自宅を売却したいと考えていても、具体的に何からはじめればよいか、見当がつかない方も多いでしょう。
また、自宅が本当に売れるのか?と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、自宅を売る方法をケース別に紹介した上で、具体的な売却手順や必要書類、費用についてお伝えします。
自宅が売れないときの対処法もあわせてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
▶関連記事:家を売る方法|初めてでも損をしない売却手順、注意点、損しないポイント
Contents
1.自宅売却の原則!この状況で売れる?
まずは自宅売却をする上での最も基礎的な以下3つについて解説します。
- 住宅ローンの支払い中は売却後の完済が必須
- 住みながら売却することもできる
- 不動産会社を間に挟んで売却する
1-1.住宅ローン支払い中は売却後の完済が必須
不動産を売却する場合、原則として住宅ローンを完済する必要があります。
現在、住宅ローンを支払い中の方は、売却金額(あるいは自己資金)で住宅ローンを完済することも可能です。
この場合は、物件の売却が決まった後に迎える引き渡し日に、買主側の売却金額決済が終わってすぐ、住宅ローン完済の手続きを行います。
住宅ローン返済中の方は、自宅が売却可能か把握するために、住宅ローン残高の確認と、不動産の査定を実施しておきましょう。
1-2.住みながら売却することもできる
自宅に居住中の方でも売却をすることはできます。
売却活動中には購入希望者の内覧が入りますが、その際も住みながら対応することができます。
自宅に住みながら売却する場合は、掃除や家具のレイアウトを変えるなどして、できるだけ好印象を与えられるような工夫をしていきましょう。
1-3.不動産会社を間に挟んで売却する
不動産売買の知識が豊富な方でなければ、不動産会社を間にはさんで売却を行います。
不動産会社は購入希望者の募集や、契約事の取り仕切りをしてくれる。
まずは、不動産会社に物件を査定してもらい、査定額や不動産会社に気に入ったら、契約をして売却活動を始めるのが一般的な流れです。
なお、上述の売却方法は厳密は『仲介』という売却方法になります。
仲介や、その他の売却方法について詳しくは次の章で解説します。
2.自宅売却の方法は4つある
自宅を売却する方法は4つあります。
- 仲介:不動産会社に買主を探してもらう
- 買取:不動産会社が家を買取る
- 個人売買:不動産会社を通さず自分で家を売る
- リースバック:売却後も住み続ける
詳しく見ていきましょう。
2-1.仲介:不動産会社に買主を探してもらう
自宅を売るときに多くの人が選ぶ方法が、不動産会社に買主を探してもらう「仲介」です。
価格や売り出し方などを不動産会社の担当者に相談しながら決められるので、自宅売却をしたことのない初心者でもスムーズに販売活動を進められます。
希望価格に近い売値で売り出せるほか、タイミングや売り出し方次第では相場より高く売ることも可能です。
仲介手数料がかかることが唯一のデメリットですが、もっとも簡単に自宅売却を実現させるためには、まず不動産会社へ仲介の依頼をするといいでしょう。
仲介を依頼する不動産会社を探すなら、NTTデータグループが運営する不動産一括査定依頼サービス「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」の利用がおすすめです。
「不動産売却 HOME4U」は、NTTデータグループが審査を行い厳選した全国約1,800の不動産会社の中から、最大6社を選んで査定依頼できます。
優良な不動産会社を見つけるために、ぜひ「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。
2-2.買取:不動産会社が家を買取る
今すぐに自宅を売りたい場合や、不動産会社に仲介を依頼して時間がかかっている場合は、不動産会社による「買取」をおすすめします。
「買取」を選ぶと不動産会社が直接購入する形になるため、買主を探して取引をする手間と時間がかかりません。
ただし、売却価格は「仲介」の80%程度になるため、価格を重視する場合は仲介を選ぶのが得策です。
2-3.個人売買:不動産会社を通さず自分で家を売る
不動産会社が間に入らない「個人売買」の形で自宅を売ることもできます。
個人売買のメリットは、仲介手数料がかからない点です。
しかし一方で、専門的な見地からアドバイスをくれる人がいないと売却がスムーズに進まないというデメリットがあります。
不動産会社に仲介を依頼すれば、不動産会社の担当者と一緒に販売戦略を立てられます。
個人売買ではご自身で販売戦略を考えなければならないため、専門知識や営業のスキルがないとかなり難しいでしょう。
そのため、知り合いに売却するとしても、よほどの理由がない限りは不動産会社を介することをおすすめします。
2-4.リースバック:売却後も住み続ける
リースバックとは、自宅を売却したあとに買主と賃貸契約を結んで、もとの住居に住み続けることを指します。
自宅の所有者が変わるだけなので、引っ越しは不要。賃料を支払えば今まで通りの生活が可能です。
また、売却成立後は固定資産税などの税金の支払いや、メンテナンスの費用も買主の負担になります。
ただし、通常の売却に比べると売値が安くなる傾向にあるので、高く売りたい場合にはおすすめしません。
3.自宅売却の流れを6ステップで解説
自宅の売却を検討している方の中には、不動産取引が初めてで、不安に思われる方もいるでしょう。基本的な売却の流れを押さえておきましょう。
売却が完了するまでの、おおよその流れは下記の通りです。
売却が完了するまでには、物件の査定からスムーズに進んだとしても約3カ月~6カ月かかります。物件の売り出しまでに時間がかかれば、売却が完了するまでの期間もさらに延びることになります。
3-1. 相場の確認
まず最初に、同じような物件の相場を確認しましょう。自宅を売却するには、「いくらで売るか」を決める必要がありますが、必ずしも希望する金額で売れるとは限りません。
妥当と思われる売却金額を決めるには、同じような条件を持つ物件の相場を確認することからはじめます。
相場の確認方法には、「REINS(レインズ)」「土地総合情報システム」「中古住宅HOME4U(ホームフォーユー)」などがあります。所有する住所地と同じエリア、または、近いエリアで立地条件が似ている物件がどのくらいの売却価格になっているかを確認するとだいたいの相場を把握することができます。
3-1-1.レインズ・マーケット・インフォメーション
レインズ・マーケット・インフォメーションは、不動産流通機構が運営・管理しているサイトです。国土交通大臣指定の運営組織が発信する情報のため、信頼性や正確性も安心して利用できます。
全国で実際に取引された物件の売買価格(成約価格)の取引情報を検索することができます。
また、追加検索条件の項目も細かく、沿線・最寄り駅・駅からの距離・専有面積・間取り・築年数・用途地域など、売却したい物件の条件に近い物件の相場を調べやすい点がおすすめです。
レインズ・マーケット・インフォメーションのサイトはこちら
3-1-2.土地総合情報システム
国土交通省が実際に不動産取引をした人に実施したアンケートの結果を閲覧できるサイトです。国土交通省のWebサイトで信頼性があり、不動産の取引価格だけではなく、地価公示・都道府県地価調査の価格も検索することができます。
宅地や土地・建物など種類を選び、地域を選ぶと一覧で表示され、最寄り駅からの距離や築年数・形状・構造・建築年などからエリア一帯の相場や距離や築年数によって変わる相場価格も一目でわかり見やすいのでおすすめです。
土地総合情報システムのサイトはこちら
3-1-3.一括査定サービス
自宅の売却には、国内最大級の不動産一括査定サイト「HOME4U」がおすすめです。HOME4Uは、NTTデータ・スマートソーシングが運営する国内最大級の不動産一括査定サービスです。
全国約1,800の厳選した不動産会社と提携し、大手はもちろん地域の不動産情報に詳しい地域密着型の不動産会社まで、自宅で無料一括査定することで、納得できる価格とベストな不動産会社を選ぶことができます。
HOME4Uのサイトはこちら
3-2.物件の査定を依頼
相場を確認したあとは、自宅の査定を不動産会社に依頼します。査定は、築年数や近隣の取引状況、建物の現状などさまざまな観点をもとに算出されます。査定を近隣の不動産会社に依頼することも方法の1つですが、その会社が仲介を得意としている場合、売却したい家に対して納得できる査定価格が提示されない可能性があります。
また、査定は1社だけでなく、複数の会社に依頼して比較検討することが望ましいとされています。そのためには自分で何社もの不動産に問い合わせなければならないので、時間と労力を費やします。
そんな時、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」の一括査定サービスを利用すれば、一度に複数の会社に無料で査定依頼をすることができるので、効率的に情報を集めることができます。
物件の住所や種類(マンション、戸建てなど)などをインターネット上で入力すると、入力内容に応じて、査定対応できる不動産会社を自動で選定してくれます。その中から気になる不動産会社を選んで、無料で複数の会社に査定を申し込むことができるのです。
3-3.不動産会社の選定・媒介契約
査定の結果から相応しいと思う不動産会社がみつかったら、その会社と媒介契約を結びます。
媒介契約とは、売主が不動産会社に売却の手続きの代行を委託するものです。
媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つの種類があります。一般媒介契約は、他の不動産会社とも契約できるものですが、専任媒介契約と専属専任媒介契約は、ひとつの不動産会とだけ契約するものです。どの契約を選択すればよいか、それぞれの違いを比較して選んでください。
媒介契約について、さらに詳しく知りたい人は、次の記事を参照にするといいでしょう。
媒介契約は不動産の売却を実際にはじめる上での大切な契約です。3つの媒介契約のメリットとデメリットについて詳しく解説したこの記事を読めば、より最適な契約を選ぶことができようになります。
3-4.自宅売却にかける期間を定める
売り出す前に、売却期間をどのくらいにするか計画を立てましょう。
自宅売却にかかる期間の目安は3カ月~6カ月です。
いつまでに売りたいかを不動産会社に伝えると、その期間を想定した販売戦略を立ててくれるはずです。
なお、以下のポイントを押さえているケースでは、自宅が早く売れる傾向にあります。
- 適正価格で売り出す
- 物件の広告に写真が多い
- 実際の物件がきれい
- 内覧時の対応が丁寧
- エリアや物件タイプに合った不動産会社を選べている
また、媒介契約を結んだ不動産会社に「囲い込み」をされると、販売活動がむやみに長くなるので注意が必要です。
「囲い込み」とは、売主から売却の仲介依頼をされた物件をほかの不動産会社経由で契約できなくすることを指します。
不動産会社が「囲い込み」をする理由は、売主と買主から支払われる仲介手数料を1社で独占したいからです。
囲い込みをされると、仲介依頼をされた1社に直接連絡がこない限りは、問い合わせ0件となってしまいます。
販売開始から1~3カ月以内に問い合わせすらなく、何かがおかしいと感じた場合は、囲い込みをされている可能性があります。
囲い込みをしている不動産会社は、「問い合わせがないので、値段を下げましょう」と販促開始から短期間で大幅な値下げの提案をしてくる特徴があります。
不動産会社がやたらと値下げをしたがるときは、囲い込みを疑いましょう。
販売活動が長期化すると物件の価値はどんどん下がってしまうので、売り出す前に「いつまでに売るか」を明確に決めておくことが大切です。
3-5.物件の売り出し・内覧案内
不動産会社と媒介契約を結んだら、物件の売り出しを行いますので、まず不動産会社と相談しながら「売却価格」を決めます。希望の売買価格と市場での売買価格と差がある場合は、売買価格が決まるまでに時間を要することもあります。
物件の売り出しは不動産会社が行い、不動産広告やインターネットの不動産売買情報などに、物件の情報を記載することで、幅広く購入希望者を募ります。
販売物件に興味を持つ方が現れたら、実際に自宅の内部を見学に来ますが、これを内覧といいます。
物件に対して良い印象を持ってもらうためには、日頃から整理整頓をして清潔な状態を保ってください。
内覧時や内覧が終わった後に、価格の交渉を行う場合もありますが、内覧の受付・案内・価格交渉も、不動産会社が間に入りリードしてくれるので、お任せしても大丈夫です。不安なことは、不動産会社の担当者に相談するようにしてください。
3-6.売買契約・決済・引き渡し
買主と売却金額の折り合いが付けば、売買契約を結びます。一般的には、売買契約時に買主から手付金を受け取り、後日、残金決済と物件の引き渡しを同時に行います。購入希望者が住宅ローンを利用することもあるため、最終決済・引き渡しまでは一定期間がかかると想定しておいてください。
初めて自宅を売却する方にとって聞きなれない言葉が多いかもしれませんが、相場の確認から査定を依頼し、不動産会社を選ぶまでの、不動産売却の行程を説明しました。
次の章では、今住んでいる住宅にローンが残っているけれど、売却をしたいという場合の対処方法についてご紹介します。
4.自宅の売却で必要なすべての税金と費用・手数料
不動産の売却をすると、所定の税金や手数料がかかります。どのような費用が必要なのか確認していきます。
4-1.自宅売却でかかる税金
自宅売却時には以下の税金がかかります。
- 登録免許税
- 印紙税
- 譲渡所得税
詳しく見ていきましょう。
4-1-1.登録免許税
自宅の売却時には、登録免許税の納税が必要です。
抵当権抹消登記により、不動産1件につき1,000円の登録免許税がかかります。
なお、マンションの登録免許税は、土地1,000円、建物1,000円で2,000円となるのが一般的です。
出典:国土交通省 法務省法務局 抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税
4-1-2.印紙税
不動産売買契約書には契約印紙代として印紙税が必要です。
令和6年3月31日までは、印紙税の軽減措置が適用できます。
軽減税率適用後の印紙税の税率は以下の通りです。
金額 | 印紙税 | 軽減税率 |
---|---|---|
50万円超100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円超500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5,000万円超1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
1億円超5億円以下 | 100,000円 | 60,000円 |
5億円超10億円以下 | 200,000円 | 160,000円 |
10億円超50億円以下 | 400,000円 | 320,000円 |
50億円超 | 600,000円 | 480,000円 |
金額の記載のないもの | 200円 | 200円 |
出典:国税庁 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置
4-1-3.譲渡所得税
不動産売却をして得た売却益のことを「譲渡所得」と呼び、譲渡所得税がかかります。自宅を売却したときに譲渡所得税の納税が必要なのは、売却益が出たときのみです。
売却益とは、自宅の売却価格(譲渡価格)から仲介手数料などの経費(譲渡費用)と、自宅を取得したときの売買代金や経費(取得費)を引き、さらに該当する特別控除などを引いてもなお残っている部分を指します。
売却益 = 譲渡価格-(譲渡費用+取得費)-特別控除
一般的には、当初に自宅を取得したときの価格よりも、売却時の価格の方が低くなることが多いのですが、土地の取引相場が上昇して売却価格が上がったような場合は、利益がでることもあります。
不動産売却時にかかる税金や特例について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
4-2.自宅売却時にかかる費用
自宅売却時にかかる費用は以下の3つです。
- 仲介手数料
- 土地の測量費用
- 地下埋設物撤去費用
詳しく見ていきましょう。
4-2-1.仲介手数料
自宅売却時には、売主が不動産会社に対して仲介手数料を支払います。
仲介手数料は取引額に応じて以下の通りです。
取引価格(税別) | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | 売買金額×5%+消費税 |
200万円超え400万円以下 | 売買金額×4%+2万円+消費税 |
400万円を超える | 売買金額×3%+6万円+消費税 |
仲介手数料の上限額や計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
4-2-2.土地の測量費用
自宅を売却する場合に隣地との境界を計測すると、測量費用がかかります。
- 所有する土地に接している土地や道が官有地のとき:60万〜80万円が相場
- 隣接地が行政のものではなく個人所有の土地のとき:35万〜45万円が相場
土地の測量費用の詳細は、以下の記事をご確認ください。
4-2-3. 地下埋設物撤去費用
以前存在していた建物によって土地に残留しているもの、土の中に埋められたものなどがある場合は、埋設物の撤去が必要です。
一般的に埋設物の撤去には10~30万円程度の費用がかかります。
また、埋設物を確認するために地質調査をする際は、別途調査費用が発生します。
調査方法 | 相場 | |
---|---|---|
スウェーデン式 サウンディング試験 |
戸建て住宅や店舗、アパートなど小規模~中規模の建築物を建てる際に一般に用いられる調査方法 | 3万円~5万円程度 |
ボーリング試験 | 地下深くまで調査することができ、大型マンションなど大型の建築物に対して用いられる調査方法 | 15~30万円程度 |
振動波探査法 | 主に戸建て住宅に用いられる調査方法。振動波によって地盤状況を確認することができる | 5~8万円程度 |
5.自宅売却時の必要書類
自宅売却時には事前に用意が必要な書類がいくつかあります。
「戸建て」「マンション」のそれぞれで自宅売却に必要な書類を一覧表にまとめました。
書類 | 用途 | 取得場所 |
---|---|---|
登記簿謄本または登記事項証明書 | 土地の所有者であることを証明する | 法務局 |
売買契約書 | 売主と買主が取引する | 取引時に作成 |
物件購入時の重要事項説明書 | 取引時に宅地建物取引士から買主へ説明をする | 取引時に作成 |
登記済権利書または登記識別情報 | 買主に名義変更するとき、住宅ローン借り換えで新しく抵当権を設定するとき法務局へ提出する | 購入時に発行される |
土地測量図・境界確認書 | 土地の境界を証明する | 法務局 |
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 | 納税額を証明する | 市役所・区役所・町村役場 |
建築設計図書・工事記録書 | どう設計・工事されたかを示す | 購入時に発行される |
その他の書類 (地盤調査報告書・越境物の覚書・地役権設定契約書など) |
保有していれば提出する | 種類により異なる |
書類 | 用途 | 取得場所 |
---|---|---|
登記済権利書または登記識別情報 | 買主に名義変更するとき、住宅ローン借り換えで新しく抵当権を設定するとき法務局へ提出する | 購入時に発行される |
売買契約書 | 売主と買主が取引する | 取引時に作成 |
物件購入時の重要事項説明書 | 取引時に宅地建物取引士から買主へ説明をする | 取引時に作成 |
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 | 納税額を証明する | 市役所・区役所・町村役場 |
パンフレット | 保有していれば提出する | 購入時に管理会社から受け取る |
管理規約・使用細則 | マンションで生活する上でのルールを記載したもの。紛失時は管理会社に連絡し再発行の申請をする | 購入時に管理会社から受け取る |
これらの書類は、早く用意しすぎると有効期限になる可能性があります。
そのため不動産会社に相談し、いつ準備すればいいかタイミングを把握しておきましょう。
また、戸建ての場合、以下の書類があると、自宅の資産価値を証明しやすくなります。
- 建物状況調査の結果報告書
- 既存住宅に係る建設住宅性能評価書
- 耐震診断結果報告書
- 瑕疵保険の保険付保証明書
- 建築士法第20条第2項に規定する証明書(構造計算書)の写し
- 耐震基準適合証明書の写し
- 住宅耐震改修証明書の写し
- 固定資産税減額証明書の写し
- 増改築等工事証明書の写し
もしこれらを保有しているなら、積極的にアピールすれば売却価格を上げる根拠になります。
6.簡単!自宅をより高く・早く売るコツ
ここでは、自宅を高く・早く売るための7つのポイントをご紹介します。
自宅の売却を決めたら、以下のポイントを参考に、できる限りの工夫をしていきましょう。
- 相場を知る
- 売却希望価格と売りたい時期を明確にする
- 複数の不動産会社の査定を比較する
- 値下げ交渉を想定して価格を高めに設定する
- 媒介契約は「専任媒介」または「専属専任媒介」を選ぶ
- 室内をきれいにし内覧で丁寧な応対をする
- 必要書類を早めに揃える
それでは詳しく見ていきましょう。
6-1.相場を知る
自宅を高く・早く売るには、まず相場を知る必要があります。
売値を相場より低く設定すると安く売って損をしてしまうし、あまりにも相場とかけ離れた高値に設定しても売れ残ってしまいます。
このような失敗を避けるため、周辺にある物件の相場を知るところから始めましょう。
相場を調べる方法はいくつかあります。
- 「レインズ・マーケット・インフォメーション」で調べる
- 「公示地価」を調べる
- 「路線価」を調べる
ここでは、もっとも手軽な「レインズ・マーケット・インフォメーション」で調べる方法をご紹介します。
「レインズ・マーケット・インフォメーション」にアクセスしたら、次の4ステップで必要な情報を入力しましょう。
- 「マンション」「戸建」のいずれかの検索設定画面で「都道府県」と「地域」を選択
- 「検索する」ボタンをクリック
- 取引情報一覧ページで「追加条件」(築年数や間取りなど)を入力
- 再度「検索する」ボタンをクリック
すると、一覧情報が更新されます。ここで「単価」を確認していけば、おおよその相場感がつかめます。
6-2.売却希望価格と売りたい時期を明確にする
自宅を高く・早く売るためには、「希望価格」と「売りたい時期」を明確にしておきましょう。
希望価格があいまいだと、値下げ交渉で提示された安値に妥協してしまいがちです。
売りたい時期が明確でないと、売り出すタイミングを間違えて損をするおそれがあります。
「思ったより安値になってしまった」「いつになっても売れない」といった失敗を防ぐため、「希望価格」と「売りたい時期」をはっきりとイメージしておきましょう。
6-3.複数の不動産会社の査定を比較する
自宅を高く・早く売るうえで重要になるのが、マンションの査定を複数の不動産売却に出してもらい、比較することです。
マンションの査定価格は、依頼する不動産会社によって差があります。ときには数百万円「売値」が変わることもあるため、複数社に査定を依頼し、自宅を高く見積もってくれる不動産会社を見つけるのが肝心です。
仲介を依頼する不動産会社を探すなら、NTTデータグループが運営する不動産一括査定依頼サービス「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」の利用がおすすめです。
「不動産売却 HOME4U」は、NTTデータグループが審査を行い厳選した全国約1,800の不動産会社の中から、最大6社を選んで査定依頼できます。
自宅を高く・早く売るためには、ぜひ「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。
6-4.値下げ交渉を想定して価格を高めに設定する
自宅を売買する際は、ほとんどのケースで購入希望者から値下げ交渉されます。
そのため、値下げ交渉を想定して、売り出し価格を相場や希望価格より少し高めに設定するのがおすすめです。
とはいえ、ずっと価格が高いままにしておくのは避けましょう。
購入希望者の有無や人数で販売状況をこまめに確認し、反応を見ながら少しずつ価格を修正していく必要があります。
仲介を依頼する不動産会社の意見も聞きながら、長期的な販売戦略をしっかりと立てましょう。
6-5.媒介契約は「専任媒介」または「専属専任媒介」を選ぶ
不動産会社に仲介を依頼するときは、必ず「媒介契約」を結びます。
媒介契約は「専任媒介」「専属専任媒介」「一般媒介」の3種類があります。
高く・早く売るなら、「専任媒介」「専属専任媒介」のいずれかがおすすめです。
おすすめの理由は次の2つです。
- 不動産会社の担当者のモチベーションを上げる
- 複数の会社とやりとりする手間がかからない
6-5-1.不動産会社の担当者のモチベーションを上げる
「一般媒介」は複数の不動産会社と契約し、買主を見つけた不動産会社のみ仲介手数料を受け取れる仕組みになっています。
どんなにがんばっても他社に先を越されるおそれがあるため、「一般媒介」では不動産会社の担当者のモチベーションが上がりにくいのです。
一方、「専任媒介」と「専属専任媒介」では1社とだけ契約するため、買主を見つけさえすれば、不動産会社は必ず仲介手数料を受け取れます。
そのため、「専任媒介」と「専属専任媒介」のほうが不動産会社の担当者のモチベーションが上がりやすいのです。
6-5-2.複数の会社とやりとりする手間がかからない
「一般媒介」は複数の不動産会社と契約するため、同じやりとりを何度もすることになります。
物件の写真や情報を送信したり、希望価格や売りたい時期を伝えたりと、同様の手続きを繰り返さないといけません。
その点「専任媒介」と「専属専任媒介」では1社の担当者とやりとりをするだけで済むので、面倒な作業が省けます。
6-6.室内をきれいにし内覧で丁寧な応対をする
自宅の室内をきれいにしておくと、内覧に訪れた人の購買意欲が高まります。
そのため、内覧前には室内の物を片付け、きちんと掃除を済ませておきましょう。
よりよい印象を与えるには、内覧が決まった時点で清掃業者にハウスクリーニングを依頼するのがおすすめです。
ハウスクリーニングをするべき場所は、キッチン、浴室、トイレ、洗面所などの水回り。水回りを清潔にすれば、内覧者に部屋の価値を高く見せられます。
また、内覧で来客を丁寧にもてなすことも大切です。
好印象を与えて「この人となら安心してやりとりができそう」と思わせれば、売買のステップへ進む可能性が高くなります。
内覧で来客によい印象を与えるためには、次の3つがポイントです。
- 人数分のスリッパを用意する
- 部屋を換気しておく
- 全室の照明を点灯させておく
ただし、過度に丁重なおもてなしをするとありがた迷惑と思われ、逆効果になってしまう場合もあるので、過剰な応対にならないよう注意しましょう。
6-7.必要書類を早めに揃える
書類の有無で自宅の資産価値が変わる場合があります。
また、買主への引き渡しをスムーズにするためにも、書類を早めに用意しておくことが大切です。
必要な書類は以下の通りです。
戸建ての場合
- 権利証又は登記識別情報通知書 実測図
- 境界確認書
- 越境の覚書
- 設計図書
- 建築確認通知書
- 検査済証
マンションの場合
- 権利証又は登記識別情報通知書
- パンフレット
- 管理規約
- 使用細則
書類を紛失している場合は、別途対応策を考える必要があるので、早めに不動産会社に相談するようにしてください。
また、戸建ての場合、以下の建物の性能や耐震性等を証明する書類があると、自宅の資産価値が上がる可能性があります。
- 建物状況調査の結果報告書
- 既存住宅に係る建設住宅性能評価書
- 耐震診断結果報告書
- 瑕疵保険の保険付保証明書
- 建築士法第20条第2項に規定する証明書(構造計算書)の写し
- 耐震基準適合証明書の写し
- 住宅耐震改修証明書の写し
- 固定資産税減額証明書の写し
- 増改築等工事証明書の写し
なお、上記のほかに、売却後の確定申告で「購入時の売買契約書」が必要です。
「購入時の売買契約書」がないと購入時にかかった「取得価額」が証明できず、税金を多く支払うことになってしまいます。
7.自宅が売れないときの6つの対処法
なかなか自宅が売れず苦戦したときは、次の6つの対処法を順番に試すことをおすすめします。
- 広告を見直す
- 価格を見直す
- 不動産会社を見直す
- 古民家として投資用物件に切り替えて売る
- 買取を検討する
- 自治体の空き家バンクに登録する
ひとつずつ見ていきましょう。
7-1.広告を見直す
ポータルサイトに広告を出して募集しているなら、広告で物件の魅力がしっかり伝えられているか見直してみましょう。
見直しのポイントは以下の4つです。
広告の見直しポイント
- 物件の図面や写真は大きく見やすいか
- 物件と周辺環境の情報が詳しく記載されているか
- アピールポイントが明確か
- ターゲット層を決めてアピールしているか
意外と重要なのが、ターゲット層を決めているかどうかです。
たとえば、ファミリー向けの物件と単身者向けの物件とでは、アピールポイントが異なります。
自宅のリビングが広い場合、ファミリー向けの物件なら、アピールポイントは「リビングの広さ」になります。
しかし単身者にとっては、「リビングの広さ」はかえってデッドスペースになるのです。
ターゲット層に合わせたアピールができていないと、効果的な広告にはなりません。
自宅がなかなか売れないときはまず広告を見直しましょう。
7-2.価格を見直す
6カ月以上経っても購入希望者が現れない場合は、価格が高過ぎる可能性があります。
周辺の相場を再度確認し、価格の見直しを検討しましょう。
ただし、極端に価格を低くすると損をしてしまいます。
仲介を依頼している不動産会社の意見を聞きながら、慎重に価格を適正化していくのがおすすめです。
7-3.不動産会社を見直す
自宅が売れないときは、適切な不動産会社が選べていない可能性があります。
「マンションの売却に強い」「戸建ての売却に強い」など、不動産会社によって得意な分野が異なります。
不動産会社の専門外の物件を仲介依頼すると、販売が難航する場合が多々あるのです。
そんなときは、自宅と同じ物件タイプの販売実績がある不動産会社を選び直すといいでしょう。
不動産会社を選び直すときは、複数に査定依頼をすると、最適な一社が見つかりやすくなります。
NTTデータグループが運営する不動産一括査定依頼サービス「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」なら、厳選した全国約1,800の不動産会社の中から、最大6社を選んで査定依頼できます。
優良な不動産会社を見つけるために、ぜひ「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。
7-4.古民家として投資用物件に切り替えて売る
築年数が古くて売れにくい場合は、古民家として投資用物件に切り替えて売るのも有効な手です。
古民家には、「リノベーションしておしゃれなカフェにする」「宿泊施設にする」など、一定の需要があります。
とくに近年は純喫茶やレコードの人気といった「レトロブーム」が続いているため、古民家に注目している投資家もいます。
そのような需要を狙って、古民家として売り出しましょう。
一般的な中古物件として売り出した場合は、築年数の経過によって自宅の資産価値は低下します。
ところが古民家として売れば、古ければ古いほど価値が高まるのです。
自宅の築年数がかなり経過しているなら、それを逆手にとった売り方に変えてみましょう。
7-5.買取を検討する
不動産会社へ仲介を依頼してなかなか売れないときは、「買取」への変更も選択肢に入れましょう。
買取は、不動産会社が直接物件を購入することを指します。
買取の価格は、仲介による売却価格の80%程度。売却価格が少し下がりますが、早く売れるメリットがあるので、仲介から買取に変更するのもひとつの手です。
7-6.自治体の空き家バンクに登録する
ポータルサイトで売りに出しても売れない場合は、自治体の空き家バンクを利用すると、買い手が現れる可能性があります。
空き家には掘り出し物もあるため、空き家バンクに注視している人もいるのです。
一例としてご紹介すると、「かながわ県西空き家バンク」は神奈川県西部地域の空き家情報を掲載しています。
自宅売却の最終手段として、空き家バンクも視野に入れておきましょう。