築40年の一戸建ての売却相場は、建物の価値をゼロと考えて査定されることが一般的です。さらに耐用年数の超過や旧耐震基準などが理由で、売却することは容易でないといえます。
本記事で解説する、築40年の一戸建ての売却相場や築年数別の相場動向、売却する5つの方法を参考に、売却成功を目指しましょう。
- 築40年の一戸建ての売却相場
- 築年数別の一戸建て売却の相場動向
- 築40年の一戸建ての売却方法5つ
家売却について基礎から詳しく知りたい方は『家を売る方法|初めてでも損をしない売却手順、注意点、損しないポイントを徹底解説!』も併せてご覧ください。
Contents
1.築40年の一戸建ての売却相場|建物部分の価値はゼロと考える
築40年の一戸建ての売却相場を調べる際、建物部分の価値はゼロと判断するのが一般的です。
建物の価値がゼロになる理由は、法定耐用年数を過ぎている可能性が高いためです。住宅の耐用年数は構造別で以下のように決まっています。
出典:“耐用年数(建物/建物附属設備)”. 国税庁. (参照2024-04-03)をもとに、HOME4Uが独自に作成
耐用年数はあくまで減価償却費用算出のために、「資産価値がなくなるまでの期間」として国が設定した基準です。
そのため、耐用年数が過ぎたからといって住めなくなるわけではありません。
しかし、上記の耐用年数は、建物の資産価値を決めるうえで指標のひとつです。
築40年の一戸建てはほとんどの場合、耐用年数が過ぎていることから、建物の資産価値がないものとみなされます。
国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」の資料を見ると、グラフによって多少の差はあるものの、築20年過ぎたころから建物の価値はほとんどないことが分かります。
出典:“中古住宅流通、リフォーム市場の現状”. 国土交通省. 2010-05-17. (参照2024-04-03)
建物の資産価値は、先述の耐用年数による影響のほか、「旧耐震基準と新耐震基準の違い」や「建物の状態」も関係します。
ここでは、それぞれが建物の価値に与える影響について詳しく解説します。
1-1.旧耐震基準の建物はより価値が下がる
築年数の経過に加えて旧耐震基準の建物はより価格が下がる傾向があります。
建物の耐震基準は、「旧耐震基準」と「新耐震基準」の2種類があります。1981年以前までの耐震基準は「旧耐震基準」で建築されており、震度5強の揺れでも耐えられる強度で建てられました。
しかし、1981年6月1日以降に建てられた家は、「新耐震基準」で建築されており、「震度6〜7程度の揺れでも耐えられる強度」になっています。
地震大国といわれる日本では、首都直下地震や南海トラフ地震といった大地震が想定されることから、、旧耐震基準の一戸建ては、耐震強度への不安を理由に買主から避けられてしまう傾向があります。
また、購入後に耐震補強工事が必要になる場合があります。そのため、買い手が付きづらく、結果的に査定額は下がってしまうのが現状です。
家を売る方法について詳しくは「家を売る方法|初めてでも損をしない売却手順、注意点、損しないポイントを徹底解説!」をご覧ください。
1-2.建物の状態が良ければ価格が付く可能性も
築40年が経過していても、建物の状態が良ければ価値が付く可能性があります。
例えば、「室内がきれいで目立った老朽化などは見当たらない」「リフォーム済みでキッチンや水回りなどの設備が新しくなっている」などが挙げられます。
築40年の一戸建ての建物の価値は、先述した耐用年数が大きく影響していますが、耐用年数が過ぎていても建物がきれいな状態で、老朽化や維持管理に対するコストがそれほどかからないと判断されれば、建物にも価値がついて相場より高値で売却できることもあります。
築40年の一戸建てを売却したい方は、一括査定サービス「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」を使って査定を依頼しましょう。
一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼し、比較することができます。
複数の査定額を比較することで、大体の相場価格を掴めますので、「不動産売却 HOME4U」気軽に査定を依頼してみてください。
2.【2024年】築40年の一戸建ての相場動向
2024年最新の、築40年の一戸建て売却相場について、築年数ごとで比較し解説します。
2-1.築年数別の一戸建て売却相場
築年数別で見る一戸建ての売却相場は以下の通りです。
~築5年 | ~築10年 | ~築15年 | ~築20年 | ~築25年 | ~築30年 | 築30年~ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
売却相場 (首都圏) |
5,006 | 4,717 | 4,475 | 4,358 | 3,908 | 3,559 | 2,597 |
出典:“首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年数別成約状況【2023年1月~3月】”. 公益財団法人 東日本不動産流通機構. (参照2024-04-03)をもとに、HOME4Uが独自に作成
上記のデータは首都圏の築年数別の戸建ての売却相場です。
築5年以下の5,006万円から築年数が経過するにつれて徐々に価格が減少しています。
そして、築20年を過ぎた辺りから、価格の減少幅が大きくなっていることも分かります。さらに築30年が経過した頃には、築5年以下のおよそ半分の価格まで下がっています。
土地は築年数の影響を受けないことから、価格下落の原因は建物の価値が減少していることだと推測できます。
2-2.築40年の一戸建ての成約率は13.8%(2023年時点)
レインズが公開している「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)」のデータによると、2023年時点の一戸建て売却の成約物件のうち、築40年超の割合は13.8%、築31~40年は17.5%となっています。
前年2022年は築40年超が10.5%、築31~40年が13.8%のため、1年間で成約率は拡大傾向にあります。
さらに新規登録物件も増加傾向にあることから、中古戸建市場は活況を呈しています。
まさに、築40年の一戸建て売却を検討されている方にとっては絶好のタイミングだといえます。まずは「不動産売却 HOME4U」で査定を依頼して、「いくらで売れるのか」を把握しましょう。
3.築40年の一戸建ての売却方法5つ
築40年の一戸建ての売却方法は、次の5つがあります。
- 古家付き土地として売り出す
- 更地にする
- リフォーム・リノベーションを実施する
- 不動産買取を利用する
- 空き家バンクを活用する
それぞれの売却方法について、押さえておくべきポイントを解説します。
3-1.古家付き土地として売り出す
古家付き土地として売り出すことも選択肢のひとつです。
古家付き土地とは、文字通り 古い建物が建った状態の土地のこと を指します。この場合、建物の価値はないものと考え、取引対象は「建物と土地」ではなく、「土地」としての取引になります。
古家付き土地として売り出すことで、売主は解体費用をかけずに売却できます。また、買い手にとっても住宅ローンが利用できる、土地の価格で建物も手に入れられるなど、メリットの大きい取引です。
ただし、購入後の解体を前提とした買主の場合、解体費用分の値引きを求められ、売主の利益が少なくなってしまうこともあります。
また、解体費用が高額になりそうな物件の場合は、買い手が付きづらいでしょう。
したがって、物件の築年数や状態を確認のうえ、早く売却できたり、手元に利益が残ったりするかなどを考慮し、古家付き土地として売却すべきかを判断する必要があります。
3-2.更地にする
建物を解体し、更地にしてから売却する方法もあります。
築40年の一戸建ては築年数が長い分、売り出しても買い手が付きづらいです。
しかし更地にすることで、新しく家を建てようと考えている方や、駐車場経営やコインランドリーなど別の用途で土地を活用したい方の興味も引きやすくなるでしょう。
また、買い手にとっては解体費用を負担しなくていい点も大きなアピールポイントになります。
しかし、売主にとっては解体費用の負担がかかることが最大のデメリットです。
築40年が経過していても、建物の状態が良ければそのまま売却できる可能性もゼロではないので、更地にする前に不動産会社に相談することをおすすめします。
3-3.リフォーム・リノベーションを実施する
築40年の一戸建ての建物を残して売却したい場合は、リフォーム・リノベーションしてから売り出す方法もあります。
リフォームやリノベーションをすることで、日常生活の中で蓄積された汚れや傷みを改善でき、買い手からの印象アップも狙えます。
ただし、リフォームやリノベーションには費用がかかるうえ、必ずしも買い手が見つかるとは限りません。
費用負担と売れ残るリスクを考えると、リフォームやリノベーションは最低限に留めておくことが望ましいでしょう。
3-4.不動産買取を利用する
築40年の一戸建ては、仲介だけでなく買取で売却することも検討しましょう。
仲介は不動産会社が売主と買主の間に入って売買を行う取引方法ですが、買取は不動産会社が直接物件を買い取ります。
築年数が長い一戸建ては、売り出しても買い手が見つかりにくいため、不動産会社から仲介を断られることも珍しくありません。
一方、買取であればよほど物件に問題がない限り売却が可能です。売却までの期間は、最短1週間~1ヶ月程度になります。
仲介よりも売却価格は2~3割程度下がってしまいますが、「短期間で売却したい」「仲介での売却を断られた」といった場合は、買取対応している不動産会社に査定を依頼してみましょう。
3-5.空き家バンクを活用する
「空き家バンク」を活用して築40年の一戸建てを売却することも可能です。
空き家バンクとは、全国の地方自治体が運営する、空き家を探している人と売りたい人のマッチングサービスです。
空き家バンクの特徴は、個人間の取引であれば仲介手数料が発生しない点です。物件情報の掲載費用もかからないため、費用を抑えて売却できます。
ただし、自治体が提携している不動産会社が仲介する場合は仲介手数料が発生するため、注意が必要です。
また、全国すべての自治体が空家バンクを運営しているわけではありません。売却を検討されている方は、所有している物件がある地域の自治体に問い合わせるか、国土交通省のホームページで確認しましょう。
4.築40年以上の一戸建ては売却実績が豊富な不動産会社に依頼する
築40年の一戸建て売却は、築年数が長い物件の売却実績が豊富な不動産会社に依頼しましょう。
これまで解説したように、築40年の一戸建ての売却は簡単ではなく、建物の状態によっては取扱い自体を断られてしまうケースもあります。
売却経験が豊富で知見を多く持っている不動産会社に依頼するほうが、取り扱ってもらえる可能性が高く、売却も期待できるでしょう。
築年数が長い物件の売却実績が豊富な不動産会社を探すなら、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」が便利です。
「不動産売却 HOME4U」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,300社のなかから、最大6社を選んでまとめて査定依頼ができます。
信頼できる優良な不動産会社を探すなら、「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。
まとめ
築40年の一戸建ての売却相場について解説しました。
築40年の一戸建ての売却相場は、建物の価値がないものとして考え、土地だけの価値で査定額が決まることが一般的です。
建物に価値がない理由は耐用年数の超過の影響が大きいです。旧耐震基準で建てられた建物は、さらに価格が下がる傾向があります。
しかし、建物の状態が良く目立った老朽化などがないようであれば、建物に対しても価値がつく可能性があります。
また、古家付き土地、あるいは建物を解体し更地にしてから売却するなどの方法で、築40年の一戸建てでも十分に売却は可能です。
売却を検討されている方は、一度「不動産売却 HOME4U」で査定を依頼した上で、最適な売却方法を選択しましょう。