不動産売却のチラシで、「どこよりも高額査定します!」「〇〇円で即買い取りします!」などの表現を見かけることがあります。
一見、お得でメリットを感じられるような表現ですが、必ずしもチラシの通りに売却できるわけではありません。売主との接点を持つためにオーバーな表現をしている可能性もあるので、注意が必要です。
この記事では不動産売却のチラシについて、
- 注意すべき具体的なフレーズ
- なぜ不動産会社がチラシを作るのか?
- 信用できる不動産会社を見つける方法
について解説します。不動産の売却を検討されている方はぜひご参考ください。
- 「不動産を売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
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Contents
1.不動産売却のチラシは信じてよいのか?
不動産売却のチラシには安易に信じては危険な「フレーズ」があります。
次のチラシの例は特に多く見かける表現ですが、どのような点が危険なのかを解説します。
注意すべきチラシ1「どこよりも高額査定」
「どこよりも」という表現があると、「一番高く売れる」と考えがちですが、そうではありません。
どこよりも高額「査定」だからといって、査定額通りの「価格」で売れるとは限らないからです。
査定額が相場よりもかけ離れていれば、買い手がつかず売れ残る可能性があります。売れない時間が長くなるほど市場価値も下がるリスクも高く、結果的に値下げして売らなければならなくなるでしょう。
注意すべきチラシ2「〇〇エリアご希望のお客様がいます」
すでに買い手がいるという表現のチラシもよく目にするケースです。
しかし、不動産会社にとっても、売却が確約できないのにお客様を抱えるのはリスクですし、メリットがありません。
チラシを見て問い合わせた結果、「他の物件を購入することになった」などの理由で新しい買い手探しを案内されるかもしれません。
このような表現は、売主との契約獲得を目的とした誘い文句のようなものですので、注意しましょう。
注意すべきチラシ3「〇〇円で即時買い取り!」
不動産の価格は築年数や物件内部と外部の状態、その他さまざまな条件によって決まります。つまり、実際に査定してみなければ価格は判断できません。
物件を見ていないのに「〇〇円で買い取りします」というのは、適正な価格算出をしてくれる不動産会社ではないといえます。
2.不動産会社がチラシを作成して営業活動をする理由
ネガティブな印象を与えるリスクがあるのにもかかわらず、不動産会社がチラシを作成して営業活動するのは、次の3つの理由があるからです。
- 売却物件を豊富に保有していることが強みになる
- 売却案件は購入よりも業務効率が良い
- 両手仲介を狙っている
それぞれ詳しい理由を解説します。
2-1.売却物件を豊富に保有していることが強みになる
不動産会社が売主を対象としたチラシ広告に力を入れるのは、売却物件の保有数が不動産会社の強みになるためです。
不動産会社は売主だけでなく買主に売却することでも仲介料を得ます。買主が購入意欲をかきたてられるような不動産をできるだけ多く抱えている方が有利です。
また、売れる不動産の候補がそもそもないと、買主に対して営業活動できず興味をもってもらえません。
そのため、多少オーバーだと感じられる広告であっても打って売主を獲得することで、買主獲得の営業活動にもつなげようとしているのです。
2-2.売却案件は購入よりも業務効率が良い
不動産会社が売主獲得を目的とした営業活動に力をいれるのは、購入案件よりも業務効率が良く利益になる可能性が高いためです。
売主は売却する意思がもともと強い状態です。しかし、買主は購入を決めるまでの意思決定に時間がかかりますし、不動産会社が購入意思をコントロールすることは困難です。
そのため、利益となる可能性や予測が立てやすい売却案件の方が、不動産会社にとっては業務効率の良いビジネスといえるのです。
2-3.両手仲介を狙っている
チラシ広告を積極的に打っている不動産会社は、両手仲介を狙っている可能性があります。
両手仲介とは、売却と購入の両方の仲介を担当することです。
不動産会社が両手仲介を行う理由は、双方から仲介手数料が得られるので利益が大きくなるためです。
両手仲介を成立させるためには、買主が購入したいタイミングで条件の良い物件を抱えておく必要があります。そのために、売主獲得に向けてチラシ広告をはじめとした営業活動を積極的に行っているのです。
3.チラシに載先されている不動産会社に問い合わせするリスク
実際、チラシ広告に記載されている内容を信じて依頼した場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
主なリスクとして考えられるのは、次の2点です。
- 極端に高い査定額を提示される
- 買取を進められる
それぞれどのような点がリスクと言えるのか、詳しく解説します。
3-1.極端に高い査定額を提示される
チラシの内容を信じて問い合わせした結果、相場よりも高い査定額を提示される可能性があります。
「2.不動産会社がチラシを作成して営業活動をする理由」で解説した通り、不動産会社にとって売却物件を多く保有することはメリットです。そのため、あえて相場より高い査定額を提示し、買い手に「高く売れる」と思わせて仲介の契約をしようとするのです。
しかし、相場より高い値付けでは買い手がつかず、売却期間が長引いた上、結局値下げして売ることになる可能性が高いでしょう。
3-2.買取をすすめられる
もう一点は、売主の相談に乗っている間に買取をすすめられることです。買取とは、不動産会社が物件を直接買取り、リフォームなどをして再び市場へ売り出す売却方法です。
買取後は、不動産会社がリフォームを行うため、売却価格は仲介の7割程度になります。
不動産会社によっては、はじめから買取を目的としており、「仲介は難しい、買取なら売れる」などと提案されることがあります。
十分高く売れる物件であっても、あえて買取を進めて安く売却させようとする可能性もあるため注意が必要です。
4.信用できる不動産会社を見つける方法
理想的な不動産売却を実現するためには、信用できる不動産会社を見つけることが重要です。探す方法として、次の2つがあります。
- 自分で相場を調べる
- 複数の不動産会社に査定依頼する
それぞれのポイントを解説します。
4-1.自分で相場を調べてみる
所有している物件の相場がいくらなのか把握していなければ、不動産会社から査定結果が返ってきても、査定額の妥当性や信頼できる不動産会社なのかを見極めることができません。
そこで、物件の相場をまず自分で調べることをおすすめします。
自分で相場を調べる方法としては、「レインズマーケットインフォメーション」と「土地総合情報システム」の2つの方法があります。
どちらも過去の不動産取引のデータから、成約価格を知ることができます。所有している物件に近い情報を見つけて、おおよその売却相場を把握しましょう。
4-2.複数の不動産会社に査定を依頼する
売却を任せる不動産会社を選ぶ際は、必ず複数社に査定依頼することをおすすめします。
1社だけの査定依頼では本当にその会社が提示した査定額が妥当なのか、その会社に任せてよいのかなどを判断することはできません。
複数社に査定依頼することで、あなたの希望条件に合った不動産会社を見つけられる可能性が高くなります。
複数社に査定を依頼する際に便利なのが、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」です。
「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,100社のなかから、最大6社を選んでまとめて査定依頼ができます。
信頼できる優良な不動産会社を探すなら、「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。
この記事のポイント
不動産売却のチラシは大げさに書かれているケースもあります。「どこよりも高額査定」「即時買取」などのフレーズには特に注意が必要です。
詳しくは「1.不動産売却のチラシは信じてよいのか?」をご確認ください。
不動産会社がチラシを作成して営業活動を行う目的は、次のような理由からです。
- 売却物件を豊富に保有していることが不動産会社の利益になる
- 売却案件は購入よりも業務効率が良い
- 両手仲介を狙っている
詳しくは「2.不動産会社がチラシを作成して営業活動をする理由」をご確認ください。
チラシに掲載されている不動産会社へ問い合わせすると、以下のようなリスクがある可能性があるため注意しましょう。
- 極端に高い査定額を提示される
- 買取を進められる
詳しくは「3.チラシに載先されている不動産会社に問い合わせするリスク」をご確認ください。