分譲マンションを売る人が続出しているのはなぜ?理由と売却成功のコツ

分譲マンション なぜ売る人が続出?

分譲マンションを売る方が続出していることをご存じでしょうか。

分譲マンションの売却にあたっては、近年マンション価格がどのように変化しているのか、どういう方が売却を考えているのかなど、最近の市況を知ることも大切です。

この記事では、マンション売却を検討している方に向けて高額売却を成功させるためのヒントを解説します。

この記事を読んでわかる3つのこと
  • 分譲マンションを売りに出す人が増えている理由
  • マンションの高額売却を成功させるコツ
  • マンション売却の流れ

この記事を読めば、分譲マンションをベストタイミングで売りに出して、高額売却を成功させるポイントが分かります。

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1.分譲マンションを売る人が続出している理由

分譲マンションを売る人が続出している理由

不動産市場の動向から分析したところ、分譲マンションを売る人が続出している理由は、以下の通り4つありました。

  1. マンションの価格が高騰中のため
  2. 在宅ワークの普及でより広い物件を求める人が多い
  3. 供給戸数のピーク時に購入した分譲マンションが売り時になったから
  4. 管理費用が高くなるタイミングだから

ひとつずつ見ていきましょう。

1-1.マンションの価格が高騰中のため

分譲マンションを売りたいと考える方が続出している理由としてまず挙げられるのが、「高く売れるチャンスだから」という点です。

国土交通省が公表している全国の不動産価格指数の推移グラフによると、マンションの価格はおよそ10年、ずっと右肩上がりです。

出典:国土交通省.”不動産価格指数”.2023-01-31.(参照2023-12-20)

グラフを見ると、マンション価格は2013年以降、上昇し続けていることが分かります。
このような販売価格の上昇が、分譲マンションを売る人が続出している理由の1つだと言えるでしょう。

マンション価格の上昇が始まった2013年は日銀の量的質的金融緩和が宣言された年。住宅ローンが低金利となり、マンションの需要を増加させたのです。

また、現在の販売価格水準がどの程度高い状態なのかについては、以下のグラフで分かります。

不動産経済研究所.”首都圏新築マンション市場動向”.(参照2023-12-20)」をもとに、HOME4Uが独自に作成

首都圏の新築マンションの販売価格は、最高値がバブル期につけた6,123万円でしたが、2021年(令和3年)に6,260万円となり、31年ぶりに更新しました。歴史的にみても最高水準だといえるでしょう。

1-2.在宅ワークの普及でより広い物件を求める人が多い

続いて挙げられるのが、生活の変化です。

コロナ禍でテレワークが浸透し、仕事や生活スタイルが一変しました。

最初の緊急事態宣言下では56%もの企業がテレワークの実施を行い、2021年3月時点で3社に1社がテレワークを行っていることが分かります。

出典:総務省.”テレワークの実施状況”.(参照2023-12-20)

テレワークにより家で過ごす時間が長くなった結果、リビングが手狭に感じたり、テレワークができる仕事部屋が欲しいと感じたりする方は少なくありません。
今より広い家を求め、マンションを売る方が続出しているのです。

三井不動産リアルティ株式会社が行った45歳以上を対象にした住み替えの調査でも、住み替え理由の1位は「より広い家に住みたい」でした。

1位 より広い家に住みたい 29.0%

2位 交通利便性が高いエリアへ引っ越したい 15.2%

3位 住まいの老朽化 15.0% 以下順位省略

1-3. 供給戸数のピーク時に購入した分譲マンションが売り時になったから

次に、マンションの供給戸数の推移を見てみましょう。

不動産経済研究所.”全国マンション市場・40年史”.2013-10-07.(参照2023-12-20)」をもとに、HOME4Uが独自に作成

グラフによると、全国の供給戸数は1994年〜2000年がピークですが、これらは2023年現在、築23年〜29年となります。

一方、流通する中古マンションの平均築年数のグラフは以下の通りです。

不動産経済研究所.”首都圏不動産流通市場の動向(2020年)”.2021-01-22.(参照2023-12-20)」をもとに、HOME4Uが独自に作成

首都圏のデータではありますがますが、2020年の新規登録物件の平均築年数は26.83年、成約物件の平均でも21.99年です。
供給戸数のピークに照らし合わせると、取引の主流は築20〜30年の物件であり、多く売りに出され、多く買われていると言えます。

1-4.管理費用が高くなるタイミングだから

一般的に、大規模修繕は12年〜15年程度で実施されます。

大規模修繕にかかる費用は長期修繕計画に基づき算出した修繕積立金を毎月マンション所有者から集めることにより賄いますが、以下2つのケースでは修繕積立金が値上がりすることがあります。

  • 段階積立方式を採用している場合
  • 修繕費が計画より高額になる場合

修繕積立金が段階的に値上げをしていく段階積立方式を採用しているマンションも少なくありません。

また、マンションは5年ごとに長期修繕計画や見積額を見直すのが一般的です。

いずれの場合も、所有者にとっては負担が増える前に売ってしまおうと考えるきっかけになります。

分譲マンションの売却を考えている方は、まず不動産会社の査定を受けてみましょう。
査定を行う際は、できるだけ複数社の査定を比較して、より信頼できる査定額を選ぶことをおすすめします。

NTTデータグループが運営する不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)なら、最大6社の優良不動産会社にまとめて査定依頼ができますので、ぜひご利用ください。

2.マンションの高額売却を成功させるコツ

現状、マンションの需要は増加していますが、より高額で売却するためには、いくつかポイントがあります。

ここからは、マンションの高額売却を成功させるコツを解説していきます。

【マンションの高額売却を成功させるコツ】

  • マンションの需要が増える時期に売り出す
  • 値下げ交渉を見越して相場よりやや高く価格設定する
  • 同じマンションの物件が出ていないかチェック
  • リフォームはしない
  • 設備の不具合や瑕疵は必ず報告する
  • 大規模修繕の直後に売り出す
  • 住み替えの場合は「買い先行」にする
  • 「仲介」で売却する
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する

詳しく見ていきましょう。

2-1. マンションの需要が増える時期に売り出す

分譲マンションは、新生活にあわせて転居をする人が多い2月~3月に売り出すのがおすすめです。

分譲マンションの売却には3ヶ月〜半年ほどかかることを念頭に、早めに動き出せるよう計画を立てておきましょう。

また、タイミングによっては次に需要の高い9月~10月を狙うのも一つの方法です。

一方、1月や8月は正月、お盆などと重なるため、引っ越しを検討する人自体が減少します。

不動産会社も年末年始休業や夏季休業に入ることから、契約戸数も一時的に減ると考えられます。

このような状況を踏まえ、2月~3月に売り出すと高額売却が望めるでしょう。

2-2. 値下げ交渉を見越して相場よりやや高く価格設定する

売り出し時には、値下げ交渉されることを前提に価格を少しだけ高めに設定することをおすすめします。

物件を気に入った購入希望者が設定額で購入申し込みに至れば何よりですが、基本的には購入条件として値下げ交渉のステップを踏むことになるでしょう。

また、仮に売れ残ってしまった場合には、売却価格を下げて販売活動を再開するなどのリスクに備える必要があります。

2-3. 同じマンションの物件が出ていないかチェック

販売を開始する前に、同じマンション内で売り出されていないか確認することをおすすめします。
比較対象があると価格競争が起こり、値下げせざるを得なくなるからです。

価格の妥当性を守るためにも、マンション売却は同じマンション内で物件が出ていないタイミングを狙いましょう。

2-4.リフォームはしない

居室内の状況にもよりますが、独断でリフォームはせず、不動産会社の担当者に相談するのが得策です。

リフォームをすることで価値を上げたいと思うものですが、買い手側が購入後にリフォームを想定しているケースも少なくありません。

購入後に自分でリフォームをしたいと考えている買い手を狙って、そのままの状態で売り出したほうが、売却時の費用負担を減らせます。

また、リフォームは費用がかかる上に、時間もかかります。

そのためリフォームは自分で判断せず、不動産会社に相談をするのがおすすめです。

2-5.設備の不具合や瑕疵は必ず報告する

マンションの設備に不具合(瑕疵)があるとわかっている場合は、売却の際に必ず申告しましょう。

マンションに瑕疵があった場合、民法第562条に定められた「買主の追完請求権」により、売主は契約不適合責任を負います。

また、「壁の中・天井裏の配管からの水漏れ」「床の傾き」といった売主が気づいていない問題は「隠れた瑕疵」に当たります。
「隠れた瑕疵」が売却後に発覚すると契約不適合責任の対象となるので注意が必要です。
マンション売却で儲かったとしても、賠償責任を負うことになり大損しかねません。

対策は、不動産会社への相談と、ホームインスペクション(住宅診断)の実施です。

【ホームインスペクションとは】
住宅診断とも呼ばれ、住宅の施工や劣化、欠陥の有無などを住宅建築の専門家が行う調査のこと。不動産の売買に関わらない第三者的な立場から行うため信用性がある。

マンションの場合、目視診断となり、費用は5万円前後であることが多い傾向にあります。

2-6.大規模修繕の直後に売り出す

大規模修繕直後は、マンションの価値が上がります。

マンションの共用部がきれいになることと、買主が入居後すぐに修繕費用を負担するのを避けられることが主な理由です。

また、大規模修繕中は足場によって窓がふさがれたり、工事の騒音がしたりするなど住み心地が下がりますが、直後であれば当面はその心配もありません。

さらに大規模修繕を行うには全世帯の合意が必要なので、意思決定だけでも手間や時間がかかります。

そうした心配がしばらくないということも、査定価格のプラスポイントとなるでしょう。

2-7.住み替えの場合は「買い先行」にする

住み替えで分譲マンションの売却を考えている場合は、売却する前に新居を買う買い先行がおすすめです。

新居探しに時間をかけられるため、余裕をもって住まい探しができます。

新居への引越しが先行するので、現在の住まいを売却する際には空き家となります。
そのため、売却に向けた写真撮りなどもスムーズですし、売りやすい物件にできます。

先に新居へ引越すため、仮住まいの必要がなく、引越しも1回で済みます。

仮住まいに必要な賃料や敷金・礼金も不要なので、その分マンション購入の費用に充てることが可能です。

ただし、売却予定の物件に住宅ローンが残っている場合には、売却するまで二重ローンになってしまう可能性があります。

しばらくの間は売却物件と購入物件の2つの維持費や、修繕積立金も重複する可能性があるため注意してください。

2-8.「仲介」で売却する

不動産会社にマンションの売却を依頼するときの契約方法は、「仲介」を選びましょう。

仲介のほか、「買取」でも依頼が可能ですが、買取での売却価格は仲介の7割程度となるため、高額売却を希望するならおすすめできません。

なお、仲介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。

「一般媒介契約」は複数の不動産会社と契約できるものです。
不動産会社間で競争原理が働くため、早期売却が目指せます。

「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の2つは、一社のみと契約します。

競争がない分、契約した不動産会社が積極的に販売をサポートしてくれるため、高く売りたい場合は、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」のいずれかを選ぶといいでしょう。

2-9.複数の不動産会社に査定を依頼する

マンションをより高く売るためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。

不動産会社によって査定で重視するポイントが異なるため、査定結果にも差が生じます。
ときには数百万以上もの差が出るので、複数社の査定価格を比較した上で不動産会社を選ぶのが得策です。

複数社に査定を依頼する際に便利なのが、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」です。

「不動産売却 HOME4U」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,100社のなかから、6社を選んでまとめて査定依頼ができます。

ぜひ「不動産売却 HOME4U」で比較して、信頼できる最適な不動産会社を見つけてください。

3.マンション売却の全体の流れ

マンション売却の全体の流れ

ここからは、マンションの売却の手続きなどを具体的に見ていきましょう。

マンションの売却の流れは、大きく分けて売却前→売却活動中→売却後の3ステップです。

マンション売却の流れ

売却をスムーズに行うためには、全体像を把握して、必要な書類を適切なタイミングで揃え、手続きを行うことが重要です。

3-1.売却前にすべきことと注意点

売却前の最大の注意点は、スケジュールを意識して行動することです。

特に意識すべきなのは、必要書類の準備と媒介契約の種類を決めることです。

全体の流れを理解し、いつ頃までにどこにどの書類を取りに行かないといけないか計画を立て、行動を始めることが大切です。
仕事で忙しい方は、合間に必要書類を集める必要がありますので、休日でも対応可能か、郵送でも大丈夫なのかなど、一つずつチェックしながら進めましょう。

おおむね計画が立てられたら、複数の不動産会社に査定依頼を出す段階です。
査定により相場感は掴めますが、ご自身でも競合物件を検索して、適正価格で出している不動産会社をチェックしてください。

続いて、仲介の場合は媒介契約を結びます。媒介契約の種類と主な特徴は以下の通りです。

契約の種類 メリット デメリット
一般媒介契約
  • 複数の不動産会社に販売活動を依頼できるため、競争意識が生まれる可能性がある
  • 自分で買い手を見つけても良い
  • 物件を売却中であることが公にならないで済む
  • 販売活動の報告義務がないので、進捗確認や相談がしずらい
  • レインズに登録する義務がないので、情報が広がりずらい
  • 売却を請け負えた1社だけに報酬が入ることになるため、どの会社も積極的な販売活動をしてくれない可能性がある
専任媒介契約
  • 積極的に販売活動をしてくれる可能性が高い
  • 窓口が一本化されるので売り手の手間が少ない
  • 一般媒介では受けられないサービスや特典が受けられる会社が多い
  • レインズに登録する義務があるので情報が広がりやすい
  • 活動報告の義務があるので進捗確認貸しやすい
  • 売れるかどうかは依頼した会社の実力次第となり、リスクが高い
  • 囲い込みをされる可能性がある
  • 3ヶ月の契約期間があり、その間に契約解除をしようとすると経費を請求される可能性がある
専属専任媒介契約
  • 積極的に販売活動をしてくれる可能性が高い
  • 窓口が一本化され手間が少ない
  • サービスや特典が受けられる会社が多い
  • レインズ登録の義務がある
  • 報告の頻度が最も高いので次の手が早く打てる
  • 自分で買い手を見つけても不動産会社を介さずに売れない(仲介手数料は必ずかかる)
  • 1社限定のため売れるかどうかはその会社次第になる
  • 囲い込みをされる可能性がある

「一般媒介契約」は複数の不動産会社と契約できるものです。
不動産会社間で競争原理が働くため、早期売却が目指せます。

ただし、販売活動の報告義務がないので進捗が確認しづらい点がデメリットです。

「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の2つは、活動報告も義務付けられています。
そのため、不動産会社が販売活動を怠ることを抑止できます。

1社契約のため他社に邪魔されることなく、3ヶ月以内に買主を見つければ仲介手数料を確実に受け取れるため、不動産会社も積極的な販売活動を行ってくれる可能性が高いでしょう。

それだけに「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」はマンションを高く売るのに適した媒介契約といえます。

3-2.売却活動中にすべきことと注意点

売却活動中にすべきなのは、不動産会社との関係を密にし、売却に向け全力を尽くすことです。

売却の方針や戦略を不動産会社に丸投げして活動報告を受けるだけでなく、担当者とよく話し合い、積極的に動いてもらえるよう働きかけましょう。

また、内覧は重要です。
売り先行の場合は特に入居中の内覧になりますので、片付けや掃除はしっかりと行い、好印象を持ってもらえるよう気を配ってください。
特に、お風呂やトイレなどの水回りは細かくチェックされるので、注意が必要です。

売買契約の手続きは基本的に不動産会社が進めてくれますが、瑕疵についてはしっかり確認し、不動産会社に伝えることが大切です。

3-3.売却活動後にすべきことと注意点

売買契約後は、引き渡しに向けて、引越しや転出に関連する手続きを進めましょう。

引き渡しは不動産会社に加え、司法書士や銀行担当者などが集まり、諸手続きを行います。

住宅ローンを完済し、抵当権抹消手続きが終われば売却は終了です。

ただし、売買による譲渡益が発生した場合は、売却の翌年の確定申告を行う必要がありますので、注意してください。

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この記事のポイントまとめ

なぜ分譲マンションを売る人が増えているの?

分譲マンションを売る人が増えている理由は以下の4つです。

  • マンションの価格が高騰中
  • テレワークの浸透で広い物件を求め住み替える人が多い
  • 供給戸数のピーク時の物件が売り時に突入
  • 管理費用が高くなるタイミング

詳しくは「1.分譲マンションを売る人が続出している理由」をご覧ください。

分譲マンションを高く売るためのコツは?

分譲マンションを高く売るためのコツは以下の通りです。

  • マンションの需要が増える時期に売り出す
  • 値下げ交渉を見越して相場よりやや高く価格設定する
  • 同じマンションの物件が出ていないかチェック
  • リフォームはしない
  • 設備の不具合や瑕疵は必ず報告する
  • 大規模修繕の直後に売り出す
  • 住み替えの場合は「買い先行」にする
  • 「仲介」で売却する
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する

詳しくは「2.マンションの高額売却を成功させるコツ」をご覧ください。

マンションを売却するときの流れは?

マンション売却の流れは、大きく分けて以下の3ステップです。

  • 売却前は必要書類の準備と媒介契約が大事
  • 売却活動中は不動産会社と関係を密に
  • 売却活動後は確定申告を忘れずに

詳しくは「3. マンション売却の全体の流れ」をご覧ください。