土地の境界線は目で見えません。また、境界標などの目印があっても、すべてが正しいものとも限りません。
土地を売買する際は、土地の正確な面積をしったうえで取引すると、トラブルなくスムーズに進められます。
そのためには、現況での正確な土地面積である、実測面積を理解する必要があります。
この記事では、実測面積と、違いを知っておくべき公簿面積について詳しく解説しています。
また、売買の際に重要にな考え方となる、実測売買と公簿売買についても紹介しますので、土地の売買を検討されている方は特に、活用しやすい内容となっています。
- 実測面積と公簿面積の特徴・違い
- 実測面積と公簿面積それぞれのメリット
- 確定面積図と現況面積図の特徴・違い
土地の売却について基礎から詳しく知りたい方は『【専門家が解説】土地を売る流れ』も併せてご覧ください。
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Contents
1.実測面積とは
実測面積とは、実際に土地を測量して算出された面積のことをいいます。
過去に登記されている土地の面積と、現況の面積が異なる場合があるため、実測面積が最も正確な土地面積となります。
実測面積を計測する際は、土地家屋調査士などの資格者に依頼します。
土地の売買を行う際は、正しくない面積で取引をしてしまうと、正当な価値を付けられないほか、トラブルに発展する可能性があるため、実測面積が好まれます。
実測面積での売買の必要性については、3章で解説いたします。
2.実測面積と公簿面積との違い
公簿面積とは、法務局の登記簿に記載されている面積のことです。登記簿面積と呼ばれることもあります。
公簿面積はデータが古かったり 、意図的に少なく申告されていたりすることが原因で、実測面積との間に差異が生じるケースが多くあります。
実測面積を計測した結果、登記簿面積との間に差異があった場合は、地積更正登記を行います。
測量により、実質的に土地面積が増えた場合は、固定資産税も増税するため注意しましょう。
土地を売買する際は、地積更生により固定資産税に変更があることまでお伝えすると親切かと思います。
3.実測売買と公簿売買どちらがいい
実測売買とは、 実測面積に基づいて土地の売買契約を行うことです。実測売買では、契約の際に土地家屋調査士による土地の面積の実測を行います。もし公簿面積で売り出した結果、買主が見つかり、その後契約にのっとって実測面積を計測する場合は、面積の差によって生じた差額を精算します。
一方で公簿売買とは、公募面積に基づいて土地の売買を行うことです。そのため、土地の売買の際に改めて測量を行うことありません。ただし、公簿面積の正確性は比較的低いため、公正な取引は難しい傾向があります。
2つの売買方法の特徴をまとめると、以下のようになります。
- 実測売買・・・手間はかかるが、正確性の高い取引ができる
- 公簿売買・・・手間は手間がかからないが、正確性が低い
では、以下の見出しでどちらの売買方法が良いかについて解説します。
3-1.基本的に実測売買が好ましい
時間やコストはかかりますが、土地の売買は基本的に実測売買が好ましいです。なぜなら、より正確な土地の面積に基づき、公正な取引ができるためです。
また、隣接地権者との境界を明確にすることで、後のトラブルを防げるというメリットもあります。 土地の売買は、多少の面積の違いによっても取引金額が大きく異なってくるため、基本的には実測売買が選ばれます。
3-2.公簿面積が信頼できる場合は公簿売買
もし公簿面積が信頼できる場合は、土地の取引を公簿売買で行なっても構いません。公簿面積が信頼できる土地としては、最近分筆登記や地積更正登記が行われたものなどが挙げられます。
公簿売買のメリットは、時間とお金も節約できることです。よって、公簿面積が信頼できるケースでは、コストを抑えて取引ができます。
4.実測売買を行う場合の測量図の違い
実測面積の測量方法には、先述の通り確定測量と現況測量の2種類があります 。以下の見出しでは、これらの違いについて解説しますが、 その前にそれぞれの特徴を表で確認します。
確定測量 | 現況測量 | |
---|---|---|
境界の特定 | 行う | 行わない |
面積の正確性 | 高い | あまり高くない |
測量費用 | 高め | 安め |
測量期間 | 1ヵ月半~3ヵ月程度 | 1~7日程度 |
では、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
4-1.確定測量図
確定測量図とは、確定測量によって作成される実測図のことです。また確定測量とは、官有地も含めた隣接地所有者の立会いのもとで、境界を明確にして行う測量のことです。
確定測量図は、すべての境界が確定していることを意味します。そのため、確定測量図にしたがった取引を行うことで、トラブルのリスクを抑えられます。
確定測量図の作成費用は土地の面積によって異なりますが、相場は50万円~100万円程度です。また確定測量図の作成期間は、 境界の確定状況や関係する地権者の数によって変わってくるため、1ヵ月から半年程度と幅があります。
4-2.現況測量図
現況測量図とは、現況測量によって土地の大まかな面積や形状が記載された図面のことです。現況測量では、土地の境界を明確にすることがないため、フェンスやブロック塀で区切られた範囲などあくまである程度の面積しか把握できません。 それゆえ、土地の売買など正確な面積が求められる取引においては、活用はあまり好ましくないとされます。
現況測量図の作成費用は土地の面積によって異なりますが、相場は10万円程度です。また現況測量図の作成期間は、 境界の確定状況や関係する地権者の数によって変わってきますが、おおよそ1週間程度で完了します。現況測量図の作成には、 正確性は欠けるいっぽうで、このような手軽の低さというメリットがあります。
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この記事のポイント
実測面積とは、以下の特徴を持つ土地面積のことを指します。
- 実際の測量によって算出される
- 測量は土地家屋調査士などの有資格者によって行われる
- より正確な土地の面積に基づいた取引ができる
詳しくは「1. 実測面積とは」をご覧ください。
実測面積と公簿面積の違いは、以下のとおりです。
- 公簿面積は登記簿に記載されている土地の面積
- 公簿面積は正確性に欠ける
- 土地の取引を行う際は実測面積を出すことが多い
詳しくは「2.実測面積と公簿面積との違い」をご覧ください。
実測売買と公簿売買それぞれのメリットは、以下のとおりです。
- 実測売買は正確性が高い
- 公簿売買は時間的・金銭的コストを抑えられる
- 基本的には実測売買が好ましい
詳しくは「3.実測売買と公簿売買どちらがいい」をご覧ください。
実測売買を行う場合の測量図による違いは、以下のとおりです。
- 確定測量図では土地の境界が明確になっており、正確な土地の面積が記載されている
- 現況測量図では土地の境界が明確になっておらず、おおまかな土地の面積が記載されている
- 土地の取引を行う際は確定測量図を作成するのが好ましい
詳しくは「4. 実測売買を行う場合の測量図の違い」をご覧ください。