転勤や相続などを機に、一軒家を売買したいと考えている方もいらっしゃることでしょう。
特にここ数年、首都圏での住宅の購入に関しては、マンションの価格が高騰傾向にあることから、一軒家を検討する人が増えています。
公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)によれば、2016年度は中古戸建住宅、新築戸建住宅とも、成約件数は2年連続で前年度を上回っています。
また、成約価格についても、2018年2月度のレポートで「6か月連続で前年同月を上回った」と報告されており、人気の堅調ぶりがうかがえます。
そこでこの記事では、今住んでいる家を売って、新しい家への住み替えを検討している方に向けて、一軒家の売買について解説していきたいと思います。
特に「売る」にあたっては、「できるだけ高く売りたい」と思うのが人情ですよね。
賢い売却手順についてもしっかりお伝えしますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください!
1. 新しい家を買いたい!
一軒家を買うときに考えるべき3つのこと
1-1. [金銭面] どれくらいの値段で家を売買したいのか?ローンや貯蓄は問題ないか?
まず何よりも先に考えなければならないことは、「新しい家をなぜ買いたいのか?いくらで買いたいのか?」という点と、「今の家をどのようにいくらで売りたいのか?」という点の、売買に関する理由とお金についてです。
家を買いたい、売りたいと考える背景には、今の家が手狭になってしまった、周囲の環境に問題がある、など必ず理由があるはずです。
この「なぜ?いくらで?どのように?」というポイントを書き出し、売買とその後のスケジュールを具体的にイメージしてみることで、「今、実際に何をすべきか?」という点が明確になり、やるべきことが見えてきます。
例えば、「次女の中学校進学にあわせて、通学至便なエリアで一人部屋のある一軒家に引っ越したい」と思えば、「3月に持ち家を売却し、新居に引っ越す」という理想像が浮かびますよね。
このようにその後のスケジュールのイメージができたら、次に現在の経済状況を把握しておきましょう。
現在住んでいる家にローンが残っているのであれば、売却額でローン返済が可能かどうか、あるいは預貯金の中で買い替えのためにいくら使えるか、といった点がポイントとなるでしょう。
もしローンがかなり残っていて、それでも買い替えが必要なのであれば、一度金融機関へ相談してみましょう。
本サイトでは「住み替えローン」についても紹介しています。「『住み替えローン』って何?~メリット・制約・落とし穴~」も、ぜひあわせて参考にしてください。
1-2. [生活面] 間取りや設備、立地、生活環境などを比較
金銭面について確認した後は、新しい家での生活に必要な条件についてチェックしていきましょう。快適に住む上で欠かせない条件や、こだわりのポイントというのは、人それぞれ違うものです。
以下の点は、どのような人にも共通して確認が必要となる部分です。
現在の家に対して感じている不満や問題が解消されている物件か
住みやすい間取りか
必要な設備は整っているか
立地条件はどうか?最寄り駅や交通手段は利便性があるか
セキュリティやプライバシーは守られているか?治安面では安心できるか
これらの点をチェックし、新しい家について的を絞って行ってください。
1-3. [不動産会社選び] 担当者との出会いが、理想の家と出会うチャンスを広げる
たいていの人にとって「家を買う」というイベントはワクワク感があるため見過ごされがちなのですが、不動産会社の担当者との出会いは、家を探す際に一番重要なポイントといっても過言ではありません。
実は中古住宅の場合、「レインズ」という不動産会社間での情報交換システムを通じて、どの物件についてもアクセスすることができます。
つまり不動産会社の担当者は、自社が保有している新築情報に加え、売りに出されている中古住宅についても幅広く提案することが可能になるのです。
しかし担当者は「レインズ」にある膨大な情報量の中を、時間や条件に制約がある中で調べることになるため、提案内容は、ある程度担当者の価値観に沿って吟味された情報となります。
もし価値観が合えばスムーズに話が進みますが、合わなければその労力は計り知れません。それくらい不動産会社選び、ひいては担当者との相性は大切であると念頭に置いておきましょう。
2. 新しい家を「買う」のと、現在の家を「売る」のはどちらを優先すれば良いの?
新しく買う一軒家の条件が決まれば、すぐにでも不動産会社を選び、新たな家を選びたいところです。
しかし家を買い替える場合、今住んでいる家については一体どうすれば良いでしょうか。家を賢く売買するためは、どちらも「タイミング」がとても重要です。
家を買い替えるのであれば、「先に今住んでいる家を売却すること(=売り先行)」と「先に新たに住む家を買うこと(=買い先行)」について考える必要があります。
理想としては「売ること」と「買うこと」が同時にゴールすることがベストですが、しかし現実的には、希望通りにいかないことがほとんどでしょう。
そこでどちらを先に行うのが良いのか、それぞれのメリットとデメリットをみていきましょう。
2-1. 売り先行のメリットとデメリットは?
まずは、今の家を売却してから新しい家を購入する「売り先行」について見ていきましょう。
- メリット
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- 売却金額が決まっている、もしくはおおよそ予測ができているので、予算など資金面で安心して計画を立てることができる。
- 今の家を売却してから新しい家の購入となるので、売り急ぐ必要がない。
- デメリット
-
- 家が売れた後、次の家が決まっていない場合、「今の家から仮住まいへの引越し」と、「仮住まいから本住まいへの引越し」と、2回引越しが必要になる可能性がある。
- 早く新しい家を買いたい一心で、希望条件に合致していなくても買い急ぐ可能性がある。
2-2. 買い先行のメリットとデメリットは?
続いて、先に新しい家を購入してから今の家を売却する「買い先行」について見ていきましょう。
- メリット
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- 新しい住まいをじっくりと選ぶことができるので、買い急ぐ必要がない。
- デメリット
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- 新しい家を買うための資金を先に準備しておく必要がある。
- 今の家の売却時期や金額が未定のまま新しい家を購入することになるため、スムーズに売却できなかった場合、二重ローンを組むことになるなど、資金面での計画が狂う可能性がある。
- 早く売りたい一心で、希望額に到達していなくても売り急ぐ可能性がある。
どちらにもメリット・デメリットがありますが、資金繰り的に安心なのは「売り先行」です。
「売り先行」「買い先行」については、「家の住み替え、理由は様々。理由別『損をしない住み替えの流れ』とは」の中でも紹介していますので、あわせて参考にしてください。
3. 一軒家を売る手順
売り先行と買い先行のメリット・デメリットを理解し、自分の買い替えプランが決まったら、いよいよ実際に売却を任せる不動産会社を選びましょう。
売り先行と買い先行のどちらの場合でも、一軒家を売る手順は一般的に以下の流れとなります。
3-1. 複数の不動産会社に査定を依頼する
少しでも高く一軒家を売るためには、「不動産会社選び」が最も重要です。
しかし初めて家を売る人の多くが、「どの不動産会社を選べば良いか分からない」、「近所の不動産屋さんと全国規模の大手不動産会社、どっちが良いのか分からない」という状態です。
そこで便利なのが、「不動産売却HOME4U(ホームフォーユー)」の一括査定です。
実は不動産会社には得意なエリアや分野があるため、同じ物件であっても会社によって査定額が大きく異なり、その差は数百万になることもあるのです。
特に、一軒家の場合は、マンションと違い、間取りや立地が完全に同じものはないので、不動産会社により差が出やすくなります。
もし、1社にしか査定してもらわないと、その査定額が高いのか安いのかもわかりませんし、契約後に他の会社がもっと高い査定額を出してくれたことに気づいても後悔するしかありません。
不動産売却HOME4U(ホームフォーユー)」なら、あなたの物件の所在地や築年数など簡単な情報を入力すれば、その物件の売却に適した複数の不動産会社が自動的にピックアップされます。
ここでは知名度や勘では絞り込まずに、まずは複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
この中からどの会社にするか絞り込むのは、査定額が出た後にするのが賢明です。
3-2. 不動産会社を決定し、媒介契約を結ぶ
複数の不動産会社から査定額の提示を受けたら、査定額だけでなく、次のポイントも比べながら、不動産会社を選んでください。
(1)どうしてこの査定額になったのか根拠を聞く
どんな点がプラスの評価を受け、どんな点がマイナスの評価になったのか、理路整然と説明してくれる不動産会社の査定は、根拠がしっかりしています。
反対に「周辺事例がこんな感じだから」としか言わないような会社だと、しっかり査定してくれたのか、本当にその査定額で売れる見込みがあるのか、信憑性に欠ける可能性があります。
(2)近隣エリアでの取引実績を聞く
近隣エリアでの直近2年程度の一軒家の売買件数がどれくらいあるのか、聞いてみてください。数の多い不動産会社が、そのエリアでの営業力に長けているということになります。
意外に思われるかもしれませんが、いわゆる街の不動産屋さんの方が、全国規模の大手よりも、特定のエリアでは実績をあげているケースもあるので、先入観を持たずに聞いてみることが大切です。
(3)担当営業マンの対応や人柄を比較する
担当の営業マンは成約までのあなたの重要なパートナーになります。
定期的に連絡を取り合うことにもなりますので、あなたが「苦手だな…」と思うタイプであれば、ストレスになるだけなので、避けた方が無難でしょう。
今すでに疑問に思っていることがあれば、率直に質問して、各営業マンの反応を比べてみてください。
同じ回答だったとしても、あなたが理解できないような専門用語を並べ立てた答え方をする人より、あなたが理解できるようロジカルに丁寧に説明してくれる人の方が、安心して売却活動を任せられますよね。
営業マンの人柄も売却成功への重要な要素なので、しっかり比べてください。
以上の要素を比較して不動産会社を決定したら、媒介契約を結びます。まずは査定価格をもとにして売り出し価格を決めます。
あくまでも売主が価格を決めることができますが、エリアや物件の特徴から相場と大きく差異があれば、担当営業マンと相談しながら決定しましょう。
3-3. 売り出し、契約、引渡し
売り出し価格が決定したら、いよいよ売却を開始します。
売り出すということは、商品になったということです。商品になった家は、購入希望者から「内覧」を依頼されます。
できるだけ高く売るために、内覧者に対して印象を良くする工夫を行いましょう。特に「明るさ」「ニオイ」「売主の印象」は見学者に印象付ける大切なポイントです。
(1)家が明るいかどうか
買い先行の場合、新しい家に引っ越してから現在住んでいる家を綺麗に片付け、内覧に案内することもできますが、売り先行の場合、完全に空き家にして内覧してもらうことは困難です。
可能な限り不要なものは廃棄し、余計な影ができないようにし、部屋を明るく広く見せる工夫を行いましょう。
もし廃棄が難しい場合は、トランクルームや実家のスペースを借りるなど、一時的に退避させるようにしてください。
内覧者が来る時は時間帯を問わず、家の中のすべての灯りをつけて、家中が明るい状態で迎えてください。
(2)ニオイ
次に「ニオイ」の問題です。
買い先行の場合、長く家を空けるのであれば排水溝のニオイが溜まっている場合がありますし、売り先行の場合、生ゴミのニオイや洗濯物のニオイなど生活臭が考えられます。
また、室内でタバコを吸っていた場合やペットを飼っていた場合も、それらの習慣のない人からすると気になるニオイの元となります。
異臭ではなくても、他人の家のニオイは気になりがちなポイントです。
高額な不動産を買おうとしている内覧者ともなれば、特に敏感になりますので、内覧前に窓を開けてしっかり換気する、水を流して排水溝のニオイを取っておくなど、対策が必要です。
(3)売主の印象
売主の印象についても、購入希望者が「この家を買いたい!」と意思決定する重要なポイントです。
皆さんもご自身が家を買うときは、暗い印象の人よりも、明るく親切そうな印象の人と取引したいと考えませんか?
内覧者は家を見ると同時に、売主のことも見ています。内覧中は気を抜かず、明るく丁寧にハツラツと対応しましょう。
買い手が決まれば、売買契約、ローン返済、引渡し、となります。この部分は不動産会社の指示に従って、必要な書類を揃え、手順を踏めば問題ありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一軒家の売買は、人生の中でそう何度も起きることではありませんので迷うこともあると思いますが、まずは住み替えたい理由や資金の状況を整理し、あなたの状況にあわせて「売り先行」「買い先行」を使い分けてくださいね。
また、売却に関しては、できるだけ高く売りたいのが人情です。あとあと「もっと高く売れたかも!?」と後悔することがないよう、まずは不動産売却HOME4Uを使って、あなたの家の売却に適した不動産会社を見つけることから始めてください。
あなたの売買活動の成功に向け、この記事が役に立つことを願っています。