土地売却の流れを完全ガイド!費用や売却方法、高く売るコツも全解説

土地売却の流れを完全ガイド!費用や売却方法、高く売るコツも全解説

「土地を売却したい」と思ったら、まずは基本的な流れを把握する必要があります。土地を売却するにあたって、必要書類の準備や不動産査定の依頼、売却方法を決めるなど、やるべきことはたくさんあります。

本記事では、土地売却の基本的な流れから費用・税金、土地の売却方法まで網羅的に解説しています。ぜひお役立てください。

この記事を読むとわかること
  • 「土地土地売却の基本的な流れ買取」と「仲介」の違い
  • 土地売却にかかる主な費用と税金
  • 土地の売却方法と注意点
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1.【図解】土地売却の基本的な流れを押さえる

土地を売却すると決めたら、まずは基本的な流れを把握しましょう。

1.【図解】土地売却の基本的な流れを押さえる

1-1.売却前の準備│必要書類・相場調べ

土地売却前の準備として、必要書類を揃えること、相場を調べることの2つから始めましょう。

土地を売却するためには、次のような書類が必要です。

書類種別 書類名 必要の有無
引渡し時 実測図 原則必要
筆界確認書 原則必要
越境の覚書 原則必要
登記に必要な書類 権利証または登記識別情報通知書 必須
印鑑証明書 必須
固定資産税評価証明書 必須
本人確認書類 必須
抵当権の抹消に必要な書類 必須
住民票 該当しなければ不要
資格証明書(法人の場合) 該当しなければ不要
確定申告に必要な書類 売却した土地の謄本 必須
売ったときの売買契約書の写し 必須
買ったときの売買契約書の写し 原則必要
譲渡費用の分かる領収書等 原則必要

実測図や筆界確認書については手元になければ、土地家屋調査士に調査を依頼し、作成してもらいましょう。

調査から書類作成までに時間を要しますので、土地を売ると決めているのであれば、真っ先に書類の有無を確認してください。

なお、土地売却の際の相談先は土地の状況によって異なります。詳しく知りたい方は「土地売却の相談はどこに相談する?内容別で選ぶ10の相談先」をご覧ください。

また、土地を適正価格で売却し、少しでも手元に残る利益を増やしたいのなら、査定を依頼する前に自分で相場を調べましょう。

不動産会社から提示される価格は、必ずしも適正価格というわけではありません。

それぞれの会社が持つ独自の査定基準で価格決定しますので、相場から大きくかけ離れた金額を提示されるケースも珍しくありません。

不動産会社が提示する査定額が妥当か見極めるためには、自身でまず相場がどれくらいなのかを把握することが大切です。

自身で相場を調べるなら、「不動産情報ライブラリ」や「一括査定サイト」を活用しましょう。

不動産情報ライブラリを使って売りたい物件の条件に近い取引データを調べれば、おおよその相場が分かります。

本格的に売却を検討する場合は、一括査定サイトから、複数社へ査定を依頼しましょう。

1-2.不動産会社へ土地査定を依頼

土地の売却相場が把握できたら、不動産会社に土地査定を依頼してください。

不動産会社の査定を受ける際は、必ず複数社へ査定を依頼しましょう。

先述したように、不動産会社ごとで独自の査定基準が設けられているため、査定額や評価項目に差が出ます。

したがって、必ずしも依頼した会社の査定結果が妥当とはいえません。複数社に依頼し結果を比較したうえで、信頼できる不動産会社を見つけましょう。

また、不動産会社も担当者によって対応はさまざまです。売却理由に応じて適切に対応してくれる最適な会社を選ぶことが大切です。

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1-3.媒介契約の締結

土地売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。

媒介契約は、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類です。

媒介契約の種類によって、複数社との契約ができるか、自分で買い手を探せるのかなどの条件に違いがあります。

一般媒介契約の特徴は、自分で買い手を探しながら複数の不動産会社と契約できることです。自由度が高く、幅広いネットワークから買い手を探すことができます。

媒介契約の締結2

対して、専任媒介契約と専属専任媒介契約は、一社としか契約できません。専属専任媒介契約は自分で買い手を探すことも禁止されています。

3種類のうち最も自由度の高い販売活動ができるのは一般媒介契約ですが、複数社と契約するとなれば不動産会社同士が競合してしまうため、営業担当者の販売活動に対する熱量低下につながり、買い手探しに苦戦する場合があります。

専任媒介契約、専属専任媒介契約であれば、不動産会社は競合他社を気にすることなく買い手を探せるので、一般媒介契約よりも熱心に広告活動に取り組んでくれる可能性が高いでしょう。

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
複数社との契約 1社 1社 複数社
自己発見取引 ×
契約期間 3ヶ月 3ヶ月 指定なし
(一般的には3ヶ月)
活動報告義務 1週間に1回以上 2週間に1回以上 報告の義務なし
レインズへの登録義務 媒介契約締結日より5日以内 媒介契約締結日より7日以内 登録の義務なし
(任意)

そのため、「期間は長くなっても高く売りたい」という方は一般媒介契約、「短期間で売却したい」「積極的にコミュニケーションズがとれる不動産会社にお願いしたい」という方は、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約がおすすめです。

1-4.販売活動・土地の見学 対応

不動産会社と媒介契約を締結したら、販売活動を開始します。

広告活動はすべて不動産会社が準備、実行しますので、売主がやるべきことは特にありません。

販売活動中に売主が対応しなければならないのは、土地の見学対応のための準備と見学者の対応です。

広告活動がスタートすると見学の申し込みが入るため、日程を調整し見学当日に向けて準備を始めます。

購入希望者の印象を良くするためには、ゴミは処分し雑草が生えている場合は除去しましょう。

また、購入希望者に周辺環境や生活環境など実際に住んでいて気づいた点を説明できるように、メモや資料にまとめるなどの準備をしましょう。

1-5.売買契約の締結

買い手が決まれば売買契約を締結します。

土地の売却価格や引き渡し日など細かい条件が確定すると、それを元に不動産会社が重要事項説明書や売買契約書を作成します。

契約当日は、売主と買主のほかに、不動産会社の担当者が集まって、重要事項説明書の読み上げおよび確認を行い、内容に問題なければ、売主と買主がそれぞれ売買契約書に捺印します。

あわせて、買主から売主に対して手付金が支払われます。手付金の相場は、土地の購入価格の5~10%が相場とされています。

また、売主は不動産会社に対して仲介手数料の50%を支払います。

なお、仲介手数料の残額は決済と引渡しの際に支払います。

売買契約締結後にキャンセルする場合は、違約金が発生する可能性があるため、内容に問題や不備がないか必ず確認してください。

1-6.決済と引渡し

売買契約の締結が完了したら、日を改めて再度集まり決済と引渡しを行います。

売主は買主から購入代金の残りを受け取り、売主は不動産会社に対して仲介手数料の残り50%を支払います。

代金の決済が完了したら、売主から買主へ所有権を移すための所有権移転登記の手続きを進めます。

決済や登記申請が完了したら、土地に関する必要書類などもすべて引き渡して売却手続きは完了となります。

1-7.確定申告

土地を売却して利益が発生したら、翌年に確定申告が必要です。

確定申告は、土地を売却した翌年の2月16日~3月15日までに行わなければなりません。

土地売却で損失が発生した場合、確定申告は不要ですが、特別控除を適用する場合は確定申告が必要となります。

申告期限を過ぎた後の申請は、ペナルティが科せられる可能性があるため、忘れずに申請しましょう。

また確定申告の際は、さまざまな必要書類を提出しなければなりません。

書類を揃えたり、内容に不備がないかを確認したりするのに時間がかかりますので、余裕を持って準備を進めましょう。

2.土地売却にかかる主な費用と税金

2.土地売却にかかる主な費用と税金

土地の売却にはさまざまな費用と税金が発生します。

売り出す前に費用と税金を把握しておくことで、「最終的に手元に残る利益」のシミュレーションができ、売り出し価格の設定にも役立ちます。

2-1.売却するまでに仲介手数料や解体費用などがかかる

土地を売却する際、仲介手数料や解体費用などがかかります。

発生する主な費用は以下のとおりです。

項目 費用の目安
仲介手数料 (売却価格×3%)+6万円+消費税
抵当権抹消費用の登録免許税 不動産1件につき1,000円
※司法書士へ依頼する場合は別途1~3万円程度
ローン返済手数料 1万円~3万円
測量費用 30万円~80万円
解体費用 100万円~500万円程度

更地にしてから売却する場合、解体費用や測量費用などが発生するため、合計費用は高額になります。

住宅ローン残債がある場合は「ローンを完済できるか」も考えなければならないため、予め費用をシミュレーションしておくと安心です。

2-2.売却時に発生する税金は3種類

先述した費用のほかに、以下の3種類の税金が発生します。

税金の種類 費用の目安
譲渡所得税 譲渡所得-(取得費+譲渡費用)-特別控除)×税率
印紙税 500円~6万円
抵当権抹消の登録免許税 不動産1件につき1,000円

譲渡所得税とは、土地の売却で利益が発生した場合に課税される税金です。

譲渡所得税の税率は、土地の所有期間によって以下のように異なります。

所有期間 所得税 住民税 特別復興所得税 合計
短期譲渡所得
(所有期間が5年以下)
30% 9% 0.63% 39.63%
長期譲渡所得
(所有期間が5年超)
15% 5% 0.315% 20.315%

印紙税は売買契約書や領収書などの文書に対して課税される税金のことです。

印紙税の税率は、以下のように設定されています。

売却代金 本則税率 軽減税率
10万円を超え50万円以下 400円 200円
50万円を超え100万円以下 1千円 500円
100万円を超え500万円以下 2千円 1千円
500万円を超え1千万円以下 1万円 5千円
1千万円を超え5千万円以下 2万円 1万円
5千万円を超え1億円以下 6万円 3万円
1億円を超え5億円以下 10万円 6万円
5億円を超え10億円以下 20万円 16万円
10億円を超え50億円以下 40万円 32万円
50億円を超え 60万円 48万円

※2024年(令和6年)3月31日までは軽減税率が適用されます。

出典:“不動産売買契約書の印紙税の軽減措置”. 国税庁. (参照2024-04-03)

また、土地に対して抵当権が設定されている場合は、売却時に抵当権抹消登記が必要です。抵当権抹消登記にかかる登録免許税は、土地(不動産)1件につき1,000円です。

古家付き土地など建物も一緒に売却する際は、建物と土地を分けて考えるため、合計2,000円の登録免許税が発生します。

2-3.税金控除と特例を利用することで税金負担を抑えられる

土地を売却する時は、税金控除や特例を利用することで、税金負担を抑えることができます。

土地売却で利用できる主な税金控除、特例を以下の表にまとめました。

     適用要件
居住用財産の3,000万円控除 家屋を取り壊した日から1年以内に土地売買契約を締結
かつ住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却
10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例 土地、取り壊した家の所有期間が10年を超えていること
特定居住用財産の買換え特例 土地、取り壊した家の所有期間が10年を超えていること
相続空き家の3,000万円控除 1981年5月31日以前に建築された家屋が対象
マイホーム買換えの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 住んでいた家を2023年(令和5年)12月31日までに売却して新たにマイホームを購入した場合。
家屋を取り壊した日から1年以内土地売買契約を締結
特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 住んでいた家を2023年(令和5年)12月31日までに売却して新たにマイホームを購入した場合。
取り壊した年の1月1日時点で所有期間5年を超えている

家屋を取り壊してから売却までの期間や、所有期間によって適用対象となるかが決まります。

それぞれの特例控除によって適用要件も違うため、詳しくは国税庁のページをご確認ください。

3.【パターン別】土地の売却方法と注意点

3.【パターン別】土地の売却方法と注意点

土地を売却する方法はいくつかあります。

3-1.築年数が古い家が建った状態であれば「古家付き土地」として売却する

土地を売りたいけれど築年数が古い建物が残った状態なら、古家付き土地として売却することができます。

古家付き土地とは、その名の通り古い家が建ったままの土地のことです。そのため、建物は建っていても「住宅」ではなく「土地」として売り出します。

古家付き土地として売り出すことで、建物の解体費用は買主が負担することになるため、売主の費用負担が軽減できます。

解体費用を出すとなれば、数十万〜数百万円ほど負担しなければならないので、大きなメリットといえるでしょう。

また、建物の床面積に応じて課税される固定資産税も、更地と比較して抑えられます。

しかし、買主が解体費用を負担する分、売却価格が下がる、更地よりも買い手が見つかりにくいといったデメリットもあります。

したがって、自身が所有する物件の築年数や建物の状態によって、古家付き土地として売るか、解体するか、あるいは戸建てとして売却するかを判断しましょう。

3-2.建物を解体し更地にしてから売却する

建物を解体し、更地にする方が売れる場合もあります。

更地にすることで買主の層が広がり、高値での売却が期待できます。

また、古家付き土地よりも買い手が見つかりやすいので、早く売却できる可能性も高まるでしょう。

建物を解体するため、建物に対する契約不適合責任に問われる心配もありません。

一方で、解体費用が発生するため、売主の費用負担は増えます。

解体して更地にしたら必ず売れるというわけではありません。

そのため、土地の立地条件や需要などを元に不動産会社と相談して決めることをおすすめします。

3-3.相続した土地の売却は名義変更(相続登記)を済ませておく

相続した土地を売却する前に、名義変更(相続登記)を済ませましょう。

土地を売却できるのは名義人本人のみです。土地の名義が亡くなった方名義のままだと売却することはできません。

土地の名義変更は以下の手順で進めていきます。

  1. 遺言書の有無を確認
  2. 相続財産の調査
  3. 相続人の特定
  4. 遺産分割協議
  5. 遺産分割協議書の作成
  6. 名義変更のための相続登記

相続人が確定していない場合は、名義変更の前に相続人を確定させます。

相続人を調査した結果、複数いる場合は遺産分割協議を行い、具体的な相続方法や割合を決めます。

すべて決まったら、遺産分割協議書を作成して、名義変更の手続きへと進みます。

相続登記の申請を行うために、以下の書類を準備してください。

必要書類 取得場所
登記申請書 法務局・法務局のHPからダウンロード
被相続人の全部事項証明書(戸籍謄本)および除籍謄本 被相続人の本籍地がある市区町村役場
被相続人の住民票または本籍地が記載された戸籍の附票
法定相続人全員の一部事項証明書(戸籍抄本) 各相続人の本籍地の市区町村役場
相続人の住民票 相続人が居住する市区町村役場
遺産分割協議書(法定相続人全員の印鑑証明書含む)もしくは遺言書 相続人もしくは被相続人が作成
相続関係説明図 自分で作成
固定資産評価証明書(もしくは納税通知書) 対象不動産所在地の市区町村役場(東京23区内では都税事務所)

名義変更の登記申請は自身で行うこともできますが、必要書類が多く手続きも複雑なため、司法書士へ依頼することも検討してみてください。

3-4.共有名義の不動産の売却は名義人全員の同意が必要

共有名義の土地の場合は、名義人全員の同意が必要な点に注意しましょう。

相談の結果、共有名義人全員の同意が得られれば問題ありませんが、話がまとまらずに協議が長期化したりトラブルになったりするケースはよくあります。

したがって、土地を売却すると決めたら売却活動に入る前に名義人全員から同意を得るようにしましょう。

また同意が得られない場合は、ほかの名義人分の土地を買い取って単独名義にするなど、別の方法で売却できる状態にできないか検討してみてください。

3-5.農地の売却は農地転用の許可申請を行う

農地転用して売却する場合は、農地転用の許可申請が必要です。

農地転用とは、農地を宅地などの農地以外の使用目的にすることです。

農地の売買は農地法で厳しく制限されているため、一般的な不動産のように自由に売買できません。

農地転用して売却するとなれば、農業委員会から許可を得る必要があるのです。

農地転用の許可が得られるかは、自身が所有する農地の基本区分によって異なります。

区分 主な要件 許可の方針
農用地区域内農地 市区町村が定めている農業振興地域整備計画において
農用地区域とされた区域内の農地
原則不許可
甲種農地 市街化調整区域内の

  • 農業公共投資後8年以内の農地
  • 集団のうちで高性能農業機械での営業可能農地
原則不許可(※1)
第一種農地
  • 集団のうち(10ha以上)
  • 農業公共対象農地
  • 生産力の高い農地
原則不許可(※2)
第二種農地
  • 農業公共投資の対象となっていない小集団の生産力の低い農地
  • 市街地として発展する可能性がある農地
第三種農地に立地困難の場合などに許可(※3)
第三種農地
  • 都市的整備がされた区域内の農地
  • 市街地にある農地
原則許可

(※1)土地収用法認定事業等公益性が高い事業(第一種農地の場合よりもさらに限定)の用に供する場合等は許可

(※2)土地収用法認定事業等公益性が高い事業の用に供する場合等は許可

(※3)第三種農地等に立地困難な場合に許可

まずは自身が所有する農地の基本区分を確認し、農業委員会事務局もしくは市区町村の農政課などに連絡して許可申請について確認してください。

農地転用可能な基準区分であると分かれば、農地売却に対応している不動産会社に問い合わせをして、買い手を探しましょう。

買い手が見つかれば売買契約を結び、農業委員会に農地転用の許可申請をします。

申請時の必要書類については、所有する農地がある自治体のホームページなどを確認してください。

なお、山林の売買については法律で制限されていないため、農地法の許可申請などは不要です。

ただし、登記簿の地目は山林であっても「田・畑など農地として使用している場合」は農地法の許可が必要となる点に注意しましょう。

4.土地を高く売却するコツ

土地を少しでも高く売却する ためには、次の3つのコツを押さえて売却活動を始めることが重要です。

  • 自分で土地の売却相場を調べる
  • 売り出す前に土地をきれいに手入れする
  • 隣地との境界線を明確にする

4-1.自分で土地の売却相場を調べておく

不動産会社に土地売却を依頼する前に、自分でも土地の相場を調べましょう。

相場を把握していないまま査定を依頼しても、査定額が妥当か判断できません。

また、相場は売り出し価格を設定する際の指標のひとつとなります。

相場から極端に離れた金額を設定してしまうと、買い手がつかずに売れ残ってしまう可能性があるため、自身でも相場を把握することが大切です。

土地の売却相場は「不動産情報ライブラリ」を使って調べることができます。

4-1.自分で土地の売却相場を調べておく

「不動産情報ライブラリ」は、国土交通省が運営する不動産の取引価格や地価公示などを検索できる情報サイトです。

「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ」を使うことで、過去に取引された土地の売却価格を調べることができます。

エリアや広さなども調べられますので、自身が売りたい土地の条件に近い取引事例から相場を調べましょう。

4-2.売り出す前に土地をきれいに手入れする

売り出す前に土地をきれいに手入れしておくことで、購入希望者に良い印象を与え、成約につながりやすくなります。

土地は建物とは異なり、実際に住むことはできないため、見学に来た時の印象で購入するかを決める可能が高いでしょう。

雑草が生い茂っていたり、ゴミが散乱したりしていると、不衛生な印象を与えてしまい、購入意欲も低下してしまいます。定期的にゴミの処分や雑草の除去をして、きれいな状態を維持しましょう。

4-3.隣地との境界線を明確にしておく

土地を売却する際は、隣地との境界線を明確にしておくことが重要です。

土地の境界線が曖昧なままだと、隣人トラブルに発展する可能性があります。

隣人とのトラブルが長引くと、買い手が見つかっていても売却することはできません。最悪の場合は裁判に発展するケースもあります。

トラブルによって売却の機会を失わないように、事前に境界線が明確になっているか確認してください。

不動産購入時の測量図がない場合は、土地家屋調査士に境界確定測量を依頼しましょう。依頼費用は30万円~80万円ほどが相場です。

越境物がある場合は、測量図と合わせて越境の覚書の作成も依頼することをおすすめします。越境の覚書を作成しておくことで、隣人との将来的なトラブル防止に役立ちます。

5.土地売却が進まない場合の対処法

5.土地売却が進まない場合の対処法

土地売却が進まない場合は、以下4つの対処法を検討してください。

  • 土地買取を検討する
  • 相続した土地は「相続土地国庫帰属制度」を検討する
  • 隣地に打診して買い取ってもらう
  • 空き家バンクに登録して買い手を探す

それぞれ利用する際の注意点やポイントを解説します。

5-1.土地買取を検討する

土地がなかなか売れないようであれば、土地買取も選択肢のひとつです。

土地買取は、不動産会社に直接土地を買い取ってもらう方法で、仲介売却とは異なり、買い手を探す必要がありません。

そのため、1週間~1ヶ月程度という短期間で現金化できます。

また、よほど条件の悪い土地でない限りは買い取ってくれますので、仲介を断られてしまった方は一度相談してみましょう。

ただし、土地買取に対応している不動産会社は限定されています。依頼前に不動産会社のホームページを確認する、あるいは電話やメールなどで対応しているか聞いてください。

不動産売却 HOME4U」を活用して買取査定を依頼することも一案です。買取希望の場合は情報入力の際、備考欄に「買取希望」とご記載ください。

5-2.相続した土地は「相続土地国庫帰属制度」を検討

相続した土地が売却できずに困っている方は、「相続土地国庫帰属制度」の利用も手段のひとつです。

相続土地国庫帰属制度とは、2023年4月に施行された制度で、所有者にとって維持が困難な相続土地を、国庫に帰属させることを可能にする制度です。

相続土地国庫帰属制度は誰でも利用できるわけではなく、「相続や相続人への遺贈を理由に土地を取得した方」などの条件があります。

例えば、次の様なケースは対象外となります。

  • 建物が残っている土地
  • 使用収益権や担保権が設定された土地
  • 他の人が利用する予定がある土地
  • 特定の有害物質によって土壌汚染された土地
  • 境界線が不明確な土地(所有権の存否について争われている土地)

出典:“相続した土地を手放したい時の「相続土地国庫帰属制度」” . 内閣府大臣官房政府広報室. 2023-12-19. (参照2024-04-03)

「土地を購入した」「譲渡してもらった」といったケースは対象外となるため、注意しましょう。

相続土地国庫帰属制度を利用するメリットとしては、維持管理や固定資産税の納税義務などの金銭的な負担から解放されること、売却費用がかからないことが挙げられます。

また、要件を満たしている限り国に引き取ってもらえるため、安心して利用できます。

一方で、相続土地公庫帰属制度を利用して土地を引き取ってもらうためには、審査費用や時間、手間がかかるデメリットがあります。

相続土地公庫帰属制度の利用を申請するにあたって、土地1筆に対して14,000円の審査手数料が発生します。

さらに承認後は土地の管理費として、土地1筆あたり原則20万円を納付しなければなりません。森林や農地など土地の条件によっては、面積で負担金を算出します。

また、申請手続きがやや複雑なため、書類の取得など申請までの準備に手間と時間がかかることから、ほかの方法で売却できなかった時の最終手段として考えましょう。

5-3.隣地に打診して買い取ってもらう

買い手が見つからなければ、隣人に買い取ってもらえないか打診してみましょう。

意外にも近隣の土地を探していたり、「今より土地を広くしたい」と考えていたりするかもしれません。

また、隣人の土地が旗竿地など、形状が良くない場合は、買い取ってもらうことで土地の形が整うなど、隣人にとってもメリットになります。

隣人にとっては購入にかかる費用がネックになりますが、価格次第では了承してもらえる可能性があるでしょう。土地が売れないようであれば一度声をかけてみることをおすすめします。

5-4.空き家バンクに登録して買い手を探す

隣人へ打診して断られてしまった場合は、空家バンクに登録して買い手を探してみてください。

空き家バンクとは空き家を探している人と売りたい人を探せるマッチングサイトです。

空家バンクを利用する場合、個人同士の取引であれば仲介手数料がかかりません。物件情報を掲載する際の広告料なども必要ないので、費用をかけずに土地を売却したい方におすすめです。

ただし、自治体と提携している不動産会社が間に入るケースもあり、その場合は仲介手数料が発生します。

さらに空家バンクを利用できるのは一部の自治体に限られるため、所有する土地がある自治体で運営されているか確認しましょう。

まとめ

土地売却の流れについて解説しました。

土地は売り出せば簡単に売れるものではないため、基本的な流れを押さえたうえで、計画的に不動産会社や媒介契約を選び、販売活動を行うといった売却活動を進めていくことが重要です。

また、土地売却にはさまざまな費用や税金が発生するため、条件によって適用できる税金控除や特例を活用し税負担を軽減しましょう。

土地の売却方法は、古家付き土地として売る、建物を解体して更地にしてから売るなどがあります。

建物の状態やエリアの需要、立地条件、解体費用によって選ぶべき売却方法が異なるため、不動産会社に相談しながら決めましょう。

土地を高く売りたい場合は、売り出す前に土地をきれいな状態にすることも大切です。土地売却が進まない場合は、隣人へ購入を打診したり、土地買取や空き家バンクの利用を検討したりしましょう。

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