【2024年更新】路線価とは?直近の動向をわかりやすく解説!

2024年7月1日、国税庁は路線価を発表しました。

2024年分の路線価はどのように変化したのでしょうか。

この記事では、直近の路線価の動向をわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 路線価と公示地価との違い
  • 直近の路線価の動向
  • 路線価の活用方法

土地の売却について基礎から詳しく知りたい方は『土地売却の流れ』も併せてご覧ください。

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この記事の監修者
岩井 佑樹
宅地建物取引士。
合同会社ゆう不動産代表。
不動産売買仲介を中心に活動し、実務経験を活かしたWeb記事制作も行う。
不動産関連の記事執筆は800本以上。取引の流れや注意点などを分かりやすく発信。
不動産業と情報発信の両面から実務に役立つ知識を提供。
合同会社ゆう不動産

1.路線価とは?

路線価とは。2023年の路線価発表は7月

路線価とは、土地の相続税評価額を求めるための平米単価のことを指します。

路線価は毎年7月初旬に発表されます。

「2024年(令和6年)分の路線価」は、7月1日に発表されました。

7月1日が土曜日・日曜日にあたると、遅れて7月2日もしくは7月3日に公開されます。
じっさい、2023年は7月1日が土曜日だったため、「2023年(令和5年)分の路線価」は7月3日の月曜日に発表されました。

路線価は簡単にいうと、土地の相続税評価額を決めるための基準となる価格です。
ただし、実際の売買価格とは違うため、「路線価が高い=必ず高く売れる」というわけではありません。
土地の形状や立地条件によっても価値は変わるので、あくまで目安として活用すると良いでしょう。

宅建士 岩井 祐樹

1-1.基準となる公示地価の発表は3月

路線価は、公示地価の80%を基準として算出されます。

公示地価とは、国土交通省土地鑑定委員会によって毎年3月に公表される土地評価額 です。

路線価は7月初旬に公表されますが、路線価の評価時点も1月1日です。
公示地価を基準に算出するため、発表時期にタイムラグがあるのです。

路線価は、地価公示の80%程度となります が、公示地価の情報に加えて、様々な調査を実施して価格を算出しています。
そのため、公示価格の発表時点で路線価のおおよその目安は把握できます。

1-2.固定資産税路線価との混同に注意

相続税路線価と固定資産税路線価の2つの『路線価』がありますが、単に 『路線価』と記載する際は、相続税路線価のことを指すことがほとんど です。
本記事で『路線価』として解説しているのも、相続税路線価を指します。

なお、2つの路線価の違いは以下の通りです。

相続税路線価(路線価) 固定資産税路線価
目的 相続税、贈与税の算定 固定資産税、不動産取得税等の算定
調査主体 国税庁 市区町村(東京23区は東京都)
価格見直しの頻度 毎年 3年位に一度
公表時期 毎年7月 毎年3月ごろ

2.【2024年版】路線価の動向

2024年版 路線価の動向

2024年における各都道府県の最高路線価地点の路線価(千円/平米)と変動率を下表にまとめました。


都市名 最高路線価の所在地 最高路線価 対前年変動率(%)
札幌 中央区北5条西3丁目札幌停車場線通り 728万円 9
青森 新町1丁目新町通り 15万円 0
盛岡 大通2丁目大通り 22万円 2.3
仙台 青葉区中央1丁目青葉通り 363万円 4.6
秋田 中通2丁目秋田駅前通り 13万円 3.8
山形 香澄町1丁目山形駅前大通り 17万円 0
福島 栄町福島駅前通り 20万円 0
水戸 宮町1丁目水戸駅北口ロータリー 22万円 0
宇都宮 宮みらい宇都宮駅東口駅前ロータリー 33万円 3.1
前橋 本町2丁目本町通り 13万円 0
さいたま 大宮区桜木町2丁目大宮駅西口駅前ロータリー 529万円 11.4
新潟 中央区東大通1丁目新潟駅前通り 47万円 4.4
長野 大字南長野長野駅前通り 28万円 1.8
千葉 中央区富士見2丁目千葉駅前大通り 223万円 14.9
東京 中央区銀座5丁目銀座中央通り 4,424万円 3.6
横浜 西区南幸1丁目横浜駅西口バスターミナル前通り 1,696万円 1.0
甲府 丸の内1丁目甲府駅前通り 26万円 0
富山 桜町1丁目駅前広場通り 52万円 2
金沢 堀川新町金沢駅東広場通り 94万円 2
福井 中央1丁目福井駅西口広場通り 38万円 8.6
岐阜 吉野町5丁目岐阜停車場線通り 51万円 4.1
静岡 葵区紺屋町紺屋町名店街呉服町通り 115万円 0.9
名古屋 中村区名駅1丁目名駅通り 1,288万円 0.6
津 羽所町津停車場線通り 19万円 2.6
大津 春日町JR大津駅前通り 28万円 1.8
京都 下京区四条通寺町東入2丁目御旅町四条通 752万円 7.9
大阪 北区角田町御堂筋 2,024万円 5.4
神戸 中央区三宮町1丁目三宮センター街 532万円 6.4
奈良 東向中町大宮通り 79万円 8.2
和歌山 友田町5丁目JR和歌山駅前 37万円 2.8
鳥取 栄町若桜街道通り 9万円 ▲3.1
松江 朝日町駅通り 14万円 0
岡山 北区本町市役所筋 179万円 9.1
広島 中区胡町相生通り 357万円 5.3
山口 小郡黄金町山口阿知須宇部線通り 14万円 0
徳島 一番町3丁目徳島駅前広場通り 29万円 1.7
高松 丸亀町高松丸亀町商店街 37万円 2.8
松山 大街道2丁目大街道商店街 69万円 3.0
高知 帯屋町1丁目帯屋町商店街 21万円 0
福岡 中央区天神2丁目渡辺通り 944万円 4.4
佐賀 駅前中央1丁目駅前中央通り 21万円 2.4
長崎 浜町浜市アーケード 78万円 1.3
熊本 中央区手取本町下通りアーケード 206万円 1.0
大分 末広町1丁目大分駅北口ロータリー 56万円 3.7
宮崎 橘通西3丁目橘通り 23万円 0
鹿児島 東千石町天文館電車通り 92万円 1.1
那覇 久茂地3丁目国際通り 150万円 3.4

出典:令和6年分都道府県庁所在都市の最高路線価|国税庁(参照2024-7-10)

2024年における各都道府県の最高地点の路線価の変動率は、2023年と比較すると上昇傾向が顕著です。

コロナ禍で落ち込んだ インバウンド需要の回復と、各地で進む再開発が価格上昇の要因 となりました。

前年までは、路線価が下落した地点は20都道府県ありましたが、2024年は16都道府県と減少しています。

特に、千葉県中央区富士見2丁目の「千葉駅前大通り」は、変動率14.9%プラスと上昇を拡大させました。
3棟の複合施設をつなぐ「WESTGATE CHIBA(ウェストゲート千葉)」の完成など、再開発によって千葉駅前の利便性が向上していることが路線価に反映されています。

さいたま市大宮区桜木町2丁目の「大宮駅西口駅前ロータリー」も、変動率11.4%プラスと大きく躍進。大宮駅西口で進む大型複合施設の建設が、価格を押し上げました。

不動産の動向については『家を売るタイミングの見極め方|高く売るための5つの指標とタイミングを誤らないためのポイント!』でも詳しく解説しています。
また、マンションの動向については『 【2023年】マンションの値上がりはいつまで続く?価格高騰の理由を解説』をご覧ください。

コロナ禍で低迷していたインバウンド需要が回復し、各地の再開発が進んだことで、特に商業エリアの地価が大きく影響を受けています。

今後もこの傾向が続くかどうかは、経済動向や金利の影響も考慮すると良いでしょう。
不動産売却を考えている方は、エリアごとの路線価の推移をチェックし、売却のタイミングを見極めることが大切です。

宅建士 岩井 祐樹

3.路線価の活用方法

路線価の活用方法

路線価に土地面積をかけると、相続税評価額を計算できます。
相続税評価額は、相続税はもちろん、贈与税の算定基準にもなる、不動産の価格です。

そのため、路線価は以下3通りの活用ができます。

  • 相続税の計算 
  • 贈与税の計算
  • 融資を受ける際の資産評価

3-1.相続税の計算

相続税路線価は、主に土地の相続税評価額を求めるために利用します。
土地の相続税評価額の概算額の求め方は以下の通りです。

土地の相続税評価額の概算額 = 路線価(千円/平米) × 面積(平米)

実際の相続税評価額では、道路との接面状況や形状に応じた補正を行って算出します。

相続税は、他の資産の評価額も合算した上で計算されます。
合計の遺産額から基礎控除額を控除し、法定相続人の法定相続分による取得金額に応じた税率を乗じる等の一定の計算手続きを経て求められます。

相続税の計算では、単純に「路線価×面積」ではなく、土地の形状や接道状況によって補正が入ります。
例えば、間口が狭い土地や旗竿地は利用しづらいため評価が下がることがあります。

また、接する道路の幅が狭い場合も建築制限の影響を受けるため減額されることがあります。
補正率の適用は専門的な知識が必要なため、相続対策を考えている方は税理士などの専門家に相談し、正確な評価額を把握することをおすすめします。

宅建士 岩井 祐樹

3-2.贈与税の計算

土地を贈与したときの贈与税も相続税評価額に基づいて計算されます。
相続税評価額の求め方は、贈与税も相続税も同じです。

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた他の資産の評価額も合算した上で計算されます。
合計の贈与額から基礎控除額を控除し、課税価格に応じた税率を乗じる等の一定の計算手続きを経て求められます。

3-3.融資を受ける際の資産評価

一部の銀行では、相続税路線価を担保評価に用いています。

簡易的に土地の価格を求められる相続税路線価は、担保評価に利用されることも多いです。
あくまでも利用されるのは土地の担保評価のみであり、建物は別途、異なる方法で評価額を求めます。

路線価は、相続税や贈与税の計算に用いられるため、不動産を所有する方にとって重要な指標です。

ただし、路線価はあくまで目安であり、実際の市場価格とは異なります。不動産を売却する際の価格は、需要、立地、物件の個別条件によって変動するため、路線価だけで判断するのは危険です。

売却を検討する際は、公示地価や実勢価格も併せて確認し、不動産会社に相談すると、より正確な判断ができます。

宅建士 岩井 祐樹

この記事のポイントまとめ

路線価とは?

路線価とは、土地の相続税評価額を求めるための土地単価のことです。
毎年7月初旬に発表されます。
詳しくは「1. 路線価とは?」をご覧ください。

2024年の路線価の傾向は?

2024年の路線価は上昇に転じた地点が多く見られました。
詳しくは「2.2024年の路線価の動向」をご覧ください。

路線価はどのように活用できる?

相続税や贈与税の算出に活用できるほか、不動産を担保にローンを組む際の担保評価の基準とすることもできます。
詳しくは「3.路線価の活用方法」をご覧ください。