RC造とは?他の構造との違いをメリット・デメリットから比較

建物を支える骨組みである建築構造には「W造」「S造」「RC造」「SRC造」などがあります。

この記事では、その中の一つ「RC造(鉄筋コンクリート造)」の特徴やメリット、デメリットなどを解説します。
新しい住居の取得や住み替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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1.RC造とは?ほかの建物構造と何が違う?

RC造とは、建物構造(建物を支える骨組み)の一つです。

まずは、「RC造とはどのような建築構造なのか」「ほかの建築構造にはどのようなものがあるのか」を解説していきます。

1-1.鉄筋コンクリートでできた構造のこと

RC造とは「鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete)」の略称です。
コンクリートと鉄筋を組み合わせた工法で、鉄筋を芯に、周りをコンクリートで固めて作られます。

鉄筋には「引っ張る力には強いが、熱に弱い」特徴があり、コンクリートは「熱と圧縮に強いが、引っ張る力には弱い」特徴があります。
鉄筋とコンクリートそれぞれが弱点を補い合うため、RC造の建物は高い強度と耐久性を誇ります。

そのためRC造は、高層ビルやタワーマンションなどの建設でも用いられています。

1-2.ほかの建物構造との違い

建築構造には、RC造以外に「W造」「S造」「SRC造」などがあります。
RC造を深く理解するためにも、それぞれの建物構造がどのようなものか、確認していましょう。

建物構造の違い

W造(木造)

W造(Wood)とは木造のことで、建物の主な構造部分に木材を使用した建築構造です。

低層の建物で用いられることが多く、加工しやすく建築コストを抑えやすいメリットがあり、他の建物構造で作られた住宅よりも安く販売されます。
また、木材は熱伝導率の低いため断熱性が高く、「夏は涼しく冬は暖かい」空間を保ちやすい特性があります。

一方で、W造は遮音性と気密性が低いというデメリットがあります。
「隣の家の生活音が気になる」「冷暖房の効率が悪い」という状況が起こりやすいと言えます。

また、耐火性が低いため火事を心配される方が多くいます。
確かに熱に弱い材質ではありますが、鉄よりも倒壊しにくいなど、耐久性の高さが示された研究結果もあります。

S造(鉄骨造)

S造(Steel)とは鉄骨造のことで、建物の主な構造部分に鉄骨を用いている構造です。なお、以下のように鉄骨の厚さに応じて「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の2種類に分けられます。

・軽量鉄骨造:鉄骨の厚さが6ミリメートル未満
・重量鉄骨造:鉄骨の厚さが6ミリメートル以上

S造は自重が軽く強度が強いため、大きな建築物を建築する際に適しています。
耐震性にも優れているため、地震への備えに関してはW造よりもS造のほうが安心できるでしょう。

一方で、RC造やSRC造よりも密度が低いため遮音性で劣ります。

また、土地の状態によってはS造の建築構造を採用する際に地盤補強を行う必要があります。
土地の地盤が軟弱な場合、地盤補強が必要になるため、コストが発生します。

RC造(鉄筋コンクリート造)

RC造(Reinforced Concrete)とは鉄筋コンクリート造のことで、鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造です。

鉄筋とコンクリートそれぞれが短所を補い合う設計で、耐震性・耐火性・遮音性全てに優れ、安心かつ快適な住環境を作りやすい建築構造です。

ただし、RC造はW造やS造よりも建築コストがかかります。
工期も比較的長いため、完成までの早さはW造やS造に劣ります。

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

SRC造(Steel Reinforced Concrete Construction)とは鉄骨鉄筋コンクリート造のことで、鉄骨と鉄筋、コンクリートが合わさった構造です。
鉄筋コンクリートの芯部に鉄骨を組み込んで作られ、RC造にある耐震性や耐火性と、鉄骨のしなやかさを併せ持った特徴があります。

建築構造の中で耐震性・耐火性、強度がともに最も優れているため、タワーマンションをはじめとした大規模な建築物を建築する際にはSRC造を用いるのが一般的です。

材料が多く工程も多くなるため、建築費が高くなり建築期間も長くなります。

2.RC造のメリット(他の構造との比較)

RC造の建築物は、耐久性・耐震性が優れており遮音性も高いなどのメリットがあります。
以下では、それぞれのメリットについて詳しく紹介いたします。

2-1.耐久性・耐震性が高い

RC造は耐久性・耐震性が高いメリットがあります。
鉄筋は引っぱる力に強く、コンクリートは圧縮に強い特徴があり、それぞれ材料を組み合わせることで互いの弱点を補完し、強度が向上するためです。

地震をはじめとした災害に強いため、建物が倒壊するリスクが低い点はRC造のメリットです。
また、RC造は建物全体の剛性(変形しにくさ)が高いため、強風による揺れも軽減できます。

建築構造による耐久性・耐震性の高さ(目安)

SRC造>RC造>S造>W造

2-2.耐火性が高い

RC造は、不燃材料であるコンクリートが鉄筋を覆う構造となっています。
耐火性が高く、周囲で火災が起きても延焼しにくいメリットがあります。

また万が一火災が発生しても、高温により鉄筋の強度が急激に低下する事態を防ぐことができ、高い安全性を誇っています。

建築構造による防火性の高さ(目安)

SRC造>RC造>S造>W造

2-3.遮音性が高い

RC造に用いられるコンクリートは気密性が高く建物内部に生じる空隙が少なくなる特徴があり、遮音性の高さにも貢献しています。

音に敏感で隣家の生活音がストレスになるといった不安をお持ちの方は、RC造の建築物に住むことでストレス軽減も期待できます。

建築構造による遮音性の高さ(目安)

SRC造>RC造>S造>W造

3.RC造のデメリット(他の構造とも比較)

RC造にはさまざまなメリットがある一方で、知っておくべきデメリットも存在します。

以下で、RC造のデメリットや知っておくべき注意点を解説します。

3-1.建築費用・解体費用が高い

RC造の建築物は、W造やS造よりも材料の種類や工事の工数が増える関係で、建設コストが高くなりやすいデメリットがあります。
また丈夫な構造ほど、解体にかかる費用も高くなるため、RC造はSRC造に次いで解体費用の高い造りでもあります。

加えて、RC造の建築物は解体費用が高くなりやすいデメリットもあります。

耐久性が高い構造のため、解体に多大な労力と時間がかかることに加えて、解体時に発生する大量のコンクリート廃材の処理費用が発生するためです。

建築構造によるコストの高さ(目安)

W造>S造>RC造>SRC造

3-2.重量が重く強固な地盤が必要

RC造の建築物は鉄筋コンクリートによる重量がある関係で、強固な地盤が必要となります。

地盤が弱い土地にRC造の建築物を建てると、地盤が重量に耐え切れず建物の傾きや倒壊を起こすリスクがあるため、適宜、地盤の補強工事が必要になります。

補強工事には別途費用が発生し、全体の工事期間も長期化してしまいます。

建築構造による重量の大きさ(目安)

SRC造> RC造> S造> W造

3-3.結露やカビが発生しやすい

RC造の建物は、気密性の高さと、コンクリートの吸湿性により、結露やカビが発生しやすくなります。
冬場の結露や、梅雨の高湿度によるカビの発生には十分注意が必要です。

一方で、2003年以降の換気システム設置の義務化により、ある程度の通気性が確保されるようになりました。
建物の全体の設計ももちろん重要で、RC造でも通気性が高くなれば、結露やカビは発生しにくくなります。

建築構造による防結露・防カビ性の高さ(目安)

SRC造>W造=S造=RC造

3-4.外気温の影響を受けやすい

RC造の建築物は、外気温の影響を受けやすい特徴があります。
コンクリートは熱伝導率と熱容量(蓄熱性)が高いため、材質だけの単純な比較では断熱性が低い(外気温の影響を受けやすい)と言えます。

建築構造による外気温の影響の受けやすさ(目安)

S造>RC造>SRC造> W造

ただし、材質だけ見れば上記のように言えますが、実際の住宅では断熱材の使用など、外気温への対策が施されています。
気密性の高いRC造では冷暖房の効率もいいため、外気温の影響を抑えることで、より快適な住環境を作りやすいとも言えます。

完成した住宅となれば様々な工夫が施されていますので、これまでに解説した各メリット、デメリットにおいても、必ずしもその通りとは言えません。

まとめ

RC造の建築物は鉄筋とコンクリートを組み合わせており、高い耐久性や耐震性、耐火性を誇っている点が特徴です。
W造やS造よりも安全性能が優れている点は、RC造の最大のメリットといえるでしょう。

しかし、RC造には建築費用・解体費用が高くなりやすかったり、結露やカビが発生しやすかったりするなど、デメリットもあります。

自分にとって最適な住環境を実現するためにも、各建築構造と比較したときにおけるRC造のメリットやデメリットを把握しておきましょう。

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