どこで・どのように・誰と暮らす?幸せな老後の住まいの探し方

どこで・どのように・誰と暮らす?幸せな老後の住まいの探し方

現在、日本は人生100年の時代と言われるようになり、定年退職後の老後の人生は、過去に比べるとずっと長くなりました。長い長い老後の人生、住まいはどうあるべきなのでしょうか。

現在の住まいに住み続けるのか、それとも住み替えるべきなのか、あなたはどのように考えていますか?「何となく考えているけど、具体的に動き出していない…」という方も多いのではないでしょうか。

老後の住まいと住み替えについて考えるべきタイミングはいくつかあります。下記にその例を挙げましたので、自分に当てはめてぜひ考えてみてください。

老後の住まいを考えるタイミング
老後の住まいと住み替えについて考えるべきタイミング

現在の住まいに関すること
  • 長年住んで傷んできており、大規模なリフォームが必要になってきた
  • 子供が巣立って夫婦2人で住むには広すぎて管理が大変になってきた
  • 設備が古く、バリアフリーではないため老後住み続けるには不便になってきた
  • 年を経て周辺環境に負担を感じるようになってきた(坂道が多い、病院が遠い、日用品の買い物先が遠いなど)
自身や家族に関すること
  • 将来、自身や配偶者が、病気または介護が必要な身になった時のことを考え始めた
  • に自分や配偶者が、病気または介護が必要な身になった
  • 配偶者が亡くなり、一人暮らしとなった

いかがでしょうか。どれも不満や不安に起因しますね。これらに1つでも当てはまる方は、それを解消するためにも、「今」が老後の住み替えについて考えるべきタイミングといえます。

ただ、老後の住み替え先とは、どのような住まいであるべきなのでしょうか。これは健康状態や経済状況、家族構成など、人それぞれ置かれている状況が違いますので、絶対の正解はありません。
大切にすべきは、老後に自分がどうありたいか、です。

そこでオススメなのが、老後を「どこで」「どのように」「誰と」暮らしたいか、という3つの視点をもとに考えてみることです。そうすることで、自分が老後にどうありたいか、どうあるのが一番良いのかを明らかにすることができます。

この記事では、上記の3つの視点をもとに考えられる老後の住まいについて紹介し、その特徴を解説します。ぜひ参考にしていただき、あなたにとって最適な老後の住まいを見つけて、不安のない幸せな老後生活を迎えてください!

不動産売却について基礎から詳しく知りたい方は『不動産売却の基礎』『不動産売却の流れ』『マンション売却で失敗・損しないための注意点』もご覧ください。

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この記事の監修者
加治直樹
加治直樹(かじ・なおき)
1級FP技能士/社会保険労務士
銀行員を経てFPとして独立。銀行員時代は数多くの中小企業向けに決算書の財務から会社の問題点洗い出しなど、企業経営に関連する幅広い業務を請け負う。現在は、中小企業向けに経営コンサルや管理業務の支援を行う傍ら、企業・個人問わず金融・保険・住宅ローン等をテーマにした説明会などを開催し、講師・コンテンツ(説明会資料など)作りを行う。

かじ社会保険労務士事務所

1. どこで暮らす?老後の住まい

老後の住まいは

  • 子供の家の近く
  • 親の家の近く
  • 今の家の近く
  • 新しい土地

というケースが考えられます。
ひとつひとつ見ていきましょう。

1-1. 子供の家の近く

子世帯はまだ働いているため、仕事の都合で現在住んでいる地域から離れることができません。そこで、こちらの定年退職を機に、子世帯の家の近くに住み替えるというケースが考えられます。

まず「同居」か「近居」か、ということになりますが、最近は親世帯、子世帯ともに「近居」が人気です。もともと親子であったとしても生活スタイルは異なっており、いきなり同居すると知らず知らずのうちにお互いにストレスを与えてしまい、関係が悪くなるということがあります。全ての方がそうというわけではありませんが、一定の距離をとることができ、頼りたい時や話したい時に気軽に連絡を取ることができる「近居」という形が、より良い関係性を構築することにつながります。

また、子世帯が共働きで子育てをしている場合などは、手助けが欲しい場面が多くなるため、喜ばれると考えられます。さらに物理的に近いため、自分たちの健康面を子供たちに把握してもらいやすく、介護が必要になった際にも、安心感があります。

1-2. 親の家(実家)の近く

自分もしくは配偶者の実家、またはその近くに住み替えるというケースです。このケースの場合は自身がある程度健康であり続けるという前提が必要になりますが「生まれ育った土地で老後を過ごしたい」という方や「両親の介護をする」という方などが当てはまります。

実家にそのまま住むというケースも考えられますが、既に両親が亡くなっている場合は、実家を売却しその費用で近くに小さめのマンションか一戸建てを買って住む、というケースも考えられます。

ただし、生まれ育った土地といっても長年離れていた場合には、老後に住み続けることをきちんと考え、病院が近いかどうか、買い物や交通の利便性は良いか、近所の方とコミュニケーションは取れそうか(見守り環境が整っているか)など確認すべき点があります。

1-3. 今の家の近く

このケースは意外と多いようです。高齢になってくると、新たに友達付き合いを構築したり、環境に適応するのには不安があります。今の住まいに不満や不安はあるが、環境を変えたくないというという方は、今の住まいの近くで住み替え先を考えるのがいいでしょう。

1-4. 新しい土地

あまり多くはありませんが、定年退職を機に、全く新しい土地で第二の人生を送るというケースもあります。

例えばずっと都心でサラリーマン生活をしていた方の中には、田舎暮らしにあこがれる方も多いのではないでしょうか。土いじりや料理が得意であれば、有機野菜を育てて小さなカフェの経営を始めたり、若い頃にサーフィンやスキューバダイビングが趣味だった方などであれば、海外や沖縄に移住するなどが考えられます。

ただ、憧れや夢だけで住む場所を選んでしまうと、健康面に心配が出てきた際に危険が伴います。前述の「1-2.親の家の近く」と同様に、病院が近いかどうか、買い物や交通の利便性は良いか、近所の方とコミュニケーションは取れそうか(見守り環境が整っているか)など、必ず確認するようにしましょう。

2. どのように暮らす?老後に安心して暮らせる住まいとは

老後の住み替え先を考える際、いくつか選択に迷う場面が発生します。この章では

  • 「購入」か「賃貸」か
  • 「新築」か「中古」か
  • 「マンション」か「戸建て」か

といった選択肢について、老後の住まいをどのように暮らしたいか、という視点から、どのように選ぶべきか解説します。

2-1.「賃貸」か「購入」か

老後の住み替え先を「賃貸にするか」「購入するか」を考える際、ポイントになるのは老後の資金面です。

賃貸の場合

老後の住み替えは「賃貸」か「購入」か

賃貸の場合は購入に比べてまとまった資金を用意する必要はなく、固定資産税などの費用もかかりません。持ち家のように修繕費などの大きな費用の心配もなく、毎月の家賃のみです。そのため、賃貸は基本的に資金計画が立てやすいでしょう。また、家族の状況や仕事の都合、収入に合わせて柔軟な変更ができます。不動産を持たないことで、子供に相続の手間をかけさせないですむというメリットもあります。

ただし、それまで広めのマイホームに住んでいた場合、同じレベルの広さの部屋を選ぶと、家賃はかなり高くなってしまいます。置きっぱなしになっている子供の荷物などはこの機会に処分をしてコンパクトに住めるよう努力しましょう。また、「高齢になるほど借りにくくなる」「自由にリフォームできない」「子供に資産として残せない」などのデメリットもあります。

加えて、高齢者の賃貸は孤独死により事故物件になること、家賃の滞納というケースも想定されることなどから、大家さんに敬遠されるケースも考えられます。
入居時の手続きでいえば、安定した収入がある家族の連帯保証人が必要となることもあれば、入居の審査が必要になるケースもあるでしょう。不動産会社に事前に相談することが大切です。ただ高齢者の割合は年々増えています。今後高齢者だからというだけで貸し渋られるということは減っていくと考えられています。

このほか、賃貸では自由に設備の交換やリフォームができないことで不便さを感じる場合もあるでしょう。若い頃と同じような部屋の選び方はできません。段差が少ないかどうか、マンションで2階以上に住む場合はエレベーターがあるかどうか、トイレやお風呂に手すりが付いているかどうかなどの確認も必要です。

条件を挙げ出すときりがないのですが、受け取る年金の金額や貯蓄額、定年退職後の収入を考慮しながら、不測の事態に備えて無理のない家賃の範囲で検討することも必要です。賃貸暮らしで気楽に生活するといっても、蓄えに余裕がないと「いつまで住むことができるのか」と不安を抱えることになります。「貯金に余裕があって子供に残すことができる」「いざというときに面倒を見てくれる家族がそばにいる」などの状態であれば、安心して暮らすことができるでしょう。

なお、新しい賃貸住宅の形として高齢者向け住宅という選択肢もありますので3章の「誰と暮らす?今から考える高齢者向け住宅」もぜひ参考にしてください。

また、現在の住まいを売却したあとに賃貸契約に変えて住み続ける「リースバック」という選択肢もあります。
以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

購入の場合

購入となると、ある程度まとまった資金が必要になります。定年前後でその資金をどこから捻出するかということが一番のポイントになります。どのように捻出すべきか下記にまとめましたので参考にしてください。

(1)今まで住んでいたマイホームを売却して資金を捻出する

マイホームを売却して資金を捻出現在の住まいが賃貸ではなくマイホームである方に限定されますが、今まで住んでいたマイホームを売却して購入資金に充てる方法です。あなたにとっては現在、住みづらい家だとしても、立地や間取りなどの条件が良い物件であれば、買主がすぐに見つかり、高額で売却することができるかもしれません。

一般的な売却の方法としては、一括査定サイトで複数の不動産会社に売却額の査定を依頼し、そこで出揃った査定額や、不動産会社の営業マンの対応などを各社比較した上で総合的に評価し、契約する不動産会社を選定します。不動産会社が決まったら、媒介契約を結び、売り出しとなります。

この際に、できるだけ高く売るならNTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却HOME4U(ホームフォーユー)」で査定依頼するのがおススメです。

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「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,100社のなかから、最大6社を選んでまとめて査定依頼ができます。

高額売却を目指すなら、ぜひ「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。

家を高く売るためのコツについては、くわしくは4章の「老後の生活に向けて、今の住まいを売却する」でも解説しますので、ぜひご参照ください。

(2)退職金や預貯金を充てる

退職金や預貯金が潤沢にあるようであれば、購入資金にそのまま充てることができます。ただし丸ごと充てるのではなく、今後の生活資金は必ず確保しておきましょう。また予期せぬ病気や介護にも備えて、余裕をもって資金計画をおこなってください。

(3)住宅ローンを組む

高齢になると難しいと思われがちですが、老後の住み替え先購入のために住宅ローンを組むことは、理論上は可能です。借り入れ時の年齢を「満70歳未満の方」と設定している金融機関も多くあります。

ただし、申し込めるかどうかと、融資が通るかは別の問題です。金融機関は申し込み時の収入状況によって審査をするので、定年後の年金のみの収入でローンを組むのは難しくなる可能性があります。また、最終返済時の年齢を「80歳未満の方」と設定する金融機関も多く、住宅ローンを組んだとしても返済期間は短くなってしまいます。

住宅ローンを組む時のポイントとして「購入後の維持費を考慮する」「返済期間と毎月の返済額を考える」「親子リレーローンを検討する」などが挙げられます。ローンを組む時は収入があったとしても、年金収入になったときに返済ができるかどうかをよく検討しましょう。

60代以上で住宅ローンを利用する場合は、住宅ローンの借入金を最低限に抑え、頭金を多く用意することで、後々楽になります。つまり、先述の「(2)退職金や預貯金を充てる」を基本に、この部分を頭金にして、それでも足りない部分を住宅ローンの借入金で補うということです。頭金を多く用意することで、毎月の返済額おさえることができるため、融資の審査に通りやすくなるでしょう。また、定年退職後に年金以外の収入(給与収入・事業所得)が見込める方は、「定年退職後もある程度の支払い能力がある」ことを、融資を受ける金融機関に示すようにしましょう。

近年注目を集めている「リバースモーゲージ型の住宅ローン」も検討の余地があります。リバースモーゲージとは自宅を担保に銀行から融資を受けるローン。毎月の返済は利息のみで元金の返済は亡くなったときに自宅を売却して一括で行います(※金融機関により詳細はことなります)。こちらも確認してみましょう。

2-2. 「新築」か「中古」か

前節をお読みいただき、老後の住み替え先を「購入する」と決めた方の場合、次に「新築住宅にするか」「中古住宅にするか」という選択が必要になります。それぞれの特徴をご紹介します。

新築の場合

新築住宅はすでにバリアフリーの対応がされていることが多く、設備面などは配慮が行き届いています。

新築住宅は高齢者はもちろん、若い方にとっても住みやすいため、住み替えに限らず新築住宅を選びたいという方のほうが多いと思います。またマンションの場合は、新築だと修繕積立金は安く設定されます。

ただし新築住宅は購入価格が高いのが一番のネックです。老後の資金計画を明確にし、調整ができそうであれば、新築住宅を選ぶのもいいでしょう。

中古の場合

中古住宅は、新築住宅に比べて価格が安い点が魅力です。老後の住まいとして手を出しやすいのは圧倒的に中古住宅です。戸建ての場合、建物は古くても土地を資産として残せることはメリットといえます。

最近では、リフォームによってバリアフリー対応されている状態で販売されている物件も増えてきています。ただし見た目はきれいでも、躯体そのものは中古物件であることは変わりないため、入居後すぐに修繕費が必要になる可能性もあります

またマンションであれば、古いほど管理費・修繕積立金が高く設定されていることが多くあります。せっかく購入できても、月々の支払いに手が回らない、ということにならないよう、よく確認することが大切です。

2-3.「マンション」か「戸建て」か

次に「マンションに住むか」か「戸建てに住むか」という選択ですが、それぞれ良さはありますが、最近では老後の住み替え先としてはマンションを選ばれる方が多いようです。
ただし、こだわりや条件によっては戸建てのほうが良いという方もいます。それぞれの特徴をご紹介します。

マンションの場合

老後の住み替え「マンション」マンションの場合は段差が少なく、エレベーターを利用すれば高層階に住んでいてもそれほど苦になりません。「家の中で2階への階段の上り下りがない」「戸締りが楽」「オートロックなどセキュリティが充実していれば安心」「建物の管理などを自分で行う必要がない」など様々なメリットがあり、住みやすいという声がよく聞かれます。

一方で、廊下や階段など共用部分が多いためマンション内の人間関係には十分な配慮が必要になります。また、管理費や修繕積立金などの費用が毎月発生します。

なお、めったに起こることではありませんが、2階以上の部屋に住んだ場合、災害等でエレベーターが止まってしまった場合には階段を使うことになります。

戸建ての場合

老後の住み替え「戸建て」戸建ての場合は自由度の高さが一番のメリットです。マンションでは騒音などに気を付ける必要がありますが、戸建てであればそれほど気にせず、音楽を演奏したり、ペットを飼ったり、庭でDIYを楽しむなども可能です。また、リフォームも自由に行うことができます。

一方で戸建ては段差が多いということ、平屋でない場合は、洗濯物を干すなど日常生活における2階への階段の上り下りも大変です。庭で楽しむことができる一方、庭の手入れが大変という面もあります。

また、戸建てで特に心配なのは防犯面です。戸建ての場合はマンションに比べて住んでいる人が特定されやすいため、高齢者の住まいだということが犯罪者に狙われた場合、強盗に遭うなどのリスクも考えられます。


いかがでしたでしょうか。いくつかの選択肢とその特徴をご紹介しました。

どれも一長一短あり、迷うところもあるかと思いますが、「自分がどのように暮らしたいか」という視点を大切にして決めるようにしてください。

3. 誰と暮らす?今から考える高齢者向け住宅

 誰と暮らす?今から考える高齢者向け住宅ここまでは自宅としての住まいをご紹介しました。この章では、これからますます需要が高まる高齢者向け住宅についてご紹介します。

高齢者向け住宅と聞くと、「介護が必要になった人が入るところでは?」と思われる方もいるかもしれませんが介護認定がなくても入居でき、自宅と同じような生活ができるところも多くあります。様々な種類がありますが、代表的な高齢者向け住宅を、「誰と暮らしたいか」という視点で紹介します。

3-1. 夫婦または一人で暮らす

夫婦または一人でも安心して暮らせる高齢者向け住宅をご紹介します。

(1)健康型有料老人ホーム

介護等が不要な自立状態の高齢者を対象とした、高齢者施設です。温泉やフィットネスジムなど元気な状態の維持を目的とした設備が充実しています。居室は1LDKや2DKなどの間取りで、夫婦での入居も可能です。

バリアフリーで浴室や台所がついています。食事サービスが付きますが、居室で料理も可能です。介護が必要になった場合は契約解除し退去しなければなりませんが、介護を受けられる施設が隣接しているところが多いようです。

(2)サービス付き高齢者向け住宅(サ高住/サ付住宅)

バリアフリーで、日中は生活相談員が常駐し、安否確認サービスと生活相談サービスが受けられる住まいです。60歳以上の方や要介護(要支援)認定を受けている40歳以上の方が入居対象で、独居や、夫婦2人暮らしが不安な自立(介護認定なし)あるいは軽介護度の方に適しています。

介護が必要になる場合は、訪問介護など外部の介護サービスと個別に契約が必要となります。

(3)シニア向け分譲マンション

高齢者を対象にした、バリアフリーの分譲マンションで、主に自立あるいは要支援状態の高齢者を受け入れており、食事の提供や緊急時の対応などのサービスと、フィットネスジムやレクリエーションの施設が充実しています。

利用者が所有権を有し、売却、譲渡、賃貸、相続などが可能な資産となります。自己所有物件なので介護が必要になった場合に退去を迫られることはなく、在宅サービスを利用することになります。

3-2. 家族や血縁にこだわらず仲間と暮らす

従来の家族を中心とした住まい方ではなく、自分の好きなことや、やりたいことを優先したり、気の合った仲間と暮らすなど、高齢者の新しい形の住まい方をご紹介します。

(1)コーポラティブハウス

コーポラティブハウスは、入居希望者が集まって組合を結成し、共同で建設する集合住宅です。入居希望者は何度も集まり、皆で意見を出し合って建物を完成させるため、入居時には全員顔見知りとなります。

コーポラティブハウスは高齢者向けとして限定された住居ではありませんが、建物を完成させるまでの過程で仲間意識が育つため、入居してからも良好な近所付き合いとして残り続け、高齢者にとっては入居後もお互いに支え合えるという利点があります。また「ガーデニングが好き」「大型犬と一緒に暮らしたい」など共通の趣味や価値観を通して組織されることもあるため、親密な関係を築くことができます。

(2)コレクティブハウス

コレクティブハウスは、それぞれに独立した専用住居を持ちながら、食堂やラウンジなどの共用施設がついた共同居住型の集合住宅です。シェアハウスに似ていますが、シェアハウスは、複数の人達が一つの住宅に一緒に住む形態で、個室以外を全て住民同士で共有する暮らし方です。

シェアハウスとは異なり、コレクティブハウスは専用の住居部分にトイレや浴室、台所があり、そこで暮らしながら、その延長に食堂やラウンジなどの共用施設がついているというイメージです。シェアハウスに比べて、生活空間は独立したまま入居者のプライバシーは保たれ、必要に応じて住民どうしてコミュニケーションが取れる自由度の高さが特徴です。

コレクティブハウスも、高齢者向けとして限定された住宅ではありませんが、住民同士がゆるくつながることのできる居住形態となっているため、孤立することがなく、プライバシーも大切にできる老後の住まいとして人気が集まっています。

(3)グループリビング

グループリビングは高齢者向けシェアハウスなどと呼ばれることもあります。まだ介護は必要ないものの、一人暮らしや、老夫婦での暮らしが不安な高齢者が、6~9人程度の仲間と助け合いながら共同生活をする暮らし方のことです。

高齢者が他の高齢者を助けたり、一緒に食事をしたり、非血縁的なつながりを大切にしながら、従来家族が行ってきた無償の行為を、仲間と一緒に住んで補完し合うものです。

4. 老後の生活に向けて、今の住まいを売る

ここまで、老後を「どこで」「どのように」「誰と」暮らしたいか、という3つの視点をもとに考えられる老後の住まいと住み替え先について紹介してきました。
住み替え先を購入するか、賃貸にするか、高齢者向け住宅にするか…どの住み替え先を選んでも、これからの長い老後生活のためには資金確保が重要です。現在の住まいを売ることで資金確保を考えている方は、できるだけ高く売りたいですよね。

そのために重要なのは、あなたの家を高く売ってくれる最適なパートナーとなる不動産会社を見つけることです。そのために、まずは複数の不動産会社に売却査定を依頼して、査定額を比較しましょう。
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不動産会社を厳選して、あなたにとって最適なパートナーとなる不動産会社を見つけてください。

まとめ

いかがでしたか。この記事では、老後の住まいについて老後を「どこで」「どのように」「誰と」暮らしたいか、という3つの視点をもとに解説しました。

どこで暮らすかについては、

  • 子供の家の近く
  • 親の家(実家)の近く
  • 今の家の近く
  • 新しい土地

といった選択肢がありました。

いずれのケースにしても、住み替え先は高齢者として住むことを考え、病院が近いかどうか、買い物や交通の利便性は良いか、近所の方とコミュニケーションは取れそうか(見守り環境が整っているか)など確認する必要があります。

どのように暮らすかについては、

  • 「購入」か「賃貸」
  • 「新築」か「中古」
  • 「マンション」か「戸建て」

といった選択肢がありました。これらは老後の資金計画をしっかりと行ったうえで、無理のないほうを選ぶといいでしょう。

誰と暮らすかについては、家族(夫婦)または一人で暮らすか、家族や血縁にこだわらず仲間と暮らすかといった選択肢があります。高齢者向け住宅も視野に入れて考えてみてください。

いずれの場合も、長い老後生活のためには資金確保が重要です。現在の住まいを売ることで資金確保を考えている方は、複数の不動産会社に売却査定を依頼して査定額を比較し、あなたの家を高く売ってくれそうな、かつ信頼できる不動産会社を選びましょう。

この記事が、あなたにとって最適な老後の住まいを見つけ、幸せな老後生活を迎えるための一助となれば幸いです。

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