主を見つけても不動産会社を通さずにはうることができない

不動産会社との契約も1週間程度で決まると良いでしょう。
いよいよ不動産会社と契約を結んだら売却活動がスタートします。だいたい3ヶ月程度かかることが一般的です。

4-3.買い手候補への内覧対応

居住用のマンションの売却であれば、駅からの距離や時間、周りの環境、間取りの使いやすさなどが自分にとってメリットがあるかどうかがアピールポイントになりますが、投資用の物件の場合少し異なります。投資用の物件の場合、多くの人が住みたいと思うような魅力的なところかどうかです。

では、買い手候補の人にどのようなところがアピールポイントになるのでしょうか。

【投資向けマンション内覧時のアピールポイント】

  • 資産価値の落ちにくい物件であること
  • インターネットなど室内の設備が充実していること
  • 管理状態がいいこと
  • 駅近など周辺環境

また、すでに居住者がいる場合は、実際の内覧をすることはできません。事前に内覧ができないので外から見ることと、書類での確認しかできません。そのため後からトラブルにならないように気をつけなければなりません。

また、不動産価格は高額になるため、買主から値下げを要求されることもあるかもしれません。そんなときは、あらかじめここまでなら値下げしても構わないという最低ラインを決めておくとよいでしょう。

4-4.売買契約を結ぶ

買主がみつかり、条件が合えば売買契約書を作成し、契約を結びます。
一般的には不動産会社が売買契約書を作成し、売主、買主ともに内容を確認して署名、捺印します。

売買契約書は、売買代金や支払いの時期、支払い方法、引き渡しの時期や手付金、契約違反による解除などのかなり細かい内容となっています。

さらに、売主は売買契約時に下記の必要な書類を準備しなければなりません。
ここから買主はローンの審査から実際の融資に至るまで約1ヶ月程度かかる場合もあります。

【売買契約に必要な書類】

  • 土地・建物登記証
  • 印鑑証明
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 管理規約・管理組合総会議事録
  • 収入印紙
  • 本人確認書類

4-5.物件の引き渡し

いよいよ物件の引き渡しです。買主から手付金を除いた、残りの売買代金を受け取るとの同時に物件の鍵を渡し、買主は所有権の移転登記をしなければなりません。
所有権の移転登記は、法務局に申請書を提出する必要がありますが、手続きが複雑なため、司法書士に依頼するのが一般的です。

また、売主はローンが残っていれば、銀行へ返済しますが、ローンがない場合はそれ以上することはありません。

4-6.賃貸人の地位継承通知

住居人がいる投資用マンションを購入したときは、住居人に対して、「賃貸人の地位継承通知」をしなければなりません。

所有者が変わると、家賃を受け取る権利、修繕の義務、契約更新の対応などは新しい所有者にそのまま引き継がれます。
振込口座が変更になることもあるかもしれません。
これらのことを通知するために賃貸人の地位継承通知書を住居人に送ります。
住居人がいないマンションを購入したときは、賃貸人の地位継承通知は必要ありません。

4-7.確定申告

投資用のマンションを売却して利益があれば確定申告が必要です。
確定申告は、基本的に売却益が出た翌年の2月16日から3月15日までに申告と納税を行います。
また、売却により損失が出た場合は、納税のための確定申告は必要ありません。

居住用のマンションを売却して譲渡益があるときは、譲渡所得から3,000万円を控除する特例がありますが、投資用のマンションにはこの特例はありません。

もし、確定申告を忘れてしまったら無申告のペナルティがあることがあります。
不動産を売却すると、所有者の移転登記が行われます。
登記の移転は税務署にも伝わるので、登記の移転があるのに確定申告をしていないと税務署は不審に思います。

そこで、税務署は前の持ち主に確認をするのです。
もし、譲渡益があるにも関わらず、確定申告をしていなく税務署調査で発覚すると「無申告加算税」が課されることになります。
本来納税するべき金額の50万円までは15%、50 万円を超える金額には20%が課税されますので忘れずに申告と納税をしましょう。

5.投資用マンションの売却にかかる費用・税金

投資用マンションの売却にかかる費用・税金

投資用マンション売却のために必要な費用、税金は以下の通りです。
基本的には、居住用マンションの売却時と変わりませんが、ローン利用の有無、抵当権の有無等により異なる場合があります。
また、思わぬ出費となる場合もありますので、事前に知っておくことが重要です。

【投資用マンションの売却にかかる費用・税金】

  • 仲介手数料
  • 印紙代
  • 抵当権抹消費用
  • ローン返済手数料
  • 譲渡所得税・住民税

ひとつずつ見ていきましょう。

5-1.仲介手数料

仲介手数料は、物件の売買のほか不動産の取引の際に不動産会社に支払う報酬です。
物件価格(売却価格)に対して一定の率を乗じるため、売却にかかる諸費用としては大きな金額となります。

仲介手数料は、不動産会社によって独自に基準を決めることができますが、上限額が定められています。一般的には、この上限額を仲介手数料とされることが多いのが現状です。

仲介手数料の上限
■取引物件価格(税抜) 
400万円超… 売上代金×3%+6万円
200万円~400万円以下… 売上金×4%
200万円まで… 売上金×5%

仲介手数料には、上記の金額に対して、消費税がかかります。

(例) 物件価格 4,000万円の場合… 4,000万円×3%+6万円=126万円
126万円+12.6万円(消費税)=138万6,000円

5-2.印紙代

売買契約書に貼付するのが収入印紙です。

収入印紙は、税金や手数料、そのほか収納金のために国が発行する証票です。
印紙税法により、ある一定の金額が記載された印紙税が課せられる文書は「課税文書(かぜいぶんしょ)」と言います。
商品やサービスに対する金銭または有価証券の受取を証明する5万円以上となる領収書には、収入印紙の貼付が必要です。

「課税文書」は20種類の区分に分けられており、それぞれ種類によって必要となる収入印紙の金額も異なります。

取引額 印紙税 軽減税率
10万円以上50万円以下 400円 200円
50万円以上100万円以下 1,000円 5000円
100万円以上500万円以下 2,000円 1,0000円
500万円以上1000万円以下 10,000円 5,0000円
1000万円以上5000万円以下 20,000円 10,0000円
5000万円以上1億円以下 60,000円 30,0000円
1億円以上5億円以下 100,000円 60,0000円
5億円以上10億円以下 200,000円 160,0000円
10億円以上50億円以下 400,000円 320,0000円
50億円以上 600,000円 480,0000円

5-3.抵当権抹消費用

多くの場合、ローン等融資を受けてマンション購入していることでしょう。
融資元の金融機関は、返済が滞った場合のリスク対策として、抵当権という権利を登記しています。
マンションの売却により、担保となる物件も借入れも消滅するため、あらためて、権利を抹消する登記を行います。登記費用と登記を依頼する司法書士への報酬が抵当権抹消費用として必要になります。

抵当権抹消登記にともなう登記費用は1,000円ですが、司法書士報酬は、司法書士自身の基準が決められるため金額に幅があります。
1万円から5万円程度を見積もっておくとよいでしょう。

5-4.ローン返済手数料

抵当権の登記にもよりますが、基本的には、物件購入時にローンを組んでいた場合は、売却により物件を手放したことにより売却金額から残債額を差し引いて、完済される必要があります。
その際、金融機関に事務手数料として支払うのが、繰上げ返済手数料です。

金融機関にもよりますが、一括返済の手数料は、0円~5万5,000円程度です。

5-5.譲渡所得税・住民税

投資用マンションを売却して得た利益に対して、所得税と住民税が課税されます。

譲渡所得税の計算式について以下の通りです。

  • 課税譲渡所得=売却代金-(取得費+譲渡費用)
  • 譲渡所得税=課税譲渡所得×譲渡所得税の税率

収入から経費(その資産に対する支出)を差し引いた所得金額に対して、一定の税率をかけて計算するものです。
譲渡所得では、所有期間に応じて「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」の2種類あり、税率が異なりますので注意が必要です。

所得の種類 所有期間 所得税の税率 住民税の税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年以上 15% 5%

マンションの売却にともなう税制優遇として、3,000万円特別控除を思いうかべるかもしれませんが、投資用マンションでは適用対象外です。

なお、売却後1年以内に別の物件を購入した場合など、要件に該当すれば、「事業用の資産を買い換えたときの特例」が適用できる場合もあります。

売却した物件よりも高い物件を購入した場合(手出しがあった場合)に、売却した際の売却益に対する譲渡所得税が将来に繰り延べることができる特例です。
ただし、繰り延べは、単なる先送りですので、非課税となる訳ではないことに注意が必要です。

6.投資用マンションを高く売る3つのコツ

マンションを売却するとき、少しでも高く売りたいものです。
ここでは少しでも高く売却するためのコツを3つ紹介します。

6-1.投資物件が得意な不動産会社を選ぶ

投資用マンションを高く売る多面位は、投資用マンションの売却が得意な不動産会社を選ぶことが重要です。
投資用物件の売買仲介を主軸としている不動産会社の場合、顧客へアプローチできる場合もあるので、よりスムーズに売却できる可能性が高まります。

査定額はもちろん、売却の力量は不動産会社による異なるので、できる限り複数社を比較して選びましょう。

何度も不動産会社と打ち合わせしたり、説明をしたりする手間と時間がかかるため、不動産売却の一括査定サイトを利用して複数の不動産会社に同時に査定を依頼するとよいでしょう。

複数社に査定を依頼する際に便利なのが、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」です。

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信頼できる優良な不動産会社を探すなら、「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。

6-2.満室のタイミングで売却する

投資用マンションを購入する方は、同じく投資を目的に購入します。

購入を考える際、これまでの数字を見て検討することはできますが、現に売却時点で満室の状態である方が安心できるのは当然です。

満室の物件で、確実な収益が期待されているのではあれば、高値で売り出す根拠になりますし、価格交渉でも強気に出ることができます。

6-3.外国人の投資家への売却を考える

日本国内の物件なので、日本人に売りたいと思うかもしれませんが、外国人へ売却することも選択肢の一つです。

中国やアジアの投資家など、世界各地の投資家が日本の不動産を購入している例は多くあります。
コロナ禍以降、稀に見る円安状態となっており、日本の不動産は割安で手に入れられる物件として注目を集めています。

投資用不動産に強い不動産会社であれば、外国人の投資家からの問い合わせも多かもしれません。
しかし、日本と文化の違う国の人との取引なので、間に入った不動産会社の担当者とはしっかりとコミュニケーションとってスムーズな取引ができるよう心がけましょう。

まとめ

2024年のマンション価格は、すでに非常に高い水準にあり、今後落ち込んでいく可能性も考えられています。
投資用マンションの売却を考えいている方は、より前向きに計画を立ててみてはいかがでしょうか。

売却は大きな決断ですから、他の方の売却理由なども参考にしてみると、売却の判断がしやすいかと思います。

投資用マンションの売却を決めたら、具体的なタイミングを決めて、売却にかかる費用・税金、流れ等の基礎知識について情報収集を始めておきましょう。

早速売却に向けて行動を始めたい方は、不動産会社への査定依頼も進めていきましょう。
査定額は各社異なるので、できる限り複数の不動産会社を比較して、査定額や対応の質などを比較することをおすすめします。

複数社へ査定を依頼する際は、NTTデータグループが運営する不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)をご活用ください。
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