築25年の一戸建ての資産価値はどうなる?高く売る3つのコツ

築25年の一戸建ての資産価値はどうなる?高く売る3つのコツ

築25年の一戸建ての資産価値はどれくらいあるのでしょうか?

一戸建ての売却相場を考えるときは、資産価値を「土地」と「建物」に分ける必要があります。

建物の価値は築年の経過に従ってゼロに近づきますが、築25年の一戸建ての場合は、立地や建物の状態がよければ一定の資産価値を維持したまま売却が可能 です。

ただし、「売れ残る」「高値で売れない」といった失敗を避けるには、建物の価値を見極めたうえで売却活動を開始する必要があります。

この記事では、築25年の一戸建ての資産価値の決まり方から、高く売るためのコツ、売却時の注意点までを解説します。

この記事を読むとわかること
  • 築25年の一戸建ての資産価値
  • 築25年の一戸建てを高く売るコツ
  • 築25年の一戸建て売却時の注意点
「家を売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「家を売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格(※)”が見つかります
  • ※依頼する6社の中での最高価格
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

1.築25年の一戸建ての資産価値

一戸建ての資産価値を考える際は、マンションとは異なり、土地と建物を分ける必要があります。
建物と土地それぞれについて、築年数と資産価値の関係を解説します。

1-1.建物の価値は築年数に伴い下がる

建物の価値は、築年数の経過とともに下がります。どの程度下がるかは建物の構造やメンテナンスの状況などで変わりますが、木造住宅の場合、およそ20~25年で建物の価値はゼロに近づきます。

このような、築年数の経過とともに価値が下がる資産を「減価償却資産」といい、その資産価値の下がり方の目安となるのが、国税庁の定める法定耐用年数です(表1参照)。

表1 建物の法定耐用年数
構造 耐用年数
木造(住宅・店舗用) 22年
鉄筋コンクリート(住宅用) 47年

出典:PDF主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

耐用年数は、建物など固定資産を使用できる期間です。資産の種類や用途によって異なり、償却資産の評価に用いられます。

一戸建て全体の9割以上を占める木造住宅は、マンションと比べると耐用年数が短い分、築年数に応じて価値が下がりやすくなっています。

ただし、法定耐用年数は税務上の減価償却費を計算するための指標であり、建物として住めなくなるわけではありません。
木造住宅でもしっかりと維持管理することで、30年、40年と利用し続けることが可能です。

あくまで建物の資産価値を評価する目安として、木造住宅の場合、築20~25年でゼロに近づくということです。

出典:PDF“平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計結果の概要”.総務省統計局.(参照2024-04-18)

1-2.土地の価値は年数で変わらない

建物とは異なり、土地は年数が経過しても価値は変わりません。
土地の価格は、金融政策やインバウンド需要、地域の再開発や新駅開業など、経済環境や周辺環境の変化の影響を受けます。

2024年(令和6年)の公示地価の全国平均を見ると、新型コロナ感染拡大の影響を受けた2021年(令和3年)を除き、住宅地・商業地ともに全国的には上昇傾向が続いています。

土地の価値は年数で変わらない

PDF“令和6年地価公示の概要”.国土交通省」をもとにお家のいろはが独自作成

土地は購入からの年数ではなく、購入から地価がどれだけ上昇あるいは下落したかによって資産価値が変わるということです。

1-3.築25年の一戸建ての相場

築25年の一戸建ての相場

築25年の一戸建ての相場は、土地と建物それぞれ価値を合わせて算出します。

土地の価格+建物の価格=一戸建ての相場

土地の価格は、通常、取引事例比較法という方法で査定されます。取引事例比較法は、条件が似た過去の取引事例と比較しながら価格を算出する方法です。

交通の便や周辺環境、土地の間口や形状、道路付け、方角など、さまざまな項目について参考にする事例と比較して評価を行います。

周辺環境などは一戸建てを購入した当時と変わっている可能性もあるため、売却時点での状況を踏まえて査定します。

次に、建物の査定価格については、不動産流通推進センターの価格査定マニュアルに基づく試算が参考になります(図1参照)。
同センターは、全国の不動産流通市場の整備のために物件情報のネットワークシステムの管理や不動産会社が中古住宅を査定する際の基準となるマニュアル作成などを手掛けている公益財団法人です。

図1 築年数と中古住宅の市場価値の推移

築25年の一戸建ての相場

出典:PDF“中古住宅流通 リフォーム市場の現状”.国土交通省.(参照2024-04-18)

オレンジ色の線が価格査定マニュアルに基づく試算結果です。
査定価格においても、おおむね法定耐用年数に基づく資産価値と同様の下がり方をしており、築25年時点での建物の価値は新築時の10%程度です。

つまり、築25年の一戸建ての査定価格の目安として、土地の価格は地価の変動の影響を受けなければ変わらず、建物の価格は新築時の10%程度であるといえます。

例えば、新築時の資産価値が5,000万円(土地3,000万円、建物2,000万円)の一戸建ての25年後の相場の目安として、地価の変動を考慮しなければ次のように考えられます。

土地の価値3,000万円+建物価値2,000万円×0.1=3,200万円

具体的な査定金額を知るには、一戸建ての売却実績が豊富な不動産会社に査定を依頼する必要があります。

不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」なら、全国約2,300社の優良不動産会社の中から、一度で複数の会社に査定依頼ができます。

2.築年数別、中古一戸建ての資産価値は?

中古一戸建てといっても築浅物件から築30年を超えるものまであり、築年数ごとに資産価値は異なります。

築25年を経過した一戸建てであっても、建物の状態や立地によっては築15~20年ほどの資産価値を維持した価格で売却できるケースもあります。

そのため、築25年以下の一戸建てにどれくらいの価値があるかを把握しておきましょう。

2-1.築5年以内の一戸建て

築5年以内の一戸建ては、新築時の75~90%の価格 です。

通常、住宅を購入してすぐの住み替えや売却は考えないため、築5年以内の築浅物件が売りに出されることは少なく、希少性(需要)が高いといえます。
不動産取引が活発に行われる流動性の高いエリアや一戸建てがあまり売りに出ないエリアであれば、新築購入額に近い価格で売却できる可能性もあります。

ただし、売却価格を設定するうえで、新築時の販売価格は販売会社の利益や広告費などを含めた価格になっているため、購入した段階で市場価値が1~2割減少することを考慮することが必要です。

2-2.築6~10年の一戸建て

築6~10年の一戸建ては、新築時の50~70%程度の価格まで下がります。ただし、築5年以内の物件と同様、需要は高い傾向です。

購入者が中古物件を探す目安が築10年以内ということもあります。
また、築10年以内であれば、外観や内装も新築物件と変わらない印象を持ちやすく、屋根や外壁のメンテナンス費用をそれほど意識せずに購入判断ができる築年数といえます。

2-3.築11~20年の一戸建て

築11~20年の一戸建ては、新築時の20~50%程度の価格まで下がります。
これくらいの築年数になると、クロスや床、建具、水回りの設備の汚れや破損箇所など、これまでの部屋の使い方が価格に影響しやすくなります。

また、屋根や外壁のメンテナンス時期を迎えることから、塗装やひび割れなど劣化状況やメンテナンスの有無が価格面に影響しやすくなる築年数です。

3.築25年一戸建ての売却方法それぞれのメリット・デメリット

築25年一戸建ての売却方法それぞれのメリット・デメリット

築25年の一戸建てを売却する際のポイントは、建物の利用価値をどこまで考えた売却方法とするかです。ここでは、一戸建ての売却方法と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

3-1.古家付き土地として売却

古家付き土地として売却する方法では、建物の価値を価格に反映させず、土地として売却します。建物の解体費用をかけたくない場合や、築25年以上の建物でも購入者によっては利用価値が見込める一戸建てに適している方法です。

  • メリット:土地を探している人だけでなく、古家をリノベーションしたい購入層をターゲットにできる
  • デメリット:解体費用の価格交渉が入る場合がある

そのため、解体費用も踏まえた価格設定が必要ですが、売り出し価格は問合せや反響の数に影響するため慎重に判断することが大切です。

3-2.更地にして売却

解体費用や家財の処分費用はかかりますが、更地にして売却する方法もあります。

  • メリット:建物がないことで取引しやすく、購入者が現れやすい
  • デメリット:解体費用や家財の処分費用がかかる

購入者が解体費用や手間、時間をかける必要がなくなるため、取引しやすくなり流動性が高くなることが期待できます。

また、建物がないことで土地の状態を把握しやすく、新築する建物をイメージしやすいといった理由からも購入判断がしやすくなります。

3-3.リフォームして売却

建物をリフォームして売却する方法もあります。

  • メリット:リフォームすることで購入後の生活をイメージしやすくなり、売れやすくなる
  • デメリット:リフォームにかけた費用を回収できない可能性がある

リフォームやリノベーションを自分でしたい購入者もいるため、リフォームには注意が必要です。

また、リフォームしたことで建物の価値は上がりますが、売却時に評価されることが難しく、ほかの物件と比べて高値が付けられていると判断される可能も高まります。

3-4.不動産会社の買取を活用

不動産買取は、不動産会社が売主と買主の間の契約を成立させる仲介形式とは異なり、不動産会社自身が買主となる方法です。

  • メリット:内覧対応の必要がないことに加え、現金化までが早く、物件をそのままの状態で売却できる
  • デメリット:買取金額は市場価格より低くなる

不動産会社は買い取った物件をリフォームし、再販売して利益を上げることを目的としているため、買取金額は市場価格より低くなる可能性があります。売却に時間をかけられない、なかなか売れない場合などに活用しやすい方法といえるでしょう。

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4.築25年の一戸建てを高く売却するコツ

築25年の一戸建てを高く売却するコツ

ここでは、築25年の一戸建てをできるだけ高く売却するためのコツを解説します。

4-1.相場を確認する

まずは相場を確認することが大切です。

一戸建ての査定においては、条件の近い土地や物件が見つかりにくい場合もあり、不動産会社によって査定価格に違いが出やすい傾向があります。

査定価格は売り出し価格を決めるベースとなります。正しく判断するためにも、相場を確認しておくことが必要です。

4-2.ホームインスペクションを活用する

ホームインスペクション(建物診断)を活用する方法もあります。中古物件を購入する人は、建物の内部の見えない欠陥や不具合について心配します。
ホームインスペクションを行い安心感を与えることで、購入判断につながりやすくする効果を期待できます。

ただし、診断費用がかかるうえ、すべての欠陥を調査できるとは限りません。そのため、物件の状態に応じて、ホームインスペクションを実施する費用対効果を慎重に判断する必要があります。

※なお、ホームインスペクションは、不動産会社などに依頼できるほか、専門の会社もあり、価格や検査内容が異なります。依頼する場合は、よく調べて選びましょう。

4-3.一戸建て売却が得意な不動産会社に依頼する

高く売却するには、一戸建ての売却に強い不動産会社に依頼することが大切です。

一口に不動産会社と言っても、マンションを専門に扱う会社や新築一戸建てに特化した会社、リフォームの提案が得意な会社などさまざまあります。

売却を依頼する不動産会社は、一戸建ての取り扱い件数や販売ノウハウ、地域情報にどの程度精通しているかなどを含めて判断することが大切 です。

5.築25年以上の一戸建て売却で注意すべきこと

築25年以上の一戸建てを売却するにあたり、注意しなければならない点もあります。
知らないと、トラブルを引き起こしたり余計な費用がかかったりしてしまう場合があるため、事前に把握しておきましょう。

5-1.契約不適合責任を明確にする

1つ目は、売主の契約不適合責任を明確にすることです。契約不適合責任とは、売買契約の目的物が契約内容と異なる場合に、売主が負う責任です。

売主は欠陥箇所や設備の不具合を明確にし、契約内容にしっかりと含めておくようにしましょう。
築25年ともなると、床下や小屋裏などの見えない箇所にも欠陥がある可能性が高くなるため、契約不適合責任を免責にすることも含めて考えることが大切です。

不動産会社に相談しながら、どういった場合に責任を負うのかを明確にしながら進めるようにしましょう。

5-2.土地の境界を明確にする

売主は土地を売却するにあたり、境界を明示する必要があります。境界が明確でない土地でも、売主と買主が合意すれば取引自体は可能です。

しかし、取引後にトラブルとなる可能性があることに加え、土地面積は売却価格にも影響します。
特に地価が高いエリアほど、土地面積が違うことによる売却価格への影響は大きくなります。

隣地との境界が明確であれば安心でき、購入判断がしやすくなるため、境界は明確にすることが大切です。

境界を明確にするためには確定測量を行う必要がありますが、費用や時間がかかるため、不動産会社に相談しながら進めるようにしましょう。

5-3.更地にすると固定資産税が上がる

更地にして売却する場合、土地の固定資産税評価額が6倍になる点には注意が必要です。

固定資産税は、1月1日時点の土地、建物などの所有者に課される税金ですが、住宅用地については特例措置が設けられています。
住宅用地200平米までの部分は、固定資産税については1/6、都市計画税は1/3の軽減を受けることが可能です。

建物を取り壊して売却する場合、売却期間が長くなると固定資産税の負担が大きくなる場合があるため注意しましょう。

出典:“固定資産税・都市計画税(土地・家屋)”.東京都主税局.(参照2024-04-18)

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まとめ

築25年の一戸建ては、建物価値はゼロに近づく一方、土地は築年数の影響を受けません。
そのため、建物の構造にもよりますが、一戸建ては築年数が経過するほど、土地の価格によって価値が決まる資産といえます。

このようななかで築25年の一戸建てをできるだけ高く売却するためには、土地だけでなく建物の利用価値を正しく評価し、売却方法を決めることが大切です。

建物の利用価値を生かしつつ、古家付き土地として売却を進める、あるいは建物を解体して土地本来の価値を最大限訴求するなど、売主の状況によっても判断は変わるでしょう。

そのため、できるだけ一戸建ての売却実績が豊富で、状況に合わせた販売方法の提案をしてくれる不動産会社に依頼することが大切です。

不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」なら、無料で一度に最大6社まで一括査定依頼をすることができるため、不動産会社を比較しながら決めることができます。

査定額に違いが出やすい一戸建ての売却を成功させるためには、複数の不動産会社への査定依頼を検討するとよいでしょう。

この記事のポイント

築25年の一戸建ての資産価値は?

一戸建ての資産価値は、土地と建物それぞれの価値を合わせて算出します。
土地は築年数によって減価しない資産である一方、建物は築20年~25年にかけて資産価値がゼロに近づいていくのです。

詳しくは「1.築25年の一戸建ての資産価値」をご覧ください。

築年数別の資産価値は?

一戸建ての築年数別の資産価値は以下の通りです。

  • 築5年以内:75~90%
  • 築6~10年:50~70%
  • 築11~20年:20~50%

詳しくは「2.築年数別、中古一戸建ての資産価値は?」をご覧ください。

築25年一戸建ての売却方法は?

築25年一戸建ての売却方法は以下の5つです。

  • 古家付き土地として売却
  • 更地にして売却
  • リフォームして売却
  • 不動産会社に買取してもらう
  • そのままの状態で売却

ただし、それぞれメリットとデメリットがあります。

詳しくは「3.築25年一戸建ての売却方法それぞれのメリット・デメリット?」をご覧ください。

築25年の一戸建てを高く売却するコツは?

築25年の一戸建てを高く売却するコツは以下の通りです。

  • 相場を確認する
  • ホームインスペクションを活用する
  • 一戸建ての売却が得意な不動産会社に依頼する

詳しくは「4.築25年の一戸建てを高く売却するコツ」をご覧ください。

築25年の一戸建てを売却する際の注意点は?

築25年の一戸建てを売却する際の注意点は以下の通りです。

  • 契約不適合責任を明確にする
  • 土地の境界を明確にする
  • 更地にすると固定資産税が上がる

詳しくは「5.築25年以上の一戸建て売却で注意すべきこと」をご覧ください。