【2023年更新】最新の路線価発表状況からみる動向

【2023年更新】最新の路線価発表状況からみる動向

2023年の路線価は、2023年7月初旬に発表されます。路線価は、相続税や贈与税の計算根拠とする土地の相続税評価額を求めるための土地単価のことです。

2022年の路線価は、2021年よりも総じて改善傾向が見られました。
2023年の路線価はどのように変化していくのでしょうか。

この記事を読めば、路線価の発表時期がわかり、2023年の路線価がある程度予想できようになります。

この記事を読むとわかること

  • 最新の路線価の動向
  • 路線価の活用方法
  • 地価公示から予測する路線価の傾向
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1.路線価とは。2023年の路線価発表は7月

路線価とは。2023年の路線価発表は7月

路線価とは、土地の相続税評価額を求めるための平米単価のことを指します。

路線価発表日は基本的に、毎年7月初旬に発表されます。

例えば、2022年7月1日は金曜日でしたので、「2022年(令和4年)の路線価」は7月1日(金)に発表されています。また、2017年7月1日は土曜日でしたので、「2017年(平成29年)の路線価」は7月3日(月)でした。

2023年の路線価は、恐らく2023年7月3日(月)に発表されるものと予想されます。

1-1.基準となる公示地価の発表は3月

路線価は、公示地価の80%を基準として算出されます。

公示地価とは、国土交通省土地鑑定委員会によって調査される、毎年1月1日時点の土地評価額であり、毎年3月に公表されています。

路線価は7月初旬に公表されますが、路線価の価格時点も1月1日です。
公示地価を基準に算出するため、およそ半年も遅れた情報となってしまうのです。

路線価は、結果的に地価公示の80%程度となりますが、公示地価の情報に加えて、様々な調査を実施して価格を算出しています。
そのため、公示価格発表時点で路線価のおおよその目安は計算できますが、正しい価格を知るには7月の発表を待つ必要があります。

1-2.固定資産税路線価との混同に注意

相続税路線価と固定資産税の2つの『路線価』がありますが、単に『路線価』と記載する際は、相続税路線価のことを指すことがほとんどです。
この記事でも、相続税路線価のことを『路線価』として解説しております。

なお、2つの路線価の違いは、以下の通りとなります。

相続税路線価(路線価) 固定資産税路線価
目的 相続税、贈与税の算定 固定資産税、不動産取得税等の算定
調査主体 国税庁 市区町村(東京23区は東京都)
価格見直しの頻度 毎年 3年位に一度
公表時期 毎年7月 毎年3月ごろ

2.【最新版】2022年の路線価の動向

【最新版】2022年の路線価の動向

2022年における各都道府県の最高路線価地点の路線価(千円/平米)と変動率を示すと下表の通りです。


都市名 最高路線価の所在地 最高路線価 対前年変動率(%)
2022年
札幌 中央区北5条西3丁目札幌停車場線通り 616万円 4.8
青森 新町1丁目新町通り 16万円 0
盛岡 大通2丁目大通り 23万円 ▲2.2
仙台 青葉区中央1丁目青葉通り 339万円 2.7
秋田 中通2丁目秋田駅前通り 13万円 0
山形 香澄町1丁目山形駅前大通り 18万円 2.9
福島 栄町福島駅前通り 20万円 2.6
水戸 宮町1丁目水戸駅北口ロータリー 22万円 ▲2.2
宇都宮 宮みらい宇都宮駅東口駅前ロータリー 31万円 3.3
前橋 本町2丁目本町通り 13万円 0
さいたま 大宮区桜木町2丁目大宮駅西口駅前ロータリー 440万円 3.3
新潟 中央区東大通1丁目新潟駅前通り 44万円 0
長野 大字南長野長野駅前通り 28万円 ▲1.8
千葉 中央区富士見2丁目千葉駅前大通り 124万円 5.1
東京 中央区銀座5丁目銀座中央通り 4,224万円 ▲1.1
横浜 西区南幸1丁目横浜駅西口バスターミナル前通り 1,656万円 3
甲府 丸の内1丁目甲府駅前通り 26万円 ▲1.9
富山 桜町1丁目駅前広場通り 50万円 2
金沢 堀川新町金沢駅東広場通り 89万円 ▲3.3
福井 中央1丁目福井駅西口広場通り 33万円 0
岐阜 吉野町5丁目岐阜停車場線通り 47万円 0
静岡 葵区紺屋町紺屋町名店街呉服町通り 114万円 ▲1.7
名古屋 中村区名駅1丁目名駅通り 1,248万円 1.3
羽所町津停車場線通り 19万円 ▲2.6
大津 春日町JR大津駅前通り 28万円 1.9
京都 下京区四条通寺町東入2丁目御旅町四条通 673万円 3.1
大阪 北区角田町御堂筋 1,896万円 ▲4.0
神戸 中央区三宮町1丁目三宮センター街 490万円 ▲5.8
奈良 東向中町大宮通り 69万円 ▲1.4
和歌山 友田町5丁目JR和歌山駅前 36万円 0
鳥取 栄町若桜街道通り 10万円 ▲4.8
松江 朝日町駅通り 14万円 0
岡山 北区本町市役所筋 150万円 1.4
広島 中区胡町相生通り 329万円 3.5
山口 小郡黄金町山口阿知須宇部線通り 15万円 0
徳島 一番町3丁目徳島駅前広場通り 30万円 0
高松 丸亀町高松丸亀町商店街 35万円 ▲2.8
松山 大街道2丁目大街道商店街 66万円 0
高知 帯屋町1丁目帯屋町商店街 21万円 0
福岡 中央区天神2丁目渡辺通り 880万円 0
佐賀 駅前中央1丁目駅前中央通り 21万円 2.5
長崎 浜町浜市アーケード 76万円 0
熊本 中央区手取本町下通りアーケード 206万円 ▲1.9
大分 末広町1丁目大分駅北口ロータリー 53万円 0
宮崎 橘通西3丁目橘通り 23万円 0
鹿児島 東千石町天文館電車通り 90万円 ▲1.1
那覇 久茂地3丁目国際通り 142万円 ▲0.7

出典:国税庁「令和4年分都道府県庁所在都市の最高路線価

2022年における各都道府県の最高地点の路線価の変動率は、2021年と比較すると上昇に転じている、もしくは下落幅が縮小している傾向が見て取れます。

2022年の路線価に改善傾向が見られたのは、新型コロナウイルスの影響を徐々に脱却していったからです。
前年の2021年は、2020年における新型コロナウイルスの影響を受けてしまった年であったため、路線価が下落した地点も多く見られました。

2022年の路線価は、2022年1月1日時点の地価公示をベースにした価格です。
2021年から2022年にかけての不動産市場の動きを反映したものとなります。
2021年に入って以降、国内の不動産取引が徐々に回復したため、2022年1月1日時点の地価公示は多くの地点で改善傾向が見られました。
その結果、2022年の路線価も総じて改善傾向が見られるようになったのです。

不動産の動向については『家を売るタイミングの見極め方|高く売るための5つの指標とタイミングを誤らないためのポイント!』でも詳しく解説しています。
また、マンションの動向については『 【2023年】マンションの値上がりはいつまで続く?価格高騰の理由を解説』をご覧ください

3.路線価の活用方法

路線価の活用方法

路線価に土地面積をかけると、相続税評価額を計算できます。
相続税評価額は、相続税はもちろん、贈与税の算定基準にもなる、不動産の価格です。

そのため、路線価は以下3通りの活用ができます。

  • 相続税の計算 
  • 贈与税の計算
  • 融資を受ける際の資産評価

3-1.相続税の計算

相続税路線価は、主に土地の相続税評価額を求めるために利用します。
土地の相続税評価額の概算額の求め方は以下の通りです。

土地の相続税評価額の概算額 = 路線価(千円/平米) × 面積(平米)

実際の相続税評価額では、道路との接面状況や形状に応じた補正を行って算出します。

相続税は、他の資産の評価額も合算した上で計算されます。
合計の遺産額から基礎控除額を控除し、法定相続人の法定相続分による取得金額に応じた税率を乗じる等の一定の計算手続きを経て求められます。

3-2.贈与税の計算

土地を贈与したときの贈与税も相続税評価額に基づいて計算されます。
相続税評価額の求め方は、贈与税も相続税も同じです。

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた他の資産の評価額も合算した上で計算されます。
合計の贈与額から基礎控除額を控除し、課税価格に応じた税率を乗じる等の一定の計算手続きを経て求められます。

3-3.融資を受ける際の資産評価

一部の銀行では、相続税路線価を担保評価に用いています。

簡易的に土地の価格を求められる相続税路線価は、担保評価に利用されることも多いです。
あくまでも利用されるのは土地の担保評価のみであり、建物は別途、異なる方法で評価額を求めます。

4.地価公示から予測する路線価の傾向

地価公示から予測する路線価の傾向

路線価に直接関係のある地価公示の動向から2023年の路線価がどうなっていくのか考えていきます。

まずは、近年の公示地価と変動率の推移を確認してみましょう。

出典:国土交通省「地価公示」

2020年までは変動率は上昇傾向にありましたが、2021年に新型コロナウイルスの影響でマイナスとなり、2022年にはプラスに転じている状況です。2023年の地価公示の変動率もプラスとなれば、2023年の路線価も昨年より上昇するものと見込まれます。

2023年の地価公示は未発表の段階ですが、2022年12月時点においては今のところ2023年の地価公示が大きく下落するような要因は発生していません。

そのため、2023年の地価公示も上昇傾向が続くと予想されます。
公示価格が上昇すれば、追従するように路線価も上昇するでしょう。

この記事のポイントまとめ

路線価とは?

路線価とは、土地の相続税評価額を求めるための土地単価のことです。
毎年7月初旬に発表されます。
詳しくは「1. 路線価とは2023年の路線価発表は7月」をご覧ください。

2022年の路線価の傾向は?

2022年の路線価は上昇に転じた地点、下落幅が縮小した地点が多く見られました。
詳しくは「2.2022年の路線価の動向」をご覧ください。

路線価はどのように活用できる?

相続税や贈与税の算出に活用できるほか、不動産を担保にローンを組む際の担保評価の基準とすることもできます。
詳しくは「3.路線価の活用方法」をご覧ください。

2023年の路線価はどうなる?

2022年の地価公示は上昇傾向であり、2023年1月1日時点で、下落する大きな材料もないことから2023年も上昇の継続が予想されます。
公示価格が上昇した地域では、基本的に路線価も上昇します。
詳しくは「4.地価公示から予測する路線価の傾向」をご覧ください。

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