「マンションを売却したいけど、リフォームはした方がいいのか?」
マンションを売却したい人のなかには、上記のようにリフォームをした方が売れやすくなるのではと、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
やはり生活しているなかで壁やキッチン周りなどが傷んだり古くなったりして、見栄えが悪いと感じる場所もありますよね。
しかし、マンション売却において、基本的にリフォームは必要ありません。
本記事では、マンション売却でリフォームが不要な理由について解説しています。
また、例外的にリフォームが必要なケースやリフォームなしでも魅力を高める方法を解説していますので、合わせて参考にしてください。
- 「マンションを売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
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マンションの売却全体の詳しい流れは以下の記事をご覧ください。
Contents
1.マンション売却前のリフォームが不要な3つの理由
マンション売却では、原則としてリフォームは不要です。この章では、リフォームが不要の理由について解説します。
1-1.【理由1】そもそもリフォーム済み物件があまり求められていないから
リフォームが不要な理由として、そもそも買主からリフォーム済み物件があまり求められていないという点があります。
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が実施した「土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果(2017年3月)」(以下、「本調査」と略)によるアンケート結果を示します。本調査では中古住宅の購入検討者に対し、リフォームに関するアンケートを行っています。リフォーム実施意向の調査結果は以下の通りです。
アンケートでは、購入検討者の過半数(53.1%)が「必要があれば行いたい(住み始めてから自分でリフォームを判断して行いたい)」と答えています。一方で、「リフォーム済みがほしい(売主の方でリフォームを済ませてくれている物件を買いたい)」と答えている方は、わずか13.6%しかいません。
また中古物件の購入者は、価格が安いことに最大の魅力を感じて「中古」を選びます。このことからも、リフォームによって価格が高くなっている物件は、購入者からすると魅力が半減している物件であるといえます。
以上のことから、リフォームは購入希望者から強く求められているものではなく、中古マンションは価格が安い方が好まれるため、売主側であえてリフォームをする必要はないといえます。
1-2.【理由2】買主と好みが違うことが多いから
リフォームが不要な理由として、売主側でリフォームしてしまうと、買主と好みが違う場合があり、売りづらくなるという点が考えられます。
前節のアンケートの結果どおり、中古マンションの購入者は、購入後に自分で自由にリフォームしたいと考えている方が多いです。そのため、下手に売主側にリフォームされてしまうと、買主の好みに合わなくなるという問題が生じます。
本調査では、リフォームの実施状況についてもアンケートを行っています。前節のアンケート結果は「購入前の方」が対象でしたが、以下のアンケート結果は「購入後の方」が対象です。中古物件の購入者におけるリフォームの実施状況は以下のようになっています。
出典:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が実施した「土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果(2017年3月)」
購入前の方も「必要があれば行いたい」という声が過半を占めていましたが、購入後は4割ほどの方が実際に自分でリフォームを行っていることがわかります。つまり、購入後、かなりの方が自分で費用を負担してでもリフォームを行っているということです。
買主が費用負担をいとわないのには、自分で自由にリフォームができるという「楽しみ」があるという理由もあります。近年のマンションリフォームは、比較的安い金額でもデザイン性の高いリフォームができるため、購入後に自分らしい住まいに変えることを楽しみにしている方も多いと考えられます。物件を安く購入できれば、自分でリフォームに充てることができる予算も増やすことができます。
また、こだわりのある買主は、素材や製品は自分で選びたいと考える方も少なくありません。売主で行ったリフォームが買主のセンスに合っていない場合、逆に売れなくなるリスクを高めてしまいます。
以上のことから、マンションは売主側で特にリフォームせず、そのまま売った方がよいとおわかりいただけるでしょう。
1-3.【理由3】リフォーム費用が回収できないことが多いから
リフォームが不要な理由として、リフォーム費用が回収できないことが多いという点があります。
例えば、何もしなくても3,500万円で売却できるマンションがあったとします。その物件に300万円のリフォームを行って、3,800万円以上で売却しようと考えた場合、必ずしもリフォーム代を上乗せした価格で売却できるとは限らないのです。
売主の立場で考えると、リフォーム費用を回収できないならば、リフォームをする必要はありません。リフォームによって売主が損をする可能性が高まりますので、何もせずそのまま売却した方が良いといえます。
リフォームを考える前には、査定で現状の価値を判断するとともに、信頼できる不動産会社を見つけて相談することをおすすめします。
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簡単に複数社を比較できるため、不動産会社選びが簡単になります。
2.リフォームした方がいいケースとは?
マンションの売却時には基本的にリフォームは不要ですが、中にはリフォームをした方がいいケースも存在します。
具体的には、以下の3つのケースです。
2-1.極端な汚れがある場合
家全体を通して極端な汚れがある場合には、リフォームをおすすめします。
汚れで多いのは、壁紙やフローリング、水周りです。またタバコを吸う人が、家中にヤニ汚れや匂いがついていることがあるので、リフォームで綺麗にしておきたいところでしょう。
汚れがある場所をリフォームした方がいい理由としては、汚れや匂いは不快感を与えてしまうためです。売却のために内覧をしてもらっても、内覧した人が不快感を感じてしまうと、売れなくなる可能性が高くなります。
日常生活を送る上で気になる場所は、可能な限り綺麗な状態にしておくことが望ましいです。
2-2.安価にリフォームできる部分がある場合
2つ目にリフフォームした方がいいケースは、安価にリフォームできる部分です。
例としては、壁紙や畳、フローリング、ドア、スイッチプレートなどが挙げられます。
このような部分をリフォームしておくことで、内覧時の印象がよくなりますし、リフォーム費用の回収もしやすいというメリットがあります。
細かい部分であっても、リフォームしておくことで内覧で好印象を得られるだけでなく、ライバル物件と差をつけることにも繋がります。
ただし、本当にコストに見合ったリフォームになるか、不動産会社に事前に相談してから実施することをおすすめします。
2-3.立地が良く築古な物件
築40年以上経過していても、駅から徒歩5分圏内にあるような好立地の物件は、買い手がつく可能性が高くなります。一方で、建物の価値がほぼなくなっているため、リフォームしたときの価格の「伸びしろ」が大きくなります。
例えば、駅から徒歩5分で相場が3000万のエリアで想定してみましょう。このエリアにある1,000万円の築古物件をリフォームして1,500万円で売ったとします。この場合、リフォーム代を含めても相場より安価なため、購入層の幅が広がり、リフォーム費用を回収しやすくなるでしょう。
これは、マンションにも当てはまります。40年以上の築古でもリフォームで再生させることで買い手が付きやすくなる可能性が高くなります。
もちろん、無理にリフォームをする必要はありません。もしリフォームして高額売却を目指す場合は、不動産会社に事前に相談した上で実行するようにしてください。
3.買主が求めているリフォーム箇所
リフォームといっても、フルリフォームもあれば部分リフォームもあります。仮にリフォームを行う場合、投資回収リスクを最小限に抑えるのであれば、部分リフォームをした方が安全です。
リフォームも、買主が求めている箇所と、求めていない箇所があるため、リフォームを行う場合は実施個所を選定する必要があります。本調査では、中古物件の購入者に対して、「リフォームを実施した箇所」についてのアンケートを行っています。リフォームの実施個所の結果は以下の通りです。
出典:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が実施した「土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果(2017年3月)」
リフォームの実施個所は「キッチン、浴室、トイレ等の交換」が70.5%となっており、かなり多くの方がキッチン、浴室、トイレ等のリフォームを実施していることがわかります。いわゆる「水回り」と呼ばれる部分ですが、水回りの部分は新しく交換したいというニーズが高いとわかります。そのため、仮に部分リフォームをするのであれば、水回りを中心に実行するのが効果的です。
ただし、水回りの部分でも、特にキッチンに関しては好みが分かれるため、売主側でリフォームするかどうかは不動産会社に必ず相談してください。キッチンは、住宅の中でも「見せ場」と言われる部分であり、新築マンションではプロの設計者が非常に気を使ってデザインする場所です。知識に乏しい一般の方が、下手にキッチンをリフォームしてしまうと、そのリフォームが原因で売却しにくくなることもあります。
また、浴室についても、シャワーヘッドやカラン(蛇口)等のデザイン性、または機能性について好みが分かれる部分です。例えば、自信をもっておしゃれで小さめのステンレス製シャワーヘッドを選んでも、実は髪の長い女性には大きめのシャワーヘッドの方がシャンプーしやすく好まれる、といったこともありえます。
このように、水回りはリフォームして効果のある部分ではあるものの、選んだデザインや製品によっては逆に売りにくさを生む原因にもなってしまいます。よって、水回りのデザインや機能性について、造詣が深くない場合には、リフォームはせずにそのまま売却することをおすすめします。
4.リフォーム費用の相場
リフォームの相場は、どの箇所を行うかで金額が変わってきます。そのため、リフォーム費用の「相場」というものは一概には言えません。
ただし、購入者が購入後のリフォームでどれくらいの費用をかけているのかは結果が出ています。本調査では、リフォームを実施した購入者に対し、実施費用のアンケートを行っています。アンケート結果は以下の通りです。
出典:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が実施した「土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果(2017年3月)」
アンケート結果では、「100万円以上200万円未満」が最も多いことが分かります。アンケートは買主が行っているリフォーム金額なので、逆に「100万円以上200万円未満」程度のリフォームを行えば、買主はそれなりに満足するものと考えられます。
購入者が手をかけようとするリフォームは「キッチン、浴室、トイレ等の交換」でした。例えば、ユニットバス (浴室)の交換費用の相場は100万円~150万円程度です。そのため、100万円~200万円となると、「ユニットバス交換+α」のような工事内容を行っている費用となります。
ちなみに、ユニットバスを交換している物件は、買主に喜ばれることが多いです。もし売主側でリフォームを行うのであれば、100万円~200万円の範囲でユニットバスの交換程度をしておけば十分といえるでしょう。
5.リフォームなしでも魅力を高める方法
リフォーム費用をおさえ、かつ、なるべく見栄えのよい状態で内覧者に物件を見てもらえることが理想的です。ここでは、リフォームなしでも物件の魅力を高める方法や活用できるサービスなどをまとめました。
5-1.自力での補修
リフォームは費用負担が大きく、物件が売れたとしてもかえって赤字になってしまうこともあります。なるべくコストを抑えて内装をきれいにしたい場合は、壁紙や備品などをDIYで修繕するのがおすすめです。ホームセンターで購入できる工具や材料を使って簡単にできるものもあるので、ぜひチャレンジしてみてください。
あわせて、自力で落とせる傷や汚れなども、できる限り修繕するとよいでしょう。
5-2.水回りを清潔にする
印象の良い内装を作るポイントは、なるべく生活感のない部屋にすることです。特にキッチン、バスルーム、トイレなどの水回りが汚れていると清潔感を損なう恐れがあるので、入念に清掃を行ってください。
5-3.室内の整理整頓を行い、消臭する
さらに生活感をなくす方法として、物を減らすこと、家の中の臭いに気を付けることがあります。
広くて明るい部屋にすることを心がけ、余計なものは置かないように整理整頓を行うのが好ましいといえるでしょう。ものが多ければ処分するか、実家やトランクルームに預けましょう。
また、家の中の臭いは住んでいるとわかりにくいものです。カーテンやクッション、シューズクロークなどの臭いも念入りに消臭するなど、気を配ってください。
5-4.ハウスクリーニングを実施する
リフォームよりも費用が安く、隅々まで部屋をきれいにしてくれるのがハウスクリーニングです。手軽な価格で物件の見栄えをアップできるため、リフォームよりも遥かにコストパフォーマンスがよいサービスといえます。
内覧者を招く前に、清潔感に直結しやすい水回りだけでも、ハウスクリーニングを依頼してみるのもよいかもしれません。
5-5.ホームステージングを依頼する
ホームステージングとは、家具やインテリアなどを配置して、物件がより魅力的に見えるようにプロがコーディネートすることです。
ホームステージングを利用すれば、リフォームすることなくモデルルームのような空間に仕上げて内覧者を招くことができます。購入後の生活をイメージしながら物件を内覧できるため、より物件を売却できる確率が高まるでしょう。
6.リフォームは不動産会社に相談してから決める
リフォームすべきかどうかは、不動産会社に相談してから決めることが安全です。リフォーム費用が回収できないリスクがあるため、まずは「リフォームが必要なのか」プロの意見を聞いて客観的に判断することをおすすめします。
リフォームすべきかどうかは、具体的にはリフォームをしていない状態のまま、一度、査定を依頼することでわかります。査定して値段が付くということは、「売れる」ということを意味します。本当に売れないマンションなら値段を付けようがないので、査定結果はゼロ円となるはずです。
一般的に、ほとんどの中古マンションは、リフォームしない状態でも査定結果がゼロ円にはなりません。つまり、リフォームしなくても売れるということです。査定価格がゼロ円でなければ、「リフォームしないと売れないのではないか?」という疑問は解消できるでしょう。
リフォームに興味がある方は、査定を依頼する際に「リフォームすべきかどうか」を不動産会社に聞くことも可能です。リフォームに対する意見は、不動産会社によって意見が割れる可能性がありますので、複数の不動産会社に査定を依頼し、意見を聞くことが失敗しないコツです。
複数の不動産会社に査定を依頼するのであれば、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」が適しています。「不動産売却 HOME4U」は、大手から地域密着の不動産会社まで幅広く提携しており、最大6社に査定ができるため、様々な意見を聞くことができる点がメリットです。
リフォームに関する意見は、どうしても主観を含んでしまうため、意見を聞く範囲を広げることが適切になります。仮に不動産会社の意見が割れても、多数決で決めれば大丈夫です。「リフォームはした方が良い」という意見が多かったときに、はじめてリフォームを行うようにしてください。
尚、不動産会社からは、恐らくリフォームよりも「修繕をした方が良い」というアドバイスの方が多いはずです。損傷個所は、価格が下がる原因にもなります。修繕に関しても、「どこを修繕すべきか」を聞いてから実施すれば、無駄なく行うことが可能です。
不動産会社に実際に訪問査定を依頼して見てもらえば「この程度なら修繕は不要です」「ここは修繕した方がよいですね」といった意見を具体的に、直接聞くことができます。リフォームも修繕も、複数の不動産会社の意見を聞いてから実施すれば、無駄にはなりません。
まずは、「不動産売却 HOME4U」から複数の不動産会社に査定を依頼してみてください。
マンション売却に関する詳しい解説は、下記の記事を参考ください。
まとめ
いかがでしたか。この記事ではマンションを売却する際のリフォームの是非について説明しました。
マンションを売却する時、基本的にはリフォームを行う必要はありません。しかし、費用対効果の高い修繕が期待できる場合や、現状の住宅では買い手が見つからない場合などは、リフォームをすることで売却しやすい住宅になることもあります。
迷った時は不動産会社に相談し、ハウスクリーニングやDIYなど、リフォームなしで住宅をきれいにする方法も併せて検討するとよいでしょう。
リフォームについての相談は、「不動産売却 HOME4U」によって複数の不動産会社の意見を聞くことが重要です。無駄なリフォームをしないためにも、まずは複数の不動産会社にしっかり現状を見てもらい、意見を聞いた上で判断するようにしてください。
この記事のポイント まとめ
マンション売却前のリフォームが不要な理由は以下の通りです。
- そもそもリフォーム済み物件があまり求められていないから
- 買主と好みが違うことが多いから
- リフォーム費用が回収できないことが多いから
詳細は「1.マンション売却前のリフォームが不要な3つの理由」をご覧ください。
リフォームなしでも魅力を最大限引き出す方法は以下の通りです。
- 自力での補修
- 水回りを清潔にする
- 室内の整理整頓を行い、消臭する
- ハウスクリーニングを実施する
- ホームステージングを依頼する
詳細は、「5.リフォームなしでも魅力を高める方法」をご覧ください。