
不動産の査定は原則無料でできます。
とはいえ、使ったあとにトラブルが起こりそうなのが心配で利用をためらわれている方も多いのではないでしょうか。
「不動産査定が無料でできるのは何か裏があるのでは?」と不安に思われているかもしれません。
そこでこの記事では、不動産査定が無料でできる仕組みをお伝えした上で、起こりうるトラブルの事例とその回避方法をご紹介します。
- 不動産の査定が無料でできるサイトの仕組み
- 査定時にトラブルが起こらないようにするための知識
- 不動産の無料査定サイトを選ぶポイント
これを読めば、安心して無料の不動産査定サイトを利用できるでしょう。
Contents
1. 不動産の査定が無料な理由
不動産の査定は原則無料でできます。
しかし、なぜ無料なのでしょうか?
その理由は、査定を依頼した人が将来的に不動産を売却し、仲介手数料を払ってくれる可能性があるからです。
不動産会社は、売買契約が成立したときの仲介手数料によって収益を得ています。
仲介手数料は、一度の契約で数十万、数百万円となることもあります。
仲介手数料を受け取るための営業活動の一環として、不動産会社は自社を通じて物件を売却してくれる方を探しているのです。
このように正当な理由があって無料で査定を実施しているので、安心して依頼してください。
なお、不動産査定は無料でできますが、「不動産鑑定」は有料です。
不動産鑑定とは、国家資格を保有する不動産鑑定士が、不動産の評価額を決定・表示することです。
「不動産鑑定」は、相続時の「遺産分割」や離婚時の「財産分与」など、法的な根拠が必要なケースで利用されます。
不動産査定 | 不動産鑑定 | |
---|---|---|
依頼先 | 不動産会社 | 不動産鑑定士 |
費用 | 無料 | 有料 |
必要な場面 | 不動産を売却するとき |
|
不動産会社が査定価格を出せない場合のみ「不動産鑑定」を依頼すると考えておくといいでしょう。
不動産会社が査定できる場合は利用する必要がありません。
「不動産査定」と「不動産鑑定」は名前が似ていてややこしいのですが、混同しないようにしましょう。
2. 不動産の無料査定でよくあるトラブル事例【対策方法付き】

不動産の無料査定でトラブルを回避するためには、前もって事例を知ることが大切です。
よくあるトラブルの事例は以下の8つです。
- 不動産会社が悪質、悪徳である
- 囲い込みをされて、成約のチャンスを逃す
- 相場を無視査定額が提示された
- 営業電話をしつこくかけてくる
- 査定担当者のあたり・はずれがある
- 不動産会社の専門分野が依頼した取引の内容でなかった
- 不動産会社によって専門分野がある
- 近隣住民の間で噂になってしまった
詳しく見ていきましょう。
囲い込みをされて、成約のチャンスを逃す
不動産業界でみられる不正行為のひとつが「囲い込み」です。
「囲い込み」とは、売主から売却の仲介依頼をされた物件をほかの不動産会社経由で契約できなくすることを指します。
たとえば、売主が「不動産会社A社」に仲介を依頼し、買主が「不動産会社B社」に仲介を依頼すると、通常は別々の不動産会社に仲介手数料が支払われます。

ところが「囲い込み」をする不動産会社は、他社から問い合わせがあっても「すでに申し込みが入っています」などと嘘をついて断り、仲介手数料を1社で独占しようとするのです。
結果的に、買主と売主の両方が同じ不動産会社に仲介手数料を支払う形に誘導されます。

囲い込みをされると、次のようなトラブルが起こります。
- インターネットサイトに公開しないので、一般の人が閲覧できない
- ほかの不動産業者が物件を紹介できないので、売却情報を知るチャンスが減る
- 特定の人しか、売却情報が分からないので、成約が遅れるまたは、成約できない
このようなことが起こらないようにするのは、販売するための取り決めを行う、「専任媒介」または「専属専任媒介」という契約を結び、不動産業者専用の「レインズ」と呼ばれるデータベースサイトへの掲載を依頼しましょう。
また、こまめにインターネットで自分の物件が掲載されているかチェックし、不動産会社に販売状況を定期的に報告してもらうことが大切です。
悪質・悪徳な不動産会社に依頼してしまう
すべての不動産業者がそうではありませんが、不動産業者の中には、きわめて悪質な不動産業者がいます。
不動産業者は許可制なので、免許を持っていない個人や法人が不動産売買の仲介をしてはいけません。
しかし実際には、「無免許営業」の悪徳業者がほぼ毎年摘発されています。
- 家まで何度も押しかけられた
- 個人情報が漏れ、知らない業者から不要な電話がかかってきた
- 反社会勢力と関わりのある不動産業者だった
「懇意にしていない知り合いから紹介された」「調べてみても業者の名前が出てこない」場合は要注意。「かつては不動産業者だったが、免許を剥奪されていた」などの事例は少なくありません。
このような悪徳な不動産会社と関わらないためには、「国土交通省 ネガティブ情報等検索システム」を利用しましょう。
「国土交通省 ネガティブ情報等検索システム」は、違反で処分された不動産業者などが掲載されているサイトです。
信頼性を確認することでトラブルを防止できます。
査定額が相場を無視している
複数の会社で査定を依頼し、取り寄せてみると、「どうしてこんな価格なのだろう」と疑問に思う場合があります。
- 築年数が新しいのに、近隣で売り出している同じような住宅よりも低い金額で査定された。
- 固定資産税評価額よりも査定金額のほうが著しく安かった
相場とかけ離れた金額が出されるときは、以下のような原因があります。
- 不動産会社が査定ソフトを使っていて、設定を間違えている
- 近隣に比較する物件がまったくない
- 過去に似たような物件の取引事例がない
相場とかけ離れた金額が提示されたら、必ず根拠を訊ねましょう。
査定額の根拠を説明できない不動産会社や、あいまいな回答をする不動産会社には仲介の依頼をしないようにしてください。
営業電話をしつこくかけてくる
ほとんどの不動産会社の査定サイトはウェブによる問合せなのに、不動産会社からの営業は電話によるものです。
宅地建物取引業法施行規則では、「迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問すること」として、しつこい営業電話を禁止しています。
それにもかかわらず、営業電話によるトラブルはあとを絶ちません。
- 同じ会社の異なる担当者から何度も電話がかかってくる
- 忙しいと断っても一方的に長々と電話で話しかけてくる
- 常識外の時間に電話をかけてくる
このような電話がかかってきて迷惑なときは、査定時に備考欄に「連絡はメールのみ」など連絡手段を制限しておくことで、トラブルを回避できます。
また、電話をかけてもらいたくない場合は、「今忙しいから」と話すのではなく、「売却する予定がないので営業はいりません」とはっきりと断りましょう。
査定担当者にあたり・はずれがある
同じ不動産会社でも、担当者によって、専門知識の多さや行動力などが異なります。
人当たりの良さや相性などの人格的な問題も大切ですが、スキル不足社員が担当者になるとトラブルになるケースが多くなります。
トラブルに発展しやすい主なケースは、以下の2つです。
- 地域の事情に精通していない
- 需要の少ない不動産だと積極的にサポートしてくれない
それぞれ見ていきましょう。
地域の事情に精通していない
- 小中学校区が間違っていた
- その地域特有の法規制を見逃してしまう
- 桁違いな査定額を算出されてしまう
小中学生が家庭にいる方で、重要な条件は学校区です。
地域の事情に精通していない不動産会社は、実情が分からないために、学校区を間違えてしまったというトラブルが発生するリスクが高くなります物件から一番近い学校名を通学する学校として資料記入したが、実際はもっと遠い別の学校だったというトラブルは少なくありません。
物件を調査する際に、その地域ならではの法令があっても、見逃して調査をしない可能性もあります。
また、桁違いな査定額を算出してしまっても、そのエリアの取引数が多い訳ではないために気付かないケースもあります。
自分で、市区町村に学校区を問い合せる、ポータルサイトで相場を確認する、複数の会社に家の査定をしてもらうなどして、確認をすることが大切です。
需要の少ない不動産だと積極的にサポートしてくれない
- 査定サイトで依頼したのに連絡がこない
- 査定はしてもらったが、その後のフォローがない
- 桁違いな査定額を算出されてしまう
不動産が売れる条件は、売主と買主の価格がマッチすることに加え、物件が購買ニーズのあるエリアにあるかどうか、物件の状態がよいかどうかです。
査定を行うのは、厳しいノルマを達成するために、成約できる物件を探すためです。
交通アクセスのよくない、ボロボロの空き家のような、いかにも売れないような物件を査定しても、営業マンの成績に直結しないため、サポートしてくれないのです。
一括査定サイトで、複数の不動産会社に声をかけること、フォローがなかったら、こちらから積極的に連絡をとることが大切です。
営業マンと信頼関係を作っておけば、顔を覚えてもらえますし、親身になってくれる可能性がアップします。
不動産会社によって専門分野がある
ひと口に不動産会社といっても、その業務内容はさまざまです。
大きく分けて、客付けだけを行う仲介会社、入居後のメンテナンスや家賃の集金を行う管理会社、投資物件を紹介し、資産管理を行うコンサル担当会社、分譲地を販売する用地開発会社などです。
さらに、同じ仲介会社でも「マンション売却の実績が豊富」「戸建売却が得意」など、専門とする分野があり、得意分野以外の業務は、まったく分からない、というケースも少なくありません。
- ターゲットに即した広告が出せない
- 桁違いな査定額になってしまった
依頼先を間違えると成約が遠ざかってしまうため、実績を事前に調べてから依頼するようにしましょう。
近隣住民の間で噂になる
自宅を査定した際に、その事実が近所や周囲にあっという間に広まってしまうことは珍しくありません。
- 自分の家がどのくらいで売れるかを知らせてしまう
- 家の周囲に不動産会社の営業マンがうろうろするようになる
- 自分の家庭事情が近所に広まってしまう
近所にバレないようにするためには、「○○不動産」という会社名がついていない車で自宅を訪問するように頼むなど、働きかけてみましょう。
3. 無料査定でトラブルを避けるための注意点

ここからは、無料査定を上手に使うための注意点をお伝えします。
以下のようなことに気を付けてトラブルを回避しましょう。
- 査定の根拠を訊ねる
- 査定額は変動するものと考える
- 不動産会社の口コミを調べる
- 「大手」「中小」両方の不動産会社に査定額を出してもらう
- 一括査定サイトを活用する
ひとつずつ見ていきましょう。
査定の根拠を訊ねる
不動産会社から査定結果がきたら、担当者にどうしてそのような査定結果になったか、以下のような根拠を確認しましょう。
- 査定価格は成約予想価格なのか、売り出し価格なのか
- 近隣とかけ離れた価格が算出された場合の、の理由
- 比較物件の何処の部分が査定された物件と比べ優れている(または劣っている)か
査定の根拠を説明できない不動産会社には、仲介の依頼をしないようにしましょう。
査定額は変動するものと考える
算出された査定額は、売り出す直前になって変更されることもあります。
不動産の相場は次のような理由で変動します。
- 為替や株の急上昇・または急降下で住宅ローンの金利が上がってしまい買いニーズが減った
- 自然災害などで、極端に買いニーズが下がってしまう
- 政府の補助金支給などで駆け込み需要が発生し、買いニーズが増える
査定価格が高くても、売り出すときに価格が下げる可能性もあると心得ておきましょう。
不動産会社の口コミを調べる
査定を依頼する前に、SNSなどで「口コミ」「評判」を調査することも、トラブル回避ができます。
不動産会社の免許番号や、不信感が募る口コミが書かれていないかなどを確認しましょう。
査定する際に一度電話で問合せを行うのもよいでしょう。
「大手」「中小」両方の不動産会社に査定額を出してもらう
不動産会社の無料査定を受けるときは、一社のみに絞るのではなく、できるだけ大手・中小どちらの不動産会社にも問い合わせしましょう。
大企業は宣伝力があるため、広いエリアに向けて集客ができます。
一方、中小企業は地元に根付いた会社が多く、周辺施設やその都市の人口はどこに集中しているか、どこの学校区が人気があるかなどの、ローカルな情報を保有している場合が多いです。
そのため、エリアを狭く絞った効果的な販売戦略が可能になります。
一括査定サイトを活用する
査定後のトラブルを避けるためには、相場に即した査定価格を出してくれる不動産会社を選ぶといいでしょう。
相場に見合った査定価格を知るためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。
不動産会社によって査定で重視するポイントが異なるため、査定結果にも差が生じます。
ときには数百万以上もの差が出るので、複数社の査定価格を比較した上で不動産会社を選ぶのが得策です。
複数社に査定を依頼する際に便利なのが、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」です。
「不動産売却 HOME4U」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,100社のなかから、6社を選んでまとめて査定依頼ができます。
ぜひ「不動産売却 HOME4U」で比較して、信頼できる最適な不動産会社を見つけてください。
4. 不動産の無料査定を利用するメリット

不動産の無料査定を利用するメリットは次の3つです。
- 無料で査定額がわかる
- 複数の査定結果を比較できる
- 最適な営業担当者を見つけやすい
詳しく見ていきましょう。
無料で査定額がわかる
不動産査定の最大のメリットは、無料で査定額がわかることです。
不動産会社の営業活動で不動産会社の営業担当者やAIによって、精度の高い査定結果が無料で得られます。
複数の査定結果を比較できる
複数の不動産会社にそれぞれ査定を依頼する場合は、その都度、同じように築年数や平米数などの情報を入力しなくてはなりません。
しかし一括査定サイトは一度だけ情報を入力すれば複数の会社に情報が一斉送信されるので、依頼にかかる時間と手間が省けます。
複数社に査定を依頼する際に便利なのが、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」です。
「不動産売却 HOME4U」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,100社のなかから、6社を選んでまとめて査定依頼ができます。
査定依頼の際はぜひ「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。
最適な営業担当者を見つけやすい
複数の不動産会社に問合せをすれば、複数の会社から査定額が返信されてきます。
その際のやりとりを通じて、営業担当者の性格、得意エリアなどが判断できます。
「質問に丁寧に答えてくれるか」「自分に合った担当者か」などを見極めましょう。
5. 不動産の無料査定サイトを選ぶコツ

不動産の無料サイトを選ぶ際は、「サイトの運営年数」や「一括査定できる会社数」で選ぶことが大切です。
NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」は、2001年開始の日本で初めての一括査定サービスです。
「不動産売却 HOME4U」は、全国の優良な不動産会社2,100社と提携しており、その中から6社を選んでまとめて査定依頼ができます。
信頼できる最適な不動産会社を見つけるためには、ぜひ「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。
この記事のポイントまとめ
不動産の査定が無料な理由は、査定を依頼した人が将来的に不動産を売却し、仲介手数料を払ってくれる可能性があるからです。
不動産会社は、売買契約が成立したときの仲介手数料によって収益を得ています。
そのため営業活動の一環として、自社を通じて不動産を売却してくれる方を探しているのです。
詳しくは「1.不動産の査定が無料な理由」をご覧ください。
不動産の無料査定でよくあるトラブルの事例は以下の8つです。
- 不動産会社が悪質、悪徳である
- 囲い込みをされて、成約のチャンスを逃す
- 相場を無視査定額が提示された
- 営業電話をしつこくかけてくる
- 査定担当者のあたり・はずれがある
- 不動産会社の専門分野が依頼した取引の内容でなかった
- 不動産会社によって専門分野がある
- 近隣住民の間で噂になってしまった
詳しくは「2.不動産の無料査定でよくあるトラブル事例【対策方法付き】」をご覧ください。
無料査定でトラブルを避けるための注意点は以下の通りです。
- 査定の根拠を訊ねる
- 査定額は変動するものと考える
- 不動産会社の口コミを調べる
- 「大手」「中小」両方の不動産会社に査定額を出してもらう
- 一括査定サイトを活用する
詳しくは「3. 無料査定でトラブルを避けるための注意点」をご覧ください。
不動産の無料査定を利用するメリットは次の3つです。
- 無料で査定額がわかる
- 複数の査定結果を比較できる
- 最適な営業担当者を見つけやすい
詳しくは「4.不動産の無料査定を利用するメリット」をご覧ください。