マイナス金利解除で住宅ローンはどうなる?変動金利と固定金利、おすすめは?

マイナス金利解除で住宅ローンはどうなる?変動金利と固定金利、おすすめは?

日銀によるマイナス金利の解除により、すでに住宅ローンを組んでいる方は、金融機関の利上げの動きが気になっているのではないでしょうか。また住宅ローンを組む予定の方も、どの金利を選択すればよいのか悩みますよね。

本記事では、マイナス金利解除の概要や、変動金利と固定金利それぞれへの影響などについてわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること
  • マイナス金利解除とは何か
  • ブランドマンションを購入するメリット・デメリット
  • マイナス金利解除後におすすめの住宅ローン金利

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この記事の監修者
秋山 芳生
家計簿アプリマネーフォワードMEの元事業責任者。
複数のベンチャー企業での上場経験を通じて資産構築をしFIREを達成。現在はFPとして講演・執筆・面談を行う傍らYouTube(チャンネル登録2万人以上)で情報発信するなどマルチに活動をしている。
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1.マイナス金利解除とは?

およそ17年ぶりにマイナス金利が解除されましたが、そもそもマイナス金利とは何でしょうか。この章ではマイナス金利の概要をふまえて、日銀によるマイナス金利政策について解説します。

1-1.日銀のマイナス金利政策とは

マイナス金利は日本の景気回復を目指して導入されました。

マイナス金利とは、民間の金融機関が中央銀行(日本では日銀)に預けている預金の金利をマイナスにすることです。したがって、預金者である民間の金融機関が日銀に金利を支払うことになります。

日銀がマイナス金利政策を行ったのは、日本で年2%の物価目標(物価の安定目標、前年比物価上昇率2%)を達成できる見通しが立たなくなったことが主な要因です。

そのため、日銀は金融緩和をより強化し、2016年1月に日銀史上、初めてのマイナス金利の導入を決定しました。

なお、物価目標とは、中央銀行がその国の経済に望ましい物価上昇率をあらかじめ明確に定め、その達成に向けて金利を上下させたり、世の中に出回るお金の量を増減させたりする政策のことです。

年2%の物価目標は欧米を中心とした主要国の目標、いわゆるグローバルスタンダードでもあり、その目標を達成するために、日銀が民間の金融機関から預かっている当座預金の一部にマイナス0.1%の金利をつけました。

民間の金融機関が預金を増やすと、損をする状態にすることで、企業への貸し出しを増やし、安定的に賃金および物価を上昇させ、世の中にお金が回るようにして、デフレ脱却を目指したのです。

その結果、金融機関から企業・個人への貸出金利が引き下げられ、もちろん住宅ローンの金利も大幅に低下しました。

1-2.日銀のマイナス金利解除とは

2024年3月19日、春闘などの影響もあり、賃金の上昇を伴った物価の上昇が2%「賃金と物価の好循環」になる見通しが立ち、日銀はマイナス金利政策の解除に踏み切りました。

コロナ禍の急激に落ち込んだ経済活動が再開し、供給に混乱が生じたことで、2021年秋ごろまで、多くのものの価格が上昇しました。

さらに2022年2月に起こったロシアのウクライナ侵攻により、エネルギーや穀物といった資源の価格が上昇し、世界中で歴史的なインフレとなり、欧米各国は利上げを行いました。

そして日本でも2022年4月以降、生鮮食品を除いた消費者物価指数の上昇率が、日銀が目標とする2%以上の水準を維持しているため、マイナス金利が解除されたのです。

2.マイナス金利解除になると住宅ローンの金利はどうなるの?

マイナス金利の解除は、住宅ローン金利にどのような影響をおよぼすのでしょうか。この章では住宅ローン金利の3つの種類の特徴をふまえて、マイナス金利の解除が変動金利へ与える影響について解説します。

2-1.住宅ローンの金利タイプ

住宅ローンの金利には、「全期間固定金利型」「変動金利型」「固定金利期間選択型」の3種類があります。それぞれの特徴、メリット・デメリットは以下のとおりです。

・全期間固定金利型
市場金利に変動があっても、完済まで同じ金利を返済していく金利タイプが全期間固定金利型です。「フラット35」はその代表格です。

固定金利は変動金利と比べて金利が高い傾向にありますが、返済計画が立てやすい点がメリットです。

・変動金利
変動金利型は、市場金利に連動して半年ごとに金利が見直されるのが一般的です。

しかし、返済額は5年ごとに金利が見直される(5年ルール)ほか、見直し前の額から1.25倍以上になってはならないというルール(125%ルール)があるため、金利の大幅な上昇を防ぐことができます。また2024年5月時点では、ほかの金利タイプと比べて金利が低い点もメリットです。

一方、社会情勢などの影響により、金利が上昇するリスクや未払い利息が発生するおそれがあることがデメリットといえます。

なお、一部のネット銀行を中心に金融機関によっては、「5年ルール」「125%ルール」が適用されないケースがあります。変動金利を選択して住宅ローンを組む際は、必ず金融機関に確認しましょう。

・固定金利期間選択型
5年や10年といった一定の期間、同じ金利を返済していき、固定期間終了後は、再び固定金利を選択するか、変動金利に移行するか選択できるタイプの金利です。

ただし、固定期間終了後の金利の選択については、金融機関や住宅ローン商品によって異なるため、あらかじめ確認する必要があります。また、固定期間が長いほど金利が高くなる傾向があります。

固定期間中は金利が変わらないため、市場金利が上昇しても金利が変化しないのがメリットです。反面、固定期間が終了した時点で、市場金利が上がっていれば、返済額が増えるおそれがあります。さらに返済総額がわからないこともデメリットでしょう。

2-2.マイナス金利解除による固定金利への影響は?

長期金利(※)に連動する傾向がある固定金利は、2022年以降、上昇トレンドです。

※長期金利とは資金を貸し出す期間が1年超の場合に適応される金利のことです。テレビのニュースなどで報道される長期金利は、10年物の国債の利回りを指します。長期金利の変動は「為替」「景気」「物価」などによって決まります。

フラット35の固定金利(借入期間21年~35年)の利率は、2024年7月で年1.84%です。前月から0.01%下がりました。
しかし、同年5月時点の年1.83%と比較すると0.01%プラスになっているため、長期的には上昇傾向にあるといえるでしょう。

また三井住友銀行の固定金利(35年固定金利)は、2024年6月時点で年2.66%なのに対して、2024年7月は年年2.67%と、前月比0.01%上昇。三菱UFJ銀行(35年固定金利)も年1.91%から年1.93%へ、前月比0.02%上昇しています。

住宅ローンは借りる金額が大きいため、金利の上昇が気になりますよね。住宅ローンの固定金利は、市場で取引される10年国債の利回りを参考に決まるといわれています。

また、市場の影響も受けるので、固定金利の数字はよく変動し増減します。一度借りてしまえば固定金利の返済金額は完済まで変わりませんが、同じ固定金利を借りた場合も、借りた時期によって金利が異なるのはこのためです。

最近は10年国債の利率の上昇に伴い、固定金利も上昇傾向にあります。ただし、日銀が長期金利の上限1%を目途としていることや日本国債の発行額が大きいことからも、金利が大幅に上がり続けることは考えづらいです。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

2-3.マイナス金利解除による変動金利への影響は?

大手銀行の短期プライムレート(※)は、2009年1月以降、非常に低い水準を保っており、住宅ローンの変動金利がすぐに大きく上昇する可能性は低いといえます。

※短期プライムレートとは銀行が業績や財務状態の良い企業に貸し出す際の、最優遇貸出金利(プライムレート)のうち、1年以内の貸し出しの金利を指します。

2024年7月時点の変動金利(前月比)は、大手5銀行(三菱UFJ・みずほ・りそな・三井住友・三井住友信託)など多くの金融機関で、利率が据え置きになっています。

しかし楽天銀行とauじぶん銀行は、前月比0.01%の利上げに踏み切りました。金融機関によっては市場金利と連動する仕組みになっているためです。

※市場金利とは、金融市場などで適用される金利のことです。

その一方で、PayPay銀行は7月から、0.380%だった利率を0.270%に引き下げました。

金融機関によっては利上げを実施しましたが、それでも現時点での変動幅は0.01%ほどです。
全体を通して見れば、各社とも低水準を維持しているといえるでしょう。

住宅金融支援機構の調査によれば、住宅ローンを借りている方のうち約7割が変動金利を選択しています。変動金利は、返済中も金利が変わるので、金利の変動は気になりますよね。

変動金利は、短期プライムレートを参考に決まるといわれています。しかし、短期プライムレートは2009年以降変わっていません。2016年に日銀がマイナス金利を導入した際も、銀行の短期プライムレートは据え置きでした。

そのため、日銀がマイナス金利を終了しても、銀行は短期プライムレートをすぐに上げておらず、変化は限定的だと思われます。金利上昇をしていく傾向にあるとは思いますが、大幅に金利は上がらず、今後しばらく変動金利は低金利な状態が続くのではないでしょうか。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

3.マイナス金利解除後は固定金利と変動金利はどちらがおすすめ?

マイナス金利が解除されたあと、固定金利と変動金利どちらを選択すればよいのでしょうか。すでに住宅ローンを組んでいる方、これから住宅ローンを組む予定の方へ向けて、どちらを選択するとよいか解説します。

3-1.すでにローンを組んでいる方

2024年5月現在、固定金利・変動金利ともに大幅な金利の上昇は見られないため、すでに住宅ローンを組んでいる場合は、どちらの金利がおすすめとはいえない状況です。

ただし、将来的にどちらの金利も上昇する可能性があるため、固定金利で住宅ローンを組んでいる方も、変動金利で住宅ローンを組んでいる方も、以下3つの対策を検討してみましょう。

■繰り上げ返済
繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別にまとまった金額を返済する方法です。返済はすべて元本に充てられるため、支払った元本分の利息がなくなり、返済総額を減らすことができます。

繰り上げ返済には、返済期間を短縮する「期間短縮型」と毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」の2パターンがあります。いずれも将来の利息の支払いを減らすことができますが、より効果的なのは「期間短縮型」といわれています。

ただし、繰り上げ返済を行うことで、資金が不足するおそれもあります。特に「期間短縮型」の場合は、支払い期間を短縮できますが、毎月の支払額は変わらないため注意しましょう。

また住宅ローン控除を受けている場合は、当初の支払い開始からの返済期間が10年未満になると控除が受けられなくなります。さらに年末時点で借入残高に基づいて控除額が決まるため、住宅ローン控除の金額が少なくなる点も考慮する必要があります。

なお、繰り上げ返済は一般的にいつでも行うことができますが、金融機関や商品によっては手数料が発生する場合があるため注意が必要です。

参考:“住宅ローン減税”. 国土交通省. (参照2024-04-30)

■借り換え
借り換えとは、一般的に新たな金融機関で住宅ローンを組み直し、現在借りている住宅ローンを一括返済することです。

利息負担を軽減できたり、団体信用生命保険(団信)をより良い条件に見直したりできるメリットがあります。

しかし借り換え時には、住宅ローン借り入れ時と同様に、事務手数料や火災保険料、印紙税といった諸経費がかかるため、注意が必要です。

なかでも金額が大きいのが事務手数料で、メガバンクや地方銀行の相場は3万円前後、多くのネット銀行では借入金額の2.1%を支払います。

そのため、借り換えを行う前に、事務手数料や金利を含めた、住宅ローンの総額がいくらになるのか確認しましょう。

■売却
今後、住宅ローンの金利が上昇し、生活を圧迫するおそれがあるのなら、売却するのもひとつの手です。

高くスピーディーな売却を実現するためには、まずは自身が所有する不動産の相場を把握することが大切です。ただし、不動産会社によっては査定額に何百万もの差が生じることがあります。

相場を知るためにも、不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」をぜひご利用ください。

変動金利でも、固定金利でも、借りたら終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。

現在の変動金利の低金利はしばらく続くと思われるので、現在借りている住宅ローンと金利に差があるようであれば、借り換えを検討してみると、返済額が下がるかもしれません。

金利が上がることが心配で固定金利で借りている方も、見直しにより返済額が大きく下げられる可能性があります。

しかし、借り換えに手数料や登記費用、印紙税などがかかるため、その費用を含めて借り換えを検討してください。現在、毎月の返済が辛いという方はそもそも住宅ローンを借りすぎです。そのような場合は、自宅を売却することも検討しましょう。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

3-2.これからローンを組む方

今すぐに住宅ローンを組むのであれば、変動金利がおすすめです。

前述のとおり、日銀がマイナス金利を解除しても、金利が本格的に上昇する前に変動金利を選択すれば、「5年ルール」「125%ルール」が適用されるケースが多いため、金利の大幅な上昇を抑えることができます。

ただし、金利の上昇に伴い、当初の計画通りに返済が進まないおそれがあります。

また、資金に余裕があり、毎月決まった額を返済したい場合は、固定金利を選ぶと安心です。変動金利と比べ金利は高めですが、計画的に返済を進めていくことができます。

どちらかを選択することに不安がある場合は、固定金利期間選択型を選択するのも一案です。固定金利の期間は5年や10年など自身で選択できる場合が多いため、固定金利の期間に返済を進めておき、子どもの教育費がかかるタイミングに合わせて、変動金利に切り替えるといったことも可能です。

しかし、固定金利の期間終了時に、金利が上がっている可能性もあるため、返済総額がわからず、長期的な計画を立てられないことが難点です。

自身の状況やライフプランに合わせて、無理のない返済ができる住宅ローンを選択しましょう。

なお将来的に金利は上昇していく可能性が高いため、家の購入を検討している方は今がチャンスといえます。

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まとめ

日銀のマイナス金利政策は、デフレ脱却を目指して行われました。しかし、2024年3月にグローバルスタンダードである年2%の物価目標の達成が見込めると判断し、マイナス金利を解除しました。

これにより、将来的に住宅ローンの金利が上昇する可能性が高まりました。

したがって、今すぐに住宅ローンを組むのなら変動金利がおすすめです。すでに住宅ローンを組んでいる場合は、繰り上げ返済や借り換えを検討してみましょう。

ライフスタイルの変化などにより住み替えを検討している方は、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」をご利用ください。簡単な情報を入力するだけで、全国約2,300社の優良企業のなかから、最大6社の査定が可能です。

不動産会社によって査定価格に数百万円の違いがあることも珍しくありません。高く早く売却したいのなら、数社の査定価格を比較検討し、相性の良い会社を選ぶことが重要です。ぜひ「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。

お家のいろは コラム
“秋山先生が解説!マイナス金利政策解除による住宅ローンへの影響”

最近の金利の動向について、住宅ローンへの影響を心配されている方も少なくないと思います。日銀がマイナス金利政策を解除したことにより、確かに金利の上昇が見込まれていますが、住宅ローンへの影響は限定的ではないかと思います。

日本の経済状況、特に物価の上昇や賃金の改善が見られる今、金利は徐々に上昇するかもしれませんが、その変化は急激ではなく段階的でしょう。

住宅ローンを組む際、固定金利と変動金利のどちらを選べば「正解」「絶対にお得」ということはありません。

ですので、ご自身のライフプランに合った返済プランや返済金額を考えることが大切です。家は大きな買い物です。金利も大切ですが、それ以上に家計を圧迫しない無理のない借り入れを心がけてください。

これから住宅ローンを組む方にとって最も大切なのは、計画的に返済を進めていくことです。

「固定金利ではとても返済できないけれど、変動金利ならギリギリ返済できる」「金利が上がりそうだから、低いうちにたくさん借りておこう」というのは、自身の返済能力を超えてしまうことがあり危険なので注意してください。

事前にライフプランをしっかり組み、今後のライフイベントもふまえて無理のない返済計画を立てましょう。

また変動金利には、「5年ルール」や「125%ルール」など、住宅ローンの特定の安全装置が私たちの支払い能力を守るために設けられています。

さらに変動金利を決める短期プライムレートは大幅な上昇をしていないことから変動金利が急激に大きく上がる可能性は少ないでしょう。

どちらか迷われる方は、変動金利を選択しながらも、固定金利の場合の返済額と、変動金利の返済額の差分を、貯蓄・投資に回し、万が一変動金利が大きく上がった場合に繰り上げ返済する原資とするのもよいですね。

加えて、家は一度買ったら「その家に一生住まないといけない」というものでもありません。

返済金額が大きく家計を圧迫するようなら、売却によってフレキシブルな選択ができるように、ご自身の家を査定し、売却する場合の資産価値を把握しておきましょう。気持ちの余裕が持てるのでおすすめです。

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