タワーマンションとは?階数・高さの定義や住むメリット・デメリットを解説

何階以上あるマンションをタワーマンションというのでしょうか?この記事では、タワーマンションの定義とメリット・デメリットを解説します。

タワーマンションは都会を象徴する洗練された高層建築であり、憧れの住まいとして人気があります。

本記事では、タワーマンションの定義や居住するメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
これからタワーマンションの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

マンションの住み替えを考えている方は、売却についてまとめた『マンション売却の流れ失敗・大損しないための注意点』も併せてご覧ください。

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1.タワーマンションとは?定義は?何階から?

ひときわ高さのある超高層マンションの事をタワーマンションと呼び、タワマンの略称で広く認知されています。
ただ厳密に、どの高さからタワーマンションと分類できるのでしょうか?

実は、「この階数以上あればタワーマンションだ」と言うような、厳密な定義は存在しません
ただ、一般的には「20階以上の超高層マンション」をタワーマンションと区別する考えが主流です。

1-1.一般的には20階以上の超高層マンションが該当

法的な定義があるわけではありませんが、20階以上ある超高層マンションをタワーマンションとみなすのが一般的です。

建築基準法第20条では構造耐力について定めており、建物の高さなどで区分して、それぞれに適応すべき技術的基準を決めています。
この中で「高さ60メートルを超える建物」が最も高い区分であるため、超高層マンション、ひいてはタワーマンションと呼ぶ基準として一般化しているのです。

「高さ60メートル」は、一般的なマンションでいうおよそ20階の高さ(各階3メートル程度)に相当します。
そのため、20階以上のマンションをタワーマンションとみて差支えないでしょう。

タワーマンションとは

1-2.超高層マンションは国土交通大臣の認定が必須

高さ60メートル以上の超高層建築物は、構造強度や設備の安全性に関わる基準を満たす必要があるため、建築する際は国土交通大臣の認定を受けることが義務づけられています。

構造強度に関しては、震度6強から7の地震が発生しても、高さに対する揺れがおおむね100分の1以内になるように設計されている必要があります。
設備の一部であるエレベーターについては、震度6強から7の地震が発生してもエレベーターのかごが脱落しないなど、震度ごとに定められた基準を満たさなければなりません。

高さ31メートル以上 高さ100メートル以上
・非常用エレベーターの設置
・防炎物品の使用(じゅうたん、カーテンなど)
ヘリコプターの緊急離着陸場を設置
(該当建物は屋上にHのマーク)

ここまでをまとめると、タワーマンションとは「およそ20階以上の建物で、国土交通大臣の認定よって強度や安全性が確認されているマンション」と言えます。

2.タワーマンションに住むメリット

立地に恵まれ、洗練された外観を持つタワーマンションですが、他にどのようなメリットがあるでしょうか。
以下3つのメリットについて詳しく解説します。

2-1.住み心地の良さ

最初に挙げられるのが「住み心地の良さ」です。
以下の3つは、特に住みやすさを感じやすいポイント

  • 眺望がいい
  • 日当たりがいい
  • 高層階には虫が飛んでこない

それぞれ見ていきましょう。

眺望がいい

タワーマンションの大きな魅力は、眺望が良いことです。
高層階の景色は視界を遮るものがなく、遠くの山まで見渡すこともできるでしょう。

夜は光り輝く都会の夜景も満喫できるため、お酒や食事を楽しみながら優雅なマンションライフを楽しめます。

東京都内のタワーマンションでいえば、ライトアップする東京タワー、イルミネーションが美しいレインボーブリッジなどを堪能できます。

日当たりがいい

タワーマンションは日当たりが良いため、明るい部屋の中で快適に暮らせるのも嬉しいポイントです。
特、に南向きの部屋には日光が長い時間差し込むため、冬でも暖かく過ごせます。

北向きの部屋でも窓が大きく、また高層階であるほど周りに遮蔽物が少ないため、低層のマンションに比べて日当たりは良好です。
南向きの部屋よりも強い日差しが入らず、夏でも比較的涼しく過ごしやすいため、好んで北向きの部屋を選ぶ方もいます。

高層階には虫が飛んでこない

高層階の部屋には虫が飛んでこないため、害虫に悩まされることもほとんどありません。

ハエや蚊などの虫は地上10メートル程度しか飛行できないと言われています。
地上10メートルは、およそ3~4階にあたるので、高層階の部屋への侵入は限りなく少なくなります。

ただし、排水管を上ってくる虫や、衣類や宅配の荷物に紛れた虫を家に入れてしまうこともあります。
虫が出にくいのは事実ですが、絶対に出ないわけではないので注意しましょう。

2-2.強固なセキュリティ

マンションは戸建てより防犯性が高いのが魅力です。
タワーマンションでは、さらに強固なセキュリティを備える物件が豊富にあります。

例えば、以下のようなセキュリティ対策が講じられています。

  • 多重のオートロック
  • 防犯カメラの充実
  • 24時間の有人管理

タワーマンションのセキュリティ

それぞれのセキュリティ対策について解説します。

多重のオートロック

タワーマンションには厳重なオートロックが設置されているため、不審者が入りにくいのがメリットです。
多いところでは3~5重のロック解除が必要な場合もあります。

【3重オートロックの解錠例】

  1. エントランス前でキー差し込み、もしくは電子キータッチで解除
  2. エレベーターホール前でも同じ手順で解除
  3. 自宅玄関を解錠

マンションによっては、解除された階にしかエレベーターが停まらない設定になっていることもあります。
複数回の解錠が必要なため少々手間がかかりますが、その分だけセキュリティは高く、安心して暮らせます。

防犯カメラの充実

タワーマンションは、多重のオートロックシステムによって、関係者以外が入るのは難しくなっています。
加えて、タワーマンションには数多くの防犯カメラが設置されています。

【防犯カメラ設置場所の例】

  • エントランス
  • ポストの設置場所
  • エレベーター内
  • 駐車場・駐輪場
  • 管理人室

近年の防犯カメラにはフルハイビジョンのものもあり、画質もかなり良くなっているため、トラブルが発生した際には有力な証拠となります。
防犯カメラの充実は、犯罪の抑止力にもなります。

24時間の有人管理

タワーマンションには「24時間の有人管理」を導入しているところが多く、女性や高齢者の方でも安心して一人暮らしができます。
管理人や警備員が常にいるため、困ったことが起きてもすぐに相談できます。

24時間の有人管理は人件費がかさむため、タワーマンションなど高級マンション以外ではあまり見られない体制だといえるでしょう。

2-3.充実の共用施設とサービス

タワーマンションといえば、共用施設やサービスが充実しているのも特長です。
例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 豪華なエントランス
  • スタディルームやゲストルームなどの施設が豊富
  • 優美な公開空地

それぞれの施設やサービスについて紹介しましょう。

豪華なエントランス

タワーマンションをはじめとする高級マンションの「顔」といえば、豪華なエントランスです。
その奥の広々としたロビーには上質なソファやテーブルが配置され、まるで高級ホテルにいるかのような雰囲気を味わえます。

来客がある場合、自宅に招かなくてもエントランス奥のロビーで対応できるため、プライバシーを守れるのも嬉しいポイントです。

ラウンジが併設されているタワーマンションであれば、商談や住民同士のコミュニケーションの場としても活用できます。

スタディルームやゲストルームなどの施設が豊富

タワーマンションには、専有スペース以外に、住民が利用できる共用施設が完備されていることがあります。
例えば、スタディルームやゲストルームなどです。

スタディルームは、勉強や仕事に集中したいとき、テレワークの際にも便利な施設です。

また、家族や友人が遊びに来た際に泊まれるゲストルームが完備されているマンションもあるため、まるでホテルに泊まるような感覚でくつろいでもらえます。
ゲストルームがあれば、来客用の寝具を用意したり、部屋を片付けたりする必要もありません。

優美な公開空地

公開空地とは、ビルやマンションの敷地内に設置されている、一般の人でも自由に出入りできる空間のことです。

豊かな緑や季節の花々を楽しめる空間であり、住民の憩いの場としても活躍しています。
遊歩道となっている場合は、お散歩コースとしても最適なため、マンションの住民だけでなく、近隣の人々との交流も楽しめます。

マンションにおいては、建築物の敷地内に一定以上の公開空地を確保するなどの条件を満たす建築物について、特定行政庁が容積率や各種の高さ制限を緩和する制度が設けられています。
このため、大きな規模を要するタワーマンションでは、多くの場合で公開空地が設置されています。

ここまで、タワーマンションに住む上でのメリットを解説しました。
タワーマンションは人気が高く、資産価値が落ちにくい点も魅力点です。
最終的に売却まで考えている方は、以下の記事もご参考にしてください。

3.タワーマンションに住むデメリット

タワーマンションには数多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットも存在します。

それぞれについて詳しく解説します。

3-1.高層階ほど気軽に外出しにくい

タワーマンションは20階以上の超高層建物であるため、1階に降りるには基本的にエレベーターを使います。戸建てのように玄関を開ければすぐに外に出られるわけではありません。

自宅からエントランスの外に出るまでにはある程度の時間がかかるほか、エレベーターの待ち時間が長い場合もあります。高層階であるほど気軽に外出しにくいといえるでしょう。

また、エレベーターに乗らないと外に出られないため、家の中に閉じこもりがちになる方も多いようです。
マンション内にトレーニングジムが併設されている場合は、汗を流すなどして、ストレスを発散できるでしょう。

3-2.洗濯物を外に干せない場合がある

タワーマンションの規定によっては、洗濯物を外に干せない場合があります。
そもそも高層階などは、窓が開けられない場合もあります。

これらは、安全面や景観を保つために制限されています。

洗濯物程度の落下でも、高層階になるほど落下時の衝撃は当然大きく、事故につながります。
景観を保つ目的での制限が強い物件であれば、高層階だけではなく、低層階でも外干しができないでしょう。

3-3.電波が届きづらい場合がある

タワーマンションの高層階は電波が届きづらいことがあり、携帯電話やポケットWi-Fiがつながりにくいケースも珍しくありません。
基地局の電波は基本的に下方向に出ているため、高層階には最寄りの基地局の電波が届きにくいのです。

遮るものがないため遠くの高い場所からの電波は届きやすいといえますが、基地局との距離が離れていれば電波は届きにくくなります。

この状況を改善するため、携帯電話会社では基地局の電波を上向きに出すなどの対策を行っております。

改善度合いは物件により異なりますので、内覧時にスマホなどを使って電波の良し悪しを検証してみましょう。

3-4.エレベーターの停止など緊急時の備えが必要

地震などでエレベーターが利用できない際、外に出るために階段を使う必要がありますが、高層階から階段で降りるのは一苦労です。
また、タワーマンションは頑丈な建物で、災害時に避難せずに自宅でしのぐこともあるため、事前の備えが重要です。

日頃から食料・飲料水の備蓄をしておくようにしましょう。
最低3日、できれば1週間分の食糧や飲料水を用意しておきます。
トイレットペーパーなどの日用品も備えておくと安心です。

4.タワーマンションに地震リスクはあるか

タワーマンションのような20階以上の超高層建築物には、構造強度や安全性に関する厳しい建築基準が国によって定められています。
その基準を満たさないとそもそも建設が許可されないため、基本的には地震に対する安全性は高いと言えます。

制振や免震技術が採用されたマンションも多く、最近の物件では特に、地震に対する対策が強くなされています。

そのため、タワーマンションだからと言って、過度に倒壊の危険性ばかりを気にする必要はないでしょう。
ただし、地震の際は以下のようなトラブルが起こりえます。

  • 高層階の揺れが大きい
  • エレベーターが利用できない場合がある
  • ライフラインが止まる可能性がある

高い建築物は、基本的に高い部分ほど、強く・長く揺れます。
制振・免震の機能がないマンションの上層階では、非常に強い揺れが続き、家具の転倒やエレベーターの故障が起こりえます。

ライフラインの停止は他の建物でも起こりえることですが、タワーマンションの高層階は外出に柔軟でないため、ストレスも大きくなるでしょう。

まとめ

タワーマンションは、一般的に20階以上の超高層マンションを指しており、建築するにあたっては国土交通大臣の認可が必要となる建物です。
厳しい基準をクリアして建築されるため、地震や火災になどに対する安全性も信頼できます。

住み心地が良さに強固なセキュリティ、充実した共用施設とサービスがあるなど、多くの方があこがれをもつ物件です。
一方で、大きな地震が発生するとエレベーターが止まってしまうなど、高い建物ならではのデメリットもあります。

タワーマンションを購入する際は、メリットだけでなくデメリットも把握し、万が一の事態に対する備えまでを考えておきましょう。

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