マンションには、高い維持費、騒音問題、資産価値の下落など、思わぬデメリットがあります。
一方でメリットも多く、条件によっては魅力的な選択肢となります。
この記事では、マンション購入のデメリットやメリット、後悔しないためのポイントを詳しく解説します。
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Contents
1.「マンション購入がデメリットだらけ」の9つの理由
マンション購入に「デメリットが多い」といわれるのには理由があります。ここでは、9つの理由について詳しく解説します。
1-1.高額な維持費と値上がりする可能性
マンションを維持するためには、高額な管理費、修繕積立金、駐車場代、固定資産税などが必要です。複数の費用が継続的に発生するため、生活コストに大きく影響します。
それぞれの目安の月額は、以下のとおりです。
- 管理費 1.5万〜2万円
- 修繕積立金 1万~1.5万円
- 駐車場代 0.5万~3万円
- 固定資産税 10万~15万円
さらに建物の老朽化に伴い、外壁の補修やエレベーターの交換、屋上防水工事などの大規模な修繕が必要になるケースがあります。
初期の積立金では足りなくなり、費用負担がさらに増大するリスクを考える必要があります。
1-2.生活音の配慮と近隣からの騒音
マンションでは隣の部屋と壁を隔てているため、生活音への配慮が求められます。また、他の住人からの騒音に悩まされる可能性もあります。
例えば、以下のような騒音があります。
- 深夜の足音
- 子どもの遊び声
- 家具の移動音
生活するうえでの騒音は、隣人に不快感を与えることがあり、気をつけていても完全に避けることは困難です。
また、逆に自分が上階や隣からの騒音に苦しむこともあり、長期的なストレスの原因となることがあります。
1-3.管理規約に制限される生活
マンションでは管理規約を順守しなければならないため、人によっては窮屈に感じてしまうでしょう。
例えば、バルコニーでの喫煙が禁止されていたりや、リフォームやリノベーションを行う際に管理組合の承認が必要だったりします。
さらに、ペットの飼育制限や共用部分の使用方法など、細かいルールが多く設定されています。
また、管理規約の内容は変更が難しく、不満があっても簡単には改善されません。
1-4.近隣同士のコミュニケーションが希薄
マンションでの生活は、近隣住民とのコミュニケーションが希薄になりがちです。
共働き世帯の増加や単身者世帯の増加といった社会構造の変化により、住民が頻繁に顔を合わせる機会が少ないためです。
挨拶を交わさないことで誤解や不信感が生まれやすく、トラブルの原因となることがあります。
また、いざトラブルが発生した際には、近隣住民とのコミュニケーション不足が原因で解決することが難しく、長引くことも少なくありません。
安心できる住環境を求める方は、近隣住民とより密な関係性を築ける選択肢も考えたほうがいいでしょう。
1-5.理事会への参加が必要
マンションの理事会には、全住民が順番に参加する場合が多く、役割を負担と感じる方も多くいます。
理事会では、マンションの管理運営や修繕計画、予算の配分など、重要な事項が議論されますが、参加するためには時間と体力が必要です。
特に、仕事や家庭の事情で忙しい人にとっては、理事会の準備や会議出席が負担となり、ストレスの原因になることが考えられます。
また、意見の対立が発生することもあり、住民間の関係が悪化するケースもあります。
1-6.高層階ほど外出がしにくい
高層階に住むと、外出する際の不便さが予想以上に大きくなります。
特に、エレベーターの待ち時間が長くなる朝の通勤ラッシュ時には、外出のたびにストレスを感じやすいでしょう。
さらに、エレベーターが故障した際には階段を使わざるを得ず、体力的な負担が増します。
特にお年寄りや小さな子どもがいるなど、階段の上り下りに不安がある家庭の場合には、リスクが高いといえるでしょう。
1-7.高層階ほど災害時の避難に時間がかかる
高層階に住む場合、災害時の避難に時間がかかることが大きなリスクとなります。
前項に通ずるとこではありますが、地震発生時に停電や火事が起きるとエレベーターが使えなくなり、階段を利用するほかありません。俗にいう「高層難民」の状態です。
ただし、今のマンションは地震に強い設計がされているので、建物自体はとても安全です。そのため多くの場合、倒壊などの心配はありません。
一方で、自宅は問題ないにもかかわらず、移動の困難さから避難所の利用が必要になる可能性があります。
1-8.新築マンションは資産価値が急激に下がる
新築マンションは、購入直後から資産価値が急激に下がるリスクがあります。
新築時の価格は一般的に割高であり、入居した瞬間に中古物件として扱われるため、価値が大幅に減少します。
特に、築30年までの間は価値の減少速度が早いというデータもあり、この期間中には資産価値が大きく下がります。
例えば以下のグラフを見ると、築年数が15年で10%以上資産価値が減少しています。
築30年にもなると40%をきっています。
「東日本不動産流通機構.”首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04~06月】”.REINS TOWER.(参照2023-12-15)」をもとに、お家のいろは
マンションを資産として考えるときは、買う前にしっかり調べて、慎重に判断することが大切です。
地域の人口が減少傾向にあったり、売却が遅れて築年数が古くなったりすると、価格の下落がさらに早く進むことがあるため注意しましょう。
1-9.中古マンションには耐震性が低い物件もある
中古マンションの中には、地震に弱い物件が存在します。
特に、1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた「旧耐震基準」の物件は、地震に対する耐久性が十分でない場合が多く、大規模な地震が発生した際には、建物が倒壊するリスクもあります。
こうした物件では、近年の震度7の地震には、構造上耐えられない可能性があるため注意が必要です。
購入を検討する際には、耐震補強工事の実施状況や、現行の耐震基準を満たしているかどうかをしっかりと確認することが重要です。
2.マンションの購入にはメリットも多い
マンション購入にはデメリットもありますが、多くのメリットも存在します。ここでは、マンション購入の具体的なメリットについて詳しく解説します。
2-1.セキュリティが強い
マンションはセキュリティが強い物件が多く、安心して生活できます。
防犯カメラやオートロックなどの設備が標準装備になっているマンションもあり、管理会社による巡回や対応が定期的に行われるためです。
例えば、不審者の侵入を防ぐために、マンションのエントランスにオートロックが設置されていることが多く、住人以外が簡単に入れない仕組みになっています。
また、エントランスや共用部分だけでなく、各戸の玄関に防犯カメラが設置されている物件もあります。
さらに、警備会社と連携したセキュリティシステムを導入することで、万が一のトラブルにも迅速に対応でき、住人の安全をしっかりと守る体制が整っています。
2-2.定期的に大規模な修繕が行われる
マンションでは定期的に大規模な修繕(外壁の修繕やエレベーターの更新など、建物全体のメンテナンスです)が行われるため、建物の状態が良好に保たれます。
管理組合が修繕積立金を活用して行います。
大規模修繕工事は、多くの場合「12年ごと」に行われます。
建物が建ってから10年以上経ったマンションでは、外壁がタイルなどでできている場合、3年以内に外壁をしっかり調べることが建築基準法で決められているためだと言われています。
さらに、共有部分の設備や防犯システムも定期的に更新されるので、長く住んだとしても快適で安全なままの環境が期待できます。
2-3.共用施設や設備が充実している
マンションによっては充実した共用施設や設備があります。
タワーマンションなどのラグジュアリーな物件では、ひときわ充実した共用施設などが用意されています。
【共用施設の例】
- フィットネスジム
- プール
- キッズルーム
- ゲストルーム
マンション内でリフレッシュできるフィットネスジムや、お客様を招待できるゲストルームがある物件も多くあります。
わざわざ外に出なくても、マンション内で多くのサービスを受けられるため快適です。
2-4.災害に強いマンションも多い<
マンションは災害に強い物件が多く、安全に暮らせます。
最新の耐震基準を満たしたマンションは、地震の揺れに耐える力が強く、被害を少なくすることができます。水害に備えた作りになっている建物も多くあります。
また、管理組合が防災対策を定期的に行っていて、非常用の備蓄品を準備したり、避難訓練をしたりしていることも安心できるポイントです。
2-5.需要が高く売却しやすい
マンションは需要が高く、売却しやすいといえます。
特に交通の便が良い場所にあるマンションや管理が行き届いた物件は、短期間かつ高値で売却できる可能性があります。
万が一、転勤や住み替えが必要になっても、スムーズに売却しやすい点はマンションのメリットの1つです。
2-6.新築マンションは住宅ローンなどで優遇されやすい
新築マンションは住宅ローンや火災保険で優遇されやすく、経済的にメリットがあります。
新築マンションは、普通よりも低い金利でローンを組めることが多く、また最初の数年間は修繕積立金も少なくて済む場合が多いでしょう。
また、マンションのほとんどが耐火構造になっているため、火災保険も安くなります。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、最長13年にわたって年末残高の0.7%分の減税を受けられ、借入限度額は新築マンションの場合最大5,000万円です。
ただし、以下のように、住宅の区分や居住年によって借入限度額や控除期間が異なります。
出典: “No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)”.国税庁.(参照2024-08-18)
住む時期や住宅の区分による借入限度額を知っておけば、最適な住宅ローンを選びやすく、将来の経済負担を減らすことができます。
2-7.中古マンションは資産価値が落ちにくい
中古マンションの需要は高く、資産価値が落ちにくいため、売却もしやすいでしょう。
一戸建てに比べて、耐用年数が長いマンションは、資産価値の減少度合が緩やかです。
出典:“築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)”.東日本不動産流通機構.2024-2-28.(参照2024-08-18)
特に、人気のあるエリアのマンションは、高い価格で取引される傾向にあります。
ただし、より長い目で見ると一戸建ての方が高く売れる場合があります。
一戸建てでは建物の価値がゼロになっても、土地の価値は残り続けるためです。
マンションは、所有者一人一人が持つ土地の権利はわずかなので、売却時の価値はほとんど建物部分に依存します。
3.マンションの購入が向いている方
マンション購入が向いているのは、以下の3つの条件に当てはまる方です。
- セキュリティを重視する方
- 生活の利便性を重視する方
- 資産価値の安定を求める方
マンションは、防犯カメラやオートロックなどのセキュリティ設備が充実しており、外部からの侵入を防ぎます。1階に住みたい方や子どもがいる家庭にとっても安心、安全です。
駅に近く買い物が便利なマンションは、毎日の生活を楽にしてくれます。利便性の良い場所にあることで、生活のストレスの減少も期待できます。
都市部や人気のエリアにあるマンションは資産価値が下がりにくく、将来も資産として保ちやすいでしょう。買いたい人や借りたい人の需要が多いため、安定して資産を運用できます。
4.後悔しないマンションを購入するポイント
マンション購入で後悔しないためには、慎重に検討することが必要です。ここでは、後悔を避けるための具体的なポイントを5つ解説します。
4-1.維持費も抜けもれなく考えられているか
マンションを買うときは、ローンの返済が無理なくできるように、余裕を持った資金計画をしっかり立てることが必要です。
ローンの借入額だけでなく、管理費、修繕積立金、駐車場代、固定資産税などの維持費も想像以上に重くのしかかります。
元から返済負担率がぎりぎりだと、維持費が将来上がった場合に返済が難しくなってしまいます。こうしたリスクも考慮に入れたうえでマンション選び・購入を行いましょう。
4-2.アクセスが良い・災害に強い立地か
マンションがアクセスの良い立地にあると、将来の資産価値も保たれやすいでしょう。
特に、人口の多い都市部の駅近くは、非常にアクセスのいい立地であるため高く評価され続けます。
例えば以下のグラフのとおり、東京都の住宅地の地価公示(黄緑色の部分)は、2013年(平成25年)あたりから2024年(令和6年)まで緩やかに上昇しています。
出典: “令和6年地価公示価格(東京都分).6地価公示の平均価格推移グラフ(指数)”.東京都財務局.(参照2024-08-29)
そのため、今後も公示価格が上昇していく可能性は高いといえます。
ただし、アクセスが良くとも災害により甚大な被害が出れば資産価値も下がってしまいます。
ハザードマップを確認し、洪水や地震のリスクが低い場所を選ぶことも大切です。
4-3.管理費・修繕積立金が安すぎないか
管理費や修繕積立金が安すぎるマンションは注意が必要です。
築年数が経過しているにもかかわらず、修繕積立金が低く設定されている場合、将来的に必要な修繕や管理が行き届かなくなったり、追加費用が発生したりする可能性があります。
管理費と修繕積立金が安いからといって安易に選ばず、適切な管理費と修繕積立金が設定されているかを確認することが、後悔しないマンション購入のポイントとなります。
4-4.適切にメンテナンス・修繕が行われているか
マンション購入前に、定期的なメンテナンスや修繕がされているかどうかを確認しましょう。
しっかり確認することで、建物の寿命や住み心地に影響を与えます。
例えば「外壁や屋上の防水工事が定期的に行われているか」「エレベーターの点検記録が残っているか」などを確認しましょう。
管理会社に依頼すれば、発行手数料3,000〜1万円程度で「管理に係る重要事項調査報告書」の取得が可能です。
管理費、修繕積立金の月額や大規模修繕工事の予定などのほかに、修繕工事履歴も記載されており、マンションの状況を把握できます。
実際のメンテナンス履歴だけでなく、将来的な修繕計画がしっかりしているマンションを選ぶことで、後悔のない購入が可能となります。
4-5.どのような住人が住んでいるか
快適な生活を送るために、マンション購入前に住人の特徴やコミュニティの状況を事前に分かる範囲で調べるようにしましょう。
住人同士のトラブルを未然に防ぎ、安心して暮らせる環境を選ぶためです。
具体的には、以下の方法で調べることができます。
- 管理会社や不動産会社に問い合わせる
- 近隣住民に直接話を聞く
- マンションの掲示板やSNSでのやり取りを確認する
管理会社や不動産会社に問い合わせることで、住人の年齢層やファミリー層の割合、過去のトラブル状況などが確認できます。
マンションの周りを歩いて近くに住んでいる人に直接話を聞くことで、住みやすさや騒音の有無、住人同士の関係などを知ることができます。
マンションの掲示板やSNS(住んでいるマンション名やエリア名で検索する方法)でのやり取りを確認することで、住人同士のコミュニケーションやトラブルの有無がわかります。
コミュニティの雰囲気や住人の活動状況を知る手がかりとなります。
5.デメリットだらけのマンションを購入した場合の対処
デメリットだらけのマンションを購入してしまった場合、適切な対処法を知っておくことが重要です。住み替えや売却、賃貸など、状況に応じた選択肢を考えるようにしましょう。
5-1.買い替える
購入後に後悔してしまった場合は、可能であれば買い替えを考えたいですが、金銭面でなかなか現実的とは言えません。
ただ、マンションの場合は資産価値が落ちにくいため、損失をある程度抑えやすいと言えます。
また以下のような特例を活用することで、税負担を軽減することができます。
- 住宅ローン控除の再適用特例
- 住宅ローンを利用した際には控除を受けることができますが、一定の条件を満たすことで、買い替えの際にもこの特例が再適用されます(住宅借入金等特別控除の再適用)。
- 譲渡所得の3,000万円控除
- 自宅を売却した際に得た譲渡所得から、最大3,000万円までを控除できる特例です。
- 住み替えのための買い替え特例
- 旧住宅を売却して新住宅を購入する場合、売却益の課税を新しい住宅の購入後に繰り延べることができる特例です。
これらの特例を活用することで、よりスムーズなマンションの住み替えが可能となります。
5-2.売却する
中古マンションは資産価値が下がりにくく、需要があるエリアや条件次第では、購入価格とほぼ同じ価格で売却できる可能性があります。
特に、駅近や商業施設が充実している好立地のマンションは購入希望者が多いため、価格が安定しやすい傾向にあります。
昨今はマンション相場が急激に上昇していたため、購入時よりも高く売れたという方も多く見られました。
ただし譲渡所得税には注意しましょう。
マンションの所有期間が5年以下の場合は、売却益に対して39.63%もかかるためです。
(売却益がない場合や、前項でも紹介した3,000万円特別控除を適用する場合では、そもそも譲渡所得税がかからないこともあります。)
5-3.賃貸に出す
マンションを賃貸に出すことは1つの選択肢ですが、予想外のリスクや難しさがあります。
例えば、賃貸物件が空室となった場合、その間の家賃収入が途絶えるだけでなく、管理費や修繕積立金などの費用をオーナーが負担し続ける必要があります。
また、賃貸物件としての需要が低いエリアでは、入居者が見つかりにくいでしょう。
さらに、入居者とのトラブルや、退去後のリフォーム費用(新たな入居者のための室内の修繕)の負担も考えなければいけません。
まとめ
マンション購入にはメリットも多いですが、デメリットもしっかり考えることが大切です。
物件の維持費や立地、住人の状況をよく確認し、納得できる物件を選びましょう。
万が一、住んでみて「失敗した」と感じても、住み替えや売却、賃貸に出す方法があります。
事前にしっかり準備しておけば、後悔しない選択ができるはずです。
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