自宅用・投資用のワンルームマンションを売却するタイミングや流れを全解説

自宅用としても、投資用としても購入されるワンルームマンションですが、売却する時のことを考えたうえで購入されている方も少なくないでしょう。

この記事では、そうしたワンルームマンションのオーナーに向けて、売却タイミングや流れのほか、費用、税金などを解説します。

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1.ワンルームマンションを売却するタイミング

ワンルームマンションを売却する適切なタイミングはいつでしょうか?

自宅用として使っている場合と、投資用で購入したマンションにわけて解説していきます。

  • 自宅用の売却タイミング
  • 投資用の売却タイミング

1-1.自宅用の売却タイミング

自宅用のワンルームマンションを売却する場合は、「売りたい事情」ができたタイミングが最適です。

自宅を売却する場合は、次の住まいを探す必要もあります。

景気の面で考えると、高く売れるタイミングは、買うのも高いタイミングです。

売り時を気にしすぎるあまり、ライフプランが崩れてしまう可能性もあるので、「売りたい」と思った時が最適なタイミングといえるでしょう。

1-2.投資用の売却タイミング

投資用のワンルームマンションを売却するタイミングとしては、以下のとおりです。

  • 資金や収支の計画が崩れ始めている
  • 類似物件が高値で売り出されている
  • マンション価格が上がっているとき

■資金や収支の計画が崩れ始めている

賃貸物件として運用している場合、思い通りに収益が上がらず、収支がマイナスになることもあります。計画どおりであれば良いですが、当初の計画から想定のマイナス収支となっているなら、売却を考えてみてもいいでしょう。

ローンの返済が滞ると一括返済を要求される場合もあるので、早い内に不動産会社に査定を依頼して査定額を把握しておきましょう。

■類似物件が高値で売り出されている

マンション内の物件など類似物件が売り出されていると、競合するため、売却の希望を通しにくくなります。ただし、自分の希望額よりも高値で売り出されている類似物件があると、価格競争で優位になるため、早く売却しやすくなります。

■マンション価格が上がっているとき

景気が上向いているタイミングは、地価も上がることが多く、ワンルームマンションの価格上昇も期待できます。このため、投資用マンションの出口戦略として、良いタイミングといえます。

景況感が良い場合は市場の動きも早いため、比較的短期間での売却も期待できるのです。

マンションの売却相場について知りたい方は「2024年のマンション売却価格は?売り時と自分で相場を調べる方法も解説」も併せてご覧ください。

2.ワンルームマンションを売却する流れ

自宅として利用している場合の、ワンルームマンションの売却の流れは以下のとおりです。

  1. 不動産会社に査定を依頼する
  2. 媒介契約を結ぶ
  3. 売り出しを開始する
  4. 内覧対応・条件交渉
  5. 売買契約を結ぶ
  6. 決済と引き渡し
  7. 売却の翌年に確定申告をする

2-1.不動産会社に査定を依頼する

まずは、不動産会社に査定しましょう。

この際、ワンルームマンションの売却が得意な不動産会社を選ぶことが重要です。

そのため、できる限り複数社の査定を受けて、「査定額」「対応や相性」「似たマンションの売却実績」などを比較し、信頼できる会社を選びましょう。

複数社へ査定を依頼する際は、一括査定サービスを利用すると便利です。

NTTデータグループが運営する一括査定サービス「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」なら、1分程度の簡単な入力で、最大6社の不動産会社にまとめて査定依頼ができます。

提携不動産会社は、全国から厳選された2,300社以上です。大手中小問わず実績ある不動産会社に依頼できるため、ぜひご活用ください。

2-2.媒介契約を結ぶ

査定を終えて、信頼できる不動産会社が見つかったら、その不動産会社と媒介契約を結びましょう。

媒介契約は、不動産会社に売却の仲介を依頼するために必要な契約です。

媒介契約には3つの種類があり、複数社と契約できる「一般媒介契約」と、1社のみと契約する「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」のいずれかを選びます。

3つの媒介契約の違い比較表
  専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
2社以上の不動産会社と契約できるか ×
できない
×
できない

できる
自分で買主を探して直接取引できるか ×
できない

できる

できる
不動産会社から受ける活動報告の頻度 1週間に1回以上 2週間に1回以上 法令上の定めなし
不動産会社のレインズ※への登録義務 媒介契約から5日以内 媒介契約から7日以内 法令上の定めなし
契約期間 3か月以内 3か月以内 法令上の定めはないが、行政指導では3か月以内

不動産の売買における不動産会社の利益は、売却が成立したときに支払われる仲介手数料のみです。

そのため、競争率が高くなる一般媒介契約より、専任媒介契約をすすめられるケースがあるでしょう。

不動産会社にとってメリットの大きい「専任」の契約ですが、売主にとってもそれは同じです。

1社の不動産会社としか契約ができない「専任」のほうが、積極的な売却活動を期待できるからです。

したがって、信頼できる不動産会社が見つかった場合は、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」がおすすめです。

一方で、都内の駅近物件などの人気マンションは、不動産会社の努力なしでも売れる可能性が高いので、一般媒介契約のほうがよいでしょう。

2-3.売り出しを開始する

媒介契約を結んだら、ワンルームマンションの売り出しが開始されます。

購入希望者の募集は不動産会社が行うため、基本的に売主の手が煩わされることはありません。

ただし、順調に売却活動が進めば、購入希望者から内覧の予約が入るため、事前に物件の掃除などを済ませておきましょう。

2-4.内覧対応・条件交渉

内覧の対応は、不動産会社に任せることもできますが、買い手は「どのような方が売っているのか」を気にする傾向があるため、売主が積極的に内覧対応を行うのがおすすめです。

売主が内覧対応する際は、お茶を入れたり、アピールポイントを伝えたり、少しでも印象を良くする工夫をしましょう。

そして内覧が順調に進むと、購入希望者との条件交渉が行われます。

具体的には、購入希望者から購入希望金額などが記載された買付申込書が送られてくるため、売主はそれに応じるか、応じないか、さらに交渉を重ねるかを検討します。

なお、売却金額の交渉が行われるケースが多いため、事前にいくらまで値引きができるかを決めておくとスムーズです。

2-5.売買契約を結ぶ

交渉をへて、売主と購入希望者のどちらも合意したら、売買契約へと移ります。

売買契約書の作成や、買主への説明は不動産会社が行ってくれますので、売主に専門知識は必要ありません。

とはいえ、のちに契約面で後悔しないためにも、どのような契約であるかを事前に把握しておきましょう。

またこの際、住宅ローンを利用してマンションを購入する方が多いため、決済方法についても話し合います。

買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合に契約をキャンセルできる、ローン特約についても確認しておきましょう。

売買契約時には、買主から手付金が支払われます。この額は売却金額の5~10%が一般的です。

そして売買契約完了後には、売主が不動産会社に仲介手数料を支払います。

仲介手数料は、売買契約書に記載された売却金額により異なり、この時点では仲介手数料の半金を支払うのが一般的です。

2-6.決済と引き渡し

売買契約では、決済日および引き渡し日も取り決めます。

決済と引き渡しは、ほとんどの場合、同日中に行います。

売主に住宅ローンが残っている場合は、買主の支払いのあと、住宅ローンを完済します。

この場合、完済手続き後に抵当権を抹消する必要があるため、司法書士に抵当権抹消登記の依頼するのが一般的です。

決済が無事に完了したら、引き渡しを行います。

なお、引き渡し日までに、完全に退去する必要があるため、スケジュール管理に気をつけましょう。

決済、引き渡しが完了したら、売主は不動産会社に対して、仲介手数料の残りの半金を支払います。

2-7.売却の翌年に確定申告をする

売却によって利益が出た場合は、確定申告の義務が発生します。

該当する方は、売却の翌年の2月16日~3月15日の間に、確定申告を行いましょう。

3.投資用のワンルームマンションを売却する流れ

続いて、投資用のワンルームマンションの売却の流れについて解説します。

  1. 不動産会社に査定を依頼する
  2. 媒介契約を結ぶ
  3. 売り出しを開始する
  4. 内覧対応・条件交渉
  5. 売買契約を結ぶ
  6. 決済と引き渡し
  7. 賃貸人の地位承継通知を行う
  8. 売却の翌年に確定申告をする

3-1.不動産会社に査定を依頼する

はじめに自身が所有するワンルームマンションの査定を不動産会社に依頼することが重要です。

ただし現在、賃貸物件にしていて入居者がいる場合は、原則として解約の6か月以上前までに立ち退きの告知をするか(借地借家法第26条)、入居者がいるままオーナーチェンジするかを検討する必要があります。

3-2.媒介契約を結ぶ

査定を行ってくれた不動産会社のなかから、媒介契約を結ぶ不動産会社を選びましょう。

ワンルームマンションの売却経験が豊富で、信頼できると感じた不動産会社を選ぶことが大切です。

3-3.売り出しを開始する

媒介契約を結んだ不動産会社がチラシを配布したり、物件情報をホームページに掲載したりして、販売活動を開始します。

3-4.内覧対応・条件交渉

購入希望者が現れたら、内覧対応を行います。

ただし、投資用ワンルームマンションの場合は、入居者がいて内覧が行えないことも珍しくありません。その場合は、専有部修繕履歴や新耐震基準の適合証明書といった物件の価値を上げるための書類を用意し、購入希望者に物件の魅力をアピールすることが重要です。

そして買主が決まったら、価格や引き渡し時期などの売買条件ついて交渉を行います。

3-5.売買契約を結ぶ

売主と買主が売買条件に合意したら、売買契約を締結します。

3-6.決済と引き渡し

買主は残高金の支払いを行い、売主は物件を引き渡し、所有権の移転登記を行います。

3-7.賃貸人の地位承継通知を行う

賃貸人の地位承継通知とは、入居者に対してマンションの所有者が変わったことを伝える通知です。

投資用マンション売却の際は、事前に入居者の了承を得る必要はありませんが、通知は必要です。この際、旧所有者と新所有者が連名で通知を行います。

賃貸物件の売却について詳しくは、「賃貸物件を高く売却するコツとは?手順・税金について徹底解説!」をご覧ください。

3-8.売却の翌年に確定申告をする

ワンルームマンションを売却して利益が出た場合は、翌年の2月16日~3月15日までに確定申告を行います。

4.ワンルームマンションの売却にかかる諸費用と税金

ここでは、ワンルームマンションの売却にかかる諸経費と税金について詳しく解説します。

4-1.諸費用

諸費用一覧
項目 詳細
仲介手数料 不動産会社へ支払う仲介手数料
住宅ローン返済手数料 住宅ローンを一括返済する際にかかる手数料
抵当権抹消登記費用 売却するマンションに住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消登記費用
司法書士の報酬 抵当権抹消登記を司法書士に依頼した場合にかかる費用
引っ越し費用 居住しているマンションを売却する場合に発生する引っ越し費用
管理委託やサブリースの解約違約金 投資用マンションを売却する場合は、管理委託やサブリースの解約違約金が発生する可能性がある

(1)仲介手数料

マンションを売却する際に、最も大きな金額になるのが不動産会社の仲介手数料です。不動産売買にかかる仲介手数料は、宅地建物取引業法によって上限が定められています。

仲介手数料の上限額は、以下の速算式を用いて計算することができます。

取引額(※1) 仲介手数料(別途消費税)
200万円以下 取引額の5%
200万円超から400万円以下 取引額の4%+2万円
400万円超 取引額の3%+6万円

(※1)取引額=売却額

(2)住宅ローン返済手数料

ワンルームマンションにローン残債がある場合は、ワンルームマンションの売却代金で一括返済する必要があります。その際、金融機関に手数料を支払います。

手数料の金額は金融機関によって異なりますが、インターネットバンキング経由の場合は手数料が無料の場合もあります。詳しい手数料については、各金融機関に問い合わせましょう。

(3)抵当権抹消登記費用

ワンルームマンションの売却の際は、金融機関でローンを組むときに設定した抵当権の抹消登記を行う必要があります。法務局に赴いて自身で抹消登記を行う場合の費用は、1,000~2,000円が目安です。

(4)司法書士の報酬

抵当権抹消登記を司法書士に依頼する場合は、2~3万円の報酬が発生します。

(5)引っ越し費用

住んでいるワンルームマンションを売却する場合は、ワンルームマンションの売却と同時に退去する必要があります。その際、引っ越し費用がかかります。

(6)管理委託やサブリースの解約違約金

投資用のワンルームマンションを売却する際は、管理委託やサブリースを解約する必要があります。その際、解約違約金が発生する可能性があります。契約書をしっかりと確認し、違約金の有無や金額について把握しておくことが重要です。

4-2.税金

税金一覧
項目 詳細
印紙税 売買契約書に貼付する印紙代
譲渡所得税 マンションを譲渡した際の利益に対して課税される税金

(1)印紙税

不動産売買で締結する契約書には印紙税が課されます。税額は契約書に記載される金額によって決まり、収入印紙を契約書に貼付します。なお、2027年(令和9年)3月31日までに作成される、記載金額が10万円を超える不動産の売買契約書の印紙税の額には、軽減処置が設けられています。

印紙税について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

(2)譲渡所得税

マンションを売却して利益が出た場合、それに対して所得税や住民税(譲渡所得税)が課せられます。

譲渡所得税について詳しくは以下記事をご覧ください。

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5.ワンルームマンション売却を成功させるコツ

ここでは、ワンルームマンションの売却を成功させる2つのコツについて解説します。

5-1.適正な価格設定にする

ワンルームマンションの価格設定が周辺相場と比較して適正な価格かどうかは非常に重要です。高すぎれば売れにくくなりますが、始めから安くすると価格交渉で適正価格より安値での売却になってしまう恐れがあります。

価格設定はワンルームマンション売却の実績がある不動産会社に相談し、売れる範囲でなるべく高めの設定にするのがおすすめです。

さらにワンルームマンションの売却でその後の生活が苦しくならないように、価格設定では以下の2つのことを行いましょう。

5-1-1.住宅ローン残高を確認する

住宅ローンの返済がまだ終わっていない方は、ワンルームマンションの価格を決める前に、残債を確認しましょう。ワンルームマンションを売って、住宅ローンの完済ができる金額設定にすることが重要です。

5-1-2.類似物件の相場を調べる

周辺の類似物件の相場を調べることも大切です。自身が所有するマンションの適正価格を把握することができます。不動産ポータルサイトのほか、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」や「レインズ・マーケット・インフォメーション」などで調べてみましょう。

5-2.不動産会社選びや契約内容を考える

ワンルームマンションはターゲットが限られているため、不動産会社の経験や知識が売却成功のカギになります。

特に以下の3つが大事になります。

それぞれについて解説していきます。

5-2-1.買取か仲介か売却方法を決める

ワンルームマンション売却では不動産会社の「仲介」で、家に住む買い手を見つけることが一般的です。

ただし、人気エリアでなかったり、築年数が経ちすぎていたりと、売りづらい物件である場合は、「買取」を検討するのもひとつです。

買取とは、不動産会社に買主になってもらい、売却する方法です。ただし、売却価格は相場より低くなるため、不動産会社とよく相談してから決めましょう。

5-2-2.複数社に査定依頼する

ワンルームマンションの査定は1社のみでなく、複数の不動産会社に査定依頼してください。査定価格は不動産会社によって変わるので、一番よい条件で販売活動をしてくれる不動産会社を選ぶことが重要です。

複数社に査定依頼するなら、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」の利用がおすすめです。自宅にいながら簡単に、複数社への査定を依頼することができます。ぜひお試しください。

5-2-3.媒介契約を決める

不動産査定を行って、仲介をお願いする不動産会社を決めたら、媒介契約(仲介契約)を結びます。媒介契約には3種類あるので、自分の物件に合うものを選びましょう。

3つの媒介契約
一般媒介契約 複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できます。自分で買主を見つけて売ることもできます。
専任媒介契約 仲介を依頼できる不動産会社は1社のみです。自分で買主を見つけて売ることもできます。
専属専任媒介契約 仲介を依頼できる不動産会社は1社のみです。自分で買主を見つけて売ることはできません。

一般媒介は複数の不動産会社に仲介してもらえます。一方、専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社のみになりますが、その分、しっかりと向き合って販売活動に臨めます。

また、専任媒介契約と専属専任媒介契約は、全国の不動産会社に物件情報を伝えるレインズへの登録義務や、販売状況の報告義務があります。どちらも契約期限は3か月です。

ワンルームマンションが人気の物件なら一般媒介契約がおすすめです。反対に売るのが難しそうな物件なら専任媒介契約を選ぶとよいでしょう。なお、専属専任契約は、自分で売主を見つけたとしても、売ることはできないため注意が必要です。

まとめ

自用と投資用ワンルームマンションについて、売却のタイミングや流れのほか、売却のポイントを紹介しました。

ワンルームマンションの需要は増えており、特に都心部ではワンルームマンションの売買が活発です。

売り時を逃さずに不動産会社と契約して、理想的な売却を実現するためにも、この記事を参考にしてくださいね。

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