【2024年版】中古マンション価格の推移と今後の予測

【2022年最新】中古マンション価格の推移と今後の予測

マンションの売却を成功させるには、過去の価格推移がどのように変化してきたのかを正しく把握しておく必要があります。また、価格に影響を与える要因についても押さえておくことが肝心です。

更に、今後の流れがどうなるかを図るべく、現在から今後にかけての動向を理解しておけば、売却のタイミングを判断するのに役立つでしょう。

この記事では、2024年5月現在の最新の情報から、中古マンションの価格推移と今後の予測を解説します。

新築マンションも含めたマンションの価格推移や動向については『 【2024年】マンションはいつまで高騰する?今後の見通しと売買のポイント 』をご覧ください。

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1.過去15年の中古マンション価格の推移

1.過去15年の中古マンション価格の推移
不動産の価格推移については、過去から現在まで時系列を追って丁寧に見ていく必要があります。「将来的な中古マンション価格がどうなるのか」をなるべく正しく推測する事前準備 として、過去のデータを解説します。

まずは東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリー」のデータをもとに独自に算出した、東京都における過去15年間の中古マンション価格の推移を見ていきましょう。

取引時期 平均取引価格
2010年 3,089万円
2011年 2,938万円
2012年 2,826万円
2013年 2,893万円
2014年 3,042万円
2015年 3,255万円
2016年 3,350万円
2017年 3,364万円
2018年 3,434万円
2019年 3,568万円
2020年 3,698万円
2021年 4,893万円
2022年 5,466万円
2023年 5,684万円
2024年 6,259万円

出典:レインズデータライブラリー|東日本不動産流通機構(参照2024-5-22)

直近の15年間を振り返ると、東京都の中古マンション価格は高騰していることが分かります。
2024年には6,259万円と、2010年の3,089万円から価格が2倍以上も上がりました。

過去15年を振り返ると、大きく2つの要因によって中古マンション価格が推移していることがわかります。

過去15年の中古マンション価格推移の要因

  • リーマンショック以降しばらくは落ち込む
  • アベノミクスで価格が急上昇

それぞれ見ていきましょう。

1-2.リーマンショック以降しばらくは落ち込む

2008年のリーマンショックが引き金となり、不動産価格は一時的に下落の流れを見せました。
世界中に不況の波が訪れる中、日本国内の不動産市場も大きな影響を受けています。不動産の購入者が少なくなり、価格も大きく落ち込みました。

例えば、国土交通省が提供している「不動産情報ライブラリ」で「2008年第3四半期〜第4四半期」のみの平均取引価格を算出すると、結果は2,804万円となりました。
同年全体の平均額と比べて100万円以上も下落しているのは、リーマンショックの影響によるもの と考えられます。

中古マンション市場は2010年以降価格が急落し、以降2013年頃までは低い水準が保たれていくこととなります。

1-2.アベノミクスで価格が急上昇

リーマンショックによって落ち込んでいた不動産市場にも、2013年からスタートしたアベノミクスや、日銀による金融緩和政策によって、徐々に復調の兆しが生まれました。
じっさい、マンションの取引価格も2019年まで着実に上昇。ピークとなる2019年には新築マンションの平均価格が日本経済史上バブルに次ぐ2番目の水準まで高騰し、それに伴って中古マンションの価格も順調に向上を続けます。

不動産全般の価格推移や動向については『 不動産売却に最適な時期ってあるの?売り時を判断するポイントとは 』をご覧ください。

2.中古マンションの価格推移に影響を与える要因

2.中古マンションの価格推移に影響を与える要因
不動産の価格は単一の要因で変動するものではなく、複数の要因が重なり合って変化していくものです。そのため、不動産売却のタイミングを考えるうえでは、「どのような要因が価格に影響を与えるのか」について、できるだけ広い視点で理解しておくことが大切 となります。

中古マンションの価格推移には、大きく分けて以下の5つの要因が影響しています。

中古マンションの価格推移に影響を与える5つの要因

  • 新築マンションの供給戸数
  • 生活様式の変化
  • 日本経済の動向
  • 地域開発
  • 国際情勢

ここでは、それぞれの要因がどのような影響を与えるのかについて見ていきましょう。

2-1.新築マンションの供給戸数

不動産には定価がなく、需要と供給のバランスによって価格が大きく変動する性質があります。

国土交通省が公表している統計データ「マンションに関する統計・データ等」によれば、日本では2010年から長らく新築マンションの供給戸数が減少しており、需要に対して供給が追い付いていない状態が続いています。

新築マンションの価格が高騰し、築浅の中古マンションにも需要が流動しています。その結果、築浅などの状態の良い物件を中心に、中古マンションの価格も上昇しているのです。

このように、新築マンションの需給バランスは、中古マンションの価格にも影響を与える 性質を持っています。

2-2.生活様式の変化

2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大によって、不動産に対するニーズにも変化が見られます。

以前は通勤や通学に便利な物件が重視されていましたが、リモートワークで仕事をする方が増えてきたことによって、業種や職種によってはオフィスに通勤する必要性が薄れているケースも見受けられます。

自宅にワークスペースを確保したいといった新たな需要も生まれ、部屋数の多さを重視する傾向が高まっているのです。

新型コロナが5類感染症に移行してからも、一定割合でリモートワークが続けられているため、リモートワークに適した間取りのマンションは需要が高い状態が続くと予測されます。

2-3.日本経済の動向

中古マンションの購入価格に関わる要因の1つに、日本経済の動向も挙げられます。中古マンションに対する需要には、金融政策も影響を与えている ものです。

例えば、金利が高くなれば住宅ローンは組みづらくなります。
しかし、すでに日銀は低金利政策を解除し、利上げに踏み切りました。
利上げの影響が強くなると、住宅ローンの変動金利は上昇します。
そうなった場合、住宅需要は減り、マンション価格も下落する可能性があります。

政策の動きによっては、不動産市場に与える影響が大きいものもあるため、日々のニュースなどを細かくチェックしておくことも重要です。

2-4.地域開発

不動産価格に大きな影響を与えるものの1つに、地域開発が挙げられます。
都市部では再開発が活発なエリアが全国的に多数見受けられますので、今後のマンション価格の上昇が見込まれている地域もあります。

再開発が行われることで大型の商業施設が建設されたり、高速道路や鉄道が整備されたりするでしょう。買い物の利便性や交通アクセスが改善することによって、人口の流入が起こることからマンションに対するニーズも高まりを見せるのです。

一方で、自然災害などが多いエリアではマンション価格が下がるところもあり、地域の特性をよく理解しておく必要があります。

2-5.国際情勢

不動産と国際情勢は一見して関係がないようにも思われますが、金融政策や国際的な不動産市場の動向は、少なからず日本経済にも影響を与えるものです。

国際情勢が緊迫化しますと、預貯金や国債、金などといった安定資産にお金が集まりやすくなる傾向にあります。そのため、金融危機が起こったり、政情が不安定化したりすると不動産市場に資金が入りづらくなり、不動産の価値が下がる可能性があるのです。

特に日本の場合は、主にアメリカの政策金利の利上げといった金融政策や、貿易摩擦などに影響を受けやすい面がありますので、海外の経済状況がどのような方向に進んでいるのかをチェックすることも大切です。

海外の動向は直接影響を与えるものもあれば、日本経済に影響を与えるまで時間がかかる場合もあり、さまざまです。冷静に1つひとつの報道を見ていくことが重要になります。

3.2024年以降の中古マンション価格の推移はどうなる?


過去の価格推移はあくまで目安であるため、今後のマンション価格については別の視点で考える必要もあります。上記の要因などを踏まえて、2024年以降の中古マンション価格には、どのようなことが影響を与えると考えられるのか、見ていきましょう。

2024年以降の中古マンション価格に与える影響要因

  • 都市部への転入者数増加
  • 日銀によるマイナス金利政策の解除
  • 新築マンション用地不足による中古マンションの需要増

3-1.都市部への転入者数増加

2023年5月8日から 新型コロナウイルスが5類感染症に移行したことで、都市部の世帯数が増加傾向 にあります。
総務省統計局「PDF2024年(令和6年)2月の人口移動の概況」によると、首都圏の4都市では前年同月から転入者数が6,532人増えました。

こうした世帯数増加を受けて、都市部ではますますマンション需要が高まっていますが、新築マンションの在庫数は減少傾向にあります。
PDF不動産経済研究所の調査によると、2024年3月末時点の新築分譲マンションの在庫数は5,665戸で、前月末から83戸減りました。

新築マンションの供給が不足すると、築浅の中古マンションに需要が移ります。
世帯数が増加するなかで新築マンションの供給不足が起こっている都市部では、新築・中古ともに供給を需要が上回っているのです。
このような事情から、都市部を中心に中古マンション価格は上昇していくと予想されます。

3-2.日銀によるマイナス金利政策の解除

2024年3月19日、日銀は金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決定しました。
今後は利上げによって住宅ローンの変動金利はゆるやかに上昇へ向かうでしょう。

しかし日銀の植田総裁は、会合後の記者会見で、金利は大幅に上昇しないとの見通しを示しています。
当分の間、変動金利は低水準で推移し、2024年は利上げの影響でマンション価格が低下することはないと予想されます。

3-3.新築マンション用地不足による中古マンションの需要増

新築マンションの価格高騰によって、中古マンションの価格も押し上げられています。
新築マンション価格上昇の一因として考えられるのが、マンションの用地不足 です。

現在、都市部ではマンション建設に適した広大な土地が少なくなっています。
そのため、交通アクセスや環境の良好なエリアに敷地面積の大きい土地が出ると、複数のマンションデベロッパーから入札が集中します。

こうした用地獲得の競争激化によって新築マンションの価格が上がり、中古マンションに代替需要が集中します。
その結果として、中古マンションの価格が上昇しているのです。

4.東京以外の大都市における中古マンション価格の推移

4.東京以外の大都市における中古マンション価格の推移
東京以外の大都市についても、同様に過去の価格推移を見ることで、相場の流れを把握できます。各都市の価格がどのように変化してきたのかを解説します。

東京以外の大都市における中古マンション価格の推移

  • 大阪府の中古マンション価格推移
  • 千葉県の中古マンション価格推移
  • 福岡県の中古マンション価格推移
  • 北海道の中古マンション価格推移

4-1.大阪府の中古マンション価格推移

大阪府の中古マンション価格は、以下のように推移しています。

取引時期 平均取引価格
2010年 1,876万円
2011年 1,822万円
2012年 1,810万円
2013年 1,708万円
2014年 1,798万円
2015年 1,850万円
2016年 1,991万円
2017年 2,067万円
2018年 2,106万円
2019年 2,209万円
2020年 2,386万円
2021年 2,822万円
2022年 2,802万円
2022年 1,912万円
2023年 2,942万円
2024年 3,337万円

出典:レインズデータライブラリー|東日本不動産流通機構(参照2024-5-23)

大阪府は西日本では人口の集中した都市であるため、マンション価格が高い傾向が見られる地域です。都市開発が積極的に行われており、地価の上昇が続いています。

地価の上昇に伴って、中古マンション価格も上昇傾向にあり、2025年に開催される国際博覧会への期待の高まりから、ニーズが多い地域と見られています。今後もこの傾向は続く見通しです。

4-2.千葉県の中古マンション価格推移

千葉県の中古マンション価格は、以下のように推移しています。

取引時期 平均取引価格
2010年 2,095万円
2011年 2,167万円
2012年 2,120万円
2013年 2,201万円
2014年 2,267万円
2015年 2,306万円
2016年 2,438万円
2017年 2,516万円
2018年 2,040万円
2019年 1,955万円
2020年 1,688万円
2021年 2,297万円
2022年 2,531万円
2023年 2,659万円
2024年 3,012万円

出典:レインズデータライブラリー|東日本不動産流通機構(参照2024-5-23)

不動産流通機構(レインズ)が公表しているマーケットウォッチによると、千葉市の中古マンション価格はコロナ禍で一時的な下落が見られましたが、徐々に価格が持ち直しています。
2021年10月には、3ヶ月連続で高値を更新するなど、首都圏エリアとして旺盛なニーズが見受けられます。
人口が集中するエリアでもあるため、今後も一定の需要が見込まれるでしょう。

4-3.福岡県の中古マンション価格推移

福岡県の中古マンション価格は、以下のように推移しています。

取引時期 平均取引価格
2010年 1,365万円
2011年 1,381万円
2012年 1,320万円
2013年 1,378万円
2014年 1,364万円
2015年 1,412万円
2016年 1,469万円
2017年 1,590万円
2018年 1,735万円
2019年 1,834万円
2020年 1,885万円
2021年 1,898万円
2022年 2,017万円
2023年 2,059万円
2024年 2,182万円

出典:レインズデータライブラリー|東日本不動産流通機構(参照2024-5-23)

西日本不動産流通機構が公表している「PDF県別サマリー」(2022年)によれば、コロナ禍による影響は比較的少なく、2022年9月には直近の高値を更新しています。

福岡県は九州地方における経済の中心的役割を担っている都市であり、子育て世帯も多く居住しています。特に福岡市中央区では不動産価格が安定しており、盛んな都市開発によって交通アクセスが更に良くなることも見込まれているため、価格上昇が期待されているエリアです。

4-4.北海道の中古マンション価格推移

北海道の中古マンション価格は、以下のように推移しています。

取引時期 平均取引価格
2010年 1,062万円
2011年 1,139万円
2012年 1,087万円
2013年 1,206万円
2014年 1,264万円
2015年 1,185万円
2016年 1,221万円
2017年 1,341万円
2018年 1,537万円
2019年 1,707万円
2020年 1,570万円
2021年 1,858万円
2022年 2,039万円
2023年 2,085万円
2024年 2,408万円

出典:レインズデータライブラリー|東日本不動産流通機構(参照2024-5-23)

北海道では、過去10年以上にわたって中古マンション価格が上昇しています。近年は観光都市としてさまざまなエリアが再開発を進めており、国内外の投資家から注目されています。

観光地としての性質から、コロナ禍の影響を受けた2020年には価格が下落したものの、半導体メーカー「ラピダス」の工場建設が決まった2023年から地価が高騰。2024年はマンション価格も上昇傾向にあります。

ここまで目安となる都市の相場をご紹介しました。具体的に自分のマンションはいくらで売れるのか、売却相場の調べ方を知りたい方は以下の記事もご覧ください。

売却を検討しているときは、早めに準備を整えてみると良いでしょう。

マンションの売却を強みとする不動産会社を選んで、気になる部分を何でも相談してみましょう。複数の会社を比較することで、自分に合った不動産会社を見つけられるはずです。

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査定額だけでなく、売却活動の方針や類似する物件の取引事例を確認することで、マンション売却のサポートに適した、コミュニケーションを取りやすい会社を見見極めましょう。ここでは、不動産の一括査定サービスの不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)についてご紹介します。

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なお、マンションを売却するタイミングについて、さらに詳しく知りたい方は下記の記事も併せてご覧ください。

まとめ

中古マンションの売却を考える際は、過去の価格推移がどのように変化してきたのかを押さえておく必要があります。価格の流れを把握しておくことで、相場に沿った形で物件の売却を進めることができるでしょう。

また、マンション価格に影響を与える要因や今後の予測についても考慮に入れることが大切です。売却のタイミングを見逃さないためにも、日頃から価格の変化をチェックしておきましょう。

マンションの売却を仲介する不動産会社が、相場や最新情報に詳しければ最適なアドバイスを得られるはずです。不動産の一括査定サービスを通じて、何でも相談できる不動産会社を見つけてみましょう。

この記事のポイントまとめ

中古マンションの価格は上がっているの?

直近15年のデータでは、東京都の中古マンションの価格は高騰しています。

詳しくは「1.過去15年の中古マンション価格の推移」をご覧ください。

中古マンションの価格に影響する要因は?

中古マンションの価格に影響する要因は、以下の通りです。

  • 新築マンションの供給戸数
  • 生活様式の変化
  • 日本経済の動向
  • 地域開発
  • 国際情勢

詳しくは「2.中古マンションの価格推移に影響を与える要因」をご覧ください。