住宅無料査定の賢い利用方法とは?家を早く・高く売るノウハウを解説

マンションや戸建てなどの住宅を売却しようと検討している方が、最初に取り掛かることの一つに「不動産会社に査定を依頼すること」があげられます。

住宅の査定は、通常「無料」です。日本全国、数ある不動産会社のどこに査定を依頼したとしても、無料で行われます。とはいえ、「タダほど怖いものはない」「無料なのに、きちんと査定してもらえるのだろうか?」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。そこでこの記事では不動産査定について、以下の内容について解説します。

  • 住宅査定が無料である理由やその仕組み
  • 住宅査定の依頼先の探し方
  • 査定を利用するタイミング
  • 査定を受けるために準備しておきたいこと

最後までお読みいただくことで、納得のいく無料の住宅査定を受ける準備が整い、スムーズな売却活動のはじめの一歩を踏み出すことができるようになるでしょう。

売却を考えているけど、難しい話をたくさん読むのは苦手」「すぐに売却したい」という方は、この記事をざっくりと大枠で押さえた上で、まずは「HOME4U(ホームフォーユー)」を使って複数の不動産会社にまとめて売却査定を依頼してみることをおススメします。
NTTデータグループが運営する「HOME4U」は、全国規模の大手企業から、実績豊富な地域密着型の企業まで、全国約2,500社と提携しています。複数の優良企業から査定価格をまとめて取り寄せることができるので、1社1社、自ら不動産会社を探して依頼する必要がありません。複数の企業を比較できるから、あなたの不動産を高く売ってくれる会社が見つかります
ぜひ比較して、信頼できる、最適な不動産会社を見つけてください。

1. 住宅査定が無料の理由

住宅を売却するには、売出価格を設定する必要があるため、通常は不動産会社に査定を依頼します。この際、不動産会社に依頼する査定は必ず無料です。

実は、売出価格は売主が自由に決められるものであるため、必ずしも査定は依頼しなければならないものではありません。ただし、適正な売出価格を設定しないと、安過ぎて損をする、高過ぎて売却できない等の問題が発生します。相場を熟知している不動産会社に査定を依頼することで、「適正な価格」をつけてもらえます。

査定を依頼した後、信頼できる不動産会社が見つかれば、その会社に売却の仲介を依頼します。不動産会社にとって、査定は仲介(媒介契約締結)につなげるための営業活動になります。仲介を行って不動産会社が得る報酬は、媒介報酬または仲介手数料と呼ばれますが、媒介報酬は、以下の3つの要件を満たさないと不動産会社に請求権が発生しません。

媒介報酬請求権の3要件

  1. 媒介業者※と依頼者との間で媒介契約が成立していること
  2. その契約に基づき媒介業者※が行う媒介行為が存在すること
  3. その媒介行為により売買契約等が有効に成立すること

※媒介業者=宅地建物取引業者(不動産会社)

上記の要件の中で、「3.その媒介行為により売買契約等が有効に成立すること」とは、媒介報酬が成功報酬であることを意味しています。成功報酬とは、買主を見つけないと不動産会社は仲介手数料をもらえないということです。

査定は仲介につなげるための営業活動であり、仲介は成功報酬である以上、不動産会社は査定で報酬をもらうことができません。そのため査定は「無料」なのです。

2.無料の不動産会社と有料の不動産鑑定士の査定額に違いはない

不動産査定には不動産鑑定士による「有料の鑑定」も存在します。不動産鑑定士による鑑定も、不動産会社による査定も、価格の精度に差はありません。

不動産鑑定士とは、不動産の価格を評価する国家資格者です。不動産鑑定士は価格を出すこと自体を生業としています。国家資格者の生業ですので、不動産鑑定士による鑑定は当然報酬を受け取ることができます。不動産鑑定士による鑑定は、一般的に裁判所や税務署に証拠資料を提出する必要がある場合に取得します。

例えば、中小企業の社長が、自分の経営している会社から不動産を買うようなケースがあります。利益が大きく出た年に、会社が社長に不動産を不当に安く売れば意図的に損を作ることができるため、税金を安くすることができてしまいます。
社長と会社の不動産売買は脱税行為に利用される恐れがあるため、売買をする際は適正な価格で取引したことを税務署に証明する必要があります。そこで不動産鑑定士に適正な額を鑑定してもらい、その金額で売買をするのです。

このように、有料の不動産鑑定は特殊なケースにおいてのみ取得が必要になります。一般の人が住宅を第三者に売却する場合は、必要がありません。
そもそも、一般の人は、第三者に住宅を売却する場合、意図的な価格操作ということができないというのが理由になります。第三者への売却は適正な市場価格で売却したこととみなされるので、不動産鑑定士による有料の鑑定は必要ないのです。

不動産鑑定士は有料だから精度が高い、不動産会社は無料だから不正確というものではありません。精度の差ではなく、不動産会社は査定を行っても報酬を受け取ることができないという制度の差だけが存在することになります。

3.住宅査定はどんな不動産会社に依頼するかが重要!

住宅の無料査定は、仲介を依頼する前のステップであるため、依頼する不動産会社が重要になります。

査定は、査定価格を知ることが目的なのではなく、最終的には売却することが目的です。そのため、売却する力のない不動産会社に査定を依頼しても意味がありません。

例えば、A社とB社の2つの不動産会社があったとします。A社は今年創業したばかりで、今回が初めての売却となる不動産会社です。それに対してB社は地元で30年以上営業している不動産会社になります。

A社とB社に査定を依頼したところ、A社は5,000万円、B社は4,000万円と査定してきました。もしこのような査定結果になったら、あなたは「A社の方が査定額が高いから、A社に売却を依頼しよう!」と考えるでしょうか。それとも、A社に対して「本当に5,000万円で売れるのだろうか?」と疑問を抱くでしょうか。

住宅の無料査定は、売却が目的であることから、査定額の高い低いは本質的な意味を持ちません。重要なのは査定額ではなく、「いくらで売れるか」という点です。例でいうと、おそらくこの物件は5,000万円という売出価格をつけても売れず、結果的にもっと低い価格まで値下げすることになる可能性が高いといえます。A社が高い査定額をつけたのは、契約が欲しいために高めにつけたか、そのエリアの不動産状況をよく知らなかったか、などの理由が考えられます(ただし、その価格で買いたい買主がすでに顧客にいるなどの、根拠があるケースもまれにあります)。

B社に最初から依頼していた場合、エリアでの実績と長年の信頼という強みを生かして、査定した額に近い価格で、早く売ってもらえた可能性が高いでしょう。このように、不動産売却では査定を依頼する際は、実績があり信頼できる不動産会社に依頼することがポイントになります。

ここで、「信頼できる不動産会社に査定を依頼する」ために、「どのようにして信頼できる不動産会社を探すか」が問題となります。不動産会社にも、賃貸仲介に力を入れている店舗と、売買仲介に力を入れている店舗があります。そのため、一言で「信頼できる不動産会社探し」といっても、なかなかできることではありません。

そこでおすすめしたいのが、複数の実績豊富な不動産会社にまとめて査定を依頼できる一括査定サービス「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」です。

不動産売却 HOME4U」は、19年の運営実績を誇る日本で最も長く運営されている不動産一括査定サービスで、運営会社はNTTデータグループです。簡単な物件情報などの入力で、物件所在地に対応したベストな不動産会社を最大6社マッチングしてくれます。

不動産売却 HOME4U」の特徴は、運営会社が不動産会社をしっかりと審査しているため、信頼できる不動産会社のみと提携しているという点です。大手から地元の中小まで、それぞれの強みを生かして売却の強い味方になってくれる不動産会社が、全国2,100社参画しています。そのため、不動産売却 HOME4U」を利用すれば、はじめての方でも信頼できる不動産会社に出会える可能性が高まります。査定を依頼する際は、「不動産売却 HOME4U」を使って、信頼できる不動産会社に査定依頼し、スムーズに高値での売却を実現させてください。

4.無料査定を行うタイミング

無料査定は不動産会社の仲介サービスにつながる行為であるため、無料査定を行うタイミングは売却前ということになります。

例えば、財産を相続人間で分割するためや、離婚で財産分与を決めるために価格だけ知りたいということがあります。遺産分割や離婚の後、引き続きその不動産を利用するけれども、話し合いのために価格を知りたいというケースも存在します。そのような場合でも、後々売却に発展する可能性もあること、不動産会社は相続についても詳しい専門家を抱えている場合も多いことから、査定とともに相談をもちかけてもよいでしょう。

なお、売却するつもりでいたけれども、査定の結果、売却を取りやめるということはまったく問題ありません。
例えば、住宅ローンが残っている物件を売却する場合、査定を取ってみたら住宅ローンが返済できそうになく、売却を断念するようなケースは当然あり得ます。査定結果は売主にとって重要な判断材料であり、査定を依頼したから不動産会社に必ず売却を依頼しなければならないということはありません。
査定結果は売主の判断材料となりますので、無謀な売却であると感じたら無理に売却をせず、冷静に売却を取りやめましょう。媒介契約を締結していなければ、取り止めても費用を請求されることはありません。

5. 無料査定をスムーズに受けるための準備

無料査定を受けるために準備すべきことは以下の2点です。

  1. 住宅の履歴情報を整理しておく
  2. 可能な限り写真を撮られてもよい状態にする

この章で詳しく説明します。

5-1. 住宅の履歴情報を整理しておく

履歴情報とは、「いつ、どのような修繕またはリフォームを実施したか」という履歴です。査定を受ける前に住宅の履歴情報を整理しておくようにしてください。

公益社団法人全国宅地建物取引業協会が実施した2017年11月に実施した「PDF2017年不動産の日アンケート」では、「中古住宅の購入を考える場合、必要と思われること」についてもアンケートを行っています。このアンケートの中で、買主は「履歴情報が残っていること」に高い関心があることが分かります。

例えば、戸建てならシロアリ予防を実施した時期や、外壁塗装を行った時期などがあります。マンションなら、キッチンのリフォームや床の貼替等も価値ある情報です。過去のリフォームは物件価値を上げることになりますので、内容次第では価格にプラスされます。また、広告にも「2016年キッチンリフォーム済み」といったように情報を載せることも可能です。

建設住宅性能評価書なども、取得していると大きなアピールポイントとなります。建設住宅性能評価書とは、「現況検査により認められる劣化等の状況」や「個別性能に関すること」に関し、専門家が評価して作成する書面です。

リフォームや修繕は、物件が良好に維持されてきた証拠ですので、査定時にはしっかりとアピールするようにしましょう。

5-2. 可能な限り写真を撮られてもよい状態にする

査定では不動産会社が写真を撮ります。査定金額には影響はありませんが、写真を撮られてもよい状態にしておくとよいでしょう。

査定時にインターネット広告用の写真が撮れるくらいの準備をしておけば、不動産会社は、査定後すぐに売却活動を始めてくれます。広告用の写真は別日で撮るとしても、査定時には最低でも「撮られては恥ずかしい」「見られてはまずい」ものは片付けるようにしてください。

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6.無料査定結果をフルに活かす方法

少しでも高く物件を売りたいと思うと、ついセールスポイントばかりをアピールしたくなりますが、査定では有効な手段とは限りません。ここからは、無料査定を受ける際のポイントや、査定結果をどのように活用すれば良いのかを見ていきましょう。

6-1.ネガティブ情報も含めて査定してもらう

不動産査定は正確であることが重要です。適正な査定が行われるよう、セールスポイントとともに、ネガティブ要因もしっかりと情報として提供することが大切です。

不動産の欠陥に気づかないまま売却を行うと「契約不適合責任」を問われるケースもあります。売主が、物件に問題があると知りながら買主に伝えずに売ってしまうと、買主は売主に対して契約解除や損害賠償請求を行う場合があるため注意してください。

6-2.自分でも相場を調べてみる

媒介契約をするならば「高い金額」を提示する不動産会社ではなく、「より正しい金額」を提示してくれる会社がおすすめです。正確な査定であるかを見極めるために、自分でも周辺の相場を調べてみると良いでしょう。

自分で相場を調べるならば、インターネットで入力をするだけで、周辺地域の相場から参考価格を出してくれる以下のようなサービスがあります。

(1)「土地総合情報システム」を利用する

土地総合情報システムを利用する 土地総合情報システム

国土交通省が実施するアンケート調査結果をもとに作成されたデータベースです。物件に関する情報が細かく記載されています。

(2) 「レインズ・マーケット・インフォメーション」を利用する

レインズを利用する レインズ・マーケット・インフォメーション

レインズとは、不動産流通機構が運営するコンピューターネットワークシステムです。直近の取引データがグラフで表示され、相場価格帯を一目で把握できます。

ほかに、物件情報サイトで似た条件の物件を見つけ、相場を知るという方法もあります。路線や駅からの距離、築年数、間取り、広さ、周辺環境が似ている物件の売出価格を調べることで、おおまかな価格を確認できます。周辺環境などの条件は似ているけれど広さが異なる物件については、売出価格を平米数や坪数で割って、平米単価、坪単価で比べてみてください。

6-3.無料査定結果から不動産会社を選ぶ

査定結果は不動産会社ごとに大きく異なる場合があります。そこで、複数の不動産会社に依頼をし、納得のいく査定額を提示したところに任せるとよいでしょう。

とはいえ、3章で説明したように、査定額だけで判断することは避けたほうがよいでしょう。査定額以外にも「担当者は信頼できるか」「物件のあるエリアに強いか」といった点についてもチェックしてみてください。

大切な財産を預けるわけですから、信頼できる担当者に任せたいものです。査定の根拠について分かりやすく説明してくれる担当者であれば、安心できます。

また、査定額が良くても販売力がない不動産会社ではなかなか買い手がつきません。エリアに強い不動産会社であれば地域へのチラシの配布や広告の掲載、販売用サイトのアクセスなどで、強みを発揮してくれる可能性があります。

まとめ

いかがでしたか?この記事では、住宅の無料査定について説明しました。

  • 不動産会社の行う査定は、仲介手数料が成功報酬であることから必ず無料です。
  • 無料だからといって、不動産会社の査定が、有料の不動産鑑定士の鑑定よりも精度が低いわけではありません。
  • 査定を依頼する際には、物件のセールスポイントはもちろんネガティブ情報もきちんと提供し、より正確な査定を出してもらうことが大切です。
  • 自分でもインターネットの不動産取引価格情報サイトや地域の物件情報などを利用して、おおよその相場をつかんでおくとよいでしょう。

住宅査定はどの不動産会社に依頼するかが重要です。複数の不動産会社に査定を依頼することで、適正な査定額を得られます。また信頼できる不動産会社を選定できることから住宅売却も早く進められ、より高く売れる可能性も増えるでしょう。

住宅の売却を検討している方は、無料の一括査定サービス「不動産売却 HOME4U」を使って信頼できる不動産会社に査定を依頼してみてくださいね。