
転勤や家族構成の変化など、さまざまな理由で団地を売却したいと考えている方も多いかと思います。
マイホームの売却は人生で何度も経験するものではないため、速やかに売却を進めるためには、売却方法や高く売るコツなどを事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、団地売却の4つの方法、団地を高く売るためのコツ、相続した団地を売却する際のポイントについて解説しています。
- 団地の売却方法
- 団地を高く売るためのコツ
- 相続した団地を売却する際のポイント
マンション売却の基礎知識については『マンション売却で失敗・損しないための注意点』『マンション売却の流れ』でも解説していますので、併せてご覧ください。
Contents
1.団地を売却する4つの方法

団地には、明確な定義がありませんが、1つの敷地に配置されている複数の共同住宅を指します。高度経済成長期に数多く建設されたため、築年数が30年以上経過している団地も増えており、売却を考えている方も多いと思います。
団地だからと言って、他の戸建て住宅やマンションを売却する場合との大きな違いはありません。
ただし、戸建てのように解体できない他、築年数の古さからリフォーム・リノベーションも視野に入れて、売却方法を検討していく必要があります。
以下は、団地を売却する4つの方法です。
- 手を加えずに不動産会社に買取してもらう
- リフォームして仲介で売却
- リノベーションして仲介で売却
- 手を加えずにそのまま仲介で売却
それぞれの売却方法のメリット・デメリットについて、詳しく見ていきましょう。
1-1.手を加えずに不動産会社に買取してもらう
買取とは、不動産会社に直接不動産を買取してもらう売買方法です。
仲介のように購入希望者を募集する手間や時間がかからず、条件が良ければ最短1週間程度で引き渡しまで完了で来ます。
買取の買主は不動産会社のため、物件に手を加える必要はありません。
以下は、手を加えずに不動産会社に買取をしてもらうメリットとデメリットです。
メリット | デメリット |
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不動産会社に買取してもらう場合、不動産会社との条件交渉だけで済むので、費用・手間をかけずに団地を売却できます。また、買主が不動産会社なので契約不適合責任が免除される点もメリットです。
契約不適合責任とは、売却した団地に何かしらの不具合が見つかった場合には、買主が売主に対して責任を追及し、売主はその責任を負わなくてはならないというものです。
築年数が経過していて不具合が潜んでいる可能性の高い団地を売却することを考えると、契約不適合責任が免除されるのは大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、不動産会社は安く買い取って高く転売して利益を得ることを目的としています。そのため、通常の相場と比べて売却価格が7割程と安くなる点に注意してください。
買取価格が相場と比べて低くても、すぐに現金化したい方にはおすすめです。
1-2.リフォームして仲介で売却
仲介とは、不動産会社に不動産の価格査定を依頼し、媒介契約を締結して買い手を探してもらう不動産の売買方法です。
リフォームして仲介で売却するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
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団地の売却で最も重要なポイントとなるのが築年数による経年劣化をどう扱うかという点です。経年劣化による室内のダメージが大きい場合、内覧時の印象が悪くなるため、買い手がそう簡単には見つかりません。
リフォームによって室内をきれいにする、新しい設備に切り替えることで、そのまま売りに出すより高く売却できる、需要が高くなる可能性があります。
しかし、リフォームには費用がかかることを忘れてはなりません。リフォームを行ったからと言って、リフォーム代以上の価格で売却できるとは限らず、価格設定を引き上げたことで需要が低下するリスクもあるので注意が必要です。
以上の特徴から、費用を抑えながらも他の中古物件よりも条件を良くすることによって、高く売りたい、買い手を速やかに見つけたいなど売却を有利に進めたい方に向いていると言えます。
1-3.リノベーションして仲介で売却
リノベーションして仲介で売却するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
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リノベーションとは、室内の機能性やデザイン性の向上を目的として、団地の付加価値を高めるために行われる作業のことです。リフォームが劣化によってマイナスになったものをゼロに戻す作業であるのに対し、リノベーションはマイナスをプラスにする作業と言えます。
リフォームとは違って大幅に室内に手を加える(間取り変更を含む)ことで、時代のニーズに合わせられるため、高く売却できる、需要が高くなる可能性があります。
しかし、リノベーションはリフォームと比べて費用が高額になるという点に注意が必要です。リノベーション代以上の価格で売却できるとは限らず、価格設定を引き上げたことで需要が低下するリスクも想定しておきましょう。
以上の特徴から、費用をかけてでも他の中古物件よりも条件を良くすることで、高く売れる可能性を高めたい、買い手を速やかに見つけたいなど売却を有利に進めたい方に向いていると言えます。
1-4.手を加えずにそのまま仲介で売却
手を加えずにそのまま仲介で売却するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
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DIYという言葉を聞いたことがある方もいると思います。DIYとは、自身で何かを作ったり修繕したりすることで、物件を探している方の中には、中古物件を購入してDIYを楽しむ方もいます。
そのような方にとっては、リフォームやリノベーションが実施された物件よりも、安く手に入るそのままの団地の方が魅力的です。ターゲットを絞って、そのままの状態で売却すれば、費用や手間をかけずに済むでしょう。
しかし、必ずそのようなターゲットが現れるとは限りません。「追加で費用がかかる」「すぐに入居できない」といった理由で避けられてしまい、成約までに時間がかかる可能性があるので注意しましょう。
以上の特徴から、売却時期はいつでも良い、買取より高く売却したい、立地の良さで需要が期待できる物件を売却しようとしている方に向いていると言えます。
2.団地をなるべく高く売るには

不動産が盛んに取引されている昨今。コロナ禍もおおむね脱し、不動産の価格は過去最高水準にまで上昇しています。
団地の多くは築年数が古く、「資産価値がない」と考える方も多いですが、売り方によっては十分高く売れる可能性があります。
団地を少しでも高く売却するために、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
- まずは仲介で売却する
- 複数の不動産会社へ査定依頼する
- 団地の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ
それぞれのコツについて詳しく説明していきます。
2-1.まずは仲介で売却する
少しでも高く売却するには、まずは不動産会社に仲介を依頼することをおすすめします。
買取には、成約までの時間を短縮できるというメリットがありますが、相場よりも3割程度価格が安くなるのは避けられません。
できる限り高く売却するなら、まずは仲介で売却活動を行い、どうしても売却できない場合に買取を利用しましょう。
築古の団地においては、築年数の経過による価格下落も少ないため、半年から1年は仲介での売却を検討してみてもいいでしょう。
2-2.複数の不動産会社へ査定依頼する
不動産会社に査定を依頼する際は、複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。
不動産の査定を1社で済ませてしまう方も多いですが、査定額はもちろん売却の方針も不動産会社によって異なります。
複数の不動産会社に査定を依頼して比較をすれば、物件本来の価値を見出しやすく、また信頼できる不動産会社を見つけやすくなります。
複数社への査定依頼は時間も労力もかかりますが、不動産一括査定サービスを利用すると便利です。
不動産一括査定サービスの不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)なら、1分程度の入力で最大6社の不動産会社に一括で査定が依頼できます。
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2-3.団地の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ
団地を売却する際は、団地の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶことも重要です。
不動産会社によって得意分野は異なります。
例えば、戸建て売却に強い会社や、土地売却に強い会社など様々です。
団地の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶことで、長年蓄積されたノウハウを活かしたアドバイスやサポートが期待できます。
まずは査定の際に、団地売却の経験について質問してみましょう。
3.相続した団地を売却する際のポイント

相続で取得した団地の場合は、もともと売主自身の所有する不動産ではないため、いくつか注意が必要です。
以下では、相続で取得した団地を売却する際の2つのポイントについて解説していきます。
- 相続税の支払い義務の有無を確認する
- 相続登記(名義変更)をする
3-1.相続税の支払い義務の有無を確認する
団地を相続したからと言って必ず相続税を納めるわけではありません。
正しく相続税を納めるためにも、支払い義務の有無を確認しておきましょう。
相続税は団地を含む相続財産の合計額が基礎控除額を超えた場合に発生します。
基礎控除額の計算方法は以下の通りです。
例えば、法定相続人が2人いる場合、「3,000万円+600万円×2人=4,200万円」までの相続財産には相続税が課されません。
亡くなった方の負債が多く、トータルがマイナスになっている場合には、相続放棄等の選択肢も考えられますので、早い段階で相続税の有無を確認しておきましょう。
相続税について詳しくは、『国税庁:相続税の仕組みのわかりやすい解説』をご覧ください。
3-2.相続登記(名義変更)をする
不動産は基本、売主本人でないと売却できません。
そのため、相続した団地を売却する際は、まずは相続登記(名義変更)を行う必要があります。
相続をしても不動産の名義は勝手に変更されないため、注意しましょう。
相続登記は自分自身で行うことも可能ですが、専門的な用語や書類が多く手続きが多く、適切に手続きを行えない方も少なくありません。
自分で相続登記を行うのが大変、あるいは面倒な方は、司法書士に依頼し、手続きを代行してもらいましょう。
マンション売却の基礎や注意点をもっと詳しく知りたい方は、『マンション売却で失敗・損しないための注意点|高く売るためのポイントも紹介!』をご覧ください。
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この記事のポイント
団地を売却する4つの方法は以下の通りです。
- 手を加えずに不動産会社に買取してもらう
- フォームして仲介で売却
- リノベーションして仲介で売却
- 手を加えずにそのまま仲介で売却
詳しくは「1. 団地を売却する4つの方法」をご覧ください。
団地をなるべく高く売るには、以下のコツを踏まえてから売却活動に臨むようにしましょう。
- まずは仲介で売却する
- 複数の不動産会社へ査定依頼する
- 団地の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ
詳しくは「2.団地をなるべく高く売るには」をご覧ください。