家の売却を検討するとき、まず気になるのは「この家はいくらの価値があって、いくらで売れるのか」という点ではないでしょうか。家の金額は不動産会社による調査で金額が決まり、その調査を査定といいます。
今回は、家の査定に関した一連の流れ、3つの査定方法、査定時に何をチェックされているのか、査定前にしておく準備などを解説します。本記事で査定についての理解を深め家の査定についての全体像がつかめれば、安心して家の査定をスタートできます。
家の売却について基礎から詳しく知りたい方は『家を売る方法』もご覧ください。
1.【6STEP】家を査定する流れ
本章では、家の査定を依頼してから実際に査定が完了するまでの流れを説明します。
1-1.【STEP1】不動産会社の選定:査定を依頼する不動産会社を選ぶ
査定を依頼する不動産会社を選びます。査定依頼先は、一つ一つ探すよりも、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」などの不動産査定の一括申し込みができるサイトを利用するのがおすすめです。
「不動産売却 HOME4U」などの一括査定サービスを利用したプラン請求では、複数の不動産会社に同時に査定の申し込みができます。最初から一つの会社に絞って査定依頼をお願いするのではなく、複数の不動産会社に並行して申し込みをすることで、査定額を比較することができます。
なお、不動産会社への査定依頼、および査定は無料です。
不動産会社へ費用発生するのは、契約した会社を通して売却が成立したときです。
詳しくは、『無料の家査定はどこに依頼するの?知っておきたい注意点と成功のポイント』
1-2.【STEP2】査定依頼:「机上査定」と「訪問査定」
上記の一括査定サービスなどを使い、不動産会社に査定の依頼をします。
家の査定方法は2つあります。ネット上のデータをもとに似たような物件の金額などから査定額を割り出す「机上査定」と、実際の現場まで来て現物を見て判断をする「訪問査定」です。
より正確に、家の価値を査定してもらえるのは訪問査定になります。通常は、机上査定の結果を比較したうえで訪問査定を依頼します。訪問査定では不動産会社に売却予定の家まで来てもらって、調査と査定をしてもらいます。
売却が確定しており、早く査定結果が知りたいときは、最初から訪問査定を依頼しましょう。
1-3.【STEP3】訪問査定のアポ取り:査定の日時を決める
訪問査定に来てもらう不動産会社の候補をピックアップしたら、日程を決めます。調査にかかる時間は2時間程度です。日照条件などの確認がありますので、陽のある時間帯にします。
査定は敷地内に立ち入るため、売主は当日の立ち合いを求められます。空き家など、現状では使用していない家でも基本的には立ち合いをお願いされますので、売却予定の家が離れた場所にあるときは、ご自身のスケジュール調整も必要です。
1-4.【STEP4】事前準備
訪問査定では家屋の中に入っての調査があります。その際、家の状況や状態について質問されますので、わかる範囲で回答する必要があります。また売主側からも質問したい事項があれば、事前にまとめておきましょう。
その他、訪問査定当日に必要な書類もあります。査定前に準備をしておきたい書類は以下のとおりです。準備しなくても査定は可能ですが、資料があるほうが査定結果の精度が上がります。不動産会社の担当者に事前に確認するようにしましょう。詳細は4章の「家の査定前に自分で行っておきたい4つの準備」で解説しています。
1-5.【STEP5】現地調査
不動産会社の営業担当者が現地を訪問し、物件を調査します。調査をする部分は主に以下のような項目です。
- 築年数
- 専有面積
- エリアと交通の便
- 立地条件
- 間取り
- 日当たり など
各詳細は3章の「家の査定でチェックされている5つのポイント」で解説をしています。
1-6.【STEP6】調査結果の報告
3~7日で現地調査の結果がメールまたは郵送で届きます。
査定の基準は不動産会社によって少しずつ違いますので、複数の不動産会社に査定を依頼した場合、すべてが同じ価格帯にはなりません。査定額を見比べて気になることがあれば、なぜこの金額になったかを必ず担当者に確認しましょう。説明に納得がいかないようでしたら、契約候補から外すことも検討します。
以上、査定の流れでした。おおよその売却額が分かり、売却することに決めたら、任意の不動産会社と媒介契約を結んで売却活動を開始します。ただし、査定をしたら必ず売却をしなければならないわけではありませんので、売却以外の不動産の活用方法を検討する場合は、その旨を伝えていったん保留にできます。
査定基準は不動産会社によって少しずつ違いがあり、同じ物件を調査しても、一律に同じ査定額が出てくるわけではありません。そのため家の査定をする場合は、必ず複数の不動産会社での査定をおすすめします。査定の際には、不動産会社ひとつひとつをご自分で探すよりも、信頼と実績のある不動産会社への一括査定依頼ができる「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」をご利用ください。
「不動産売却 HOME4U」はNTTデータグループが運営する老舗の不動産一括査定依頼サイトです。売却をご検討の不動産があるエリアと間取りなどのかんたんな質問に答えるだけで、大企業から地元の有力企業までを含めた全国2,300社もの提携企業の中から、ピッタリの不動産会社を最大6社までに絞ってご提案します。
ご希望の会社にだけチェックを入れていただければ、それ以外の会社からの連絡などは一切ありませんので、とても安心してお使いいただけます。家の査定をする場合には、ぜひ、「不動産売却 HOME4U」をご利用ください。
2.家の査定方法3つとそれぞれの注意点
家の査定方法には、以下の3つの方法があります。それぞれ、メリットとデメリットがあります。ここでは各方法について解説します。
査定方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
不動産一括査定サイト | 複数の不動産会社に一度に査定申し込みができる | ある程度の個人情報を渡すことになる |
不動産会社HPにある査定ツール | その会社にのみ査定依頼ができるので、ほかの会社に個人情報がいかない | 複数社の査定を比較するためには手間ヒマがかかる。 |
匿名AIサイト | 匿名のままで査定ができる | 査定結果の根拠がわからない |
2-1.不動産一括査定サイトを利用する
インターネットを使って複数の不動産会社に査定を同時申し込みする方法です。現地調査による精度の高い査定額と、数社比較による適正価格が知りたい方は、この方法が向いています。
・メリット
複数の不動産会社に同時申し込みができるので、不動産会社を探す手間などが省けてとても便利です。全国規模で運営しているサイトが多いため、遠くにある不動産でも査定依頼ができます。多くの場合、サイト上で机上調査と現地調査を選ぶことができます。
・デメリット
サイトから査定依頼をするときに、最低でも氏名と連絡先(電話とメールアドレス)、査定をする不動産があるエリアを入力する必要があるため、最終的に申し込みをしなかった場合でも、ある程度の個人情報を手渡すことになります。匿名での申し込みはできません。
2-2.不動産会社HPにある査定ツールを利用する
〇〇不動産など、自分が知っている不動産会社のホームページにある不動産査定ツールを使って、査定額を知る方法です。過去に取引があった信頼のできる不動産会社とのお付き合いがある場合や、その会社での個別の査定額を知りたい場合に向いている方法です。
・メリット
その会社にのみ個人情報を渡すので他への情報漏洩がありません。現地調査に来てもらえば、より正確な査定ができます。
・デメリット
査定額の比較ができません。また、ほかの会社にも査定を依頼する場合、自分で一から他社を検索して査定申し込みをするなどの手間と時間がかかります。
2-3.匿名AIサイトを利用する
匿名で申し込みをして不動産データ上の平均値で査定額を把握する方法です。机上査定のみで、訪問査定(現地調査)はありません。匿名のAIで査定をするサイトは、
- ざっくりとした売却価格だけを知っておきたい
- 急いでおおよその価格だけ把握したい
- 将来の売却のための資料として知っておきたい
など、まだ売却をするかどうかを決めていない方に向いています。
・メリット
匿名で申し込みができるので、個人情報管理の点で安全です。不動産会社と接触する必要がないため、売却予定の不動産の場所や建造物の特定などもされません。また、入力してすぐに売却価格が反映されるため、今すぐだいたいの価格を知りたい場合にも便利です。
・デメリット
現地調査がないので、実物を見ないとわからない部分の査定が反映されません。そのため、出てきた査定額は実際の売却額とは異なる可能性があります。
また、匿名AIによる査定価格は、ビッグデータと呼ばれるマス情報をもとにAIが値を返してきているだけですので、各匿名サイトが使用しているデータ元によって算出基準がバラバラであり、さらにその査定額の根拠も確認できません。実際に売却をするときには、不動産会社の現地調査を依頼する必要があります。
一括査定サービスを利用して不動産会社を選ぶときに大切なのは以下の3つです。売却を依頼する不動産会社選びの参考にしてください。
- ・査定根拠がしっかりしていること
- 査定額の根拠を説明できる不動産会社を選びましょう。査定の中には、お客様との契約を取り付けたいがために、一般よりも高い査定額を出してくるところもあります。売主にとっては魅力的な情報ですが、契約する前には必ず「どうしてこの値段なのか」を聞き、納得のいく説明ができる会社と契約しましょう。
- ・類似物件の売買実績があること
-
これから売り出そうとしている不動産物件と似たような物件を、この数年で取り扱ったかどうかを確認しましょう。どこの不動産会社にも得手不得手があります。戸建てを売るなら戸建て、マンションを売るならマンションが得意な会社を選びましょう。
類似物件の実績などは、各不動産会社ホームページの「実績」ページに記載があります。このようなページがない会社は候補からは外しましょう。
- ・担当者の営業能力が高いこと
-
不動産売却の担当者の営業能力はとても大切です。有能な担当者であれば、適切な販促活動や自社のお客様リストの中からの照合など、早期・適正価格の売却に必要な仕事をしてくれます。
特に、売りにくい物件(古い、不便な場所にあるなど)の場合、売主が売却に対して不安に思っていることを、具体的にどう解決してくれるのかを聞いてみましょう。その回答に不安を覚えたら、担当者を変更するか、不動産会社を契約候補から外すことも検討しましょう。
3.家の査定でチェックされる5つのポイント
本章では、家の査定でチェックされている5つのポイントについて解説します。
- 築年数
- 専有面積
- エリアと立地条件
- 間取り
- 採光と換気
3-1.築年数
築年数が古いほど査定額は低くなるのが一般的です。
古さの基準は国によって定められている「耐用年数」があります。住宅の場合は以下のとおり定められています。
- 木造の住宅22年
- 鉄筋コンクリートなどのマンション 47年
【参照:国税庁 耐用年数 建物】
上記の年数を超えてしまうと自動的に家屋の「資産的な価値」がなくなります。たとえば、木造の住宅は22年以上経過すると、建物の価値はゼロ円となりますので、査定額もゼロ円になります。実際の22~23年目の建物は、まだまだ普通に住める状態の家であることが多いですが、不動産の査定額には反映しなくなるという意味です。価値の目減り加減の目安として、耐用年数の半分の期間が過ぎると、家屋の査定額も半額ほどになります。
ただし、耐用年数の適用は上物(建物)に対してだけですので、土地は評価額などを参考に不動産会社ごとに独自査定されます。
3-2.専有面積
家の広さのことです。一般的に、面積が広ければ広いほど、査定額も高くなる傾向があります。一戸建てでは床面積と書かれていることもあります。
3-3.交通の便や立地条件
駅からの距離や、利用できる交通機関などの便利さが査定額に反映します。査定内容は、購入や賃貸の入居者が希望する好条件とほぼ一致しています。
- 駅からの徒歩所要時間
- エリア
- 最寄り駅
- 主要都市までの所要時間
- 公共交通機関の利便性
- 近隣商業施設やその他施設の充実度
- 近隣の保育園・幼稚園・学校・病院などの充実度
- 家の接面道路幅など
- (マンションの場合)階数など
- ・駅からの徒歩所要時間
-
物件まで駅から歩いてかかる時間です。利便性のある15分以内までが理想的です。
- ・エリア
-
繁華街・住宅街など購入希望者の好みによりますが、そのエリアらしさがあることが重要です。たとえば住宅街であれば、「静かである」「子供やシニア世代に利便性の高い施設などがたくさんある」「緑が多い」などの条件がそろっていることが理想です。
- ・最寄り駅
-
〇〇線△△駅などの路線名と駅名です。駅名がメジャーであれば、査定額も高くなります。
- ・主要都市までの所要時間
-
住んでいる場所から、東京駅・新宿駅・渋谷駅などの主要ターミナル駅(複数線の乗り入れ駅)に行くのにかかる時間です。駅から駅までの時間と、自宅からターミナル駅までの時間の両方が考慮されます。
- ・公共交通機関の利便性
-
電車やバスなどの公共交通機関が合計で何本使えるか、という視点からの利便性が査定に反映します。例えば、どこの駅からでも徒歩25分以上かかったとしても、JRA線、私鉄B線、地下鉄C線、路線バスDなどで合計4ラインが使えれば、かなり利便性は高いといえます。
- ・近隣商業施設やその他施設の充実度
-
コンビニエンスストア、スーパー、ドラッグストアがあるなど、生活面での便利さです。近隣に大型施設がなくても、商店街が活発であるなど、生活面での便利さがあれば問題ありません。また、公園・図書館・公民館などの文化施設が充実しているかも考慮されます。
- ・近隣の保育園・幼稚園・学校・病院などの充実度
-
とくにシニア世代と子供がいる世帯に対して、安全な場所かどうかが査定額に反映します。近隣から駅前までに小さな子供を預けられる場所が十分にあるか、子供の通学路として安全か、シニアが歩きやすい地形や区域かなどが考慮されます。
また、近隣に病院・歯科・デイケアセンターなどの福祉施設がそろっているなど、健康面での施設の充実度も考慮されます。
- ・家の接面道路幅など
-
家の前の道路幅や、交通量などを考慮されます。一般的に道路幅が狭いほど、査定額は低くなります。一軒家の場合は土地そのものの形、マンションの場合は共有部分の管理状態なども査定額に反映します。
家の接面道路幅が広くても、交通量の多い大通りに面している場合は、騒音やほこりなどが原因で、少し査定額が下がる可能性があります。
- ・(マンションの場合)階数など
-
マンションの場合は、景観の良い高層階のほうがより高く査定されます。一軒家の場合は、どの方角でも開けた視界があるほうが好条件となります。
3-4.間取り
家の中に余計な柱や凸凹、不要な段差がないかなど、表記された専有面積(床面積)どおりの広さで使えるかどうかを考慮します。また、使いやすい汎用性の高い間取りであるかどうかも査定対象になります。そのほか、水回りの状態の良し悪しも反映されます。
3-5.採光や通気性
日当たりのよさと風通しのよさです。適切に窓の設置があり、日当たりが良く、換気が十分にできる家かどうかを見ています。
日本では南向きが最上とされるため、南>東>西>北の順番で、査定に良い方角となります。家やマンション全体がどの方向に向いているかと、最も大きな採光をしている部分で判断します。
マンションの場合は、建物全体の中のどの位置にあるかも考慮されます。一軒家はシロアリや雨漏りの可能性などがマイナス考慮されます。
家の査定についてより詳しくは『戸建て売却の流れ・査定のコツを知って高く売却しよう』や『住宅査定では何を見られているの?』をご覧ください。
4.家の査定前に自分で行っておきたい4つの準備
本章では、家の査定を不動産会社へ依頼する前に、売主が自分で行っておくべき4つの準備について説明します。
- 家の相場を自分でも調べる
- 査定する家の長所をリストアップしておく
- 査定に必要な書類を揃える
- 住宅ローンの残高を調べる
4-1.【準備1】家の相場を自分でも調べる
査定してもらうのとは別に、自分でも値段を調べて相場をつかんでおきましょう。かんたんな相場の調べ方は3つありますので、それぞれの値段を調べていくと、おおよその相場の検討がついてきます。
(1)土地総合情報システムを使う
土地総合情報システムは、国土交通省が運営する、不動産の取引価格・地価公示・都道府県地価調査価格が検索できるサイトです。
不動産取引の当事者に行ったアンケートをもとに集計された結果で、家の方角や間取り、土地の形状、私道の有無などかなり詳しい情報がわかります。こちらも、売却予定の不動産物件と類似した情報をもとに、現実の値段近い査定額が想定できます。
(2)レインズマーケットインフォメーションを使う
レインズマーケットインフォメーションは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する不動産ネットワークの一つで、一般の方も閲覧できます。全国で実際に売買が行われたときの物件価格(成約した値段)等の取引情報が確認できます。
市区町村名または駅名まで指定ができ、間取りや築年数などの情報が確認できます。成約価格ベースですので、売却予定の不動産物件と類似のものを比較すれば、かなり現実に近い値段がわかります。
4-2.【準備2】査定する家の長所をリストアップしておく
これから売却する不動産の長所を客観的にとらえてリストアップしておきます。不動産会社などのネットデータだけでは得ることができない、住んでいる人にしかわからない部分を書き出しましょう。たとえば、以下のような項目があります。
- 夜になるととても静かで、過ごしやすい
- とても安全な地域で、怖い目にあったことが一度もない
- 大型スーパー以外にも徒歩圏内に小さな商店街があり、生活がとても便利
- 近隣住人の人柄と生活態度が良い
- 窓を開けると涼しく、夏はエアコンが不要な日が多く省エネになる
- 日当たりが良いので、洗濯物がとてもよく乾く。冬も暖かい
このような、実際にそこで生活している人たちにしかわからない、そこに住んで得られるメリットをリストアップしてください。内容によっては、不動産会社の担当者が査定の要素に使う可能性があります。
売却活動が始まると不動産会社の担当者が、「その家の長所」として問い合わせの際に説明に利用することもあり得ます。物件のよい部分が具体化していることで、「購入希望者が早く見つかる」「大幅な値引き交渉などをしなくても話が進む」などの可能性が高くなります。
4-3.【準備3】査定に必要な書類を揃える
主に売却をするときに必要になる書類です。訪問査定のときにあると、査定の精度を高くするために役立ちます。手元でそろえられるものは、以下の中から一部だけでも準備しておきましょう。
身分証明書以外は滅多に使わないものなので、家の大事なものをしまう場所などに保管してあるケースが多いので探してみてください。これらの書類はバラバラの状態で一か所に保管されているか、一冊の冊子状になっていることもあります。相続などで引き継ぐ不動産の場合、これらの重要書類が銀行の貸金庫や、自宅の金庫に入っていることもあります。
なお、机上査定や匿名査定をする場合にはすべて不要です。
必要な書類など | 目的 | 現地調査時での必要度 |
---|---|---|
売主の身分証明書 | 現地査定時に本人確認で必要 | ☆☆☆ |
測量図 | 土地価格算出などに必要 | ☆☆ |
登記簿謄本 | 権利情報や面積が記載されている | ☆☆ |
重要事項説明書 | 不動産に関した特記事項などの記載確認 | ☆☆ |
物件の図面・設備の仕様書 | 物件の見取り図や設備の詳細確認 | ☆☆ |
維持費がわかるもの | 不動産の維持費や積立金などの確認 | ☆☆ |
マンションの管理規約 使用細則 | 管理組合のルールなどを確認 | ☆ |
売買契約書 | 購入時の金額などがわかる | ☆ |
4-3-1.売主の身分証明書
現地査定の際、売主本人の身分証明書の提示をお願いされることがあります。保険証、運転免許証、パスポートなどを準備しておきます。
4-3-2.測量図
査定をする不動産の、土地の形状と面積がわかる図面のことです。古い家で手元に測量図がなく、周辺との境界線がはっきりしない場合には、土地の正確な総面積がわからないため、正確な査定額を確定できません。思い当たるところを探しても測量図が見つからない場合は、現地調査前に不動産会社にその旨を伝えておきましょう。
現地調査をお願いする不動産会社に、不動産鑑定士や建築士の免許があるスタッフがいる場合は、当日にメジャーを使って簡単な測量はしてもらえます。
しかしこの数字は公式なものではありませんので、売却開始までには測量図を探しておきます。もし、測量図がなかった場合は、新規に測量士に依頼して作成する必要があります。その場合は、別途、測量費がかかります。
4-3-3. 登記簿謄本
査定する不動産の権利情報や面積などが書いてあります。不動産の詳細情報がわかるため、査定時にあったほうが、より正確な査定ができます。手元にない場合は法務局で取得できますが、不動産会社の担当者に代理でとってきてもらうこともできます。
4-3-4. 重要事項説明書
売却予定の不動産に関する、重要事項説明が記載されています。特に、※や欄外などに、その不動産に関する特記事項が書いてあることがあり、査定の参考になることがあります。
4-3-5. 物件の図面 、設備の仕様書
査定額の算出には直接関係ありませんが、図面があるほうが、不動産会社の方たちがわかりやすいでしょう。また、販売活動時に使う図面が正確で情報が伝わりやすくなります。
設備の仕様書には家の設備一式とその使用方法、保証期間、メンテナンス情報などが記載されています。
4-3-6. 維持費が分かる書類など
家の維持に必要な費用がわかる書類や領収書などがあれば、まとめておきます。一軒家であれば例えば、雨どいの修理、庭木の手入れ、屋根の取り換え、壁などのペンキ塗り替えなどに使った領収証などです。マンションの場合は、修繕積立金などがわかる書類を用意しておきます。
4-3-7.マンションの管理規約・使用細則
マンションの場合は、入居時に管理組合からの規約や共用部分の使用方法に関する細かいルールが手渡されています。見つからない場合は、管理組合でコピーをしてもらうことができます。
4-3-8.売買契約書
査定をする不動産を購入した当時の売買契約書のことです。当時の購入価格と、購入当時の不動産情報などの記載があります。査定価格の参考にすることもあります。
4-4.【準備4】住宅ローンの残高を調べる
売却予定の不動産にローンがある場合は、残債を調べておきます。ローン残債が多い場合は、金融機関から売却許可が下りないケースもありますので、必ず確認しておきましょう。ローン残高は、ローンを組んでいる金融機関から定期的に送られてくるローン残高証明書や、銀行のネット通帳画面などから確認できます。
家の査定から売却までには売主と不動産会社のパートナーシップがとても大事です。不動産会社に少しでも家を高く査定してもらい、その査定額を極力下げないために大切なことを、3つのキーワードにまとめました。
- いつまでに(WHEN)売りたいか
- いくらで(HOW MUCH)売りたいか
- どんなふうに(HOW)売りたいか
(1)いつまでに(WHEN)
不動産には1年のうちで「売りやすい時期」と「売りにくい時期」が存在します。転勤や転校などが重なる住み替えや引っ越しを検討するタイミングは1~3月ごろと9月~11月ごろに集中しますので狙い目です。それ以外の時期の不動産市場は、あまり忙しくない時期といえます。
また、近隣で大規模な開発予定などがある場合も、その地域の不動産市場が活気づくので売りやすくなります。
不動産の売却活動が始まってから売却完了して引き渡しをするまでには、おおよそ3か月、長いと6か月近くかかることもあります。「いつまでに売ってほしい」という要望はかなりはっきりと伝える必要があります。査定を開始したタイミングが「不動産がよく動く時期」と重なれば、非常にスムーズな売却が期待できます。
不動産会社も「いつまで」の期日設定のある・なしによって、販促準備を即・始めるのか、1~2か月ほど購入候補者にあたりをつける営業活動をする猶予があるのかなど、営業計画や売り上げ目標設定、キャンペーンの取入れ方法なども変わってきます。上記の「売りやすい時期」と重なるほうが、査定額は下がらないケースが多いため、「いつまでに」はとても大切です。
(2)いくらで(HOW MUCH)
いくらで売りたいのかも、不動産会社に伝える必要があります。この場合の「いくら」とは、
・最低価格
・希望価格
の両方です。最低価格はローン残債と諸経費などがまかなえる金額、希望価格は売主の希望(理想)をそのまま伝えます。
特に最低金額はかなり明確にしないと、購入希望者から値引き交渉をされた場合の線引きがあいまいになります。売主側に「絶対にこの金額以下では売れない!」という線引きが初めからはっきりしていれば、値引きされることを前提とした価格設定で不動産担当者が前向きな商談に挑め、最終的には最も少ない値引き額で決めることも可能です。
(3)どんなふうに(HOW)
売り方に対しての要望も、不動産会社に伝えましょう。
・周囲の人に家を売りに出していることを知られたくない
・修理などは一切せずに、現状渡しで買ってくれる方だけにしたい
・会社に知られたくないので、普段はメールだけのやり取りにしたい
など、売主の背景に応じた売却方法の希望を伝えます。近隣とのトラブルがある、離婚などがあり目立たずに売却をして引っ越しをしたいなど、諸事情を説明して適切な売り方をしてもらうことができます。
買主にデメリットがない場合は、とくに査定額が大きく下がるようなこともありませんので、安心して要望を伝えましょう。
また、いったん決まった査定額を後で大きく下げないためには、最初から物件の瑕疵やデメリットを不動産会社に包み隠さずに伝えましょう。たとえば、
- ・物理的なもの
-
雨漏りがある・害虫害獣やシロアリの可能性・地面に何かが埋まっている可能性・一部に家の傾斜があるなどの物理的な問題がある場合
- ・精神的なもの
-
近隣にごみ屋敷がある・夜中に爆音で音楽を鳴らす人がいる・近所で殺人事件があったなどの、精神的にネガティブになる要素がある場合
- ・環境的なもの
-
悪臭がする・工事の騒音がすごい・水害があった・ハザードマップの危険区域であるなど、環境が原因で生活にダメージが起きる可能性があるもの
- ・法的なもの
-
何かしらの法的な規制により、その家で普通の暮らし方に制約がつく場合
など、その不動産を購入する方にとってのデメリットになる可能性があることを、知っている限り不動産会社に伝えます。その内容が実際に査定額を下げる要因になるかどうかは、法律に照らし合わせて不動産会社が決定をしますので、売主側で判断せずに話しましょう。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、家の査定について解説しました。
家の査定には机上調査と訪問査定という2通りの方法があり、実物を見てもらう訪問査定をしてもらうほうが、より精度の高い査定額が出ることがお分かりいただけたと思います。
また、訪問査定で出た査定額には、不動産会社ごとにその金額になった明確な根拠があるはずです。内容を聞いて納得のいく会社と媒介契約をするのが、より良い結果につながります。その中でも最も大切なのは、査定の際には1社に絞らず、必ず複数の不動産会社に査定を申し込んで、複数の調査結果を得ることです。
NTTデータグループが運営する老舗の一括査定依頼サービス「不動産売却 HOME4U」は、NTTデータグループの厳しい基準をクリアした、信頼と実績のある不動産会社のみが登録されています。査定をする不動産のエリアなどのいくつかの質問に答えるだけで、全国2,300社の不動産会社の中から、厳選6社までに絞って適切な会社を提案します。候補6社の中から、売主様がご自身でチェックした会社以外からの連絡は一切ありませんので、一般サイトのようにしつこい営業電話や大量のメールに悩まされることもなく安心です。
ぜひ、「不動産売却 HOME4U」で、家の査定をスタートしてみてくださいね。